窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
窪美澄さん、お久し振りの10冊目(アンソロジーを除く)。
子どもがいない夫婦の話が3つに、養父母と暮らし続ける独身女性の話と子どもを幼くして亡くし妻にも先立たれた初老の男性の話がひとつずつ。
いずれも子どもや家族が「いるみらい」への思いが今の生活に揺らぎを与えるお話。
世間並みの年齢で結婚して深い考えもなく子づくりをして苦労するもなく子を授かった者からすると、妊活(第2話)や養子縁組(第5話)の話は読んでいるのが場違いな感じがするほどに読み進めるのがきつい話だったが、どちらの話も人生の先輩たる女性の言葉で物語が良い方向で落ち着くところに救われた。
残る話も主人公の胸の内の不穏さにはやるせな