窪美澄のレビュー一覧

  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    正子の話は苦しくなりました。母親の愛情も行き過ぎると毒です…でも由人の母のように無関心過ぎても毒…匙加減が難しい。
    妊娠してからの野乃花の母にも気持ち悪さを感じました。彼女が逃げ出してからその母がどうしたのかが気になります。

    最後は3人とも前向きに人生を歩もうとしているところが救いでした!

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    2025年01月09日
  • 妖し

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    面白かった。
    なんとも言えない不思議な妖しい話ばかり。
    特に恩田陸さんの金沢の話が好きだ。恩田陸さんのユージニアも金沢が舞台だったな。なんとも印象に残る話だった。恩田さんの、金沢に対する特別な思い入れを感じる。
    ちょっと乙一さんのような妖しいオムニバスだった。

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    2025年01月05日
  • ぼくは青くて透明で

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    自分らしくいることの難しさ。嫉妬や世間体、家族の反対、好き同士なのに広がる距離。恋愛に悩みはつきものだけど、同性同士だからこその悩みに胸がチクチクしました。生きづらさに悩みながらも一緒に人生を歩みたい人に出会って、全力で愛するって素晴らしい。

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    2025年01月03日
  • じっと手を見る

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    「好きな季節は」と訊かれたら、僕なら晴れた冬の日と答えるだろう。
    風の穏やかな理想的な冬晴れの午後、自宅から歩いて20分ほどの公園の、丘の上にある展望台からの眺めが目的で出かけてみる。この時間なら夕陽を受けた街並みの風景を望むことができるだろう。大いに期待して丘を登り、いざ眺望をと、その瞬間から、すでに西に傾きかけた日差しが雲に遮られてしまった。展望台から見渡すコントラストが失われた街並みの眺めは期待外れで、ため息が出た。西寄りの空に浮かんだ、比較的大きなひと塊りの雲は、日没までそのまま居座り、よりにもよってその日の午後の最後の光を隠し続けた。
    「結局、僕はそうなんだ」すでにどこかの時点で諦め

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    2025年01月03日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    「やめるときも、すこやかなるときも」

    結婚の誓いの言葉であることは最初は知らなかった。知ったあと、このタイトルの重み、そして結婚ということの重みが感じられる。

    相手が病んでも、健やかであっても、一生添い遂げる覚悟があるのか?

    盲目的になることではない。桜子のなかにも壱晴のなかにも、複雑で暗い部分がある。付き合うと決めたのは、各々の目的があり、必ずしも純愛ではない。激しい熱愛も持たなくて、会うたびに付き合い方を模索しているような恋愛模様。心の傷のかさぶたが剥がれるときは、試練が来るときである。

    「やめるときも、すこやかなるときも」とは、結婚というものには、性格と習慣の調整もあれば我慢もあ

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    2024年12月29日
  • 私は女になりたい

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    ネタバレ

    窪美澄氏の著作を読むたびに性愛の小説が上手だなあ…と感じる。直木賞作家に向かってなんてことを言うんだという話だけど
    理性ではわかっている、でも心が情動が泊まらない、止められないという人間が本当に愛おしい。窪氏の小説にはそういう人たちがよく出てくる
    私は理性的な人間が好きだし自分もそうありたいと覆うが同時に感情も大切だと思うし感情こそが人間だと思っているので人間臭い登場人物がたくさん見られる作品は好きだ
    直接的なタイトルもすごくいい。私はフェミニストだという自覚があるがこういう恋愛をする女性の話も大好き
    たぶん嫌いな人も受け入れられないひともいると思う。主人公のように大人で自立もしている女性が一

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    2024年12月29日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

    梅雨のようなじっとりとした空気が物語全体に漂っていたが、繊細でリアルな描写のおかげでかなり読みやすい恋愛小説だった。性描写も多々あるが、私としては綺麗でいやらしさがなくて良いと感じた。

    私はどちらかと言えば宮澤や仁美ではなく、日奈や海斗に近い生活をしているので、職は違えど共感できる部分が多くあり感情移入してしまった。休日はショッピングモールに行き、特別欲しくもないものを買ってストレスを発散する。恋愛も身近な人と。生活水準が同じくらいの人でないと関係を続けて行くのは難しいし、日奈たちもそういう感じなんだろう。

    恋愛模様と生死がいつも隣り合わせで、恋愛の浮ついた様子があまり描かれていなかったの

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    2024年12月27日
  • 二周目の恋

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    二周目の恋ということで、ほろ苦い大人の恋物語を想像したけど、全ての短編がそういうわけではなかった。「海鳴り遠くに」の描写が綺麗だった。

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    2024年12月15日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    かつて、この国では庶民の殆どは貧しかった。
    貧富の差が激しくなってきたのはいつごろからだろうか。

    父が亡くなり、母はまだ10代の娘二人を置いて家を出ていった。
    体の弱い妹はパン屋のアルバイトをしているけれど、そんなにお金にならない。結局は姉の働きで生活している。
    ある日、妹がおじいさんに声をかけられて団地警備員になる。
    二人で、団地に住んでいるお年寄りを見回るのだ。
    やがて妹の二人の友人も団地警備員に加わる。
    友人もそれぞれに訳ありだ。
    一人は在日韓国人で、もう一人は吃音者。

    おじいさんの存在が、彼らが今後生きていく上で大きな力になるだろうと思う。

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    2024年12月10日
  • 二周目の恋

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    小説のアンソロジーというものを初めて読んだけど、新鮮な感覚だった。当たり前だけど一作一作作者が違うから作風も文体も全然違っていて1冊のなかで色々なテイストを楽しめてよかった。
    特に一穂ミチさんと窪美澄さんの話が好き。

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    2024年12月08日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    久々に読んだ窪美澄さんの本。
    団地で姉妹だけで暮らしていた中、団地警備員としていろんな家に関わっていく。それはぜんじろうさんも3人にしても、その家の人のためじゃなく、自分のためであることを各々意識しながらやっているのがいいなと思った。
    未来はキラキラしていそうで、現実にまみれていることを感じた。

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    2024年12月05日
  • いるいないみらい

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    20-30代女性にぐさぐさ刺さる短編集。

    これは自分が思ってることでは?
    を見事に物語に文章に落とし込んでくれている。

    妊娠への焦りがあるうちは読むとキツイかもしれない。

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    2024年12月03日
  • アカガミ

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    (2024年2月8日の感想。テスト期間真っ只中、駅の待合室にて。)
    英語圏文学演習のレポートのために急遽買って読んだ本。
    「性」から離れて「生」からも離れる若者。国が用意するお見合いシステム。「アカガミ」に「志願」する「勇気ある者」。使われる言葉は胡散臭いのにそれに全然気づけなかった。どこか他人事ではない気がして、たかがフィクションだと一蹴できなくて。

    私は万年片思い女なので家族以外の人と手を繋いだことすらない、喪女予備軍。「性」からは確実に離れていると感じる。気持ち悪い。人間も動物なんだなって強制的に感じて、とにかく気持ち悪い。私だって親のそういう行為の末に生まれたわけだけど、時々ゾッとす

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    2024年11月26日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    情景・心情描写のうまさが印象的。著者の使う言葉からその景色がはっきりと頭の中でイメージされる。作中では性的思考・行動のどうしようもない部分で失敗や苦悩、ヤングケアラーなどの問題が語られる。

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    2024年11月26日
  • 雨のなまえ

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    ちょっとだけ勇気を出して自分の気持ちに素直になる。頑張ってないわけじゃない。けど全てを真面目にこなしていくのも限界がある。
    それぞれの立場が抱える困難と希望は現実には中々上手くはいかない。
    そんな短編集でした。
    なんだかあまり明るい結末ではないお話が多かったですが、上手くいかなくてもどこかスッキリしている主人公に少し救われる気持ちになりました。
    失敗しても情けなくても叱られても人はまた生きていける。そんな気持ちになりました。

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    2024年11月17日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
    全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。

    お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
    今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。

    ダーリン〜
    15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母

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    2024年11月13日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    序盤はやや冗長に感じましたが、登場人物それぞれが選び、それを振り返り、必死になってゆく中盤以降はテンポよく楽しむことができました。
    思ってもみない方向から打ち付けられる展開や心理描写はほとんどありませんが、順当に面白かったです。
    登紀子さんが、新しい夫婦の形を実践しているつもりだった、と気が付いてしまうところが印象に残っています。

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    2024年11月03日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • ははのれんあい

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    平凡な家庭を築き幸せな日々を送るはずだった由紀子。
    普通の奥さんが子供3人を抱えたくましく生きながら「家族は時々形を変えることがある、だけど家族はずっと家族」と語る強さがすごいと思った。
    智晴くん、お兄ちゃんとして、母を支えるナイトとして、けなげさに涙出そうだった。
    智久の再婚相手のカンヤラット、娘のシリラット、さくらと由紀子の双子の寛人、結人が集まって食事するのがすごい。

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    2024年10月24日
  • すみなれたからだで

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    ネタバレ

    ずっと前に、読んだはずの窪美澄作品を再読中。
    覚えてるようなそうでないような…
    父を山に棄てにいく
    死にたがったのに死ねなかった父親。仕事を続けられず娘のヒモのようになってしまった父親。そんな父親の言った『君の言い方は人を傷つける。』その忠告通り、私は何度も失敗した。そして人生で2度男を捨てる決断をする、父親と夫。反面教師にしたいのにできず過ちを繰り返す自分自身を見ているようで辛くなる。
    インフルエンザの左岸から
    アルコール、ギャンブル、借金、自殺未遂で何度も警察から呼び出しを受け最終的にソーシャルワーカーのお陰で介護施設に入れてもらえることになった。亡くなっても面倒が押し寄せ、それなのに放

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    2024年10月18日