窪美澄のレビュー一覧

  • 宙色のハレルヤ

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    「海鳴り遠くに」
    「風は西から」
    「パスピエ」
    「赤くて冷たいゼリーのように」
    「天鵞絨のパライゾ」
    「雪が踊っている」
    恋愛をテーマにした6話収録の独立短編集。

    どの恋も一筋縄ではいかない。
    甘いだけの恋愛小説を求めていない私には窪美澄さんが描くヒリヒリとした表現が刺さる。

    年代も境遇も恋愛対象も様々な登場人物達、それぞれの恋の行方をドキドキしながら読み進めた。

    短編小説でありながらドラマ性があり終始脳内で映像が浮かんだ。

    ままならなさに切なさが込み上げ、愛おしさに心が震える。
    心の琴線を刺激するほろ苦い余韻が残る恋愛小説集。

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    2025年10月31日
  • 宙色のハレルヤ

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    様々な形の愛や恋やそれとはまた別の何か。
    友愛や性愛および無性愛。
    心の内面の揺らぎや矛盾のようなものを丁寧に掬い取っているような、心のやわらかい部分を生々しくもやさしく描き、感情の微細な震えのようなものを捉えるほどの繊細さを感じた。
    最後の数行で物語がストンと落ちる。
    洗練された数行の気持ち良さは文学的カタルシス。
    心の中でスタンディングオベーション。
    物語の温度感が変わるような余白を持たせつつ、決めでも纏めでもない静かな反転のような、そんな綺麗な終わりかたはとても叙情的で、感情の落ち所がとても心地良くて、生きていくことの不安定さや難しさをふんわりと包み込むように肯定されたような感覚。
    微か

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    2025年10月30日
  • 給水塔から見た虹は

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    見てみぬふりをしてきた題材。日本にはいろんな事情を抱えて住んでいる人がいるんだよなぁ。善人ぶることはできないけど、いるという事実は受け止めたい。

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    2025年10月29日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    4.2/5.0

    生きてるって辛いし、かっこ悪いことだけど、生きてないと出来ないことがある、という当たり前のことを思った。

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    2025年10月27日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかし

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    2025年10月25日
  • 宙色のハレルヤ

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    ネタバレ

    恋とか愛とか、心の柔らかい部分を描いた物語。その柔らかい部分が愛によって包み込まれたり、柔らかいからこそ簡単に傷ついたり。
    感情の描写が、とても繊細だと感じました。
    私が特に好きだと感じたのは、「天鵞絨のパライゾ」です。ユーシェンと主人公の関係性。
    恋情があるわけではない。けれど、深くお互いを愛し大切にしているように見えました。それでも彼らは、恋情ではないから自分の人生のために、自分のやりたいことをするために、相手の人生を大切にするからこそ離れる選択をする。恋情だと、近くにいようとしてしまうけれど、近くに居なくともお互い大切に思っているとわかっているからこそなのかな?私は思いました。人を好きに

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    2025年10月23日
  • 夜に星を放つ

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    双子、幼馴染、亡き母、ママと母と弟と僕
    主人公だけでなく、他の人々の切ない気持ちが
    良い奴なんだけどー
    やっぱり泣かせてくれる

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    2025年10月22日
  • ぼくは青くて透明で

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    4.2/5.0

    多くの人が、自分を偽らずに生きていける世の中に、一刻も早くなって欲しい。
    生きづらさを抱える人に優しく寄り添う物語だった。

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    2025年10月22日
  • 私は女になりたい

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    すごく良かったです!
    主人公の考えや行動に100%共感できる訳ではなかったけど、物語が進むにつれて幸せになって欲しいという気持ちが強くなりました。
    文章が綺麗ですごく読みやすかったです‪☺︎‬

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    2025年10月22日
  • 給水塔から見た虹は

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    古い団地に暮らす中学2年生の桐乃。
    桐乃のクラスメイトで同じ団地に住むベトナム人のヒュウ。
    桐乃の母親で、外国人のために活動する里穂。

    この3人で話は進む。
    最近なにかと話題の外国人問題。文化の違いや技能実習生や不法滞在の問題など、それぞれの視点から見ると、それぞれいろんな事情があるよねって。

    ワタシ的には、外国人問題の話・・・というよりも母娘の関係についての方に意識が行ってしまう。ワタシも中学生の娘がいるのでね。
    娘さん辛いよね、可愛そうすぎる。
    最後は、なんだか母娘が分かりあった感じではあるけれど、でも娘が母親を理解して母親側に寄って行った感じで。母親自身は変わってないなって。
    母親が

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    2025年10月21日
  • 給水塔から見た虹は

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    『小説すばる』2024.3〜2025.1に大幅に加筆・修正

    とても丁寧に紡がれた物語。各々の登場人物の内面が、丁寧に描かれていると感じた。

    昨今、在留外国人が大きな問題になっており、政治の世界でもそれが大きな影響力を持っている。外国人が起こす犯罪は怖いと思う反面、この小説のような外国人たちの実態を知ると、彼らだけの責任でもない事例もあるのかなと思ってしまう。

    この小説は、在留ベトナム人の少年ヒュウと、母親が外国人ばかりに寄り添っている桐乃の物語。ヒュウやヒュウの母親のように、二世、三世であっても、読み書きがままならず、それが原因でいじめられる人もいることを知った。

    ただ、最後が、どう進

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    2025年10月22日
  • 夜に星を放つ

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    4.0/5.0

    恋愛や、子供からみた大人、を通してこの世の中で懸命に生きる人の苦悩と優しさが、決して大袈裟ではなく、等身大で描かれていると感じた。

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    2025年10月20日
  • じっと手を見る

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    久しぶりの窪さん。人は弱いものだ。
    誰かに頼らなければ生きていけない。

    日奈の人生も、海斗の人生も、宮澤さんの
    人生も、どこか孤独を感じさせる。
    窪さんの作品はいつも、人の不完全さを
    つきつけられる。
    それと同時に、みんな器用にたやすく
    生きてるわけじゃないんだと安心もする。
    日奈の「そばにいてほしい」という素直な
    言葉に救われる。

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    2025年10月15日
  • 給水塔から見た虹は

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    ぜひティーンズに読んでほしい本。
    日本にも多様なルーツをもつ人が住んでいて、それぞれの暮らしがあり、様々な思いを抱えながら生きている。桐乃のように、そんな環境のなかで生きづらさを感じながら過ごしている日本人もいる。
    桐乃とヒュウの行動は、親目線でみると胸がヒリヒリと痛むことばかり。それでもきっとこれから2人が生きていくうえで、必要なことだったんだと思う。
    自分の人生は、自分だけのもの。2人の未来が明るくありますようにと願わずにはいられなかった。

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    2025年10月15日
  • 給水塔から見た虹は

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    日本で暮らす外国人の生活を助けるボランティアにのめりこむ母と暮らす中学生の桐乃と、日本で生まれたけど馴染めないベトナム人の中学生ヒュウがいじめ、犯罪、不法滞在などがうごめく社会の隙間に落ちそうになりながら過ごした夏を描いた作品。ヒュウの祖父が戦争がない場所で過ごせているだけで幸せだろうとか、桐乃の母親が苦労している外国人と比較して自分の子供は幸せな方だ、と考えることはわかる。ただ、そうであっても苦しいと訴える二人も理解できる。手を差し伸べる桐乃の母親のような人がいるからこそまわっていく社会なのかなと思った。

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    2025年10月15日
  • 給水塔から見た虹は

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    中学生の桐乃とヒュウが愛おしくてたまらない。
    古い団地に住むふたり。
    桐乃のお母さんはスーパーでパートしながら夜は自宅で外国人(主にベトナム人、ブラジル人、フィリピン人)に日本語を教えたり困ってることの相談を受けたり病院に付き添ったり(もちろん無償で)ほんとに素晴らしい人格者だと思う。
    でも、どうしても家庭にことはおざなりになり桐乃にいつも留守番させてひとりでレンチンしたご飯を食べさせ寂しい思いをさせてる。
    優しいお父さんは桐乃にとって救いの存在だけど仕事であまり家にいない。
    桐乃は頭も良くてバスケも得意で正義感もある。
    けど意地悪なケヴィンと喧嘩したことがきっかけでクラスでも浮いた存在に。学

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    2025年10月14日
  • 夜に星を放つ

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    昨日『秒速5センチメートル』を観たところで、なんだか星に縁があります。

    コロナに寄せた話は映画も本もあまり得手ではないのですが、これはその寄せ加減が絶妙。尤も、いちばん好きだったのはコロナの「コ」の字も出てこない3つめの『真珠星スピカ』だったのですけれど。

    いずれの話も主人公は大切に思っていた人をさまざまな形で失っています。なかなか歩き出せないのが伝わってきて切ない。本作を読んだら『秒速5センチメートル』を観ることをなぜだか薦めたくなりました。

    乗り越えなくてもいいし、忘れる必要もない。心の傷を糧にして、揚げたてコロッケにビールで乾杯。

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    2025年10月13日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。

    独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。

    最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側の弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。


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    2025年10月12日
  • 夜に星を放つ

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    重松清さん大ファンの私だが、
    大人版重松清さんというか、
    結局解決はしないけれど、主人公たちが心のどこかで救われていく感覚がとてもよかった。

    特に最後の片親の男の子の話は
    本当に本当に切なくて
    『みんな大好きなのに、なんでこんなに苦しんだろう』という気持ちが痛いひど伝わる文章だった

    全て夜空、星がモチーフになっている。

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    2025年10月09日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

    誰かに縋りたくて、寂しくて、どうしようもない時がある。本来はみんな孤独で死ぬ時も一人だ。それでも誰かと生きることを辞められない。すごくリアルだった。登場人物全員の気持ちが分かった。
    朝井リョウの解説も含めてラストはぽろぽろと涙が溢れてきた。
    手を握るところで終わるのも良かった。

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    2025年10月07日