窪美澄のレビュー一覧

  • 宙色のハレルヤ

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    少しずつ噛み合っていなくて、どこかうまくいかない、様々な恋の形を描いた6編の短編集。

    「風は西から」
    はとこのご飯で立ち直る高校生のひと夏の青春。唯一爽やかな物語。

    「パスピエ」
    足が綺麗な中野さんが転がり込んできた板倉が、告げられたまさかのラストを迎える。彼のこの先が心配。

    「赤くて冷たいゼリーのように」
    自分を普通でないと隠して生きてきた高校清掃員が、いじめにあっている少年に出会う。かつて好きだった友人に重ね、心を通わせるが‥。抑え込んできた思いと、身動きの取れない苦しさ、もどかしさが、赤いゼリーの鮮やかで残酷なイメージに重なる。

    「雪が踊っている」
    不本意な別れを強いられた元彼と

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    2026年03月01日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    読み終えた時、この本のタイトルがとても愛おしくなった。
    自分の弱さを認めたくないことも多い。どうしても完璧を目指してしまう。だけど、欠けていてもいい。ゆっくりでいい。ただ、自分を大切に、誰かと共に、生きていこう。そう思わせてくれる、優しい一冊だった。

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    2026年02月27日
  • 宙色のハレルヤ

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    ネタバレ

    いろいろな愛のかたちが描かれた短編集。
    同姓愛や、淡い恋…過去に思いを馳せたり、戻ってこない恋を慈しんだり。
    窪先生の恋に対する“どうしようもない想い”を詰め込んだ物語たちは、今回も私も胸に刺さりまくった。

    『海鳴り遠くに』
    夫と死別し、ひとり夫の海沿いの別荘に住む恵美。そこで出会ったのは、隣に一時的に越してきた絹香。恵美は絹香と出会うことで、再び女性を愛するという自分の性を自覚するも、困惑を隠せずにいて…
    ドラマチックなラストに胸がときめいた作品。

    『風は西から』
    母子家庭で育った陸。そんな彼の日常に突然現れたはとこの桃子。陸は元カノを親友にとられたり、桃子との突然の出会いで困惑するも、

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    2026年02月24日
  • 宙色のハレルヤ

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    恋愛小説集。
    人を好きになるのって辛いなーキツイなーって思わされる話が多かったです。でも、読んでいて嫌な気持ちになる訳ではなく。過去の恋愛で感じたやるせなさとか悔しさとかそういう気持ちが昇華されるようなそんな読後感でした。
    特に「天鵞絨のパライゾ」は、登場人物の一人が主人公に「そういうふうに巻き込まれてしまうことがあるでしょう。自分ではどうしようもないことに」というセリフに救われた気持ちになりました。好きになってもどうしようもなく上手くいかない恋愛はあって、それは自分が悪い訳ではないんだよと言われたような気持ちになりました。

    他にも、両親の離婚後積極的に家事を分担する高校生の主人公が付き合っ

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    2026年02月23日
  • 給水塔から見た虹は

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    ネタバレ




    ベトナムからの移民である中学生のヒュウと、そのクラスメイトの桐乃という女の子とその母親の里穂が主人公。

    人種差別や移民問題等テーマが重いけどスピード感もあり、あっという間に読破できた。



    自分の娘よりも外国人を助けることを優先してしまう里穂の人間性が桐乃同様に私も受け入れ難かった。



    ヒュウはとってもいい子。
    悪い仲間に流されつつも、流され切ることなくしっかりと罪悪感をもっている。優しくて一生懸命で愛情を精一杯に求めている。

    ヒュウも桐乃もしっかりしているようでもまだ中学生。
    まだまだ幼く、周りの大人達の庇護が必要な年頃だ。
    それに対して父親と母親の責任は重い。


    ヒュウ

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    2026年02月23日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    最後まで救いがあるかないかわからないまま読み進めていたけど、すっきりした終わり方だった。章ごとの重さとか過去へのやり切れなさは残りつつ、出てきた人たちが前を向く力を獲得できてよかった。若者はこんなふうにたくましく生きてほしい。
    二十歳くらいのときに読んでたらもっと感情がぐちゃぐちゃになってたかも。

    性欲というやっかいで小さなたまごは、あたしのなかですでに孵化していて、それがたまごっちみたいに成長していくことを、あたしはそのときまだぜんぜんわかっていなかった。p.146

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    2026年02月23日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    重松清の世界を窪美澄が描いたら、という印象の短編集。新興住宅地の子育て主婦やステップファミリーの一員になってしまった女子高生など、一見すると裕福で満たされたように見える家族のしんどさが描かれている。
    毒もある。それぞれの孤独も沁みだしている。
    今すぐ死にたいような悩みではないが、一生緩解することのない病にかかってしまったようなしんどさ。
    それでも本作の登場人物たちの結末は希望を感じさせる。


    セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。
    仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
    自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
    出産を経て変貌した妻に違和

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    2026年02月18日
  • ぼくは青くて透明で

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    久々の窪美澄さんの作品だったけれど、率直にすごくよかった。
    マイナーなセクシャリティで生きることの難しさ、でも、性別関係なくここまで大好きになれる相手と出会えるって幸せなことだなと感じた。

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    2026年02月18日
  • 私は女になりたい

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    引き込まれて一気に読んだ。

    いくつになっても恋をしたいし、女でいたいと思う。
    でも、女でいることをあきらめたり、女性性を出してはいけない場面もあるし、自分の思いだけで居られないのって苦しい。
    立場を守って全てを失った主人公は強いなって思った。
    最後は希望が見えてよかった。

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    2026年02月11日
  • 夜に星を放つ

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    死に別れた孤独、一緒にいるのに気持ちが遠い孤独、いろいろな孤独に寄り添うように星は輝く。
    ハッピーエンドではないけど、何かシンボルに思いを吐露することで少し前を向けているのが暖かく感じた。

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    2026年02月09日
  • 宙色のハレルヤ

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    短編集であるけど、どれも良かった。恋愛も色々な形があり、何がよくて何が悪いと言うことではない。自分の心の中で蓋をして次の1歩踏み出すことが大事と思う。いろいろとあるけど、新しい人生の始まりでもある。

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    2026年02月05日
  • 給水塔から見た虹は

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    タイトルからは想像できない内容でした。
    何気なく過ごしている 当たり前の日常。
    普通に生活する事すら出来ない人達がいる事 考えさせられました。
    そんなつもりはないのに どんどん泥沼に嵌りこんで抜け出せなくなって。
    読んでいて どうなってしまうのか ハラハラし苦しくもなってしまいました。
    おじいさんが良い人で良かった。
    私に何か手助けは出来ないけれど せめて違う国の人ではなく 同じ人間として対等に接する事が出来ればと思います
    給水塔…団地の象徴としてかな

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    2026年02月04日
  • じっと手を見る

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    地方都市の男女の恋愛模様を描いているだけなのだが、なぜか読み続けてしまう。よくある男女関係の聞き飽きたトラブル。それでもストレスなく完読できたのは著者の文章ゆえだと思う。
    あえてありふれた不幸を描いたのでは、とさえ思える。退屈な人生をメリハリなく漂う登場人物たち。一方で紡ぐ文章は上手さを感じさせないほど乗り心地が良い。
    この著者はスキャンダラスな題材がウリのように思われているが、本質的には文体作家なのではないだろうか。

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    2026年02月03日
  • 給水塔から見た虹は

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    良い話なんですけどね、なぜか「手放しで・・・」とはなりませんでした。
    最初に引っかかったのが、3世のベトナム人のヒューが日本語が苦手という設定。私の大叔父・大叔母たちはアメリカとブラジルに移民しましたが、その3世たちは母語は現地語で、日本語はほぼ喋れない。漢字は苦手というレベルならまだしも、幼稚園、小学校と日本の学校に通って、喋る事さえ苦手と言うのは・・・。元々センシティブな話題を扱うので、よほど丁寧に描かないと嘘っぽくなる。そう言う目付きで読んでいたら、母親の行動なども、どこかステレオタイプに感じられてしまう。また、母親が我が子をさておいて外国人支援に突き進み、さらにそれを父親が容認する動機

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    2026年02月02日
  • 宙色のハレルヤ

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    もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
    中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
    まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
    マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
    あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
    あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み

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    2026年02月01日
  • ぼくは青くて透明で

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    この瞬間が永遠に続けばいい。二人の青年は互いに惹かれ合っていく。家庭環境、学校生活にて問題が起きるのは必然。だからこそ、確固たる信念を持って次のステージに飛び込むのだった。甘く切ない青春の物語。

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    2026年01月31日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    辛い描写が多く読むに耐えないのに、ページを捲る手を止められずに、夜更かしして一気読みしてしまった。
    かなり直接的な表現が出てくるけど、性と生の生々しさを伝えるのには必要な表現だったのかなと思う。

    悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんです、そうすれば、オセロの駒がひっくり返るように反転する時が来ますよ。いつかね。

    この言葉の通り、登場人物達の人生も反転しますように。

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    2026年01月31日
  • アカガミ

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    よくあるテーマをリアルに恐ろしく描かれている。種の保存という意味では逆にエンタメなどがない時代へ戻ったみたいな感じ。

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    2026年01月30日
  • 宙色のハレルヤ

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    「海鳴り遠くに」「風は西から」が好きだった。恋愛小説集とあったけど、それもこれも恋愛なのか、とその広さに感心してしまう。普通なんてないのだと、自分の気持ちを伝えるのも隠すのも正解不正解ではないんだと言ってくれているよう。

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    2026年01月25日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    「底辺」の団地なんだろうけど、そんな乱暴な言葉を使わずに話が進む、優しい話。みかげが生まれ直したように七海ちゃんも生まれ直せるといいな。

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    2026年01月22日