窪美澄のレビュー一覧

  • よるのふくらみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・お兄ちゃんはお兄ちゃんで大変だったんだな
    ・作者はこの小説の舞台となるマイルドヤンキー的地方都市で暮らしたことがあるのではないかと感じさせるほどのリアリティ.作家ってすごい.

    0
    2025年05月28日
  • やめるときも、すこやかなるときも

    Posted by ブクログ

    心情描写がかっこつけていない、というか、素直というか、生々しいというか。固い決意と脆い自分とと、浮かれる自分と悩める自分が同居する。そんな矛盾してるけど、実際そう。というような2人の主人公をいつのまにか心から応援したくなってしまう物語。
    言い換えると自分の家の椅子を確認してしまう話。

    0
    2024年01月13日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    「最悪よりは平凡」島本理生
    「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
    「カーマンライン」一穂ミチ
    「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子

    このあたりが特に好きだった!
    色々なmatured kinds of loveで、飽きずにサクサク読めました!

    0
    2023年12月04日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

    Posted by ブクログ

    読書備忘録781号。
    ★★★★☆。

    軽い感じの表紙絵ですが、物語は現代日本が抱える大きな2つの問題を組み合わせている。
    でも、決して暗いエンディングではないので読後感は全然良いです。笑

    昭和、高度経済成長期に建てられたいわゆる団地。
    建物の老朽化と住民の高齢化が進む。
    そんな団地に、幼くして父親を亡くし母親は家を突然出ていき、その日その日を必死に生きる棚橋姉妹がいた。
    姉の七海は生きるために収入の良いデリヘルで働く。妹のみかげは夜間高校に通い、昼はパン工場で働く。
    みかげは、小中といじめに晒され、夜間高校に進学することにしたが、将来に何も希望を持てないでいた。

    そんなみかげが夜間高校で初めて友達と呼べる仲間と出会う。在日コリアのむーちゃんと、頭は良いが吃音が激しい倉梯くん。どちらもいじめが原因で夜間高校に通う。
    そして、団地ではぜんじろうさんというおじいさんが団地警備員として、高齢者住民の見回りを毎日行い、パンとポカリを手渡していく。そう、じいさんばあさんの生存確認が目的である。生きてるかぁ~!という感じで。

    みかげはぜんじろうに誘われて団地警備員に。みかげに感化されたむーちゃんと倉梯くんも団地警備員に参加する。
    じいさんばあさんとの係わり、じいさんばあさんの喜ぶ姿、みかげは生まれて初めて目的を持って行動することのやりがいを感じはじめる。

    そんなある日。団地の取り壊しと退去の通知がポストに投函される。
    そんなひどい話はないと、3人は取り壊し反対署名活動をやりながら、老人たちの引っ越し先を探し手引きしていく・・・。
    そしてぜんじろうさんの明かされる過去・・・。

    待ったなしの高齢独居老人問題。
    住民の高齢化に伴い修繕が進まない集合住宅問題。
    そして、少子になっているにも関わらず増える一方のいじめ問題。
    そんな暗い暗い問題にも明るい将来は描ける!
    死亡時刻と誕生日。
    死と再生。

    3人の高校生が明るい将来を思い描いて成長していって欲しいです。
    ★5つにしたかったですが、姉の七海が気に入らななかった。ぜんじろうさんに散々お世話になっておきながらお礼のひとつもない。最初は怪しいじじいだったかも知れないが、まちがなく善人。それが分かったら謝罪とお礼を言うべき。いくら妹を守ることにすべてを捧げていたとしてもである!
    あとみかげ。高1のくせに一般常識を知らなさすぎ。こんな奴はいないやろ。
    この2点で個人的に★0.5マイナスになってしまった。

    でも傑作間違いなしでした!

    0
    2025年08月11日
  • よるのふくらみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同じ商店街の中で育った圭佑•裕太の兄弟とみひろ。3人が交互に主人公となる短編が繋がって一つの話になっていた。圭佑と裕太の父親は不倫を繰り返して家庭不和になる。みひろの母親は浮気相手と家出したかと思ったら3年後にちゃっかり戻ってくる。狭い商店街の中でそれぞれが親の異性問題で悩まされたことが自身の人生にも大きく影響する。そのトラウマも影響し圭佑とみひろは別れてしまう。双方が大きく傷ついてしまったが、みひろは裕太と、圭佑は京子と幸せになれそうな終わり方で良かった。

    0
    2023年11月06日
  • アカガミ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アカガミは国が少子化対策として打ち出した制度。利用者はアカガミが用意した団地で生活する間は生活が保障される。そして、アカガミを通して生まれた子供は国のものになる。初めから嫌な予感はしていたけど、国が子供を増やすための効率的な制度だった。今の時代はお節介おばさんやお見合いも無くなっているので、このような制度があることは子供を増やす上で効率的だと思う。しかし、それは国としてメリットがあるだけで、1個人としては自由恋愛から自分の意思で相手を選び結婚して子供を授かりたい。初めて読む小説テーマだったので、作品として面白いと感じた。

    0
    2023年11月04日
  • 黒い結婚 白い結婚

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    様々な作家による「結婚」についてのお話。
    白い結婚側は素敵な結婚で、黒い結婚は不幸な結婚だった。
    特に黒い結婚の方で、似た話があってゾッとした。入り口は気づかないところにあるもんだ。
    白い結婚の方の初恋のバンドマンの話はこんなカップルもありだよなと思わせてくれる、幸せなお話だった、

    0
    2023年10月24日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    読書芸人の若林が小説家と対談する番組の書籍化らしい。
    常々小説大好きな人の気持ちを知りたいと思っていたが、この対談で多くの気づきを得られた。
    自分自身は現実的なビジネス書や、心理学、脳生理学などの役に立つ本を好んでいたので、なにゆえ個人の脳内で創作されたフィクションが好まれるのか不思議であった。
    本書や小説家(書くほう)の視点の言葉が多いが、彼らは読書家でもあるので示唆に富む会話が飛び交っている。

    ・「弱者」って言葉を言い換えると「大多数」のこと
    ・登場人物が自分の身代わりになってくれるような気がした

    0
    2023年10月05日
  • さよなら、ニルヴァーナ

    Posted by ブクログ

    ううん…すごく考えさせられた…
    視点が変わると事件の見方がこんなに変わる、
    登場人物すべてに共感できてしまって、なんだかつらくなった…

    実際に起きた少年Aの事件を題材にしているけれど、犯人像はかなり違う印象。
    この本だとAにも辛い過去があって、魔が差した、みたいに読めて
    同情してしまったし、更生して欲しいと思った。
    だけど本当の事件を調べると全くそんなことを思わなくて。
    この小説を被害者家族が読んだら、Aが美化されてて辛いだろう
    犯人に対して「仕方がなかったんだな」と感じてしまう描き方は、
    関係者にとってはあまりにも残酷ではないだろうか

    本を読んだ感想だと
    皆、しっかり生き抜いてほしいと
    他人ながら悲しく願った

    家庭環境って大きい
    「違う環境だったらこんな事件を起こさなかったか」
    と考えると分からないけど、もっと違う選択をできていたと思う

    重いなぁ
    特に最後。なっちゃん…
    題材があるからこそ、小説の心情が重く感じる

    0
    2023年09月17日
  • いるいないみらい

    Posted by ブクログ

    産んでみたかったけど、産めなかった私。
    産む年齢にいる人も色々と苦しみがある、そう感じさせてくれるストーリーでした。

    0
    2023年08月15日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

    Posted by ブクログ

    【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

    0
    2023年08月09日
  • たおやかに輪をえがいて

    Posted by ブクログ

    自分らしさ
    「自分」は、内側から出てくるものと他人から示されるものがあると思う。
    あれをしたいと思う自分
    こういう人と思われる自分

    自分の意思も他人から求められる役割も
    どちらも大切なことだけれど、
    どちらかが偏るとその人らしさは
    失われてしまうのかな?

    0
    2023年08月07日
  • さよなら、ニルヴァーナ

    Posted by ブクログ

    誰も幸せにならない辛い辛い話しだった。

    さよなら、ニルヴァーナというセリフは、死をイメージさせる涅槃からの別れ、生きるというメッセージだったのかな?

    と、勝手に解釈した。窪美澄作品の中でも特別異様な作品だったけど、やっぱり読み終わった後に心に残るもやみたいなものがたまらない。

    0
    2023年07月22日
  • 恋愛仮免中

    Posted by ブクログ

    私にとって、よく名前もみるし、代表作も分かるけど、読んだことはない作家さん達の恋愛小説アンソロジーとのことで面白そうだなと思い購入しました。
    それぞれに面白かったり、感動したり、共感したりしてとても良かったです。

    0
    2023年06月30日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    3.7面白かった。二人づつなのが良。ラジオとかで続いてくれないかな。その方が出てくれる作家さん増えそうだし。

    0
    2023年06月20日
  • アカガミ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    窪先生ってホラーも描けるんだと思った。
    伏線回収とエンドでの衝撃。

    1人で生きることを選択できる時代が、選択せざるを得ない時代が、自分たちの年齢から多くなっているのは感じる。
    だからこそ、結婚とか出産とか、なんかわかるなぁって事たくさんあった。

    0
    2023年06月12日
  • たおやかに輪をえがいて

    Posted by ブクログ

    短編もいいけど、長編はやはり読み応えがあっていい。
    52歳、専業主婦の絵里子、まじめで寡黙な夫が風俗にポイントカードがいっぱいになるほど通ってるって知ってしまって…。
    リアルなのよ、悩みがすごく、一人娘の萌もなんだかすごい年上の彼と会っていて警察から電話がかかってきたり。
    そうそう、もし自分の夫がそうだったらって考えたら絵里子の悩みも葛藤もすごくよくわかる。
    あのカクテルを飲むショット・バーみたいなお店で出会った頃のサカイさんとはあまりに違くて時を経てこんなに変わるものなのかとちょっと納得いかなかった。(ラストの方ではちょっと昔の片鱗はあったけど)
    ホームセンターのパートも辞めて、ひとり旅のあと高校時代の親友の詩織の(高級ランジェリーの店長)空いてる倉庫、マンションの一室に住まわせてもううのもラッキーだし、どんどん自分らしく生きることに決めてメキメキ綺麗にセンスよくなっていくのもわかるけど、詩織の2店舗めの店長を任せてもらうことにもなるなんて、あまりにも幸運すぎて(詩織さまさまだよね)少し興ざめしてしまったけど、
    ラストは夫とヨリを戻すかどうかは別としていい関係を築いていけそうな余韻を残して、やはり著者の小説は人生讃歌のいい後味を残して読み終わった。
    あと風俗の子を風の子、
    水商売の子を水の子と呼ぶのが面白いなと思った次第。

    0
    2023年05月29日
  • トリニティ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中々のボリューム。会話文は少なめで地の文が多く、ハードな内容も相まって途中まで読み進めるのにやや難航。
    「女性の生き方の多様性」「好きなことを仕事にするとはどういうことか」的な主軸だが、「多様性を認めよう!」的な押し付けがましいものは感じられず、自分はどうありたいのか内省したいと思えた。
    決して華やかな内容ではなく、売れっ子クリエイターでも最期は寂しいものだ、というラストは生々しく残酷で、好みの作風だった。

    0
    2023年04月23日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

    Posted by ブクログ

    団地住みではなかったが、近所にはあまり穏やかでない住まいが密集する地域で幼少期を過ごしたこともあり、読んでいてとてもノスタルジックな気分になった。 あまりに不遇な環境の中、打ちのめされた姉妹が互いに思いやる中盤のやりとりは、深く胸に突き刺さる。
    切なさとともに、まさに未来に続くような希望もあり、温かい気持ちで読み終えることができた。
    宮崎夏次系さんの表紙も良かった。 ★4.5

    0
    2024年09月07日
  • 雨のなまえ

    Posted by ブクログ

    書店に平積みされていて帯も作者も見ずに手に取った。完全にタイトル買い。なんといっても雨が好きで雨とタイトルにつ本はとりあえず手に取るし曲も聴いてみる。
    雨が好きだという認識を持ったきっかけになった本が、「雨の名前」という写真集だった。
    この短編集のなかにその本が出てきたのは創作だろうか、それとも作者もひょっとしてその写真集を見たのだろうか。
    とにかくその本(のタイトル)が出てきた場面ではほくそ笑んでしまった。冒頭のちょっと刺激的な描写に最初は引いたけれど。
    窪美澄さんは初めてだけど、そうか、「女による女のためのR-18文学賞」受賞作家なのか。ちょっと納得。
    きっとワタシと同世代の女性に違いない、だって「記録的短時間大雨情報」のスーパーでパートで働く主婦の、若い男の子寄せる思いや「あたたかい雨の降水過程」でのママ友との会話などリアルすぎる。ときおり切ない、というか、こころに刺さる、というか、自分のことを責められているようで目をそむけたくなる、というような感情に襲われる。文庫本の裏表紙にあった「心を穿つ短編集」。「穿つ」ってなんとなく意味もわからず使っていたような気がして改めて辞書をひいてみたら、「人情の機微に巧みに触れる、物事の本質をうまく的確に言い表す」とあった。ああ、それだ、そのとおりだ。
    短編集は久しぶりに読んだ気がするけれど、とても、よかった。
    ただ、「ゆきひら」はつらかった。いじめや虐待の描写はただただ胸が苦しい。

    0
    2023年02月23日