窪美澄のレビュー一覧

  • 水やりはいつも深夜だけど

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    何故かたまに窪先生の本が読みたくなる。買って積読していた本を見つけて呼ばれた様な気がする。植物の名前は余り知らないのですがポーチュラカはよく目にしていたので知ってたしゲンノショウコは(現の証拠)直ぐ効果が出るからゲンノショウコだったなんて目からウロコです。サンカヨウは雨に濡れて透明になるなんてなんて素敵な花なんでしょうか。
    「かそけきサンカヨウ」と「ノーチェ.ブエナのポインセチア」は登場人物が同じだったのでとても読み応えがあって私が一番好きな物語りでした。窪美澄と言えば女の為の女の文学だと思って居たけど男性側から描くと「サボテンの咆哮」になるんですね。男性のおれが主人公で何をやってもダメで我慢して我慢してみたいな男。結局結婚をゴールと考えるかスタートと考えるかで向き合う姿勢が違って来ると思う。あるべき家庭の姿を押し付けようとするのも無理だと思う。現実は仕事も子育ても大変。でも言えないんですよね。本音を自分の言葉で伝えて話し合える夫婦又は家族は強くなれると思う。
    そして最後に対談加藤シゲアキ×窪美澄
    加藤さん曰く窪さんのこの小説には人が生きていくことの生々しさが描かれていて考えさせられましたとありました。私も同感です。

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    2025年12月06日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    おもしろかった
    1部は母由紀子目線のお話
    2部は智晴目線
    由紀子の結婚から出産、離婚、さらには再婚まで
    智晴が切ないほど、いいお兄ちゃんになって
    葛藤しながら頑張る。
    その後は立派に成長したところが嬉しかった。
    父智久はいい人なんだと信じてたのに裏切られた気がしていたけど、なんとなく憎めない
    なんかみんないい人。
    由紀子も智晴もお疲れ様、幸せになってね

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    2025年12月06日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 夜に星を放つ

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    切ない…読みながら何度胸がぎゅっとなったか…。
    だけど寂しさの中に優しさを感じられるような短編集で、タイトル通り暗闇の中に光が射し込むような救いのある作品でした。
    それと文章が澄んでて綺麗、他の作品も読みたくなった!

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    2025年11月29日
  • 恋愛仮免中

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    みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくないから好きではない...?「ほしい」は「好き」を上回る純粋な感情になりえる。「好き」は変幻自在な都合の良い感情になり下がる。

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    2025年11月27日
  • じっと手を見る

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    生まれ育った故郷で仕事をして生きていくこと、故郷を出て暮らしていくこと、それぞれの生き方を肯定してもらえる作品だと思った。
    自分が登場人物に近い仕事をしてるから感情移入しやすかったし、自分の生き方は間違えていないと言ってもらえているようだった。
    人と深く関わることで生まれる辛さと、人と関わることで得られる幸せがどちらも丁寧に描かれていてラストはじーん、と胸にくるものがあった。
    朝井リョウさんの解説も、大好きです

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    2025年11月23日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    三者がそれぞれ過酷な人生を歩み偶然にも一緒に海岸に迷い込んだ鯨を見に行く重たい物語。本当に重たく普通に生きていくことの難しさを知った。

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    2025年11月13日
  • 夜に星を放つ

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    「真夜中のアボカド」は、婚活アプリで知り合った相手のことで悩む女性。人と関わりを深めることの難しさがじわじわと。自分の気持ちは、その時々で、自分が一番いいと思う方法で伝えていいのに。

    「銀紙色のアンタレス」は、16歳高校1年男子の夏休み。同年代や大人の女性に向ける眼差しが、懐かしいような、こそばゆいような。この年頃の若者の発する言葉はストレートで残酷なんだな。

    「真珠星スピカ」は、辛いことが身近で起こる中1の女の子。そばにいる人が鈍感なので、強くあろうと頑張ってしまうのが痛ましい。人は悲しい時には我慢しないでしっかり泣ききったほうがいい。

    「湿りの海」は、妻子に捨てられ、知り合った女性とも何故かすれ違ってしまう男。わかっているようでわかっていないんだよな、この人は…という女性たちの声が聞こえてきそう。

    「星の随に」は、親の離婚と再婚によって心が揺れ動く小4の男の子。何故こんなにも気を使うの。切なすぎて大人の身勝手さが悲しくなる。男の子が優しさを失わず少しずつ成長していってほしい。

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    2025年11月03日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかしくなるような、胸キュン恋愛小説が苦手な人も、これは安心して読めると思う。

    そして『恋愛仮免中』というタイトルもなかなか粋だ。
    幾つになっても、男性も女性も、こと恋愛においては
    仮免中の時が、一番たのしいんだろうな。

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    2025年10月25日
  • 朱より赤く 高岡智照尼の生涯

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    12歳で実の父親に売られたみつ
    舞妓、芸妓として生きる中で、男たちに傷つけられ翻弄される
    最後にみつが選んだ道

    女という性に生まれたがゆえに理不尽な目にあう
    それでも希望を忘れず、自らの道を切り拓く主人公に胸を打たれた
    高岡智照という人をもっと知りたくなった

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    2025年09月30日
  • 私は女になりたい

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    正直な話 あんまり共感できなかったなぁ
    恋愛小説ってところだけを抜き出すとものすごく綺麗なお話だと思うけど、女性としての生き方の選択話としてみるとあのオチ含め、要所要所美化しすぎじゃないかなぁと感じてしまった。たぶんこれは私が男性として生きてるからなんだろうとは思うし、実はそこがこの小説の一番の罠であって、実はこういうとこにこそ嘘が書いてあって裏で舌ペロって出してたりするのかもしれない…くらいまでは考えた。

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    2025年09月22日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おまえが死んだら、僕はどうやって生きていけばいいのか!

    ありふれた言葉なのになぜか沁みてしまった。
    橘だけでなく、水本もそう思ったんだろうと。

    なのに男たちは礼子を悪く書く。愛しているのに悪く書く。
    今の男たちも、自分の愛している人の悪口を友達に言うのだろうか。
    女たちも自分の愛している人の悪口を言うのだけれど。

    愛していることをいうと場が白ける。

    馬鹿らしいなと思う。

    悪口を言うとほんとうになるかもしれないのに。
    あいつは毒婦だとか。
    そんなことはないのに。そばにいたらわかるのに。
    そう思い込みたいだけ。

    愛は思い込み。
    思い込んだまま、自分に暗示をかけて、愛しきって欲しい。

    おじいさんになっても、おばあさんになっても。

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    2025年09月18日
  • よるのふくらみ

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    特に後味いいとか悪いとかないですが、まあリアルな物語進行と感じました。

    言葉にできない違和感をうまく解消できるかできないか、よりよく生きていく上では重要なのかなと思うなど。

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    2025年09月01日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族は何がどうあればうまくいっている、と言えるのだろうか。
    当然のことながら人間が生まれて育っていく過程には教育だったり労働だったりその他いろいろなことに関わるし、その関わることのしわ寄せがすべていくのが家族という場なのだろうと思う
    それだけいまのこの社会では家族や家庭で担わなければいけない役割が大きすぎる
    求められる夫像や妻像、父親像、母親像、はては子どもの理想的な姿までもが社会から無言の圧力で求められ、そこから弾かれた場合のケアは家族がすることになる
    それなのに労働時間は長く、各家庭の働き手は時間もきつくて余裕なんてない
    家族にしわ寄せがいくとどうなるか、社会とのコンフリクトの狭間で揺れる人たちを窪美澄さんが描いた。社会への批判的な視座を保ちつつ、作中で生きている人物たちは必死で愛おしく映る。
    背中を撫さすってあげたくなるような、この人の行く末を見守らずにはいられないというような人物だし、そういう物語が上手な作家だと思う

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    2025年08月31日
  • よるのふくらみ

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    生々しい性欲と愛情なのに純粋に好きになる思いも感じられて...個人的には好きな物語の終わりかたでした

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    2025年08月26日
  • 私は女になりたい

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    タイトルに惹かれた。
    どういうこと?と。
    恋から遠ざかってる40代以上の女性なら共感できることばかりだと思う。
    戸惑いながらも女になっていく主人公が素敵だった。
    心温まる展開もあってすごく良かった。

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    2025年08月15日
  • よるのふくらみ

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    いまだに女性には性欲があることを認められずにないものにされたりする
    つるっとしたプラスチックみたいに思われがちだ。そこに生々しさはざらついたものがあると認識されない
    窪美澄さんの小説に出てくる女性たちはみんな生でざらついてて、汗ばむ皮膚の下に血がどくどくと流れているのを感じる
    自分の性欲に振り回されて、もがいている女たちが愛おしい。性に主体的な女性はいまだに奔放では好意的に受け取られることが少ないと思う
    だからこそ、こうして自分のなかにある性欲の存在を認めたうえでそこにもがいている女たちの生き様を読めることがうれしい

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    2025年08月07日
  • 私は女になりたい

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    48才美容皮膚科医の主人公が14才歳下の男性と恋に落ちる話。こういう設定の本を初めて読んだので新鮮だった。
    自分は成人さえしていればひとまわり以上歳下の男性を好きになってお付き合いしたっていいじゃないかと思ってしまうが、人によっては年甲斐もなく恥ずかしいと思うのであろうか。
    短い人生。自分が好きになった人が自分のことを好きでいてくれることがどれほどの奇跡かと思うから、年齢になんてとらわれる必要ない。雇われ院長として仕事もバリバリ頑張る主人公に肩入れして、応援して読み進めていた。そのため、後半の展開がつらすぎて絶望、気分悪すぎて目眩してくる。わたしだったら立ち直れない、人生おしまいくらいの出来事が起こっていろんな人から好き勝手言いたい放題言われるけど、一言も言い返さず黙って耐え忍んだ主人公がやっぱり伊達じゃないなと…剛鉄の女って感じ。そりゃアナタ男なんていらんよとなった。でも最後、救いがあってよかったと思う。信じてくれる人は信じてくれるんだなと思った。

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    2025年08月05日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    かなりの人間不信な自分でも、一人の人とじっくり向き合いたいなぁと思わせるストーリーだった。各々の心理状況や生活環境の描写から二人の関係性を間接的に投影していく文章展開が心にしみた。

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    2025年07月09日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    窪美澄さんの描く女性って、なんでいつも無様で必死で愛おしんだろうなと思うんだけど、それはきっと出てくる女性が自分の意思を持って、自分で選択したという事実を揺るがないものとしているからだろうと思う
    選択したことが上手くいってもいかなくても選んだのは自分、それが何より自分の尊厳を守る。モデルは長谷川泰子で中原中也と小林秀雄との関係で知られている
    長谷川泰子は二人の男を弄んだ毒婦と言われることが多いが、彼女にも晩年というものがあり、ただ二人の男のあいだにいた女というわけではない。その後の彼女の人生はどんなものだったろうというのを恋愛小説の名手である窪美澄さんが血肉の通った一人の女性として描いてくれた
    彼女の懊悩も喜びも、いずれもが鮮明で読んでいておもしろかったし、ラストの場面は想像したら美しくて震えた。最後の最後にああいう場面を持ってこれることの思い切りの良さがかっこいいと思った

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    2025年07月03日