窪美澄のレビュー一覧
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(2024年2月8日の感想。テスト期間真っ只中、駅の待合室にて。)
英語圏文学演習のレポートのために急遽買って読んだ本。
「性」から離れて「生」からも離れる若者。国が用意するお見合いシステム。「アカガミ」に「志願」する「勇気ある者」。使われる言葉は胡散臭いのにそれに全然気づけなかった。どこか他人事ではない気がして、たかがフィクションだと一蹴できなくて。
私は万年片思い女なので家族以外の人と手を繋いだことすらない、喪女予備軍。「性」からは確実に離れていると感じる。気持ち悪い。人間も動物なんだなって強制的に感じて、とにかく気持ち悪い。私だって親のそういう行為の末に生まれたわけだけど、時々ゾッとす -
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ネタバレ木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。
お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。
ダーリン〜
15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母 -
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ネタバレずっと前に、読んだはずの窪美澄作品を再読中。
覚えてるようなそうでないような…
父を山に棄てにいく
死にたがったのに死ねなかった父親。仕事を続けられず娘のヒモのようになってしまった父親。そんな父親の言った『君の言い方は人を傷つける。』その忠告通り、私は何度も失敗した。そして人生で2度男を捨てる決断をする、父親と夫。反面教師にしたいのにできず過ちを繰り返す自分自身を見ているようで辛くなる。
インフルエンザの左岸から
アルコール、ギャンブル、借金、自殺未遂で何度も警察から呼び出しを受け最終的にソーシャルワーカーのお陰で介護施設に入れてもらえることになった。亡くなっても面倒が押し寄せ、それなのに放 -
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窪美澄さんの小説はたくさん読んできたけれど、同性愛が主題の小説は初めて読んだと思う(他に存在するのかはわからないけど)
高校1年の海(かい)の章からスタートし、ラストは成人した海の章で完結する。その間に、海の継母である美佐子、海が恋した同級生の忍、海と忍の友人である璃子、海の実父である緑亮の章があって、それぞれが抱えてきたものや心情などが綴られている。
若い男の子2人の同性愛の物語ではあるけれど、今流行りのBLとは少し雰囲気が違って(BLの世界にあまり詳しくはないけれど)どちらかというと、葛藤や苦しみ、人としての醜い部分もある感情、などに焦点を当てている物語。
海は幼いころからセクシャル・マ -
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何度も何度も読んでしまう。
私が少年Aに興味を抱いているからだろうか。
うんん、違う気がする。
なぜだかこの小説を読んでいると、私自身の中身も洗い出されているような気がして、苦しくて、たまらなくなる。
普段の倍以上ひとつひとつの文章に感情移入してしまう。
話自体が面白いかと言われたら正直分からない。
ずっと地獄のようなぬめりがまとわりついてくるし、事件のことだけでなく書くということ、夢を見るということすらも地獄なんじゃないかと思うほどずっと暗い。
あとなぜ参考文献に元少年Aの手記がないのかと思ったけれど、これが出版された少し後に出されたからなんだね。
結局は創作だから当たり前なのかもしれな -
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時代を外れた団地
親に捨てられた姉妹
夜間の高校
何となく暗い背景…
重いテーマで進むストーリーだが
登場人物たちが それぞれ個性的で
色んな辛い事情を抱えてる子たちだけど
頑張っていて
応援しながらどんどん読めた
主人公のみかげは
病弱で臆病だけど人に優しく、
かける言葉も素敵でハッとした。
団地でぜんじろうさんと出逢い
少しずつ強くなっていくさまが とても胸熱だった。
この作品では死を連想させる団地だが
ここで生まれ変わった登場人物たち
最後は前向きに、清々しいラストだった。
窪美澄さんの作品は 本当にバリエーション豊かで すごいと感じた。
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家庭環境に恵まれず、生きづらさを抱えた3人が偶然にも出会い、クジラを観に行くことになる。由人が突拍子に「せめてあの迷いクジラを観てから死にましょう!」と野乃花に言う流れが強引で若干無理があり、ツッコミたくなるのだが、極限状態になったら人間何を思いつくか分からないもの。こういう展開は現実にあるのだろう。
3人が出会いクジラを観に行くまで、それぞれの人生が各章で詳細に紹介されているのだが、描写がとても直球でストレート。壮絶な経験を重ねる中で、悔しさ・惨めさ・反骨精神・諦めといった感情を抱え、時には押し殺しながら、3人が静かに1人で戦ってきた様子が描かれている。
苦しんできた3人が行動を共にする -
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ネタバレ良かった。等身大の恋愛を当人たちとその周りの人たちの色々な視点から知ることが出来た。
これも、フィクションだから実際の世界とはもちろん全然違うと思う...が、それでも忍のような海のような璃子のようなキャラクターに出会えてよかった。
学生から大人になる成長の過程に、世で当たり前、普通とされている色々プラス''同性愛者''っていう特にこの国ではまだまだ浸透していない、異色の目で見られるものと一緒に生きていくのは辛かっただろうと思う。でも、忍がこのまま殻に入ったまま生きていくのはもっともっと困難だったように思う。海が来て、海が一緒だったから忍は生きられたんだな -
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主人公の横沢史也の父親は、普段は物静かな性格なのだが、酒が入ると人格が豹変し、母親と息子の史也に暴力を振るっていた。
3歳年下の妹の千尋は、極度の恐怖からか原因不明の視力がなくなる症状が出てしまう程に、家庭は既に崩壊していた。
しかし母親はじっと耐えているだけで、子供二人を何とか守ろうとする姿勢は見えなかった。
史也はそんな母親に不信感を抱きつつも、父親の暴力から弱い母親と妹を守らなければと、子供ながらに使命感を感じていた。
ある日、父親の酷い暴力に反抗した史也は、その後に母親の姉宅で生活することになる。
その理由は、14歳以下の犯罪は罪を逃れることができるということを知っていた史也は、薪割り