窪美澄のレビュー一覧
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様々な形の愛や恋やそれとはまた別の何か。
友愛や性愛および無性愛。
心の内面の揺らぎや矛盾のようなものを丁寧に掬い取っているような、心のやわらかい部分を生々しくもやさしく描き、感情の微細な震えのようなものを捉えるほどの繊細さを感じた。
最後の数行で物語がストンと落ちる。
洗練された数行の気持ち良さは文学的カタルシス。
心の中でスタンディングオベーション。
物語の温度感が変わるような余白を持たせつつ、決めでも纏めでもない静かな反転のような、そんな綺麗な終わりかたはとても叙情的で、感情の落ち所がとても心地良くて、生きていくことの不安定さや難しさをふんわりと包み込むように肯定されたような感覚。
微か -
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「恋愛」をテーマにした
5名の作家さんによるアンソロジー
収録は以下の5作品
「あなたが大好き」 奥田英朗
「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
「シャンプー」 中江有里
窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
他作品は、私は初めてのものばかりだった。
どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。
読んでいて気恥ずかし -
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ネタバレ恋とか愛とか、心の柔らかい部分を描いた物語。その柔らかい部分が愛によって包み込まれたり、柔らかいからこそ簡単に傷ついたり。
感情の描写が、とても繊細だと感じました。
私が特に好きだと感じたのは、「天鵞絨のパライゾ」です。ユーシェンと主人公の関係性。
恋情があるわけではない。けれど、深くお互いを愛し大切にしているように見えました。それでも彼らは、恋情ではないから自分の人生のために、自分のやりたいことをするために、相手の人生を大切にするからこそ離れる選択をする。恋情だと、近くにいようとしてしまうけれど、近くに居なくともお互い大切に思っているとわかっているからこそなのかな?私は思いました。人を好きに -
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古い団地に暮らす中学2年生の桐乃。
桐乃のクラスメイトで同じ団地に住むベトナム人のヒュウ。
桐乃の母親で、外国人のために活動する里穂。
この3人で話は進む。
最近なにかと話題の外国人問題。文化の違いや技能実習生や不法滞在の問題など、それぞれの視点から見ると、それぞれいろんな事情があるよねって。
ワタシ的には、外国人問題の話・・・というよりも母娘の関係についての方に意識が行ってしまう。ワタシも中学生の娘がいるのでね。
娘さん辛いよね、可愛そうすぎる。
最後は、なんだか母娘が分かりあった感じではあるけれど、でも娘が母親を理解して母親側に寄って行った感じで。母親自身は変わってないなって。
母親が -
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『小説すばる』2024.3〜2025.1に大幅に加筆・修正
とても丁寧に紡がれた物語。各々の登場人物の内面が、丁寧に描かれていると感じた。
昨今、在留外国人が大きな問題になっており、政治の世界でもそれが大きな影響力を持っている。外国人が起こす犯罪は怖いと思う反面、この小説のような外国人たちの実態を知ると、彼らだけの責任でもない事例もあるのかなと思ってしまう。
この小説は、在留ベトナム人の少年ヒュウと、母親が外国人ばかりに寄り添っている桐乃の物語。ヒュウやヒュウの母親のように、二世、三世であっても、読み書きがままならず、それが原因でいじめられる人もいることを知った。
ただ、最後が、どう進 -
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中学生の桐乃とヒュウが愛おしくてたまらない。
古い団地に住むふたり。
桐乃のお母さんはスーパーでパートしながら夜は自宅で外国人(主にベトナム人、ブラジル人、フィリピン人)に日本語を教えたり困ってることの相談を受けたり病院に付き添ったり(もちろん無償で)ほんとに素晴らしい人格者だと思う。
でも、どうしても家庭にことはおざなりになり桐乃にいつも留守番させてひとりでレンチンしたご飯を食べさせ寂しい思いをさせてる。
優しいお父さんは桐乃にとって救いの存在だけど仕事であまり家にいない。
桐乃は頭も良くてバスケも得意で正義感もある。
けど意地悪なケヴィンと喧嘩したことがきっかけでクラスでも浮いた存在に。学 -
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昨日『秒速5センチメートル』を観たところで、なんだか星に縁があります。
コロナに寄せた話は映画も本もあまり得手ではないのですが、これはその寄せ加減が絶妙。尤も、いちばん好きだったのはコロナの「コ」の字も出てこない3つめの『真珠星スピカ』だったのですけれど。
いずれの話も主人公は大切に思っていた人をさまざまな形で失っています。なかなか歩き出せないのが伝わってきて切ない。本作を読んだら『秒速5センチメートル』を観ることをなぜだか薦めたくなりました。
乗り越えなくてもいいし、忘れる必要もない。心の傷を糧にして、揚げたてコロッケにビールで乾杯。