窪美澄のレビュー一覧
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15歳のみかげは、姉の七海と2人で暮らしている。生まれたときから住む家は、お年寄りが多い古びた団地だ。
姉と助け合いながら、工場でのバイトと定時制の学校で2人の友人むーちゃん、倉梯くんと穏やかに過ごす日々を送っていたみかげ。
ある日、団地警備員を名乗るおじいさん、ぜんじろうさんの半ば強引な誘いで、みかげは団地警備員に任命される。
今作ではそれぞれの登場人物の背景はあまり描かれていない。現在の悩みや苦しさも、主人公であるみかげ以外はあまり描かれない。
しかし、登場人物たちは皆それぞれ違った優しさを持っていることが、言動から伝わってくる。
それだけでなく、その優しさの背景にはこれまでに様々な傷や -
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子供がいる未来か、いない未来か。
手探りで選択しつつある夫婦の形。
5編の家族。
解説は渡辺ペコさん。渡辺さんのコミックも「1122」「にこたま」等、いつも夫婦の形を考えさせる素敵な作品が多い。
窪さんと渡辺さんは、テーマが似ているのかなと思う。
“子を生す、持つ”
“家族を作る”
ご自身も答えを探しながら書いている。
しかも まだ納得も理解もしていないとのこと。
短編ですが、5編とも、子供を持つことに対してしっかり考える。子供だけが、人生の糧でないことも考える。すれ違う気持ちも大切にする。
そして、それぞれの家族のみらいを読者に委ねる。
ただね、こんなに考えちゃったら、家族を持つ事が不安 -
Posted by ブクログ
ネタバレわかりみがすぎる。深すぎる。
以前シングルマザーだった頃、年下の男の子に僕と恋愛してくれと迫られた事がある。
対象として見た事もなかったし、子供の方が年齢近いやんかと丁重にお断りしたけれど、やっぱり本音言うと嬉しかったなぁ。
セフレでもいいからと食い下がってきた時は笑ってしまったけど(笑)
(↑今思えば気まずくならないように笑わせてくれたのかなと…いやそもそもこっちが目的だったのか?笑)
お断りした後も何度か顔を合わせる機会があって、なんとなーく、ほんのちょーっぴりいつもより小綺麗にしていた私は、確実に女やったと思う(笑)
この件に関しては1ミリも後悔とかしてないけど
あの時こうしていたら…こ -
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ストーリーに納得できないところは、ある。
優しく穏やかなれば、なんでも許されるんですかねって思う。
それでも、読ませる。
こういう家族の形を認めさせてしまう。
前半は、“はは”の視線。
普通の会社員の家庭で一人娘として、おっとりと育った女性。家族で自営業の男性と結婚して一緒に働き始める。長男が生まれ、仕事が薄くなり、夫はタクシードライバーとなる。
家計を助けるため保育園に息子を預けて慣れない仕事を始める。ははは、将来を見据える。家庭の安定を求める。そのあたりから、穏やかな夫との間にズレが生じる。
後半は、高校生となった長男の視線。
長男は、父親譲りの優しさで、家事を受け持ち、双子の弟の面倒 -
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ある団地を抱えるまちを拠点としたダークな短編集。
何の前情報もなく読み始めてしまったが、よく見ると各々のタイトルが妖しい。
どろっとして真綿で首を絞められるような、ずぶずぶと泥沼にハマっていく感じ。
読んでいるとじわりと不穏な空気がまとわりついてくる感じ。
でも嫌いじゃない。先が気になって結局全話あっという間に読んでしまいました。
『トワイライトゾーン』
母親の介護のため実家に戻った高校教師が歓楽街のある一軒の店に入って出会った少年らしき男性のことが忘れられず・・・。
『蛍光』
文具店を営んでいた父親が亡くなり、家の整理に帰った娘は、ノートを買いに来た少年をきっかけに、小学生の頃に亡くなっ -
Posted by ブクログ
ネタバレリアルで温かくて、やっぱり窪先生の話は
唯一無二だと思う!!
第1部は由紀子の子育ての奮闘を描いていて、
第2部は長男智晴の想いが描かれている。
第1部を読んで思ったことは、無償の愛を注ぎ続けてくれた母の偉大さだ。自分の人生を二の次で、子どものために動き続ける由紀子を見て、純粋にすごいしか出てこなかった。そして寛人と結人が生まれても、智晴のこともしっかりと愛する姿を見て、智晴の母への無償の愛はここから生まれたのだと強く思った!!
第2部では、母子家庭になった家族を智晴が支える話。そして智晴と由紀子の恋愛模様も描かれる。
智晴は父の再婚相手の子どもと高校の同級生になってしまったり、幼なじみ