窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2024.4.14
子どもが欲しい、欲しくない、まだ考えられないと言った内容でぶつかったり悩む夫婦たちの短編集。
子どもの話はとてもデリケートだし、夫婦だとしても丁寧に話していかないと難しい内容。
この本に出てくる夫婦がみんな優しく寄り添ってくれる人たちばかりで、こういう話もちゃんと真剣に考えられる人とだったらどんな未来でも安心できるなと思う。
子どもがいる未来、いない未来、どちらを選んでも幸せであれば良い。
“欲しいと思ったものが手に入らないこともあるの。手に入らなくても欲しい、欲しい、って手を伸ばすのが人間だもの。だけど、すでに持っているものの幸せに気づかないことも、時にはあるわね。” -
Posted by ブクログ
これほど過酷な状況に置かれている人と実生活の中でで会ったことがないので、とても勉強になりました。
この日本でもこんな世界があるんですね。
ぜんじいと出会って、団地警備員の活動を通してみかげはおおきく成長しました。
それぞれが異なるコンプレックスを抱えながらもお互いを思いやり、そして助け合う友情関係が眩しかったです。
自分がどれほどたくさんのものを持っていて、恵まれているか改めて思い知らされました。
We may sometimes need to help others to save ourselves.
I have to move forward with one step e -
Posted by ブクログ
結婚するかどうか。子どもをもつかどうか。
家族のあり方というテーマを扱った短編集。
私は2人の子を授かったが、1人目のときは治療を受けた上での妊娠だった。
夫と「子どもは2人がいいね」なんて会話していたから、子どもを授かれないかもしれないと知ったときはとても絶望したし、子どもがほしいという夫の希望を叶えるには離婚すべきか?と悩むこともあった。
結果として授かることができたのだけれど、仮にそうでなかったとしても、話し合いの末、夫から「そのときには猫でも飼おう」と言ってもらえて嬉しかったことを覚えている。
"家族のあり方"というのは簡単だけれど、それは答えのない難しい問題だ -
Posted by ブクログ
(1960年代以降の)時代と女性の人生を切り取った小説だなと思いました。
3人の女性が描かれますが、家庭と働き方はそれぞれバラバラで、どの道を選んでも苦労と努力が求められる様が、時代背景とともにありありと描かれます。
働く自分は女なのか、男なのか、人生の三要素は異性、結婚、仕事なのか、それとも仕事、結婚、子どもなのか。現代でもこの問題に頭を抱える人は多いのではないでしょうか。
どうしても必要なのかもしれませんが、説明量が多く、同じ時代を生きていない自分からすると退屈に感じてしまう部分もありました。
実在の雑誌や人物から着想を得たフィクションとありますが、どこまでが実話なのか気になります。駆