窪美澄のレビュー一覧
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無料版購入済み
閉塞感も漂います
パンデミックでずっとマスクをしていた頃が舞台で、なおかつ主人公が抱えている生きづらさも割と息が詰まりそうです。内省的な主人公の考えがずっと作中に漂っています。
新たな出会いで何かが変わっていくんでしょうか。 -
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人間誰しも上手くいくばかりじゃなくて
人生で1度や2度は折れてしまうことがあるのは当然で、むしろ、人の心はうまくいかないことの方が多い。
頑張らなくちゃ、自分は何もできていないと思い詰めてしまいがちなので、改めて気付かされた。一つできればよく頑張ってるんだよと。できて当然ではないんだよと。
そして、ちょっと疲れちゃったなと思った時に気楽に立ち寄れる止まり木のようなクリニック。身近にあったらうれしい。
この小説に出てくる人たちは、誰もが何か心に抱えている。もしくは抱えている人が身近にいる。だからこそ、人に適切な距離で優しく寄り添えるのかもしれない。
ちょっと疲れちゃったな、毎日嫌になるなと思える時に読みたくなる本でした。
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ネタバレ忍には生きて欲しかった。なんであっさり死んでしまうの?正子のためにも、双子の海老くんのためにも生きていて欲しかった。あんないい子があっさり死ぬなんてつらすぎる。
さっきまでぶーたれてた忍なのに、次のシーンでは、告別式のシーン。
若いひとが亡くなるのはつらい。正子のほとんど初めてのともだちだったのに。
忍、という癌という設定の高校生の少女にこんなに肩入れするのがなぜなのかわからない。自分に同じ年頃の娘がいるからなのか、病気で生きたいと必死の子どもが死ぬのがつらいのかわからない。
忍、という少女の死が読んでていちばんつらかった。そして、この本、まだ最後まで読んでいない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ意外にも圭祐の章に1番共感したし胸を打たれた。
側から見たらなんでもうまくやれそうな人が1番色々複雑なものを抱えているのかもしれない。
みひろや裕太のある意味シンプルな悩みより、圭祐のがんじがらめに絡まってしまった苦悩の方が共感できた。
最後の章で、他人から指を指されるようなことをした身近な人を、みひろを裕太を自分を、許せるだろうかと問う語りには、思わず「苦しい」と声を出してしまった。
「他人に指を差されるようなこと」と書いたけど、その他人になる自分もその指に苦しくなる自分も、どちらの自分も、誰の中にもあるという話だと思った。
元恋人の弟と結婚してこどもをつくるみひろも、兄の元恋人の後釜に収まる裕太も、それを嬉々として受け入れる裕太の母もみんな気持ち悪いと思った。彼らのこどもはそのことをどう思うだろうと考えた。
それでも、それは私が他人だから言えることなのかもしれない。
セックスのない恋愛関係なんて考えられないからみひろの辛さには同情した。2人が恋人関係でいる間は自分からは絶対に手を出さなかった裕太はちゃんとした人だと思った。
結局、人は自分の物差しでしか何かを判断できない。どの面から物事を見るかだ。
読み終えた直後は前述したみひろや裕太、その母への不快感だけを感じた。
でも少し時間が経って感想を書くうち、そんな思いが浮かんできた。それは私が他人だから勝手に指を差せるだけなのかもしれないと。
思えば思うほどすごい小説だった。そんな気がする。 -
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ベトナムから日本へ来た少年たちの姿を通して、「外国人労働者」という言葉だけでは見えない現実を知った一冊でした。
日本で働けば豊かになれると信じて来日しても、約束された賃金が支払われなかったり、人として対等に扱われなかったりする。異国で孤独を抱えながら生きることの苦しさが、胸に迫ってきました。
特に印象に残ったのは、行き場のない少年たちが「仲間がほしい」という思いから危うい道へ引き寄せられていく姿です。悪いことだと分かっていても、一人でいる寂しさには抗えない。その葛藤がとても切実でした。
また、ベトナム人の若者たちだけでなく、彼らと関わる日本人の母親や家族の視点も描かれていて、単純な善悪では語れない問題だと感じました。
以前、外国から来た人が日本で見下されたり、不当な扱いを受けたりする場面を見てきたという話を聞いたことがあります。この作品を読んで、そのときの話を思い出しました。言葉が通じないように見えても、相手はちゃんと理解しているし、傷ついている。私たちが気づいていないだけなのかもしれません。
ベトナムから日本へ来るまでの苦労や覚悟についても考えさせられました。やっとの思いでたどり着いた場所が、必ずしも希望の地ではない――その現実はとても重く、悲しいものでした。
読後は「かわいそうだった」で終わるのではなく、今の日本社会で実際に起きているかもしれない問題について考えるきっかけになりました。これまで持っていなかった視点や想像力を与えてくれた、とても印象深い作品でした。 -
Posted by ブクログ
国際化の中で共生できる社会とは
初めての窪美澄さん。読書YouTuberさんのオススメでした。
日本人の在留外国人に対する扱い方。もちろん逆も然り。
苦手なままで成立していない環境下が桐乃の団地の中で繰り広げられているのを見ると、他人事ではないと思った。
桐乃の母・里穂の過去(中学生の時に出会ったタオという少女)をきっかけに、家族のことよりも在留外国人が困っていたら手を差し伸べることが多く、桐乃が嫌気差す場面があった。
中学生は多感な時期でもあるし、まだまだ親から離れられない年齢。
里穂は家族に目を向ける時期だったのではないかなと思った。
お人好しの部分もさることながら、過去のきっかけがあるから自分で動く。
だけどそこは行政やNPOにかけるべきだったのではないかという疑問が残ってしまった(とはいえ、動いてくれないジレンマがありそう…)。
また桐乃とヒュウが出会った、元技術実習生たちが言った「日本は夢の国」ということば。
つい先日、統計で住みやすいというのが9割だという結果が出ていたが、
実際は…となると、実際との乖離はあると考えたほうがいいかもしれない。
文化や言葉の違いによって歩み寄りが非常に難しいし、心が通じ合うわけじゃない。
言葉が通じ合わない中で代替策はあるけど、どうしてもおざなりになってしまう。
お互いに手を差し伸べ、共存できる社会ってなんだろうなと、考えてしまう。
国際化の中で共生できる社会として成長することを考えた時、日本って矛盾だらけなのかもしれない。
その矛盾が自分たちの考え方から来ているのであれば、変えていかないといけないのでは?
という警鐘を鳴らしているかのような物語だったと思います。