窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ*富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説*
苦しくて、寂しくて、寄る辺なくて。わかっているのに、泣きながら執着してしまう、恋。
そんな自分を突き放して見ているもうひとりの自分。
登場人物毎の目線で語られるストーリーそれぞれに哀愁が漂い、切なさでいっぱいになります。
この方は、揺れ動く情景を文字に起こすのが本当に巧 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神戸の あの事件 を題材にした小説。
少年の心情や苦悩、遺された家族たちのこわれそうな生活等、それぞれが「生きた人間」として描かれている。
生と死と愛と罪と運命と…そういうものが、ぐちゃぐちゃになって迫ってくるような、そんな感じがした。
正直に言えば、莢の病的なまでの恋心は理解できない。
それが思春期特有のものなのか、彼女のバックグラウンドによるものなのか、彼との運命によるものなのかはわからない。どれであるようにも読めるし、どれも違うような気もする。
出来事だけを追えば、彼を追い求める中でみっちゃんと出会い、彼と出会い、そして死んでいったという不幸な話だ。
しかし、作者は単なる不幸な話を描き -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近になって急に窪さんが気になってきて、そういえばずっと読んでないあいだに何作品か出てるし、ひさびさにどれか読むかあ〜 なんて思ってた。
昨年窪さん自身がツイッターで自分の作品紹介をしてて、こういった気持ちで書かれたのか… と思うと心が揺れ動き、読みたくなってきたのもあった。
旅行中に古書店で、窪さんの、水やりはいつも深夜だけど、を発見。でもなんとなくやめた。手のひらの大きさの方をまた、古本屋で買うかな。と決めたけど、次の日旅帰りの駅付近で本屋があったのでふらりと入った。またなんとなく窪さんのコーナーへ。何冊かあり、水やり… はなかったので、雨のなまえ、を手にした。最初のページを読んだら、わ -
Posted by ブクログ
少し前に村田沙耶香の『消滅世界』を読んだばっかりだったので、作品が放つ匂いとでもいうのでしょうか、設定や世界観などの類似性に驚きました。念のためですがパクリとかいってるわけじゃないですよ。2作とも河出書房新社の「文藝」が初出で、発表もほぼ同時期なので、恐らく編集部が似たようなテーマでオーダーを出したのでしょうね。どちらも面白いですが、個人的な好みでいうと主人公たちの心情や行動により納得感があるという点で、本作のほうに軍配をあげたいです。まあ『消滅世界』は『殺人出産』との対比で評価を下げた面があるので、著者の他の作品を読んだら印象が変わるかもしれないのですが。
ところで、窪さんがこういうSFチッ