窪美澄のレビュー一覧

  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    家庭環境に恵まれなかった結果、生きづらさを抱えてしまった3人が絡む物語。
    一人目は由人、24歳。
    東京のデザイン会社に就職して激務を強いられるのだが、ミスも多く自分に自信が持てずに悩み続けていた。

    二人目は野乃花、48歳。
    由人が勤める広告制作会社の社長。
    世の不況の煽りを受けて経営に行き詰まり、死を覚悟する。

    3人目は正子、16歳。
    神経質な過剰とも言える程の母親からの干渉に、正子は幼い頃から自分の意志を押し殺して生きてきた。
    同級生の姉と知り合って自由な行動と考えを知り、自身の考えを押し殺して生きている自分に初めて疑問が生じる。

    由人はどん底に陥った野乃花が自死しようとしている事を知

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    2024年07月11日
  • ルミネッセンス

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    暑いから怪談話で涼みたい

    ってな事で、窪美澄の『ルミネッセンス』

    トワイライトゾーン
    蛍光
    ルミネッセンス
    宵闇
    冥色

    の短編集。

    暑い夏も吹き飛ぶ短編集ホラー小説

    なんてのは嘘じゃけど、最後にヒュッと涼しくなるオチがナイスな短編集。

    冴えない高校教師のおじさんとバーで出逢った少年

    団地の近くの沼は近づくな

    学生時代の想いを身体で弔う(この手の窪美澄さん好き❤)

    顔の傷で虐められてたが寡黙なおじいちゃんが守ってくれる

    結局、我儘な男が都合のいい女をストーカーにさせ、我儘に自滅する

    サクッと読めて涼しくなれるのでこの夏にどうぞ

    2024年19冊目

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    2024年07月06日
  • 私は女になりたい

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    描写が素晴らしい。鮮明に状況が浮かび、かつ吸い込まれる。物語の世界でどんどんページを開きたいとの気持ちになった。最近感じたことのないようなときめきが湧き興味深く読めた名著だと思った

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    2024年07月05日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    淡々とした話しだったけど、嫌な気持ちになる訳でもなく、心がほんわかするような気持ちになった。
    3人が良い友達になれて良かった〜

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    2024年06月27日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    表紙に惹かれて読んだ本だけどまさかの内容に驚きました。お姉ちゃんの妹想い、妹のお姉ちゃん想いに感動しました。

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    2024年06月26日
  • いるいないみらい

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    『不妊治療なんてどっか自分の心を押し殺さなきゃできないもんだよ』

    2022年から『不妊治療』の保険適用が始まり、同年の治療者数が37万人を超えたという報道がありました。『妊活』という言葉があるように、子どもは欲しいと思ってすぐに持てるものではありません。『不妊治療専門のクリニック』に通い、夫と妻、それぞれの身体が調べ上げられてもいきます。そんな先に、

     『どこにも問題はないって!』

    と、一方が満面の笑みを浮かべたとしたら、もう一方の側には厳しい現実を目にする可能性が高まります。『子どもを持つ』ということは決して容易なものではない、『不妊治療』をされる方の数がその厳しい現実を指し示してもい

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    2024年06月19日
  • アカガミ

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    あなたは、『国が立ち上げたシステム「アカガミ」』に参加したいと思いますか?

     (*˙ᵕ˙*)え?

    突如家に届く赤色の紙。先の大戦において、戦場へと召集される際に赤い紙を用いて印刷されたものが届けられたことから”赤紙”と呼ばれていた…私は実物を見たことはもちろんありませんが、あくまで知識としてそのように認識しています。ネット上で確認できる写真を見れば見るほどに、どこか血を連想させるその生々しい姿には拒絶反応が呼び起こされもします。

    数多の人たちがこの一枚の紙によって戦場へと送り出され、命を落としていった歴史。改めて”赤紙”という言葉が持つ重さを考えてもしまいます。戦争末期には”根こそぎ動員

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    2024年06月17日
  • たおやかに輪をえがいて

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    窪美澄さんの、いわゆる「普通の女性」の心理描写はやはりすごい、と感じる。
    私のように結婚も出産もしていなくても子持ちの主婦の気持ちになれるし、旦那が不倫をした妻の気持ちにもなれる。

    主人公は52歳の絵里子。夫と20歳の娘と3人、小さなマンションで暮らしている。普段はホームセンターのパートに出て、多くはないが家計の足しにしている。
    とりあえずは平穏な暮らしだが、思春期の反抗期以降は娘に気を遣いあまり口うるさく言わないようになり、仕事漬けの夫とはすっかりセックスレスで、それどころかほぼ会話もない。
    だけどそんなものだろう…と自分を納得させながらいたのだが、ある日夫婦の寝室に、風俗店のスタンプカー

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    2024年06月14日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    ネタバレ

    ドラマのような展開だが、主人公の打算的・人間的な部分もあり、どこかリアリティのある作品だと感じた。
    人の想いや願いが人と人とを繋げるんだなと改めて学んだ。最後の真織はずるい!

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    2024年06月14日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    ネタバレ

    水遣りはいつも深夜だけど

    家族にまつわる短編集。

    サボテンの咆哮 と かそけきサンカヨウ
    がすごくすごくよかった。

    サボテンの咆哮
    自分の子育ての事や家庭の事、いろいろなことが心に浮かんで涙が流れた。
    育児物の小説ってどうしても母親目線のストーリーになるが、この話は父親メインの話で、父親も母親同様に葛藤を抱えて悩み苦しむんだと知り、切なくなった。
    奥さんの方も優しい人で、お互いに許し合うことができてよかった。

    かそけきサンカヨウ、
    これもとても良かった。
    全体的にとても静かなトーンで話が進んでいくが、最後の美子さんの「陽さんのお母さんは素敵な絵を描く方なんだね」と言うセリフひとつに涙腺

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    2024年06月07日
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)

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    好きな言葉はエロスです。

    ってな事で、『ここから先はどうするの 禁断のエロス』

    澤村 伊智
    壁の向こうで誰かが

    彩瀬 まる
    噛みあとはオレンジ

    木原 音瀨
    Lotus

    樋口 毅宏
    ROMANCE

    窪 美澄
    バイタルサイン

    の5人の官能アンソロジー

    それぞれええ感じのエロスです。

    眠っていた自身のエロスを解放していく様…

    脚フェチから纏足に魅せられ、また自身の纏足との別れ
    と共に、過去の複雑な呪縛から解放された『何だか清々したわ』にシビれた

    1番はやっぱり窪美澄さんのバイタルサインがえかったな

    義父と娘のズルズルと沼にハマっていく禁断の愛が……

    それぞれの作家さんのエロ

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    2024年05月26日
  • ははのれんあい

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    嬉しくなったり悲しくなったり、この家族に寄り添いながら読んだ。言葉で上手く言えないけど、日常のリアルさの度合いが、窪さんはすごくちょうどよく書けるのかな。子供たちがとても良い子たちすぎたけど、でも素敵な家族だなぁと思った。
    心に残る本だった。

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    2024年05月23日
  • 私は女になりたい

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    女はいくつになってもきれいでいたい。欲望には年齢など関係ない。☺ 美容皮膚科医の主人公の恋愛ストーリー。背負っているものが重すぎる。歳の差恋愛。憧れる。最後は、幸せになってほしい。

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    2024年05月23日
  • ははのれんあい

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    一見壮絶な物語のように見えて、意外と身近な所で家族間の悩みを抱えている人は沢山いるという事を気付かせてくれる物語。特にお母さんという存在はこんなにも目まぐるしく日々が過ぎていき、日々もがき葛藤しながら、自分を育ててくれていたんだと。私は智晴のように、母に幸せになって欲しいとここまで全力で願えた事はあっただろうか。智晴のように優しい人間にはなれていないけれど、後悔のないように思った時に思った事を伝えていける娘になりたい、この本を読み終わった時そう心から思いました。

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    2024年05月12日
  • 妖し

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    〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
    不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
    背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
    不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
    色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う

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    2024年05月11日
  • じっと手を見る

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    介護職の現状が生々しく繊細に描かれている
    長く続く若者ほど心が淡々と平坦になってゆく
    福祉に従事する人々の「自己」そして「感情」
    遠くからそっと大事に温めてあげたいと思った

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    2024年05月04日
  • 私は女になりたい

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    家族を捨てオーナーの財力に媚びて?生計を成り立てていた主人公の生き方に共感はできないけど何故か幸せになって欲しかった
    序章と最後のくだりは読者の想像力を沸き立てる

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    2024年05月04日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    大都会の片隅で日常の中に身近にある死。それに気付かぬまま今を必死に生きるみかげ。いつか死体がみたいと思っていたのは死というものがわからなかったからなのかな。みかげ、素直でほんとうにいい子。

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    2024年05月01日
  • じっと手を見る

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    初めて窪美澄さんの作品を読んだけれど、全体を通しての印象はとてもきれいな文章だったということ。

    終始じっとりとした空気感だったけれど、人間の心の機微が細やかに丁寧に美しく描かれていた。

    他の作品も読んでみたいと思った。

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    2024年04月23日