窪美澄のレビュー一覧
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ネタバレ話は1960年代。
読んでいると、今なんじゃないかと錯覚する感じがある。
仕事、就職活動、女性が社会に出ること、出世の壁、結婚など。
東京オリンピック前後で社会に対する女性の意識が、考え方が、建物が、内側から、外側から変わろうとしている。変われないものもある。
幸福な時間ばかりではないけれど、いろいろなものと戦って、選んで、捨てて、進んできた人生の物語。
たとえ、すべてを手にいれられたとしても、うまくいかない、そこがゴールになってしまっては、すぐに手からこぼれ落ちてしまう。手に入れた後のケアを怠らないように。
自分の人生をちゃんと生きてきた三人。
同じように生きられなくても、自分の -
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遅ればせながら最近、窪 美澄さんを知って嵌まってしまい過去の作品も立て続けに読んでいます。
この作品もとても良かったです。
マタニティスイミング講師の晶子。
有名な料理研究家を母に持ち何一つ不自由なく育ちながらも家族愛に恵まれないシングルマザーでカメラマンの真菜。
この二人が軸となり物語が展開して行きます。
現在75歳になる晶子が幼少時に体験した第二次世界大戦
晶子と真菜が遭遇した3.11の東日本大震災・福島原発事故。
晶子はマタニティスイミングの先駆者金澤直子さんがモデルになっておりそこに実際に起きた出来事が織り込まれているのでフィクションと言えどもリアリティーがあり、ストーリーにの -
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生殖管理ディストピア〜いや、見方によってはユートピアか?と思いながら読んでたらラストがマジでディストピアで慄いた。そっちか。
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多くの若者が恋愛を知らず、性を知らず、生そのものに対する興味を失ったまま生きている2030年、日本。
国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した主人公、ミツキ。
パートナーに選ばれたサツキとの暮らしを通じて、恋愛や性を知り、やがて家族を得る。
途中の恋愛描写がほのぼのきゅんとしすぎていて普通に和んだし、アカガミのサポートが手厚すぎてやっぱりユートピアでは、と思ったりした。
ラストは希望だけれど、絶望だなあ
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Posted by ブクログ
ネタバレ*富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説*
苦しくて、寂しくて、寄る辺なくて。わかっているのに、泣きながら執着してしまう、恋。
そんな自分を突き放して見ているもうひとりの自分。
登場人物毎の目線で語られるストーリーそれぞれに哀愁が漂い、切なさでいっぱいになります。
この方は、揺れ動く情景を文字に起こすのが本当に巧