窪美澄のレビュー一覧

  • 給水塔から見た虹は

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    ネタバレ

    読み進めるのが苦しかった。
    桐乃もヒュウも、その境遇の中で生きていこうとする姿が痛々しくて…。
    でも中学生だから自分の人生を受け入れて生きていくしかない。
    ヒュウがだんだん悪い方へ引きずられていってしまうのとか、もうどうしようもないなと側から見てて感じた。
    何かしてあげられたか?と言われると、もうそうなるしかなかったのかな、なんて。

    私自身はまだ外国人が身近じゃない世代、場所で育って、周りは日本人だらけが当たり前だった。
    桐乃みたいに、当たり前に周りに外国人がいて、言葉も通じない中一緒に学校生活を送って…ってこれから増えていくのかな。
    環境を選べない子供達が、辛い思いをすることがないといいな

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    2025年11月06日
  • 給水塔から見た虹は

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    ネタバレ

    主人公の桐乃と、同級生のベトナムルーツ日本生まれで日本語が苦手な少年ヒュウと、桐乃の母親の里穂の3人の主観から紡がれてゆく物語。
    在日外国人の問題はもちろんですが、個人的には母子の問題として読みました。

    里穂、ヒュウの母親、どちらも子供からしたらきついです。

    夫に捨てられたシングルマザーのヒュウの母親が、日本で朝から晩まで働いて子供に目を向ける余裕がないのは、現状から見たらやむを得ない部分はあるのかなと思いました。でもあと数歩で完全なネグレクト。

    対して桐乃の母の里穂は自分から、視界の中央に困っている外国ルーツの人達を置いて、やりすぎるお世話・お節介をするイネイブラーに見えます。
    グエン

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    2025年11月05日
  • 夜に星を放つ

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    ちょっぴり切ない5話からなる短編集。
    ただ生きているだけで、思いもよらない哀しみがやってくる。

    ・真夜中のアボカド
    ーーー婚活アプリで恋人を探す。
    フリーでプログラマーをしているという麻生さんは、妙に女慣れしていなくて、前に出会った人みたいに食事の後すぐに、ホテルに行こうとも言わなかった。

    ・銀紙色のアンタレス
    ーーー 16歳の夏。僕は田舎のばあちゃんちで、泣いてるような顔で赤ちゃんを抱えたあの人に出会う。
    幼馴染の朝日は言う「水着着たわたし、かわいかった?」

    ーーー真珠星スピカ
    酷いイジメにあっている私は、今日も保健室にいる。
    亡くなった人は話すことができないのだと知ったのは、死んだ母

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    2025年10月31日
  • じっと手を見る

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    田舎の閉塞感と人間の弱さ•脆さ•不確かさみたいなものが真綿のように詰め込まれた本。

    地方は向上心を持たなくてもいいし、
    限られ、閉ざされたコミニュティのなかで
    やるせなさと共に傷を舐め合うんよな。

    故郷を思い出した。
    まあ流されるっていうのも一興なんですけどね。

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    2025年10月28日
  • じっと手を見る

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    自分にはもっと違う生きかたがあるんじゃないか、こんなはずじゃなかったと感じた隙間に出会う人や出来事、、、。
    登場人物は歪んだ一面を持ちながらも懸命に生きていて、愛しい気持ちで読み進めることができた。人間ってみんな戻るべき場所に戻っていくものかもしれない。
    根無し草のようにいなくなった畑中真弓と裕紀が幸せであれと、この先が気になってしまった。

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    2025年10月16日
  • 夜に星を放つ

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    別れや喪失感をもつ人たちのストーリーに星座をからめた短編集。
    全て切ない話だけれど主人公が前向きで、悲しみすぎないちょうど良い加減の描写だった。

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    2025年10月13日
  • ぼくは青くて透明で

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    ネタバレ

    窪美澄さんの作品に出てくる登場人物が好きなので読み始めた。
    海は、繊細かと思いきや、幼少期のことがあり、さっぱりした性格。
    忍と恋に落ちる過程はこの2人が惹かれ合うの?ってびっくりしてしまった。

    緑亮さんは結局、海を捨てたけど、幼少期の海を受け入れ、肯定し続けた点は良い親だと思う。
    そして、みさこさんは素敵な人。
    海だけでなく、忍や璃子のことも大切にしてくれる素敵な人。
    みさこさんのセリフが心に残った。
    「海と緑亮さんと家族だった毎日は奇跡みたいな瞬間の連続だった。」
    家族って当たり前にあるものじゃないんだなぁと。
    みさこさんは自分にとって何が大切か、何が幸せか、ちゃんと理解できている人なの

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    2025年10月10日
  • じっと手を見る

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    「はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」
    という石川啄木の短歌は教科書にも出てくるくらい有名な国民的短歌らしい。(知らなった。)

    この小説は恋愛小説だが、主人公の日奈と海斗は介護士の仕事をしており、この石川啄木の歌は二人の生活をまさに言い表している。恋愛だけでない色んなことを伝えてくれる小説だと思う。

    狡くて滑稽だけど、優しくて愛らしい、すごく矛盾した、一筋縄ではいかない人間の姿が書かれている。恋愛の胸キュンというよりも、日々の暮らしと労働をメインに、誰かに支えてもらわないと生きていけない矛盾だらけの男女の様子を描いている。

    海斗の日奈への一途な想い

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    2025年10月06日
  • ルミネッセンス

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    トワイライトゾーン
    バツイチ、子無しの50代男性。
    職業は女子高教師。
    面倒なことに巻き込まれないように気をつけて生活している。
    勤務が終わった後、居酒屋に寄るが、そこで少年に出会ったことで感情の変化が生まれる。

    蛍光
    父が死んだ。
    父がやっていた店と家を壊そうと姉が言う。
    でも、店にやってくる少年に自分の気持ちがざわつく。

    ルミネッセンス
    中学の時のクラスメート、礼子と会うようになった。
    身体の関係はないが、それで不倫ではないと言えるのだろうか。

    宵闇
    自分はいじめにあっている。交通事故で顔に傷があることが原因だ。
    でも負けたくない。
    近くに母の父、おじいちゃんが住んでいて、食事を届け

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    2025年10月02日
  • ぼくは青くて透明で

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    まずは、タイトルに惹かれました。

    同性愛を中心とした物語。
    海と忍の性格が対照的なのがいいと思った。
    第一話から第五話、最終話と章ごとに主人公が変わるので、それぞれの視点で話が読めます。
    視点によって、印象が変わる感じがいいなと思います。

    人が誰を好きになるのかは、個人の自由。
    好きになった人が、たまたま同性だっただけ。
    ただそれだけのこと。

    海が忍に言った「忍が生きたいように生きればいいんだ」。
    緑亮が言った「海は海、コロはコロ、美佐子さんは美佐子さん、俺は俺、みんなそれぞれ違う人。だけどいっしょにいたいから」。
    というように、自分らしく生きることが大切なんだと改めて思えた作品でした。

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    2025年09月28日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

     登場人物全員が思い通りにいかず、もがき、それでも、思い通りにいかないにしろ、自分の居場所を見つける様子が胸に沁みた。

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    2025年09月22日
  • 夜に星を放つ

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    2022年上半期、直木賞受賞作。
    コロナ禍。様々な理由で大切な人を失った人々が、夜空の星に勇気をもらいながら、人生の新しいチャプターへ歩み始める様子を描いた短編集。

    タイトルと、登場人物と、キーワードを。

    「真夜中のアボカド」
    綾、麻生さん、弓、村瀬君、マスク、マッチングアプリ。

    「銀紙色のアンタレス」
    真、ばあちゃん、朝日、たえさん、田舎、海。

    「真珠星スピカ」
    みちる、母さん、滝澤さん、尚ちゃん(船瀬先生)、三輪先生、いじめ、保健室登校、こっくりさん。

    「湿りの海」
    沢渡、希里子、希穂、園部、宮田さん、船場さん、沙帆ちゃん、合コン、ダディ、夜泣き、虐待。

    「星の随(まにま)に」

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    2025年09月06日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    5人の作家さんが恋愛をテーマに描いた短編集。年齢も様々な登場人物が物語を動かしている。人の数だけ恋愛の形があると感じさせてくれる本。特に原田マハさんの「ドライビング・ミス・アンジー」が面白かった。甘くて、切ない。

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    2025年09月05日
  • アニバーサリー

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    母親が売れっ子の料理研究家の娘の真菜、戦時中に子育てに奮闘したマタネティスイミングインストラクターの晶子 。
    二人の人生、子育てを描いた作品。
    それぞれに負を抱え前向きに人生を謳歌しているが、闇の部分もある。
    女性は強く、そして繊細である事を考えさせられた。

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    2025年08月23日
  • 夜に星を放つ

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    娘が2週間ほど入院してしまい、入院付き添いの暇つぶしのために病院のコンビニで買った本。
    コロナ禍における人の喪失感などを描いた短編集。
    日常を取り戻してしまった今、このテーマはセンセーショナルでなくなっているし、映画ファンの私としては『あんのこと』で一通り怒り切ってしまっているので、序盤はありきたりな作品に思えてしまった。
    しかし4話目、5話目は秀逸だった。
    4話目「湿りの海」のじっとりとした孤独感は凄い。
    5話目「星の随に」では人間の存在と関係性を星座に例えて表現した良作だと思う。

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    2025年08月11日
  • たおやかに輪をえがいて

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    ネタバレ

    女性は、長らく、自分の人生を自ら選択して歩むことが難しかった。できるよ、と言われても、多くは慣習や前例によって阻まれた。時代が流れて、できる女性とできない女性、しなくてもいい女性とせざるを得ない女性、ときに分断が生まれることもあり、主体的に人生を歩むことに対する否定的ななまなざしはなかなか減少しなかった。
    その理由のひとつにロールモデルが少ないことはあるけれど(できる女性とせざるを得ない女性がいるのでいるはいる)、それ以前に自分が置かれてる状態への違和を感じるきっかけがなかなかないことも理由のひとつだと思う。主人公のように、夫の風俗のカードを見つけたりしない限り。また、違和を感じても、自ら選択

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    2025年08月10日
  • 夜に星を放つ

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    直木賞受賞作品。近年のものはなんだか合わないと感じていたけど、やっぱり合わない。
    プロットは素敵。すべてのストーリーに星が絡んでいて、昔好きだった天体観測をまたしようかななんて思った。理由はないけど星ってやっぱり素敵。
    ただ肝要のストーリーの中身は薄暗い雰囲気のものばかりであまり好みでない。唯一「銀紙色のアンタレス」は夏の甘酸っぱい真と朝日のストーリーが良かった。とりあえず星空に関する本を買おう。そんな風に思える本でした。

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    2025年08月09日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    略奪愛をテーマに、ということでもっとドロドロとした無情で無慈悲で綺麗事なしの恋愛を期待していたけど、その期待は外れた。あくまで個人的な見解だけれど、一般的な略奪愛のイメージではなく、「偏愛」アンソロジーの意味合いが強いと思う。
    そういう意味では個人的には肩透かしを食らった気分だったけど、ひとつひとつのストーリーは面白かった。特に文鳥の話はお気に入り。

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    2025年08月07日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    2025-07-27
    大半は辛い。特に2章、社長の話は読むのが苦痛だった。たぶん、その状況だけは自分に絶対理解できないものだから、余計に辛かったのだと思う。
    世界は自分のせいではなく残酷で、クジラは自分とは無関係に存在している。けれど、自分もクジラとは無関係に存在しているし、存在していていいんだ。

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    2025年07月27日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    短編小説。みんな何かしら思い通りにいかなく葛藤を抱えている人のstory。どの物語も最後ほっこり(◍︎´꒳`◍︎)みんななんだかんだいろんな悩みはあるけど、懸命に生きよう❣️

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    2025年07月26日