窪美澄のレビュー一覧
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家庭環境に恵まれなかった結果、生きづらさを抱えてしまった3人が絡む物語。
一人目は由人、24歳。
東京のデザイン会社に就職して激務を強いられるのだが、ミスも多く自分に自信が持てずに悩み続けていた。
二人目は野乃花、48歳。
由人が勤める広告制作会社の社長。
世の不況の煽りを受けて経営に行き詰まり、死を覚悟する。
3人目は正子、16歳。
神経質な過剰とも言える程の母親からの干渉に、正子は幼い頃から自分の意志を押し殺して生きてきた。
同級生の姉と知り合って自由な行動と考えを知り、自身の考えを押し殺して生きている自分に初めて疑問が生じる。
由人はどん底に陥った野乃花が自死しようとしている事を知 -
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暑いから怪談話で涼みたい
ってな事で、窪美澄の『ルミネッセンス』
トワイライトゾーン
蛍光
ルミネッセンス
宵闇
冥色
の短編集。
暑い夏も吹き飛ぶ短編集ホラー小説
なんてのは嘘じゃけど、最後にヒュッと涼しくなるオチがナイスな短編集。
冴えない高校教師のおじさんとバーで出逢った少年
団地の近くの沼は近づくな
学生時代の想いを身体で弔う(この手の窪美澄さん好き❤)
顔の傷で虐められてたが寡黙なおじいちゃんが守ってくれる
結局、我儘な男が都合のいい女をストーカーにさせ、我儘に自滅する
サクッと読めて涼しくなれるのでこの夏にどうぞ
2024年19冊目 -
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『不妊治療なんてどっか自分の心を押し殺さなきゃできないもんだよ』
2022年から『不妊治療』の保険適用が始まり、同年の治療者数が37万人を超えたという報道がありました。『妊活』という言葉があるように、子どもは欲しいと思ってすぐに持てるものではありません。『不妊治療専門のクリニック』に通い、夫と妻、それぞれの身体が調べ上げられてもいきます。そんな先に、
『どこにも問題はないって!』
と、一方が満面の笑みを浮かべたとしたら、もう一方の側には厳しい現実を目にする可能性が高まります。『子どもを持つ』ということは決して容易なものではない、『不妊治療』をされる方の数がその厳しい現実を指し示してもい -
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あなたは、『国が立ち上げたシステム「アカガミ」』に参加したいと思いますか?
(*˙ᵕ˙*)え?
突如家に届く赤色の紙。先の大戦において、戦場へと召集される際に赤い紙を用いて印刷されたものが届けられたことから”赤紙”と呼ばれていた…私は実物を見たことはもちろんありませんが、あくまで知識としてそのように認識しています。ネット上で確認できる写真を見れば見るほどに、どこか血を連想させるその生々しい姿には拒絶反応が呼び起こされもします。
数多の人たちがこの一枚の紙によって戦場へと送り出され、命を落としていった歴史。改めて”赤紙”という言葉が持つ重さを考えてもしまいます。戦争末期には”根こそぎ動員 -
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窪美澄さんの、いわゆる「普通の女性」の心理描写はやはりすごい、と感じる。
私のように結婚も出産もしていなくても子持ちの主婦の気持ちになれるし、旦那が不倫をした妻の気持ちにもなれる。
主人公は52歳の絵里子。夫と20歳の娘と3人、小さなマンションで暮らしている。普段はホームセンターのパートに出て、多くはないが家計の足しにしている。
とりあえずは平穏な暮らしだが、思春期の反抗期以降は娘に気を遣いあまり口うるさく言わないようになり、仕事漬けの夫とはすっかりセックスレスで、それどころかほぼ会話もない。
だけどそんなものだろう…と自分を納得させながらいたのだが、ある日夫婦の寝室に、風俗店のスタンプカー -
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ネタバレ水遣りはいつも深夜だけど
家族にまつわる短編集。
サボテンの咆哮 と かそけきサンカヨウ
がすごくすごくよかった。
サボテンの咆哮
自分の子育ての事や家庭の事、いろいろなことが心に浮かんで涙が流れた。
育児物の小説ってどうしても母親目線のストーリーになるが、この話は父親メインの話で、父親も母親同様に葛藤を抱えて悩み苦しむんだと知り、切なくなった。
奥さんの方も優しい人で、お互いに許し合うことができてよかった。
かそけきサンカヨウ、
これもとても良かった。
全体的にとても静かなトーンで話が進んでいくが、最後の美子さんの「陽さんのお母さんは素敵な絵を描く方なんだね」と言うセリフひとつに涙腺 -
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好きな言葉はエロスです。
ってな事で、『ここから先はどうするの 禁断のエロス』
澤村 伊智
壁の向こうで誰かが
彩瀬 まる
噛みあとはオレンジ
木原 音瀨
Lotus
樋口 毅宏
ROMANCE
窪 美澄
バイタルサイン
の5人の官能アンソロジー
それぞれええ感じのエロスです。
眠っていた自身のエロスを解放していく様…
脚フェチから纏足に魅せられ、また自身の纏足との別れ
と共に、過去の複雑な呪縛から解放された『何だか清々したわ』にシビれた
1番はやっぱり窪美澄さんのバイタルサインがえかったな
義父と娘のズルズルと沼にハマっていく禁断の愛が……
それぞれの作家さんのエロ