窪美澄のレビュー一覧
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ネタバレ正直に言うと、後半は先が気になってどんどん読めた。でも前半は、重くて嫌な感じで、中々読めなかった。フィクションだとしたら、呆気なくて切ないけど面白いお話だと思う。
ただ確かに、本当にあったことと考えると、被害者家族は嫌だろうな。倫太郎も一緒に死ねてればいいのにって思ってしまったし、最後のなっちゃんの様子は、悲しみで気が狂っちゃったってことじゃないのかな?
職業柄は、晴信の成育史可哀想。親も人間で未熟だよなぁ、子どもができたらいきなりまともになれるわけじゃないし。血の繋がりって難しいな。
涅槃と因果。
私は、このタイトルは、輪廻からは良くも悪くも抜け出せないし、望んでしまった煩悩がやっぱり -
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鈴子、登紀子、妙子の一生を綴った壮大な物語だが、共通点は潮汐出版にいたことで、鈴子は事務員、登紀子はフリーライター、妙子は早川朔というペンネームのイラストレーター.鈴子の孫の奈帆が登紀子の話を聞き取る形で話が展開する.戦後の様々な事件が巧みに織り込まれており、その時代の空気を思い出しながら読めた.鈴子が最も一般的な女性の歩みを辿っていたが、妙子の幼年期からの苦労話が最も楽しめた.登紀子はライターの家系でそれなりの資産もあったので、お嬢様風の立ち回りを演じていたが、奈帆への振舞にもその生い立ちの名残が見えたのも、面白かった.妙子の息子 謙と奈帆の出会いがこの物語の発展性を示していると感じた.
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窪さんの小説を読んで、いつも思うのですが。
ほかの作家さんにない、奥行きというか心の動きというか、そういったものが怖いくらいに伝わってくるのです。
どうして踊るんだ?そこで触れたもの、見つけた物から感じたもの。そしてそれをどうして??とかね。
フィクションもあるけれど、ノンフィクションでもあるというようなことがあとがきにありました。
ひとはけして人には言わないけれど、いろいろなものを抱えて生きているんだ、誰にも言えないこともあるでしょう。きれいごとだけでは生きていけない。そうですね、孤独なのかもしれないなあ、と改めて。
うまく書けなくて申し訳ないのですが、すばらしい作家さんだと毎回思い -
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奥行きのある描写がは流石です。
いろいろな人生・生き方を感じました…が、
さらに最後のあとがきがまたすばらしい。
「人生の幸福なイベントのさなかに存在として根源的な不安と恐怖が紛れ込み、・・・」(あとがきより)
そうそう。
全体に通じてあるのは、人生は表向き幸福にみえても、(ひとは言わないだけで)背景には不安や恐怖が見え隠れしている。
そして、それははたから見て修復不能かもしれない、修復するつもりがないかもしれない、等々思いつつ、私たちははらはらしながら読むわけだ。
そのどきどきがいいわけね。
凄い本かもしれない。
そんな何十年も幸せが続くわけがないよな~
そんなところはお金持ちも貧乏 -
Posted by ブクログ
ネタバレ話は1960年代。
読んでいると、今なんじゃないかと錯覚する感じがある。
仕事、就職活動、女性が社会に出ること、出世の壁、結婚など。
東京オリンピック前後で社会に対する女性の意識が、考え方が、建物が、内側から、外側から変わろうとしている。変われないものもある。
幸福な時間ばかりではないけれど、いろいろなものと戦って、選んで、捨てて、進んできた人生の物語。
たとえ、すべてを手にいれられたとしても、うまくいかない、そこがゴールになってしまっては、すぐに手からこぼれ落ちてしまう。手に入れた後のケアを怠らないように。
自分の人生をちゃんと生きてきた三人。
同じように生きられなくても、自分の -
Posted by ブクログ
遅ればせながら最近、窪 美澄さんを知って嵌まってしまい過去の作品も立て続けに読んでいます。
この作品もとても良かったです。
マタニティスイミング講師の晶子。
有名な料理研究家を母に持ち何一つ不自由なく育ちながらも家族愛に恵まれないシングルマザーでカメラマンの真菜。
この二人が軸となり物語が展開して行きます。
現在75歳になる晶子が幼少時に体験した第二次世界大戦
晶子と真菜が遭遇した3.11の東日本大震災・福島原発事故。
晶子はマタニティスイミングの先駆者金澤直子さんがモデルになっておりそこに実際に起きた出来事が織り込まれているのでフィクションと言えどもリアリティーがあり、ストーリーにの