窪美澄のレビュー一覧

  • さよなら、ニルヴァーナ

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    すごく読み応えがあった。けれども救いのないラストだなあ、、晴信がすごく美化されてる気がする。
    確かにこの国は、被害者が守られず加害者が守られる不思議な国だと改めて思った。

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    2020年12月04日
  • 雨のなまえ

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    この人に恋をしたことも確かにあった二人の間に生まれた子供を二人で育てた。それほどの縁があった。それなのに、心は近づいては失望し、それでもまた近づいて、離れていく。時間をうしろに辿って、二人の心が違ったどこかのポイントまで戻れば、私たちは元の二人になれるんだろうか、どう考えたって無理だもう戻れない、こういう生活が死ぬまで続くのだ

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    2020年11月20日
  • アニバーサリー

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    産む女、育てる女、働く女、母親だけど1人の女、その娘。時代とともに家族の在り方、女性の在り方は変わってきたけど、女性の生きづらさは変わらないと訴えてくる。
    知らない者同士が女という括りで同志になれたらいいのに。わたし達はお互いの境界線を越えるための勇気を持たなくてはいけない。

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    2020年10月01日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    色々な作家の結婚にまつわる短編集。
    黒い結婚は怖すぎるし、中でも『かっぱーん』は主人公があまりに気の毒だし、そもそもかっぱーんて何なんだw
    逆に白い結婚は甘いお話ばかり。『いつか、二人で。』がとても良かった。

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    2020年09月14日
  • すみなれたからだで

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    久しぶりにどっぷり小説の世界観に浸れました。
    『バイタルサイン』『朧月夜のスーヴェニア』秀逸。
    別の作品も読んでみたいと思える作家さんに出会えて幸せです。

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    2020年08月31日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

    *富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説*

    苦しくて、寂しくて、寄る辺なくて。わかっているのに、泣きながら執着してしまう、恋。
    そんな自分を突き放して見ているもうひとりの自分。
    登場人物毎の目線で語られるストーリーそれぞれに哀愁が漂い、切なさでいっぱいになります。

    この方は、揺れ動く情景を文字に起こすのが本当に巧

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    2025年03月25日
  • すみなれたからだで

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    性と生と死を扱った短編集。表題作は登場人物と同世代の読者にとっては、ドキッとさせられる内容。窪さんの作品は、綺麗事ではない苦しみや悲しみがいつもそこにあって、心の底の方を揺り動かされます。

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    2020年08月18日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒も白も前途多難でハッピー結婚したい!と思う話はひとつもない。
    黒に関しては完全にホラー。かっぱーんと愛の結晶なんて恐る恐る読んだ。

    白は、シュークリームが好き。いるよねこういう人。一回相手の嫌なところを見るとそれに執着しちゃうけど、自分にぴったり合った人なんていない人と人生を共にするのが結婚であり夫婦なんだとしみじみ思う。最後は希望が持てるエンドでよかった。

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    2020年08月09日
  • すみなれたからだで

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    初の窪先生。
    人間から切り離すことのできない性と愛
    表題作の短さが逆によかったし、いい意味で詰め込まれてるなと思う。
    色濃く性を表す作品もあれば、ほのかだけど確実な感情のはじまりとか、心の機微みたいなものが正直に描かれている。
    抗えない性というものの虚しさと儚さと尊さが沢山入っていました。

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    2020年08月01日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚にまつわるアンソロジーですが、黒と白でわけたのは面白いです。
    黒の方が他人事と割り切って楽しむには良いかもしれません。
    まあ、結婚がゴールではないので白でも黒でもお好きな話を楽しめば良いのではと思います。
    木原さんの「愛の結晶」はぜひ読むことをお勧めします。これが黒なのかは私にはわからないです。

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    2020年07月21日
  • 妖し

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    ネタバレ

    ゾクっときたのは「曇天の店」・「フクライ駅から」・「喪中の客」くらいだな。

    ちょっとイマイチ、って思いながら読んでいた最後に、めちゃゾクっとくる「喪中の客」。
    小池真理子さん、さすがです。

    恩田陸さんの「曇天の店」は良かったけど、余韻がありすぎて笑

    「フクライ駅から」は読み終わってから思わず作者を確認。
    朱川湊人さんだったか!

    窪美澄さんの「真珠星 スピカ」もよかったかな。
    コックリさん、懐かしい。

    あとは、イマイチな印象。

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    2020年04月11日
  • 妖し

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    10人の執筆者が怪異をテーマに描く短編アンソロジー。
    ぞくぞくっとするお話。
    李果を食む、フクライ駅から、かぐわしきひとが好き。

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    2020年03月27日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    少年Aの話、できすぎてて、
    まさか と思うほど。
    4人の絡み合い方がすごく良い。
    小説家って怖いなと少し思った。

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    2020年02月20日
  • 妖し

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    ちょっと怖い話のアンソロジー。
    どの作品も、良かったのですが、あえて1つというなら、風鈴が出てくる話かなあ。
    読んだことのない作家さんに出会えるので、アンソロジーはおすすめです。

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    2020年02月12日
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    *官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で…(「壁の向こうで誰かが」)。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった―(「Lotus」)。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー*

    こ、濃ゆいです・・・!!ぬったりもったり、まとわりつくような濃度の読後感。禁断のエロス、と言うか、禁断の闇、と言うか。一風変わった感触の1冊。

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    2020年01月23日
  • 妖し

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    10人の作家による十の世界。怖い 恐い 引きずり込まれる 目が離せない 読み続けてしまう。

    戻ってこれて良かった

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    2020年01月15日
  • 雨のなまえ

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    雨にまつわるタイトルの5つの短編集。

    現実から目を逸らしたい時は、誰にでもあるかもしれないけど、そして逃げ場が脳内の妄想だけなら事無きを得るんだろうけど……。

    まとわりつくような不穏さが秀逸。

    性的な方面に逃げちゃった後の現実って、かなりホラーだよね〜?(^_^;)

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    2020年01月13日
  • 雨のなまえ

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    ネタバレ

    最近になって急に窪さんが気になってきて、そういえばずっと読んでないあいだに何作品か出てるし、ひさびさにどれか読むかあ〜 なんて思ってた。
    昨年窪さん自身がツイッターで自分の作品紹介をしてて、こういった気持ちで書かれたのか… と思うと心が揺れ動き、読みたくなってきたのもあった。

    旅行中に古書店で、窪さんの、水やりはいつも深夜だけど、を発見。でもなんとなくやめた。手のひらの大きさの方をまた、古本屋で買うかな。と決めたけど、次の日旅帰りの駅付近で本屋があったのでふらりと入った。またなんとなく窪さんのコーナーへ。何冊かあり、水やり… はなかったので、雨のなまえ、を手にした。最初のページを読んだら、わ

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    2019年01月21日
  • アカガミ

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    少し前に村田沙耶香の『消滅世界』を読んだばっかりだったので、作品が放つ匂いとでもいうのでしょうか、設定や世界観などの類似性に驚きました。念のためですがパクリとかいってるわけじゃないですよ。2作とも河出書房新社の「文藝」が初出で、発表もほぼ同時期なので、恐らく編集部が似たようなテーマでオーダーを出したのでしょうね。どちらも面白いですが、個人的な好みでいうと主人公たちの心情や行動により納得感があるという点で、本作のほうに軍配をあげたいです。まあ『消滅世界』は『殺人出産』との対比で評価を下げた面があるので、著者の他の作品を読んだら印象が変わるかもしれないのですが。
    ところで、窪さんがこういうSFチッ

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    2018年12月17日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    人は人生の長短に関わらず生きているのが嫌になる瞬間がある。エアポケットのように唐突にはまってしまっった、社長と従業員、道端で拾った女子高生。この3人の再生の物語。家族というのは期待や心配という鎖で縛ってみたり、血の繋がりしかない放棄や放置してみたりと中々厄介な存在ではある。理解して欲しい、理解したい。だけど、理解なんてできないのは家族で、人生の迷路に迷い込んだ3人の出口はどこにある。「あいつもなんか、迷っちゃってんですかね」

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    2023年11月19日