窪美澄のレビュー一覧
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中学2年の春から夏、期間にすればほんの数ヶ月。
外国の人も多く暮らす団地に住む、同じクラスの桐乃とヒュウを軸に物語は進む。
私が子供の頃よりは、外国にルーツをもつ人を町で見かける事も増えたけど、自分の生活にがっつり関わっているかといえば、地域差が大きいように思う。
そこに住んでいない、当事者ではない私が、ヒュウや桐乃の気持ちを分かったつもりになるのは失礼かもな、って思いを持ちながら読み進めた。
桐乃の母は手助けがライフワークになっていて、桐乃はそこに納得できないし、ヒュウの母は毎日の生活に必死でヒュウに向き合う時間も寄り添う気持ちも作り出せない。
ヒュウや桐乃の気持ちも分かるけど、母親の気持ち -
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ネタバレ窪美澄さんの作品に出てくる登場人物が好きなので読み始めた。
海は、繊細かと思いきや、幼少期のことがあり、さっぱりした性格。
忍と恋に落ちる過程はこの2人が惹かれ合うの?ってびっくりしてしまった。
緑亮さんは結局、海を捨てたけど、幼少期の海を受け入れ、肯定し続けた点は良い親だと思う。
そして、みさこさんは素敵な人。
海だけでなく、忍や璃子のことも大切にしてくれる素敵な人。
みさこさんのセリフが心に残った。
「海と緑亮さんと家族だった毎日は奇跡みたいな瞬間の連続だった。」
家族って当たり前にあるものじゃないんだなぁと。
みさこさんは自分にとって何が大切か、何が幸せか、ちゃんと理解できている人なの -
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「はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」
という石川啄木の短歌は教科書にも出てくるくらい有名な国民的短歌らしい。(知らなった。)
この小説は恋愛小説だが、主人公の日奈と海斗は介護士の仕事をしており、この石川啄木の歌は二人の生活をまさに言い表している。恋愛だけでない色んなことを伝えてくれる小説だと思う。
狡くて滑稽だけど、優しくて愛らしい、すごく矛盾した、一筋縄ではいかない人間の姿が書かれている。恋愛の胸キュンというよりも、日々の暮らしと労働をメインに、誰かに支えてもらわないと生きていけない矛盾だらけの男女の様子を描いている。
海斗の日奈への一途な想い -
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トワイライトゾーン
バツイチ、子無しの50代男性。
職業は女子高教師。
面倒なことに巻き込まれないように気をつけて生活している。
勤務が終わった後、居酒屋に寄るが、そこで少年に出会ったことで感情の変化が生まれる。
蛍光
父が死んだ。
父がやっていた店と家を壊そうと姉が言う。
でも、店にやってくる少年に自分の気持ちがざわつく。
ルミネッセンス
中学の時のクラスメート、礼子と会うようになった。
身体の関係はないが、それで不倫ではないと言えるのだろうか。
宵闇
自分はいじめにあっている。交通事故で顔に傷があることが原因だ。
でも負けたくない。
近くに母の父、おじいちゃんが住んでいて、食事を届け -
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まずは、タイトルに惹かれました。
同性愛を中心とした物語。
海と忍の性格が対照的なのがいいと思った。
第一話から第五話、最終話と章ごとに主人公が変わるので、それぞれの視点で話が読めます。
視点によって、印象が変わる感じがいいなと思います。
人が誰を好きになるのかは、個人の自由。
好きになった人が、たまたま同性だっただけ。
ただそれだけのこと。
海が忍に言った「忍が生きたいように生きればいいんだ」。
緑亮が言った「海は海、コロはコロ、美佐子さんは美佐子さん、俺は俺、みんなそれぞれ違う人。だけどいっしょにいたいから」。
というように、自分らしく生きることが大切なんだと改めて思えた作品でした。 -
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2022年上半期、直木賞受賞作。
コロナ禍。様々な理由で大切な人を失った人々が、夜空の星に勇気をもらいながら、人生の新しいチャプターへ歩み始める様子を描いた短編集。
タイトルと、登場人物と、キーワードを。
「真夜中のアボカド」
綾、麻生さん、弓、村瀬君、マスク、マッチングアプリ。
「銀紙色のアンタレス」
真、ばあちゃん、朝日、たえさん、田舎、海。
「真珠星スピカ」
みちる、母さん、滝澤さん、尚ちゃん(船瀬先生)、三輪先生、いじめ、保健室登校、こっくりさん。
「湿りの海」
沢渡、希里子、希穂、園部、宮田さん、船場さん、沙帆ちゃん、合コン、ダディ、夜泣き、虐待。
「星の随(まにま)に」 -
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ネタバレ女性は、長らく、自分の人生を自ら選択して歩むことが難しかった。できるよ、と言われても、多くは慣習や前例によって阻まれた。時代が流れて、できる女性とできない女性、しなくてもいい女性とせざるを得ない女性、ときに分断が生まれることもあり、主体的に人生を歩むことに対する否定的ななまなざしはなかなか減少しなかった。
その理由のひとつにロールモデルが少ないことはあるけれど(できる女性とせざるを得ない女性がいるのでいるはいる)、それ以前に自分が置かれてる状態への違和を感じるきっかけがなかなかないことも理由のひとつだと思う。主人公のように、夫の風俗のカードを見つけたりしない限り。また、違和を感じても、自ら選択 -
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喪失と星をテーマにした作品でした。
双子の妹を亡くした女の子の話。
交通事故で亡くなった母が幽霊になってそばにいる話。
離婚によって両親と過ごす空間を失ってしまった男の子の話などなど。
1番好きだったのは、母が幽霊になってしまった「真珠星スピカ」
せっせと父にご飯を作る娘に、目やジェスチャーで「これは入れた?」「もっと細かく切って」のように料理の指示を出して近くで見守る幽霊の母。
喋ることは出来ないが、何かを訴えかけたり優しく微笑んでずっとそばにいてくれる。
そんな幽霊になった母の存在を父は知らない。
亡くなった人がこんな形でそばにいてくれると想像したら、どんな気持ちになるだろうなと思って