窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
4人それぞれにスポットを当てて物語が描かれていて、それぞれの心情も事細かに書かれていた。
生きることは、決して綺麗なことばかりではない。
誰かを好きになることも、誰かと一緒に生きることも、思い通りにはいかない。
分かるという共感よりか、一人一人の人生をそっとのぞかせてもらったような感覚だった。
どうして、自分のことを好きでいてくれて、必要としてくれる人ではなく、そうではない人を好きになってしまうんだろう。
人を好きになる気持ちは、理屈ではどうにもならないものなのかもしれない。
読み終わったあと、登場人物たちの人生が静かに心に残る一冊だった。 -
Posted by ブクログ
初めましての窪美澄さん。
まずはたくさん賞を取ったデビュー作から。
この本を紹介していた人がいて
タイトルも気になったのも相まって読んでみました。
思春期のやりきれない気持ちを描くのが上手な人だなと。
それを支える周りの人たちの何をするわけではないのに、温かさを感じたり。
でもどうしようもない感情とか、それを理解しても周りがどうしようもできないことってあるよね。。。
なんか思春期じゃなくとも
人生終わるかもって思った瞬間を経験した人も多いはず。
そこから抜け出すのって結局自分自身でしかないんだよね。
窪さんの別の作品も読んでみたいと思いました。
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Posted by ブクログ
◼️ 窪美澄「アカガミ」
ふむ、極端なシチュエーション。国による見合い同棲システムに応募した初対面の男女の間にはやがて愛が芽生える、が・・
窪美澄は本屋大賞2位「ふがいない僕は空をみた」がラスト近く、意外にグッと泣かせる物語で、続く「晴天の迷いクジラ」も塗りつぶしてからどこかに光を探す話だったかな。人にいただいた「夜のふくらみ」でテーマ性が変わったかな、と感じしばらく読んでなかった。
2030年代、若い男女は恋愛、結婚の意識がなくなり、自然出生率はさらに低下していたー。
両親が離婚し、うつ病になった母。ナツキは介護の仕事をしながら母と暮らしているが、絶望を感じ薬で自死しようとしたところを年配の女性・ログに救われる。心を許せる相手になったログと話すうちに政府のお見合いシステム「アカガミ」.への参加を勧められる。
「アカガミ」は応募の男女をあらゆる角度から分析し、理想の相手を選んで同棲させ、子供を産ませる。関係解消、相手のチェンジも自由、そもそも希望制。住居、家具、食事等は完全支給、医療体制や残された家族のケアまで完璧。
男性経験のないナツキはいまの生活からの脱出と新しい人生への期待と好奇心を胸に応募し、夫となるサツキと出会うー。
似たような設定の小説を読んだ気がする。精巧に、都合よく組まれたギミック。その中で編まれる初期の恋愛。組み合わせは考え抜かれているという設定とはいえ、なかなかおもはゆい面がある関係性から進展していく過程が、逆にひと昔まえのお見合い婚のようでリアルにも感じる。思い入れも持ちつつサクサクと読んでいく。
なんとなく予期はしていたけれど、結末は正直唐突で切れが悪い。ちょっと納得できないかなというところだった。うーん。出来すぎたシステムの中で展開されるものの行く末に期待してたのだが・・。
ただ、窪美澄ならでは、女性の身体と心に寄り添うような風合いみたいなものは再認識できたような。特にナツキの成長には独特の微笑ましいものを感じる。
直木賞候補になったという「じっと手を見る」でも読んでみようかな。 -
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絶対裏切らない窪美澄。
今作も素晴らしかったのだが、
どうしても主人公『海』と『忍』のリアリティが欠けた印象があり、
おもしろいのに入り込めるところまでいかなかった。
だがしかし、この2人を除く登場人物のリアリティはすさまじく、
第二章は涙必須。
そしてやはり、窪美澄は暗い。
どんなに幸せな状況でも
心の隙間風や、どうにもならない自身への葛藤を拾い上げて、見ないことにするということを絶対に許さない。
それが人生の愉しみの一つとでも言わんばかりに突きつけてくる。
同姓同士の恋愛をテーマにしているが、
誰かと共に生きるそれぞれの人の心を
あぶりだす、恋愛ものとはまた一味違う作品になっている。
青くて透明な彼らが
いかんなく自身を発揮できますように! -
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郊外の古い団地には外国人が多く住むようになり、そんな団地で育つ中2の桐乃、ベトナム人のヒュウ、桐乃の母里穂の3人の視点から描かれた小説。
桐乃の抱える寂しさや孤立、ヒュウの受けるイジメや生きづらさ、外国人を助けるために奔走して娘を見ていない里穂。全体的に苦しくなるような状況。
桐乃とヒュウの中で共鳴する何かがあったから近づいたのだと思う。団地での息苦しさ諸々で夏休みに団地を出るふたり。そこで出会う技能実習生やヒュウの祖父から聞くボートピープルの話。本当に過酷で考えさせられる。
桐乃の母との関係はこの件をきっかけに好転する兆し。外国人をほっておけない気持ちを見るとやっぱり親子なのだなぁと思う。
ヒュウの厳しい状況はそう簡単には変わらないだろうし、現実は甘くないと感じさせられます。
胸が苦しくなる内容ではあるけど、読んで良かったと思いました。
子どもと大人の間にいる桐乃とヒュウの柔らかい心が、傷を負いながらも少しずつ動き出しそうな気配に希望をつなぎます。幸せになれなすようにと願って止まない。 -
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少年同士の恋と、それを取り巻く登場人物の視点で描かれるオムニバス形式の恋愛小説。
普通とは何なのか、普通でない生き方とは。
きっと普通なだけの人なんていない。
だけど、普通じゃない生き方に当然ついてまわる葛藤がある。
だからこそ、出会える何かがある。
そんなことを感じさせてくれた小説。
窪美澄という作家、凄く好きなのである。
どうしても窪さんの作品となると色眼鏡をかけてみてしまい★4つにしそうになったけど
冷静に★3つ。
というのも、窪美澄が好きな理由は、
『リアルな感情を活字で表す圧倒的天才』だから。
もう窪作品、読んでるだけで「天才かよ…窪美澄…怖いよあなた天才かよ…わかる。ほんとわかる…」とかブツブツ言いながら読まされること多いんですよほんと。
今作もしっかりとその手腕と才能は遺憾無く発揮されており、特に二人目の語り手の話は(5人の視点で一話ずつ描かれる群像劇)もはやそれ1つで名作短編を読んだ気になるほど良かった。
だが、しかし。
この物語に出てくる二人の少年、こちら二人が当然主人公とその恋愛相手なのだからメインキャラクターなんだけど、ここのキャラクターがリアルじゃない。
描きたいことはわかる。
存分にわかる。
設定も展開も、二人の違いも差も、
すれ違いも良かった、良かったんだけど、
キャラクターがリアルじゃなかった。
もはや周りの登場人物、ここで言うなら他の視点3人の方がよりリアルなのである。
窪美澄は感情をリアルに活字化できる天才である。
だけど、登場人物がリアルでなければその感情もまたリアルさを欠いた、そんな風に思う。
作品として登場する人物は一風変わったキャラクターたちばかりである。
そもそもそれが作品のテーマであり、「普通とは違う」とカテゴライズされてしまう人たちの物語である。
女の子みたな趣味嗜好を持つゲイの少年だったり
自分の子どもではない子を育てる女性であったり
夢の為に子を捨てる父親だったり
腐女子でいじめられてる泣き虫の女子だったり。
変わってると言われる人物のその変わってると言われる所以をリアルに描写できれば窪美澄の才能をもってすればもっと心に深く染みるような作品になったのではないかと思う。
どうも主人公カップルの少年のキャラクターが、作られた枠の中から飛び出して生きてなかったなと感じる。
とはいえ、
作品としておもしろくなかったかと言えばそんなことはなく。
やっぱり窪美澄の作品はいいなと思えるものではあった。
あと、作中に何度か、やはり窪美澄だなと思わせる強烈なセリフや文章があり、
まぁ結局窪美澄好きだわやっぱり。
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Posted by ブクログ
『週刊文春WOMAN』掲載。2024年1月、文藝春秋より単行本化。
コミカライズもされている作品です。
幼い頃から、自分の性的な嗜好に違和感を抱いてきた少年。恋愛対象が同性であることも、自分では認識しています。
そして、彼を取り巻く家庭環境もまた複雑です。彼の実の母親は家庭を離れ、父親は再婚相手に少年を預けたまま、自分のやりたいことのために家を出てしまう。
そんな少年を育てる義母、彼に想いを寄せる同級生男子、友人となる少女、そして父親。それぞれの視点から描かれる連作短編集です。
LGBTQを主題に据えながらも、それだけにとどまらず、傷ついた少年たちの気持ちをどうにか救い上げようとする物語です。
ただ、私には全体的に焦点がぼやけた印象でした。LGBTQを描くのか、家族の再生を描くのか、それぞれの人物の物語を描くのか、どれも少しずつで終わってしまったように感じます。特に主人公の父親はあまりにも身勝手で、その存在が最後まで引っかかりました。
それでも、二人の少年が最後に見つけた将来への目標には希望があり、良いラストとなりました。 -
Posted by ブクログ
高校の同級生5人。
一番の美人で頭の良い小説家希望の菜乃子が自殺したのをきっかけに5人のそれぞれの関係をあぶりだす?
5人5様の人生、みんな一筋縄ではいかない悩みを抱えてる。
それぞれの好きな相手が男が男だったり(健太が達也)、女が女だったり(倫子が菜乃子)を死んだ菜乃子が俯瞰して語る章が好きだった。
死んだ理由はホルモンのバランスかもなんて言ってたけど、案外そんなものなのかもしれないって思った。
あんなに毛嫌いしてた健太は宗教の幹部になっていてそこに到達するまでの話しが読みたかったかも。
老人になった達也、最期は穏やかに逝けて良かったね。
菜乃子はずっと見ていたんだね。