窪美澄のレビュー一覧

  • 夜に星を放つ

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    窪美澄さんの作品は初めて読みましたが、文体が好みでした。
    1話目のアボカドの話を読んで、号泣してしまいました。何故か私にはものすごく胸に迫るものがあり。
    解決しない、どうにもならない、孤独であっても、生きる。
    静かな文章に胸の隙間が暖められた気がしました。

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    2025年09月15日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    窪美澄さんの作品は久しぶりでした。
    性が中心のお話。
    性欲とか妊娠、出産とか。
    ほんとやっかいだなぁって思いました。
    自分の思い通りにいかないですもんね。
    そしてこの作品、解説が大好き重松清さんでびっくりしました。
    素敵な作品、ありがとうございました。

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    2025年09月08日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    身体が風邪や腹痛やケガをするように、心も不調をきたしてしまう。誰にでもあり得ること。メンタルクリニックというとまだ受け入れられるけど精神科というと重いイメージがある。
    この中で、北陸の陰鬱な重苦しい曇り空が鬱を助長させたみたいな記述があったけど、北陸人は晴天が続き過ぎると逆に疲れを感じる。環境は影響が大きいとつくづく感じた。
    みんなが快方に向かっていることに救われた。

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    2025年09月03日
  • よるのふくらみ

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    特に後味いいとか悪いとかないですが、まあリアルな物語進行と感じました。

    言葉にできない違和感をうまく解消できるかできないか、よりよく生きていく上では重要なのかなと思うなど。

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    2025年09月01日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族は何がどうあればうまくいっている、と言えるのだろうか。
    当然のことながら人間が生まれて育っていく過程には教育だったり労働だったりその他いろいろなことに関わるし、その関わることのしわ寄せがすべていくのが家族という場なのだろうと思う
    それだけいまのこの社会では家族や家庭で担わなければいけない役割が大きすぎる
    求められる夫像や妻像、父親像、母親像、はては子どもの理想的な姿までもが社会から無言の圧力で求められ、そこから弾かれた場合のケアは家族がすることになる
    それなのに労働時間は長く、各家庭の働き手は時間もきつくて余裕なんてない
    家族にしわ寄せがいくとどうなるか、社会とのコンフリクトの狭間で揺れる

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    2025年08月31日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    短編からなる小説だが、その登場人物や内容にリンクあり。考えさせる系の小説でした。

    ものごとに決定的な「犯人」とかいないけど、それでも自分のせいにして考えるのが偉いのでしょうか。それとも、多少は割り切るべきなのでしょうか。

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    2025年08月26日
  • よるのふくらみ

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    生々しい性欲と愛情なのに純粋に好きになる思いも感じられて...個人的には好きな物語の終わりかたでした

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    2025年08月26日
  • 夜に星を放つ

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    当初のコロナ禍において感じていた不安や焦り、空気感を思い出させる話が多かった。
    切ない余韻が胸を締め付ける。

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    2025年08月24日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    読み終えた時、自分の心が癒されていていた。
    優しく深く、沁みてくる物語。
    裏表紙の絵がゴッホの夜のカフェテラスぽくて好き。

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    2025年08月24日
  • 夜に星を放つ

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    最初の話がよかった。亡くなった人の兄妹の悲しみは親御さんのそれに比べて注目されることが少ないけれど、そういうところにも思いをいたすことができる自分でありたい

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    2025年08月22日
  • ぼくは青くて透明で

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    窪美澄手法とでも言うのか、各章毎に主役が入れ替わる、前の章でダメなやつと思った人が次の章では見方が変わるみたいな感じ。で、最後はまとまる。

    LBGTQを取り扱っているんだけど、わざとらしくなくて良かった。

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    2025年08月20日
  • 私は女になりたい

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    タイトルに惹かれた。
    どういうこと?と。
    恋から遠ざかってる40代以上の女性なら共感できることばかりだと思う。
    戸惑いながらも女になっていく主人公が素敵だった。
    心温まる展開もあってすごく良かった。

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    2025年08月15日
  • 給水塔から見た虹は

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    私たちはなにもわかっていないのではないか。理解していないのではないか。
    外国人が日本で働くということ。まるで、良い条件で出稼ぎに来ているように思うが、その実態とは。治安の悪化にもあげられがちな問題も、そもそも原因はなんだろう。
    もちろん、白か黒かで決めつけることはできないだろう。例えば、財布のくだりは、その暗喩のようにも思う。ただし、背景理解した上で、考える問題ではないかと思う。
    まるで、誰かに対する説教のような感想になってしまったが、本作は主人公と、ベトナム籍の男の子のひと夏の成長物語。ソフトに小説化して、問題提起する窪さんの手腕はさすが。 ★4.0

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    2025年10月09日
  • よるのふくらみ

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    いまだに女性には性欲があることを認められずにないものにされたりする
    つるっとしたプラスチックみたいに思われがちだ。そこに生々しさはざらついたものがあると認識されない
    窪美澄さんの小説に出てくる女性たちはみんな生でざらついてて、汗ばむ皮膚の下に血がどくどくと流れているのを感じる
    自分の性欲に振り回されて、もがいている女たちが愛おしい。性に主体的な女性はいまだに奔放では好意的に受け取られることが少ないと思う
    だからこそ、こうして自分のなかにある性欲の存在を認めたうえでそこにもがいている女たちの生き様を読めることがうれしい

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    2025年08月07日
  • 私は女になりたい

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    48才美容皮膚科医の主人公が14才歳下の男性と恋に落ちる話。こういう設定の本を初めて読んだので新鮮だった。
    自分は成人さえしていればひとまわり以上歳下の男性を好きになってお付き合いしたっていいじゃないかと思ってしまうが、人によっては年甲斐もなく恥ずかしいと思うのであろうか。
    短い人生。自分が好きになった人が自分のことを好きでいてくれることがどれほどの奇跡かと思うから、年齢になんてとらわれる必要ない。雇われ院長として仕事もバリバリ頑張る主人公に肩入れして、応援して読み進めていた。そのため、後半の展開がつらすぎて絶望、気分悪すぎて目眩してくる。わたしだったら立ち直れない、人生おしまいくらいの出来事

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    2025年08月05日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心が弱ってしまった時、椎木メンタルクリニックみたいな病院があったら有難い。
    手入れされた庭があり、普通の家といった外観。
    旬先生も、さおり先生もどんなに卑屈な言葉で気持ちを口にしても、患者の良いところをいくつも見つけてくれて、今までの頑張りも、今病院にいることも褒めてくれる。

    登場人物達は、とても努力家で真面目なのに自己肯定感が低くて、辛い時、上手くいかない時の様子は読んでいて苦しく感じる。

    それでもそれぞれの元々の人柄が素敵で、支えようとする周りの人も温かく、読み終えた時に温かな気持ちになるお話だった。

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    2025年08月02日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    かなりの人間不信な自分でも、一人の人とじっくり向き合いたいなぁと思わせるストーリーだった。各々の心理状況や生活環境の描写から二人の関係性を間接的に投影していく文章展開が心にしみた。

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    2025年07月09日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    精神科の椎木クリニックと、純喫茶・純を舞台に、さまざまな理由で心が壊れてしまった人たちが、少しずつ元気を取り戻していくストーリー。
    一つひとつのお話は思いテーマを扱っているのに、読み終わったあとにほんのり温かい気持ちになれる物語です。

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    2025年07月09日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    窪美澄さんの描く女性って、なんでいつも無様で必死で愛おしんだろうなと思うんだけど、それはきっと出てくる女性が自分の意思を持って、自分で選択したという事実を揺るがないものとしているからだろうと思う
    選択したことが上手くいってもいかなくても選んだのは自分、それが何より自分の尊厳を守る。モデルは長谷川泰子で中原中也と小林秀雄との関係で知られている
    長谷川泰子は二人の男を弄んだ毒婦と言われることが多いが、彼女にも晩年というものがあり、ただ二人の男のあいだにいた女というわけではない。その後の彼女の人生はどんなものだったろうというのを恋愛小説の名手である窪美澄さんが血肉の通った一人の女性として描いてくれた

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    2025年07月03日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    中盤まではなかなか話に入り込めずもう少しで読むのをやめてしまうところでしたが、水本の死の辺りから一気に引き込まれ、後は一気に読まされました。戦争の記述では昭和天皇への怒りが生じ、広島訪問での学校の悲劇には涙が止まりませんでした。最初の本が売れた後からのエピローグの様な最終盤は沁み沁みと心に深く届き、とても良い本だったと思います。

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    2025年07月02日