窪美澄のレビュー一覧

  • トリニティ(新潮文庫)

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    序盤はやや冗長に感じましたが、登場人物それぞれが選び、それを振り返り、必死になってゆく中盤以降はテンポよく楽しむことができました。
    思ってもみない方向から打ち付けられる展開や心理描写はほとんどありませんが、順当に面白かったです。
    登紀子さんが、新しい夫婦の形を実践しているつもりだった、と気が付いてしまうところが印象に残っています。

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    2024年11月03日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • ははのれんあい

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    平凡な家庭を築き幸せな日々を送るはずだった由紀子。
    普通の奥さんが子供3人を抱えたくましく生きながら「家族は時々形を変えることがある、だけど家族はずっと家族」と語る強さがすごいと思った。
    智晴くん、お兄ちゃんとして、母を支えるナイトとして、けなげさに涙出そうだった。
    智久の再婚相手のカンヤラット、娘のシリラット、さくらと由紀子の双子の寛人、結人が集まって食事するのがすごい。

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    2024年10月24日
  • すみなれたからだで

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    ネタバレ

    ずっと前に、読んだはずの窪美澄作品を再読中。
    覚えてるようなそうでないような…
    父を山に棄てにいく
    死にたがったのに死ねなかった父親。仕事を続けられず娘のヒモのようになってしまった父親。そんな父親の言った『君の言い方は人を傷つける。』その忠告通り、私は何度も失敗した。そして人生で2度男を捨てる決断をする、父親と夫。反面教師にしたいのにできず過ちを繰り返す自分自身を見ているようで辛くなる。
    インフルエンザの左岸から
    アルコール、ギャンブル、借金、自殺未遂で何度も警察から呼び出しを受け最終的にソーシャルワーカーのお陰で介護施設に入れてもらえることになった。亡くなっても面倒が押し寄せ、それなのに放

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    2024年10月18日
  • ぼくは青くて透明で

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    窪美澄さんの小説はたくさん読んできたけれど、同性愛が主題の小説は初めて読んだと思う(他に存在するのかはわからないけど)
    高校1年の海(かい)の章からスタートし、ラストは成人した海の章で完結する。その間に、海の継母である美佐子、海が恋した同級生の忍、海と忍の友人である璃子、海の実父である緑亮の章があって、それぞれが抱えてきたものや心情などが綴られている。

    若い男の子2人の同性愛の物語ではあるけれど、今流行りのBLとは少し雰囲気が違って(BLの世界にあまり詳しくはないけれど)どちらかというと、葛藤や苦しみ、人としての醜い部分もある感情、などに焦点を当てている物語。
    海は幼いころからセクシャル・マ

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    2024年10月16日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    何度も何度も読んでしまう。
    私が少年Aに興味を抱いているからだろうか。
    うんん、違う気がする。
    なぜだかこの小説を読んでいると、私自身の中身も洗い出されているような気がして、苦しくて、たまらなくなる。
    普段の倍以上ひとつひとつの文章に感情移入してしまう。

    話自体が面白いかと言われたら正直分からない。
    ずっと地獄のようなぬめりがまとわりついてくるし、事件のことだけでなく書くということ、夢を見るということすらも地獄なんじゃないかと思うほどずっと暗い。

    あとなぜ参考文献に元少年Aの手記がないのかと思ったけれど、これが出版された少し後に出されたからなんだね。
    結局は創作だから当たり前なのかもしれな

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    2024年10月16日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    時代を外れた団地
    親に捨てられた姉妹
    夜間の高校
    何となく暗い背景…
    重いテーマで進むストーリーだが
    登場人物たちが それぞれ個性的で
    色んな辛い事情を抱えてる子たちだけど
    頑張っていて
    応援しながらどんどん読めた

    主人公のみかげは
    病弱で臆病だけど人に優しく、
    かける言葉も素敵でハッとした。
    団地でぜんじろうさんと出逢い
    少しずつ強くなっていくさまが とても胸熱だった。

    この作品では死を連想させる団地だが
    ここで生まれ変わった登場人物たち
    最後は前向きに、清々しいラストだった。

    窪美澄さんの作品は 本当にバリエーション豊かで すごいと感じた。

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    2024年10月09日
  • 雨のなまえ

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    人の嫌な部分が
    雨のじとじとっとした感じと相まって
    どんよりした気持ちになる読後感。

    嫌な気持ちになるのに中毒性ある感じがして
    私は好みでした。

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    2024年10月03日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    薄皮一枚で繋がっている生というか、常にどんな人も死と隣り合わせで、その中でなんとか生きれるなら生きていく。

    『僕は死なない。たぶん。』
    というラストが印象的だった。
    『たぶん』と最後につくことで、ものすごく現実味あふれる話になった気がする。

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    2024年10月03日
  • ぼくは青くて透明で

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    出会って、どうしようもなく引かれあってしまった海と忍。
    高校生であること、同姓であること、過去にとらわれていること、異質なものを受け入れない土地であること…。息も思うようにできない二人の息苦しさが痛いほど伝わってきました。
    彼らを取り巻く登場人物たちの生きづらさも丁寧に描かれていて、「これは、私だな。」と、共感する人も多いのではないでしょうか。
    章毎に語り手が変わりながら、話しが時系列に沿って進んでいくのもよかったです。

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    2024年09月24日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    家庭環境に恵まれず、生きづらさを抱えた3人が偶然にも出会い、クジラを観に行くことになる。由人が突拍子に「せめてあの迷いクジラを観てから死にましょう!」と野乃花に言う流れが強引で若干無理があり、ツッコミたくなるのだが、極限状態になったら人間何を思いつくか分からないもの。こういう展開は現実にあるのだろう。

    3人が出会いクジラを観に行くまで、それぞれの人生が各章で詳細に紹介されているのだが、描写がとても直球でストレート。壮絶な経験を重ねる中で、悔しさ・惨めさ・反骨精神・諦めといった感情を抱え、時には押し殺しながら、3人が静かに1人で戦ってきた様子が描かれている。

    苦しんできた3人が行動を共にする

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    2024年09月22日
  • 朔が満ちる

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    それぞれ違った苦しみを経験した2人だからこそ、分かり合える何かがあるのだと思う。確実に。
    自分が経験した嫌な出来事を、自分の子供には経験させたくないってものすごく共感だなあ。

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    2024年09月08日
  • ぼくは青くて透明で

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    ネタバレ

    良かった。等身大の恋愛を当人たちとその周りの人たちの色々な視点から知ることが出来た。
    これも、フィクションだから実際の世界とはもちろん全然違うと思う...が、それでも忍のような海のような璃子のようなキャラクターに出会えてよかった。
    学生から大人になる成長の過程に、世で当たり前、普通とされている色々プラス''同性愛者''っていう特にこの国ではまだまだ浸透していない、異色の目で見られるものと一緒に生きていくのは辛かっただろうと思う。でも、忍がこのまま殻に入ったまま生きていくのはもっともっと困難だったように思う。海が来て、海が一緒だったから忍は生きられたんだな

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    2024年09月07日
  • 朔が満ちる

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    主人公の横沢史也の父親は、普段は物静かな性格なのだが、酒が入ると人格が豹変し、母親と息子の史也に暴力を振るっていた。
    3歳年下の妹の千尋は、極度の恐怖からか原因不明の視力がなくなる症状が出てしまう程に、家庭は既に崩壊していた。
    しかし母親はじっと耐えているだけで、子供二人を何とか守ろうとする姿勢は見えなかった。
    史也はそんな母親に不信感を抱きつつも、父親の暴力から弱い母親と妹を守らなければと、子供ながらに使命感を感じていた。
    ある日、父親の酷い暴力に反抗した史也は、その後に母親の姉宅で生活することになる。
    その理由は、14歳以下の犯罪は罪を逃れることができるということを知っていた史也は、薪割り

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    2024年09月06日
  • ははのれんあい

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    夫の実家が経営しているミシン工房を手伝っていたけど、妊娠・出産を機にお休みしなければならなくなった。
    その後またミシンを踏みたいと復帰を願い出るも業績不振でそんなに仕事が無いと。
    それならばと他で仕事を探すも夫からは「子供より仕事が大事なのか」と言われてしまう。

    だんだんすれ違って行く2人。

    何がいけなかったのだろう?

    後半はそんな親をもつ長男の智晴の話。

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    2024年09月06日
  • ぼくは青くて透明で

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    普通に臆することなく、自分を表現できる海が、純粋で眩しかった。心から愛し育てられれば、揺らぐものがないのだな。信頼できる人に育てられることは、子供にとってとても幸せなのだ。
    BLが加わったお話し。少し身構えながら読み進めたが、とても読みやすく、先が気になってどんどん引き込まれました。登場人物たち各自の視点で、心の葛藤、移ろいが繊細に、かつ人物が個性的に描かれていました。登場人物の気持ちに一喜一憂、痛いほど伝わる。特に、美佐子、璃子の章が良かった。
    子供には自由に生きてほしい。しかし自由は意外と難しい。子育て、家族、そして愛情の形をつい振り返ってしまいそうなお話し。緑亮の最後の展開は、自分的には

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    2024年08月30日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    3人の主人公が抱える絶望感に心苦しくなりながらも、それでも生きようとする3人の姿に救われたような気がした作品でした。

    本作の主人公は3人いて、1人はデザイナー会社に働く由人、そのデザイン会社を経営する野乃花。そして高校生である、正子。この3人は自らの境遇に深く絶望し、自ら命を断つことを考える。そんなおり、ニュースでクジラが座礁したと知り、人生の最後としてそのクジラを見に行くことにするというストーリー。

    まず素晴らしいと思ったのは、3人の抱える絶望的な境遇の描写です。親の愛情から見放される描写、窮屈な島暮らしの中で、若気の至りで子どもを妊娠してしまう描写、親の過保護が行き過ぎてしまい、親に縛

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    2024年08月28日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    色んな家族の物語、人々の悩みや葛藤を描きながらもホロッとする内容だった
    特にかそけきサンカヨウが好き

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    2024年08月12日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    ネタバレ

    何冊か窪美澄さんの本を読んだことがあったので、わりと軽い気持ちで読み始めたが内容はかなりしんどいものだった。

    ハルノブは人の中身が見たいと言っていたが、私たちのような読書するタイプの人間も結局人の中身が見たいのだと思う。

    涅槃(ニルヴァーナ)には辿りつかず、地獄を歩き始める本なので病んでる人は読まないで。

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    2024年08月02日
  • 朔が満ちる

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    とても良かった。
    テーマ重たいんだけど、文体も読みやすくてサクサク進む。
    子供の時はそれなりにふだれたりはあったけど、こういう本読むとやっぱり教育と暴力は違うよな、としみじみ思う。

    解説の早見和真さんも言ってたけど、最後の30数ページ、蛇足っちゃ蛇足だけど、あそこがあることで読後感はとてもよいしあれはあれであり。

    フィクション要素もあるはあるけど是非色んな人に呼んでほしい一冊。

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    2024年07月29日