あらすじ
たとえままならずとも。あたたかな恋の旋律
人を好きになること。その人のなかに飛びこんでいくこと。
あんな怖いことをよくやったね自分。
「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。
恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。
目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。
一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どの作品も感情移入頻りである。傷ついた人に差し伸べられる救いの手が優しく温かい。『風は西から』の桃子さんや『赤くて冷たいゼリーのように』の宏(おじさん)のように。『パスピエ』の想定外のオチに驚愕。板倉の雄叫びが聴こえてきた。
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一番最初の「海鳴り遠くに」では心をどんどん解放していく登場人物をみて、ずっと蓋をして無視してきた自分の気持ちが剥き出しにされていくような怖さと、それでも続きが知りたい気持ちとが混ざり合って何度も本を閉じては心を落ち着かせながら読んだ。
今、恋をしていないけれど次そういう人に出会ったときは止まれないかもしれない。
この作品はそれぐらい私にとって強い衝撃があった。
いろいろな人がいて、いろいろな生き方がある。
当たり前のことだけど、それがこの世の面白さであり、小説を読むことの面白さでもあるなと思った。
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あんまり恋愛モノは読まないし、短編は好きではないけど、これは6編全てとても面白かった!
短編だけど物足りなさもなく、長編を読んだかのような読後感。キラキラしているだけじゃない恋愛モノは好き(笑)
Posted by ブクログ
窪美澄さん、2作目。
前回読んだ「給水塔から見た虹は」と比べて、
ずいぶん大人なテイストだったが、とても良かったし、好みの文章だった。
短編の1つ1つ、サラッと読めるがどれも濃厚で、長編を読んだかのような満足感があった。
切ない愛や苦しい愛など、胸が締めつけられる場面も多かったが、それでも、やはり人を愛することは素晴らしい、と思える短編集だった。
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もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み着いた)足の綺麗な小柄な中野さんが居酒屋の大将の奥さんで30歳だったなんてね。
しかも何回もこうやって家出を繰り返してるらしい。
板倉くんの束の間の夢のような生活だったね。
ちなみに’””パスピエ”はドビュッシーの曲らしい。
Posted by ブクログ
「海鳴り遠くに」「風は西から」が好きだった。恋愛小説集とあったけど、それもこれも恋愛なのか、とその広さに感心してしまう。普通なんてないのだと、自分の気持ちを伝えるのも隠すのも正解不正解ではないんだと言ってくれているよう。
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色々な恋の形の短編集。別荘暮らしの“海鳴り遠くに“と、老人と高校生が出てくる“赤く冷たいゼリーのように“が好きだったかな。“パスピエ“怖かった…。
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短編集あるあるで、好きなのもあったけど、そうでもないのもありました。
最近はLGBTQの小説も多いけど、この短編集にもあって、私は両方とも好きでした。
中野さんがねー…
イマイチ、よくわからなかったわー。
Posted by ブクログ
様々な形の短編恋愛小説6編。
世代もジェンダーも飛び越えて描かれる窪美澄さんらしい世界。恋愛って本当に色々なんだなと思った。
人を好きになることって、こんなに切なく苦しくて、ままならないものだったっけと遠い目になってしまった。決してハッピーな話ではないのに、それでもキラキラしていて…恋愛って悪くないよねと思えてしまうのが不思議。
Posted by ブクログ
人を好きになることに生きづらさを抱える人々の物語。
人を好きになれば、本当は幸せな気持ちになるはずなのに、理解されにくい気持ちが先立って、苦しんでしまう人々。
短編集ではあるが、どれも読後かいい。窪ん自身が、主人公に優しく寄り添っている。
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【あらすじ】
「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。
恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。
目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。
一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。
◆◇あらすじ◆◇
夫を亡くし、10年間の結婚生活に終止符が打たれた恵美は、夫の残した別荘に暮らしている。心は悲しくもせつなくもないけれど、思い出すと目から自動的に涙が零れる。
自分が、女を好きなわけがない。そう納得させたくてした結婚だった。
ある日、隣に画家の女性が越してきた。絹香と名乗る彼女と行き来するうち、恵美は自分の胸の奥の痛みに気づく。絹香もまた、怒ったように言う。
「恵美さん、旦那さんという人がいた人だったんだ」(「海鳴り遠くに」)
高校を休みがちになった僕の家へ、夏休みの間だけはとこの桃子さんがやって来ることになった。両親の離婚により始まった母との2人暮らしにも慣れ、告白されて彼女もでき、〈幸福が加速している!〉はずだったのに……。(「風は西から」)
自分は「普通」ではない。だから木に化ける蛾のように擬態を続け、「普通」の人間なのだ、と思い込もうとした。
そうして70手前になった学校清掃員の老人はある夏、昔想いを寄せた友人によく似た少年に出会う。「男女(おとこおんな)」と呼ばれいじめられていた彼と関わるうち、自宅に招き食事をともにするようになる。だが、2人のひと夏の終わりはすぐそこまで来ていた――。(「赤くて冷たいゼリーのように」)
――直木賞受賞作『夜に星を放つ』を超える感動をもたらす全6編
読み終えた後、「いろいろあるけど、こんな人生も悪くないな」と顔を上げられる、至極の短編集です。
【個人的な感想】
天鵞絨のパライゾ の話が特に好きだった。
『記憶が、あなたを生かすのよ』
『忘れられるわけないじゃないか。あんなに好きだった人のこと。』
心の柔らかいところに刺さった。
Posted by ブクログ
いまいちうまくいかない恋愛をテーマとした短編集。長い人生の中で、人は時に深く出会い、とあるタイミングでフェイドアウトしていく。ハッピーではないけれど、胸に手を当てれば近しいことはきっとあったはず。窪美澄さんらしい作品ばかりで、いずれもとても良かった。
中でも、常連店の"足がきれい"な店員に惹かれ、紆余曲折を経て、ストーカーに怯えるその女性を家にかくまうが・・・という、ネタバレを避ける感想書いたら、いまいちよく分からない『パスピエ』が、個人的には印象深い。 ★4.0
Posted by ブクログ
後味少し苦味の残る短篇集。
居酒屋の女性の店員が気になって、町で偶然出会って…と現実味のない感じで関係性が進展していく話が印象に残った。
もはや最初から出会い自体が仕組まれていたのだろうか?「中野さん」は一体何がしたいのか?「中野さん」の夫は、彼女のこの奇行を受け入れているようだがそれでいいのか?等いろいろ気になる。
何にしろ、失恋の痛手を被ってまだ完全に立ち直れていないところ、今度は詐欺のような恋愛をすることになった主人公が憐れだ。
でも、なぜか「中野さん」はそこまで悪い女性ではない気がする。本当は何か辛いことがあって、それを紛らわすためにこういう行動をしてしまうんじゃないか…とか考えてしまう。
うーん、後味悪し。でも嫌いじゃない。
学生時代に好きだった友人を事故で亡くした老齢男性の話も良かった。
好きだと告げることもできず、ずっとこの人は後悔していたのかもしれない。男だから、大人だから泣いちゃいけないなんてことはなく、悲しいときは泣けばいいという、なんてことない言葉が沁みる。
自分の気持ちを押し殺して数年生きるというのは、どんなの辛いことなんだろう。想像できない。
Posted by ブクログ
窪美澄さんの読み手を引き込む描写で、それぞれの短編はどれも印象深かったです。装画は、タイトルを上手く表現されていると思いました。
好きになる人は人それぞれでいいと思うのですが、相手があってのことです。だから、なかなか上手くいかなくて悩む人はたくさんいると思います。LGBTQという言葉がようやく浸透してきたなかでも、偏見はあります。この短編集ではその事も含めて、人を好きになることの喜び、そして難しさが書かれていました。
【海鳴り遠くに】
海辺近くの別荘で暮らすようになった女性の物語です。自分の本当の思いは口に出さなければ伝わらないと、やっと気づいたことが書かれていました。
【風は西から】
男子高校生が自己の弱さと向き合うなかで、言葉にしなくては思うことにもならないし、相手にも伝わらないと気づかせてもらったことが書かれていました。
【パスピエ】
行きつけの居酒屋のバイトの女性から助けを求められたことから、人を好きになることの怖さを改めて実感したことが描かれていました。
【赤くて冷たいゼリーのように】
一人の老人の切なさがたまりませんでした。弱い立場だからこそ気づけることがあるのに、それを表立って言えない現実がありました。ずっと閉じ込めていた思いが、ほんの少しの間でも満たされたことが、救いになってほしいと思いました。
【天鵞絨のパライゾ】
本当の優しさに触れたように感じた物語でした。こんな自分のことを好きだといってくれた人との結婚生活、そして別れ。どうしようもない状態なのに寄り添い、悲しみを思いきり吐き出させてくれた友達。国籍が違うけれども、同じ悲しみを味わった者同士の絆のようなものを感じました。本当に自分のことを大切にしてくれる人って、意外にそばで見守ってくれているようです。
【雪が踊っている】
雪の日の場面がとても印象的でした。安堵と共に過去への思いをぶつけた女性と、それをただ受け止める男性。二人が共に親となり、その息子たちが無邪気なことで、余計に複雑な思いが伝わってきました。「会いたい人にはきっと、また、どこかで会えるんだよ」という言葉と降り続く雪が、切なかったです。
Posted by ブクログ
様々な形の恋愛が描かれた、
6編の短編集
《海鳴り遠くに》
同性を好きという気持ちを隠しながら
結婚した女性。夫を亡くして一人で
住んでいるが、ある日、画家の若い女性と
出会い、押さえていた自分の気持ちに気づく
《風は西から》
学校を休みがちな高校生、陸の家に、
夏休みの間だけ食事を作りに来てくれる
はとこの桃子さんとの話。チェシャ猫みたいな
顔をした桃子さんがとても素敵。
この話が一番好きだった。
《パスピエ》
行きつけの店の、足がとても綺麗な
バイトの女の子が、ストーカーに遭って
いるらしい。自分の家で匿うつもりで
彼女を呼び、奇妙な同居生活が始まるが‥
最後が、何それ?!
《赤くて冷たいゼリーのように》
学校の清掃員として、働く老人。
昔想いを寄せた友人に、驚くほどよく似た
少年、結に出会う。彼は男女と言われ、
いじめられていた。ひと時の彼との交流。
やがて結は老人の前から去り、老人は再び
いじめられている少年を見つける‥老人の
取った行動は‥?彼のそれまでの悲しみと
孤独、怒りが伝わってくる。印象に残った話。
《天鵞絨のパライゾ》
お互い好きで結婚したはずなのに
少しづつ気持ちがずれていく
彼にはもう、自分への気持ちはない。
自分のどこが嫌いになったのか、考えても
分からない‥そんな時、側にいてくれた
異性の友人。お互い恋愛感情は無いが、
静かに寄り添ってくれた大切な存在。
《雪が踊っている》
家柄が違うという理由で、好きだった人と
結婚出来なかった主人公。
違う人と結婚し、子どもを出産。
成長した子どもが通う塾で再会した、
かつての恋人。
ひどい男だ。自分の子どもの気持ちは
考えないのだろうか。主人公のモヤモヤした
気持ち、何となく分かる。
宙色とは、空や宇宙の広がりを感じさせる、
青や紫、あるいは様々な色が混ざり合った
幻想的な色合いらしい。この小説もそんな
様々な人の恋愛の色が混じり合った作品に
仕上がっている。
人を好きになることの怖さと喜び
きっと誰もが経験している
恋の始まりと終わり。
読みながら、いろいろと思い出した。
苦い辛い想いも、やがて時間を経て
思い出となっていく。
地味だけれど、丁寧に描かれていて
あとからじわじわくる、
そんな物語だった。
Posted by ブクログ
思い描いた未来と、少しずれた現在のあいだで。
「いまいちうまくいかない恋愛」をテーマに、理想と現実のわずかなズレを繊細に切り取った短編集。
大きな事件が起きるわけではありませんが、日常のなかでふと気づいてしまう「こんなはずじゃなかった」というジレンマが、読者の心に静かに、そして深く刺さります。再録作の「海鳴り遠くに」を含め、どのエピソードも安定感があり、窪美澄さんらしい流麗な筆致でスラスラと読み進めることができます。
短編集ということもあり評価は☆3としていますが、軽やかな読後感のなかに、そっと胸に残る確かな余韻がある一冊。
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「赤くて冷たいゼリーのように」が良かった。
実は同じ男性である祐を好きだった学校の清掃職員の男性の話。ある時、祐に似た男の子、結をいじめから助ける。それがきっかけに2人の交流が始まる。年齢を超えてこういう関係もいい。お互いが心の支え、楽しみになっていたんだろうな。そのつかの間の日々がある日突然終わりになったのが寂しい。しかし、彼のなかに「自分の人生の先があとどれくらいあるのか分からないけれど、この先はお前(祐)に恥ずかしくないように生きていきたい」と思えるようになったのは良かったと思う。心が死んだように生きていたらもったいないもの。
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窪美澄さんの恋愛短編集
収録作は以下の6作品
海鳴り遠くに
夫亡き後で知り合った女性に惹かれていく女性のお話
風は西から
初めて出来た彼女が自分の友人に心変わりしたお話
パスピエ
逃亡癖のある女性に翻弄された男性のお話
赤くて冷たいゼリーのように
定年後のある少年との出会いで己を知る男性のお話
天鸞絨のパライゾ
出会いと別れのなかで自分を見つめ直していくお話
雪が踊っている
子供の塾で再開したかつての恋人のお話
どのお話もときめくような恋愛ではなく、一筋縄ではいかない内に秘めた思いを紡いだ大人向けの恋のお話だった。私は特に「赤くて冷たいゼリーのように」が印象的だった。
短編でもそれぞれに趣が異なり、じっくりと静かに読みたくなる味わい深い作品。
これは、読む時期や置かれている環境によっても、共感する箇所や、心に響く部分が変わってくると思う。
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窪さんの小説はかなり読んでいる方だと思いますが、今回はこれまで読んだ小説と比べると少し物足りなさを感じました。
6篇の短編集ですが、色々な恋愛の形がありました。
最初の「海鳴り遠くに」は少し年齢差もある女性同士の恋愛物で、昔の窪さんの小説の様にちょっとドキッとする描写もあって印象に残りました。
「パスピエ」は足の綺麗な女性である中野さんの正体にビックリ。
それ以外は1つ1つ物語としては楽しめましたが印象に残りにくいかな…という気がしました。
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いろいろな恋愛のかたち。
けっして一筋縄ではいかない。
そして胸が苦しくなる、熱くなる、哀しくなる。
六つの短編集。
「海鳴り遠くに」〜夫を亡くして三年、彼女が胸を熱くしたのは画家の女性。
「風は西から」〜冒頭のばあちゃんの口癖が「禍福は糾える縄のごとし」が頭に残る。
彼女にふられた傷心の僕の家に来たはとこが作る料理に癒される。
「パスピエ」〜行きつけの居酒屋に新しく入ってきたバイトの足の綺麗な女の子は、とんでもない子だった。こんなに簡単に騙されるのか…
「赤く冷たいゼリーのように」〜妻を亡くし年金とバイトで生活している初老の男が助けた男子高校生は、亡くなった同級生に似ていて気になる。
「天鵞絨のパライゾ」〜結婚は、簡単で永遠に続くだろうと信じてた。
好きだけでは続かないものなのか。
なんとでもなるのではないのかと…
ならなかった。
「雪が踊っている」〜家柄の違いで別れた人と子どもの塾で再会した。面影はあったが、何も話せなかったのは何故なのか…
そしてまた何処かへ…
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窪さんはやっぱり長編がよいな。もちろん退屈しないで読めたし、いいなと思ったのもあった。でも、きっと記憶には残らない。何年かしたら読んだことも忘れてしまいそう。よくないとかではなくて、自分には刺さらない話だった。
Posted by ブクログ
どの短編も普通に面白い。淡々と読み進められる感じで、ただあまり残らなかったな。もう自分が結婚し、妻となり母となったからか恋愛!って感じじゃないからかも。過去の恋愛に何も未練がないし。
Posted by ブクログ
窪美澄らしいと感じる恋愛短編集だった。
どれも、苦しく苦いストーリーばかり。
まあ恋愛なんて、キラキラしている方が珍しいのかもしれないが…。
短かい話だしどれも主人公視点でしか語られないので、イコール傷つけられた(傷ついた)側の視点でしかなく。
相手側にも何か理由があるだろうにそちらの感情だったりが一切分からないので、なんとなくスッキリしなかった。
まあ恋愛なんて主観で突き進むものなんだけど。
幸せの形も、何を追い求めるかも、本当に人それぞれだなとあらためて感じた。
Posted by ブクログ
誰かを好きになることに決まりや形はない、自由でいい、だけど思うようにいかない不自由さ。もがいて自分なりの答えを見つけると、出会いと別れも歳を重ねることも全部今の自分でいいよねって思える気がする。窪美澄さんの言葉が少し疲れた部分にスッと入って穏やかに流れていく。
Posted by ブクログ
様々な形の“愛”をテーマにした6篇の作品を収めた短篇集。
「海鳴り遠くに」は夫を亡くした後、海辺の別荘で一人暮らしをする女性の話。「風は西から」は母子家庭の男子高校生の淡い恋物語。「パスピエ」は居酒屋で働く女性と据え膳食わぬはの関係になる男の話。「赤くて冷たいゼリーのように」は私立高校で掃除の仕事をする高齢男性の話。「天鵞絨のパライゾ」は仕事と結婚を両立しようとする女性の話。「雪が踊っている」は子供を通して別れた恋人と再会する話。
どれも小説としての完成度は高いけれど、今のぼくにはまったく響かなかった。残念。