窪美澄のレビュー一覧

  • いるいないみらい

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    20-30代女性にぐさぐさ刺さる短編集。

    これは自分が思ってることでは?
    を見事に物語に文章に落とし込んでくれている。

    妊娠への焦りがあるうちは読むとキツイかもしれない。

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    2024年12月03日
  • アカガミ

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    (2024年2月8日の感想。テスト期間真っ只中、駅の待合室にて。)
    英語圏文学演習のレポートのために急遽買って読んだ本。
    「性」から離れて「生」からも離れる若者。国が用意するお見合いシステム。「アカガミ」に「志願」する「勇気ある者」。使われる言葉は胡散臭いのにそれに全然気づけなかった。どこか他人事ではない気がして、たかがフィクションだと一蹴できなくて。

    私は万年片思い女なので家族以外の人と手を繋いだことすらない、喪女予備軍。「性」からは確実に離れていると感じる。気持ち悪い。人間も動物なんだなって強制的に感じて、とにかく気持ち悪い。私だって親のそういう行為の末に生まれたわけだけど、時々ゾッとする。本当にとにかく気持ち悪い。経験がないから感じるのかもしれないけど、やっぱり気持ち悪い。
    村田沙耶香も割と性行為がタブー視される世界描きがちだよね。だから好きなんだと思う。
    面白いなって思ったのは、ミツキがサツキの存在を重しだと感じるところ。朝井リョウ『正欲』にも書いてあったの、相手の存在が私をこの世にとどめる重石のように感じるって。私もいつか誰かの存在を重石のように感じたい。じゃないと多分ふらっと死んじゃう気がする。もういっか〜とか言って。
    ミツキとサツキが互いに寄り添っていく過程、個と個だったのが少しずつ混じりあっていくのはいいなぁと思った。私だって別に好きでひとりでいるわけじゃなくて、いやひとりでいるのが好きなんだけど、それでも好きだと思う人と付き合えたらと夢みたことはある。だけど毎回片思いのまま、実らない恋心をそっとしまうのです。いつか実るといいなと思いながら、捨てずに大事に抱える恋心、いつか、いつか、捨てなくてよかったと思えますように。

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    2024年11月26日
  • 雨のなまえ

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    ちょっとだけ勇気を出して自分の気持ちに素直になる。頑張ってないわけじゃない。けど全てを真面目にこなしていくのも限界がある。
    それぞれの立場が抱える困難と希望は現実には中々上手くはいかない。
    そんな短編集でした。
    なんだかあまり明るい結末ではないお話が多かったですが、上手くいかなくてもどこかスッキリしている主人公に少し救われる気持ちになりました。
    失敗しても情けなくても叱られても人はまた生きていける。そんな気持ちになりました。

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    2024年11月17日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
    全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。

    お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
    今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。

    ダーリン〜
    15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母さんが「結婚はいいものよ」と言ってくる場面が沁みました。

    いつか、〜
    老後の夫婦が旅行に行く話だと思って読み始めたら、まさかの死んだ後に一緒に天国に向かうお話だったとは。これもとてもロマンチックでした。山あり谷ありの人生だったけど、お互いが大好きのまま、一緒に天国に行けるなんて…借金取りが来て鬱病になる以外は本当に羨ましい人生だなと。(借金取りが来るのはさすがにこわすぎる。)幸せな気持ちになりました。

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    2024年11月13日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    序盤はやや冗長に感じましたが、登場人物それぞれが選び、それを振り返り、必死になってゆく中盤以降はテンポよく楽しむことができました。
    思ってもみない方向から打ち付けられる展開や心理描写はほとんどありませんが、順当に面白かったです。
    登紀子さんが、新しい夫婦の形を実践しているつもりだった、と気が付いてしまうところが印象に残っています。

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    2024年11月03日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • ははのれんあい

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    平凡な家庭を築き幸せな日々を送るはずだった由紀子。
    普通の奥さんが子供3人を抱えたくましく生きながら「家族は時々形を変えることがある、だけど家族はずっと家族」と語る強さがすごいと思った。
    智晴くん、お兄ちゃんとして、母を支えるナイトとして、けなげさに涙出そうだった。
    智久の再婚相手のカンヤラット、娘のシリラット、さくらと由紀子の双子の寛人、結人が集まって食事するのがすごい。

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    2024年10月24日
  • すみなれたからだで

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    ネタバレ

    ずっと前に、読んだはずの窪美澄作品を再読中。
    覚えてるようなそうでないような…
    父を山に棄てにいく
    死にたがったのに死ねなかった父親。仕事を続けられず娘のヒモのようになってしまった父親。そんな父親の言った『君の言い方は人を傷つける。』その忠告通り、私は何度も失敗した。そして人生で2度男を捨てる決断をする、父親と夫。反面教師にしたいのにできず過ちを繰り返す自分自身を見ているようで辛くなる。
    インフルエンザの左岸から
    アルコール、ギャンブル、借金、自殺未遂で何度も警察から呼び出しを受け最終的にソーシャルワーカーのお陰で介護施設に入れてもらえることになった。亡くなっても面倒が押し寄せ、それなのに放っておけない。読んでて檀家をやめちゃえばいいのに…って思うけど、それができない主人公。いい人なんだろうな、親に恵まれなくても。自分だったらどうするだろう、年齢的にそんなことも考えながら読んだ。

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    2024年10月18日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    何度も何度も読んでしまう。
    私が少年Aに興味を抱いているからだろうか。
    うんん、違う気がする。
    なぜだかこの小説を読んでいると、私自身の中身も洗い出されているような気がして、苦しくて、たまらなくなる。
    普段の倍以上ひとつひとつの文章に感情移入してしまう。

    話自体が面白いかと言われたら正直分からない。
    ずっと地獄のようなぬめりがまとわりついてくるし、事件のことだけでなく書くということ、夢を見るということすらも地獄なんじゃないかと思うほどずっと暗い。

    あとなぜ参考文献に元少年Aの手記がないのかと思ったけれど、これが出版された少し後に出されたからなんだね。
    結局は創作だから当たり前なのかもしれないけど、実際の少年Aの方が何倍も恐ろしくてグロくて人間みがある。


    ※少年Aに興味を抱いているのは、莢や今日子のように恋心のようなものではなく犯罪心理的な面からである。

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    2024年10月16日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    時代を外れた団地
    親に捨てられた姉妹
    夜間の高校
    何となく暗い背景…
    重いテーマで進むストーリーだが
    登場人物たちが それぞれ個性的で
    色んな辛い事情を抱えてる子たちだけど
    頑張っていて
    応援しながらどんどん読めた

    主人公のみかげは
    病弱で臆病だけど人に優しく、
    かける言葉も素敵でハッとした。
    団地でぜんじろうさんと出逢い
    少しずつ強くなっていくさまが とても胸熱だった。

    この作品では死を連想させる団地だが
    ここで生まれ変わった登場人物たち
    最後は前向きに、清々しいラストだった。

    窪美澄さんの作品は 本当にバリエーション豊かで すごいと感じた。

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    2024年10月09日
  • 雨のなまえ

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    人の嫌な部分が
    雨のじとじとっとした感じと相まって
    どんよりした気持ちになる読後感。

    嫌な気持ちになるのに中毒性ある感じがして
    私は好みでした。

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    2024年10月03日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    薄皮一枚で繋がっている生というか、常にどんな人も死と隣り合わせで、その中でなんとか生きれるなら生きていく。

    『僕は死なない。たぶん。』
    というラストが印象的だった。
    『たぶん』と最後につくことで、ものすごく現実味あふれる話になった気がする。

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    2024年10月03日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    家庭環境に恵まれず、生きづらさを抱えた3人が偶然にも出会い、クジラを観に行くことになる。由人が突拍子に「せめてあの迷いクジラを観てから死にましょう!」と野乃花に言う流れが強引で若干無理があり、ツッコミたくなるのだが、極限状態になったら人間何を思いつくか分からないもの。こういう展開は現実にあるのだろう。

    3人が出会いクジラを観に行くまで、それぞれの人生が各章で詳細に紹介されているのだが、描写がとても直球でストレート。壮絶な経験を重ねる中で、悔しさ・惨めさ・反骨精神・諦めといった感情を抱え、時には押し殺しながら、3人が静かに1人で戦ってきた様子が描かれている。

    苦しんできた3人が行動を共にする中で、疑似家族のような状態になるのだが、相互に理解を示し、気遣いをしつつ、自らの再起を見いだしていく。そのキッカケが、迷いクジラの事情を理解することや、現地の老婆との交流だったのだろう。クジラの専門家が登場して、3人にクジラの体質や行動特性を語る場面が印象的であった。3人は「クジラが可哀想、早くふるさとの海へ帰って!」という大衆のエゴに流されず、一歩引いた形で、迷いクジラを自らの人生に投影させていたのだろう。

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    2024年09月22日
  • 朔が満ちる

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    それぞれ違った苦しみを経験した2人だからこそ、分かり合える何かがあるのだと思う。確実に。
    自分が経験した嫌な出来事を、自分の子供には経験させたくないってものすごく共感だなあ。

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    2024年09月08日
  • 朔が満ちる

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    主人公の横沢史也の父親は、普段は物静かな性格なのだが、酒が入ると人格が豹変し、母親と息子の史也に暴力を振るっていた。
    3歳年下の妹の千尋は、極度の恐怖からか原因不明の視力がなくなる症状が出てしまう程に、家庭は既に崩壊していた。
    しかし母親はじっと耐えているだけで、子供二人を何とか守ろうとする姿勢は見えなかった。
    史也はそんな母親に不信感を抱きつつも、父親の暴力から弱い母親と妹を守らなければと、子供ながらに使命感を感じていた。
    ある日、父親の酷い暴力に反抗した史也は、その後に母親の姉宅で生活することになる。
    その理由は、14歳以下の犯罪は罪を逃れることができるということを知っていた史也は、薪割りに使っていた斧を手にして父親に向かったことにあった。
    父親は無事だったが、史也が幼少の頃からただ一人心を委ねることのできるのが叔母だったこともあり、生活環境を変える方法がとられたのだ。
    叔母は高校を出た後には東京の大学へ進学し、少年期の出来事はは総て忘れ去り、新たに東京で生きろと史也を諭す。

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    2024年09月06日
  • ははのれんあい

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    夫の実家が経営しているミシン工房を手伝っていたけど、妊娠・出産を機にお休みしなければならなくなった。
    その後またミシンを踏みたいと復帰を願い出るも業績不振でそんなに仕事が無いと。
    それならばと他で仕事を探すも夫からは「子供より仕事が大事なのか」と言われてしまう。

    だんだんすれ違って行く2人。

    何がいけなかったのだろう?

    後半はそんな親をもつ長男の智晴の話。

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    2024年09月06日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    3人の主人公が抱える絶望感に心苦しくなりながらも、それでも生きようとする3人の姿に救われたような気がした作品でした。

    本作の主人公は3人いて、1人はデザイナー会社に働く由人、そのデザイン会社を経営する野乃花。そして高校生である、正子。この3人は自らの境遇に深く絶望し、自ら命を断つことを考える。そんなおり、ニュースでクジラが座礁したと知り、人生の最後としてそのクジラを見に行くことにするというストーリー。

    まず素晴らしいと思ったのは、3人の抱える絶望的な境遇の描写です。親の愛情から見放される描写、窮屈な島暮らしの中で、若気の至りで子どもを妊娠してしまう描写、親の過保護が行き過ぎてしまい、親に縛られる描写。三者三様でありながらも、しっかり絶望感が伝わる丁寧な筆致で、辛すぎて思わず涙が出そうになりました。

    それでもクジラを見に行くことを通して、生への希望を見出す3人に少し勇気をもらえた気がします。生きづらさの形は変わっても、生への執着は失ってはならないのだなと改めて思わされる素敵な作品でした。

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    2024年08月28日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    色んな家族の物語、人々の悩みや葛藤を描きながらもホロッとする内容だった
    特にかそけきサンカヨウが好き

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    2024年08月12日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    ネタバレ

    何冊か窪美澄さんの本を読んだことがあったので、わりと軽い気持ちで読み始めたが内容はかなりしんどいものだった。

    ハルノブは人の中身が見たいと言っていたが、私たちのような読書するタイプの人間も結局人の中身が見たいのだと思う。

    涅槃(ニルヴァーナ)には辿りつかず、地獄を歩き始める本なので病んでる人は読まないで。

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    2024年08月02日
  • 朔が満ちる

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    とても良かった。
    テーマ重たいんだけど、文体も読みやすくてサクサク進む。
    子供の時はそれなりにふだれたりはあったけど、こういう本読むとやっぱり教育と暴力は違うよな、としみじみ思う。

    解説の早見和真さんも言ってたけど、最後の30数ページ、蛇足っちゃ蛇足だけど、あそこがあることで読後感はとてもよいしあれはあれであり。

    フィクション要素もあるはあるけど是非色んな人に呼んでほしい一冊。

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    2024年07月29日