窪美澄のレビュー一覧
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トワイライトゾーン
バツイチ、子無しの50代男性。
職業は女子高教師。
面倒なことに巻き込まれないように気をつけて生活している。
勤務が終わった後、居酒屋に寄るが、そこで少年に出会ったことで感情の変化が生まれる。
蛍光
父が死んだ。
父がやっていた店と家を壊そうと姉が言う。
でも、店にやってくる少年に自分の気持ちがざわつく。
ルミネッセンス
中学の時のクラスメート、礼子と会うようになった。
身体の関係はないが、それで不倫ではないと言えるのだろうか。
宵闇
自分はいじめにあっている。交通事故で顔に傷があることが原因だ。
でも負けたくない。
近くに母の父、おじいちゃんが住んでいて、食事を届け -
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まずは、タイトルに惹かれました。
同性愛を中心とした物語。
海と忍の性格が対照的なのがいいと思った。
第一話から第五話、最終話と章ごとに主人公が変わるので、それぞれの視点で話が読めます。
視点によって、印象が変わる感じがいいなと思います。
人が誰を好きになるのかは、個人の自由。
好きになった人が、たまたま同性だっただけ。
ただそれだけのこと。
海が忍に言った「忍が生きたいように生きればいいんだ」。
緑亮が言った「海は海、コロはコロ、美佐子さんは美佐子さん、俺は俺、みんなそれぞれ違う人。だけどいっしょにいたいから」。
というように、自分らしく生きることが大切なんだと改めて思えた作品でした。 -
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2022年上半期、直木賞受賞作。
コロナ禍。様々な理由で大切な人を失った人々が、夜空の星に勇気をもらいながら、人生の新しいチャプターへ歩み始める様子を描いた短編集。
タイトルと、登場人物と、キーワードを。
「真夜中のアボカド」
綾、麻生さん、弓、村瀬君、マスク、マッチングアプリ。
「銀紙色のアンタレス」
真、ばあちゃん、朝日、たえさん、田舎、海。
「真珠星スピカ」
みちる、母さん、滝澤さん、尚ちゃん(船瀬先生)、三輪先生、いじめ、保健室登校、こっくりさん。
「湿りの海」
沢渡、希里子、希穂、園部、宮田さん、船場さん、沙帆ちゃん、合コン、ダディ、夜泣き、虐待。
「星の随(まにま)に」 -
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ネタバレ女性は、長らく、自分の人生を自ら選択して歩むことが難しかった。できるよ、と言われても、多くは慣習や前例によって阻まれた。時代が流れて、できる女性とできない女性、しなくてもいい女性とせざるを得ない女性、ときに分断が生まれることもあり、主体的に人生を歩むことに対する否定的ななまなざしはなかなか減少しなかった。
その理由のひとつにロールモデルが少ないことはあるけれど(できる女性とせざるを得ない女性がいるのでいるはいる)、それ以前に自分が置かれてる状態への違和を感じるきっかけがなかなかないことも理由のひとつだと思う。主人公のように、夫の風俗のカードを見つけたりしない限り。また、違和を感じても、自ら選択 -
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喪失と星をテーマにした作品でした。
双子の妹を亡くした女の子の話。
交通事故で亡くなった母が幽霊になってそばにいる話。
離婚によって両親と過ごす空間を失ってしまった男の子の話などなど。
1番好きだったのは、母が幽霊になってしまった「真珠星スピカ」
せっせと父にご飯を作る娘に、目やジェスチャーで「これは入れた?」「もっと細かく切って」のように料理の指示を出して近くで見守る幽霊の母。
喋ることは出来ないが、何かを訴えかけたり優しく微笑んでずっとそばにいてくれる。
そんな幽霊になった母の存在を父は知らない。
亡くなった人がこんな形でそばにいてくれると想像したら、どんな気持ちになるだろうなと思って -
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窪美澄さんの直木賞受賞作。
巧く作られた話だし、丁寧な描写で読みやすいし、だけどもなんだろう、最終話にはしんみりしたが、「窪美澄さんの直木賞受賞作」ってことで私の中ではかなりハードルが上がったのか、全体的にはもうひとつガツンと来るものがなかった。
■夜中のアボカド
コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との顛末&早世した双子の妹の彼氏との交流の行く末。
そっちから電話かけてくるなんて珍しいじゃないと言いながら、どんな生き方をしてもいつもあなたの人生を応援するよと言ってくれる母親の存在がありがたい。
麻生さんがベッドの中でおどおどしていたのは何がなせる業だったのだろうかとか、亡くなった彼女