窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ結末は誰かが救われるわけでなく、読後感はあまりよくはないものでした。
人の内部をみたいという欲求、それ自体は誰にでもある感情だと思います。犯人である人物は、それを物理的な手段をもってしか満たすことができない部分で、常人と相容れない考えの持ち主でした。
ものを書くことで人の内部を覗こうとする女性作家の存在は、他人からは理解され難い感情を持つという点で犯人との共通点を持つものでした。この女性作家の持つ感情は、作者のこれまでの人生や考え方を強く投影させたものであると感じました。個人的にですが、終盤の女性作家の感情描写について、実在の残酷な事件を取り上げることへのエクスキューズに感じてしまいました。 -
Posted by ブクログ
窪美澄さん、お久し振りの10冊目(アンソロジーを除く)。
子どもがいない夫婦の話が3つに、養父母と暮らし続ける独身女性の話と子どもを幼くして亡くし妻にも先立たれた初老の男性の話がひとつずつ。
いずれも子どもや家族が「いるみらい」への思いが今の生活に揺らぎを与えるお話。
世間並みの年齢で結婚して深い考えもなく子づくりをして苦労するもなく子を授かった者からすると、妊活(第2話)や養子縁組(第5話)の話は読んでいるのが場違いな感じがするほどに読み進めるのがきつい話だったが、どちらの話も人生の先輩たる女性の言葉で物語が良い方向で落ち着くところに救われた。
残る話も主人公の胸の内の不穏さにはやるせなさを感じたが、それぞれにこれからの行く先に光が灯るような結末には人の営みに対する作者の肯定的な思いを感じたところ。