窪美澄のレビュー一覧

  • 雨のなまえ

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    窪美澄さんの5つの短編集

    「雨のなまえ」
    「記録的短時間大雨情報」
    「雷放電」
    「ゆきひら」
    「あたたかい雨の降水過程」

    窪美澄さんらしい丁寧な描写で、人間の奥深い心理が描かれていた。
    男女の性描写も多いが、その艶かしさだけでなく、背徳的であったり、おざなりで気怠さも感じさせる巧みな描写が際立っていた。
    どの物語も共通して、表面的には見えない複雑で鬱積した心にフォーカスされているのに、読んでいると不思議と引き込まれてしまう。

    「雨のなまえ」から始まる4作品は、どれもラストの余韻まで衝撃的だった。物語に表と裏がある構成は、ラストまで気が抜けず、主人公達の心の奥底に迷い込んだような心境になる

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    2026年04月20日
  • 給水塔から見た虹は

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    弱い者が更に弱い者達をたたく…ってこういう連鎖なんだろうな。
    学校でも疎外され家にも居場所がなくて、良くないとわかってるけど受け入れてくれるグループに入って、抜け出せなくなったり。
    いくら努力しても出生や国籍、親の環境とか変えられないなか、もがいて苦しんで、少しでも上にあがろうとするけど。
    寂しくて情けなくて、どこか知らない別の場所にいきたい。別の新しい人生が始まるはず、って願うけど。
    どんな人生でも己で選んで、その生き方に責任をもって、胸を張って愛せって。己で切り開くしかないのは、子供には辛い人生だよね。
    最後、立ち向かうシーンで終わるのも、リアルでいいと思う。これからどう生きていくかは、ヒ

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    2026年04月19日
  • じっと手を見る

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    2026/4/20
    連作短編。
    「覚えておいて」
    「あんたのおじいちゃんはね。...まだ、死んじゃいないけど、腕のいいケーキ屋なの。だから、あんたも、将来、ケーキ屋になりなよ。
    あと、大人になったら、お酒には注意すること。わかった?」
    窪美澄さんの小説は、心の弱いところ突いてきて、揺さぶられる。

    フラフラしていて半端な畑中が、人と距離を詰めるのが怖くて離れられるよう嫌な事する畑中が、泣かせてきた。

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    2026年04月27日
  • 給水塔から見た虹は

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    Audibleで歩きながら聞き始めてうっかりはまってしまった。
    こんなに気になる物語はなかった。。私の小さな町にも技能実習生や、工事現場や水商売系で働く外国人がいて、その子どもたちもいる。で、やっぱり色眼鏡で見てきてしまっていた私自身もいる。
    なせなら微笑ましい人やなぜか卑屈な人や傲慢すぎる人や慣れないことを慣れないままにしてしまい頼るばかりの人など様々な人がいるから。
    なんか嫌だな、と思うこともいっぱいあったのけど、結局「知る」をしていなかったと改めて突きつけられた気がする。それは国籍やなんかは関係ないと思う。同じように見て見ぬ振りをすることも。それを思うと桐乃はかなりいい子だと思う。ヒュウ

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    2026年04月17日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    誰でも心が病むことはありますよね。
    でも病んでいる時は、自分だけがそうなんじゃないかと思ってどんどん深みにハマりますよね。

    この本を読んでいて、見た目だけでは分からない、悩みでいっぱいで辛い人が自分以外にもきっとたくさんいるんだよな、と思えて少し安心しました。
    そして、こんな素晴らしいクリニックとこんな優しい喫茶店があれば、本当に1人じゃないと思えるかもしれないと思いました。

    自分でも悩んだことがあるような悩みも出てきたりして、読んでいて苦しいところもありましたが、みんな立ち直って元気になっていく姿をみてホッとしました。
    そして、涙が溢れそうになったお話もありました。
    とっても良い読書時間

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    2026年04月17日
  • 宙色のハレルヤ

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    爽やかな感じの表紙だな〜と思い手に取りましたが、中身はなかなか濃いめの恋愛小説でした(笑)。
    男子高校生の甘酸っぱいものからLGBTQまで盛りだくさん。
    わが子の友達の親が元彼だったらどうする?ぎゃーっ!
    衝撃だったのは「パスピエ」。登場する女が怖すぎる。こんなんされたら女性不信になるよ…(汗)。男性が立ち直れるかどうか心配。


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    2026年04月15日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    めちゃヘビー!重かった
    全編読み応えあって面白かった

    色んな性のかたちがあるなと…

    個人的には、田岡さんいい人であって欲しかったし、実際いい人なんだろうけど、
    神様がつけたオプションに本人も悩まされて…
    やってはいけないことをしてしまったけど、報われてほしい。

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    2026年04月13日
  • よるのふくらみ

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    ネタバレ

     弟が面白かったと言っていたので読んでみたが、読んでみて驚いた。え、こういう作品が好きなんや。

     窪美澄さんの作品の中では以前読んだ『晴天の迷いクジラ』の方が個人的にはこの本よりも好みだった。  
     それでもこの作品も、登場人物のきれいではない感情が細かく描かれていて、最後までモヤモヤする作品で、とても面白かった。

     この作品を読んで、感情の難しさを強く感じた。自分が好きな相手とうまくいくとは限らず、むしろ好きであればあるほど、自分の気持ちを抑えたり、素直に行動できなくなってしまうことがあることを実感した。

     登場人物たちの感情は決してきれいなものばかりではなくて、嫉妬や迷いなど、複雑で

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    2026年04月12日
  • 君の不在の夜を歩く

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    ネタバレ

    考えすぎたり、全ての物事を真正面から捉えすぎたり、そういう人間にとって生きづらい世界。自分が生きている意味だとか、存在意義だとか、そういうことをどれだけ長く考えても、答えが出ることはないのだろう。もちろんこの本の中にも答えがあるわけではないのだけれど、それでも、生きるということに対して、心が軽くなる言葉に出会える。身勝手ながらも、誰かのことを、穏やかに生きていてほしい、そこにいてくれたらいい、生きていてくれたらいい、と願う気持ちは、とても切なくて愛おしい。何者にもならなくていいから、自分の人生を好きに生きていけばいい。

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    2026年04月12日
  • 給水塔から見た虹は

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    様々な国の人が暮らす団地を舞台に、それぞれが抱える悩み、気持ちのすれ違い、思いやりなどが丁寧に書かれていました。身近にいるベトナム人は明るくてすっかり日本に馴染んていると思っていたのですが、高校でのいじめの様子やコロナの頃に話題になった技能実習生の苦悩などが赤裸々に書かれていました。コロナを経て人手不足が加速する中、待遇は改善されてきているのか知っていきたいと思いました。

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    2026年04月11日
  • 給水塔から見た虹は

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    読んでて、そっと NOを突きつけられた感じがした。
    日本って、海外から来た人にとっても住みやすくて働きやすい国だと思ってたんだけど、この小説を読んで、あ、そうじゃないんだ…って。胸がずんと重くなって、なんか苦しくなった。
    母・里穂と娘・桐乃のすれ違いも、じわじわ辛かったな。ふたりとも、全然間違ってないんだよね。
    でも、この本を読んで、ちゃんと知りたいって思えた。それだけで、読んでよかったなって思う。
    読み終わったあと、いろんな人の意見を聞いてみたくなる物語でした。

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    2026年04月08日
  • 給水塔から見た虹は

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    桐乃、ヒュウ、桐乃のお母さん、それぞれの想いが切ない。でもみんな最後にはちゃんと未来を向いていて、読後感がとてもよい。

    異国でのさみしさ、孤独感、言葉の壁、、そういうものが悪事に走らせただけで、本当はヒュウはとてもいい子なんだろうなと思った。そして、こんな子供達、そして大人達も、実際の世の中にもたくさんいるのかと思うと、胸が痛い。。

    こういう問題があることを知れてよかった。
    社会問題を絡んだこの作品、暖かくもあり、苦しくもあり、心に残る1冊になった。

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    2026年04月07日
  • 給水塔から見た虹は

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    移民問題や様々なルーツを持つ子ども達の社会について考えさせられる本書。

    私の職場にも技能実習生が大勢いるし、子どもの学校にも外国籍だったり帰化した人の子どもなど、年々増えている。

    習慣や言葉が違うことで生まれる違和感や嫌悪感。子ども達がそれに上手く折り合いをつけることは想像以上に難しいことだったのか…と驚く。
    そして、大人でも彼らを雑に扱う人は少なくないのだろう…

    私自身は先日、山手線で左右の外国人がハンバーガーや果物を食べ始めた時、ものすごく不快な思いをした。
    文化が違うことで生まれる違和感はどう処理すべきなのか、日本人が日本の文化を守りたいという気持ちはもう諦めなくてはならない世界に

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    2026年04月05日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    昭和を生きた3人の、それを受け止め、引き継いだた平成の女性の物語。
    今のように(それでも十分ではないだろうが)男女が協力しあう意識やしくみが無い時代に、才能があったとは言え、自分のやりたいことを
    貫くのは並大抵ではなかったと思う。ましてや男性を支えながら、最後まで一匹狼で。

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    2026年04月04日
  • じっと手を見る

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    4人のそれぞれの視点から見れば抱えてる気持ちも理解できる、けどどれも共感はしない。
    もっと若い頃に読んでいたら恋することに苦しくなっていたのかな。
    魅力的な宮澤さんに溺れる気持ちが今だと懐かしく感じる。

    届きそうで届かない人に焦がれて、相手も届かない人に焦がれて、の繰り返し。
    4人の摩擦がどこに向かうのか切なくもどんどん傷が深くなり、ひとりになった時ようやく気づくことがある。

    たびたび登場する富士山も、美しく描かれがちだけど樹海の死のイメージや地元の億劫な記憶の象徴として描かれていて印象的だった。

    そして海斗はすごくいいヤツ。
    不器用なんだけど、優しい心を持った幸せになってほしいいいヤツ

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    2026年04月03日
  • じっと手を見る

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    不倫において情熱的な愛を描くものはよく見るけれど、その情熱が過ぎ去ってしまったあとの惰性のような関係を描くのは初めて読んだので、とても虚しく強く印象に残りました。

    皆なにかを抱えた重たい心理描写も、項目ごとに登場人物の視点が切り替わるのもとても読みやすかったです。第1章の性描写の描き方がとても好みでした。
    窪美澄さんの小説は初めて読みましたが、作風が好きでしたので他の作品も読んでみようと思います。

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    2026年04月02日
  • 給水塔から見た虹は

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    子どもの時と比べて
    外国の人を見かけることが多くなった気がする

    コンビニや飲食店のバイトをしている彼らを
    「日本人の仕事奪いやがって」
    と思う人もいるんだろうか
    こわい、気持ち悪い、と思う人もいるんだろうか

    あんなたくさん覚えることのある仕事
    それを複雑な言語の日本語を使って遂行するなんて
    ただひたすらに感心し
    感謝するばかりだ

    私のような大人より
    むしろ子どもたちのほうが
    この作品みたいに
    身近に接することが多いのかもしれない
    文化や生活習慣の違う彼らと

    こわくない、同じ

    だけど
    団地の広場に大勢で集まってたら?
    日本に馴染もうとなんかしてなくて
    もっと言ったら憎んでたら?

    読み

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    2026年04月02日
  • 給水塔から見た虹は

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    本当にこんな事あるのかな?って思って読んだけど私が知らないだけなんだろうな。
    桐乃は貧しさに負けずに勉強して大人になっていくんだろうなとは想像できるけど、ヒュウの未来が全く想像できない。良くはならないのかな、悪い仲間とはしっかり縁を切れるのかなと心配になる終わり方。
    話自体はとても面白かったし考えさせられる内容でした。

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    2026年03月29日
  • 宙色のハレルヤ

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    出会いがあって別れがあって。
    いろんな形の恋愛 でも どれも 物悲しい。
    どのお話も好きでしたが 特に
    「風は西から」 「赤くて冷たいゼリーのように」「雪が踊っている」が良かったです。
    ドビュッシーの夢想とパスピエを検索して聴きました。優しくて軽やかな素敵なピアノ曲でした。

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    2026年03月28日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    精神的に苦しくなるときは誰にでもあるし、自分だけじゃ解決に向かえないときもある。
    そんな時にこの物語のように優しく傍らに居てくれる存在がものすごく大切なんだろうなと。
    すぐに解決しないこともあり、短編の中にもその描写があるのは綺麗事だけじゃなくてよかった。

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    2026年03月28日