窪美澄のレビュー一覧

  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生にまつわるアンソロジー集。
    「五十の壁が高すぎる」と「真っ赤な林檎のその下で」が自分の家庭環境に少し似ているからかぐっときた。

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    2026年08月22日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族の在り方を様々な視点から見た連作短編集で、作者らしく感情の機微が丁寧に描かれていて、苦々しさがありながらも時折ホッとするような気持ちになる。きっと家族の形に正解はなく、藻掻きながら形作っていくしかないと感じた。

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    2026年08月18日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    目を背けたくなるような辛い現実、考えたくないこと、そういうどうにもならない苦しみを抱えながらも生きていくしかない。それが普通とは少し離れていたとしても。

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    2026年08月15日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生は切っても切り離せないものなのかもなぁ。人は食べないと生きていけないし、周りには食が溢れてる。テレビも本も漫画も本当に多いよな。
    タイトルにしあわせ?とあるように、ほっこりというよりは少し苦めの短編集だった。
    『フレンチと返報性』と『真っ赤な林檎のその上で』の終わり方が前向きな感じで好きだった。

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    2026年08月13日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心が疲れてしまった人たちを、一軒の喫茶店と一軒のメンタルクリニックが寄り添い、少しずつ癒していく物語。

    キラキラした大学生活を頑張りすぎた女性「キャンベルのスープ缶」
    自分はADHDではないかと悩み、自己肯定感の低い青年「パイプを持つ少年」
    恋愛に依存し、「愛されたい」という思いに囚われる女性「アリスの眠り」
    不妊治療を経て高齢出産した後、産後うつに苦しむ女性「エデンの園のエヴァ」
    生まれたばかりの子どもを病気で亡くした母親「夜のカフェテラス」
    産後うつの末、幼い子どもを置いて家を出てしまった女性「ゆりかご」

    こうして箇条書きにすると、どこか創作として整理されすぎた印象を受けるかもしれません。
    読み進めるうちに「これは誰にでも起こりうることなのだ」と感じました。どの登場人物にも、自分の心当たりが重なってしまう。思い出すのもつらい記憶がある一方で、「同じように苦しんだ人がいる」という不思議な安心感も覚えました。

    以前は「うつは心の風邪」とよく言われました。
    誰にでも起こりうるという意味では、その表現は間違っていないのかもしれません。しかし本書を読んで感じたのは、それだけではないということ。苦しんでいる人のそばにいる家族や友人もまた、心をすり減らし、ともに苦しんでしまう。そして、助けたいと思っても、その難しさに直面します。

    本書は精神科医の監修のもとで執筆されており、あとがきもその先生が担当されています。そのためか、登場人物たちの心の揺れや回復への歩みには、静かな説得力がありました。

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    2026年08月13日
  • ルミネッセンス

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    小説宝石に掲載された5篇の連作短編集。

    神奈川のハズレにある、古い団地のある町が舞台。
    連なっていくのは、今年55歳となる同級生たち。

    古い団地に漂う、少し淀んだような空気。
    日常に暗部を抱えた彼らが、いや 日常の多くが暗部の彼らが ほんの一瞬だけ光る。

    「トワイライトゾーン」
    黄昏の境界に埋もれる数学教師。

    「蛍光」
    小学生の頃の記憶とともに、沼に引き込まれる主婦。

    「ルミネッセンス」
    これは不倫なのか、自分でもわからなくなり、車の光に引き込まれるような最期を迎える男。

    「宵闇」
    顔に残った傷のためにいじめを受ける中学生は、暗闇から宵闇へ。

    「冥色」
    過去から団地へ逃げてきた男は、現実へ戻る。

    タイトルは「トワイライトゾーン」「蛍光」「ルミネッセンス」「宵闇」「冥色」と、どれも怪しげな光と闇の色合い。

    明るい光ではないですね♪
    暗い場所にいる人たちが、一瞬だけぼうっと発光するような光でしょう。

    窪さんの小説は、暗めのものが多いから、なかなか評価が上がらないけれど、私は大好きなんです。

    みんな、崩れちゃえ!

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    2026年08月11日
  • 夜に星を放つ

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    初めての窪美澄さん作品。
    コロナ禍を舞台にした5編のお話。
    とても読みやすい。
    感動とか涙するとかではないのだけど、どこか考えさせられて、自分を見直してみないといけないと思ってみたりした。
    死別だけでないけど、大切な人との別れはやっぱり苦しいなぁと。
    とくに親の勝手で振り回されてしまう子どもの存在はちょっと切ない。
    この中に出てくる登場人物たちがみんな誰かを想い、幸せになっていってほしいと願うそんなお話だった。

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    2026年08月10日
  • ぼくは青くて透明で

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    すごく読みやすくて、続きが気になる!と言う気持ちに突き動かされて読んだ。

    いろんな気持ちが絡まって、人との関係は成り立ってるんだなと思った。
    言葉にしないと気持ちは伝わらないけど、あえて言葉にしない気持ちもあって。
    伝わらない想いのもどかしさ、伝えたからこそ上手くいくもの、壊れるもの。
    なんて難しいんだろう。
    人を好きになるって、本当はとても怖いことってすごくよくわかる。
    願わくば2人がこれからも一緒にいられますように。2人が自分らしくいられる社会になりますように。

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    2026年08月04日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    どんな小説か、前知識なく読んだ。伊吹有喜さんや古内一絵さんなど、すきな作家さんがいたから。いろんな作家さんの食べることにまつわる短編小説、と思ったし、途中中弛みして、最後まで読まなくてもいいか?と思ったが大間違いで、一番最後の窪美澄さんの作品が大号泣…お母さん、娘、定食屋の聡美さん、だれの立場も、優しく、切なく大号泣…読んでよかった。娘の巣立ちという、ある意味子育てでは成功だけど、空の巣症候群…なるよね、シングルマザーで頑張ってきたら特に。でも自分を変えなきゃ!と思って新しいことに挑戦するのとでよかった。ひいては娘の萌香さんが聡美さんも救った。なんていい話。

    一つ前の古内一絵さんもさすが!ザおじさんが主人公だったのには驚いた。
    時代遅れな昭和セクハラも、とても素直に自分を振り返り、妻の苦労を分かるおじさん。また、そのお母さん(もっともっとしょうわなのにさすが!)
    素直な主人公たちは幸せになれる。

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    2026年08月04日
  • よるのふくらみ

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    大人の恋愛小説を読みたい人におすすめ。

    どこか目を背けたくなるような感情と向き合っていく主人公たち。兄弟で同じ人を好きになったりと複雑な感情の動きの中、目の前にある現実に懸命にもがく登場人物たちが切ない。

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    2026年08月03日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心の持ちようは、身体と同じように上下する
    どんなひとでも

    沈んでいるときに、
    話せる場がある
    頼れる人がいる
    みんなそうしたバイオリズムで生きている

    そうやって、毎日を少しずつ歩んでいく
    出会いや楽しみが、そこにあればしあわせなこと

    気持ちがほっとする、連作短編集でした

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    スルーしたくなる内容のもありましたが、日々の積み重ね、日常の食事等。
    見逃しがちなことが、大切なのだと感じられる作品集でした。

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    人気作家6人による、ほろ苦くて味わい深い「食」と「人生」を描いた短編集。

    ■収録作

    ・幸せのカレーライス(伊吹有喜)
    雨足が強い中、空腹に耐えきれず入ったお店で――。

    ・四十歳の栄養(中西智佐乃)
    美容室で働く麻美。あまりの忙しさにバランス栄養食品をかじる日々……。

    ・フレンチと返報性(藤野恵美)
    かなは大学で突然、それほど親しくない友人からフランス料理の食事に誘われる。

    ・二代目のミンチョさん(伊藤朱里)
    アイス屋でよく見かける女性は、いつも違う男性と来店していた。

    ・五十の壁が高すぎる(古内一絵)
    よく訪れる店で食事をしたときに、茂樹が感じた異変とは。

    ・真っ赤な林檎のその上で(窪 美澄)
    娘の大学進学を機に一人暮らしとなり、食欲が湧かなくなってしまった。

    【個人的な感想】
    どの話もそんなにボリュームはないのに、そっと心に寄り添ってくれるような話が多くてほっこりしてたけど、飽きなかった。

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    2026年07月17日
  • 朔が満ちる

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    ネタバレ

    「『三人で撮ろうか』

    僕がそう言って伯母と梓に声をかけると、母の両脇に二人が立つ。僕は三人の女に向けてシャッターを切った。僕を生かしてくれた女たちだ、と心のなかで思いながら」

    DVを繰り返す父とそれから子供達を守ることができない母を持つ主人公、その妹と生まれた直後に捨てられた看護師が過去と向き合い、力強く自分の人生を歩み始める物語

    前半の父親のDVの描写が過激で、過去に読んだ石田衣良の「北斗」を思い出した。 北斗は両親に反抗することができなかったけど、本作の主人公は父親に暴力という形ではあるものの立ち向かうことができて良かったと個人的には思う。

    あの時に立ち向かったからこそ、より長く伯母と過ごすことができてそれが後々まで主人公の心の支えになり、一つの居場所になったのは大きかったと思う。


    主人公と看護師が仲良くなるまでが恋愛ものっぽくて少ししっくりこないところもあったけど、二人のお互いの抱える怒りや憎しみの場面に立ち会うシーンや打ち明けるところは傷ついた人たちの再生の希望の可能性を示すものになるといいなとも思った。

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    2026年07月15日
  • 夜に星を放つ

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    まず、タイトルが素晴らしい。
    罪悪感や執着、初恋、過去といった、心に抱えた余計なものを手放し、まだ届かないけれど「希望という名の星」に向かって進もうとする強い意志が感じられる。
    まさに、この作品のイメージそのものだと思った。

    なかでも特に心に響いたのが『湿りの海』
    心にぽっかり空いた穴を埋める何かを、人はどうしても求めてしまう。
    過去を取り戻すことも、一度受け入れてしまった決定を覆すこともできない。
    それでもなお、あの懐かしさの「代わり」を求めてしまう切ない心情が痛いほど伝わってきた。

    主人公とは性別も違うのにすっかり感情移入してしまい、読んでいる間は、まるで周囲の音が消えたかのように引き込まれてしまった。
    虚構だと頭の片隅でわかっていても、そのまま身を委ねたくなるほどの深い喪失感があった。

    続く『星の隨に』では、子ども目線の純粋な愛情がまっすぐに伝わってきた。
    表紙で本を読んでいる男の子は、きっとこの作品の主人公なのだろう。
    ちょっと心と体が疲れちゃった大人たちに翻弄される物語なのだが、彼らを過剰に糾弾する展開にはならない。
    登場人物の誰も突き放さず、みんなに優しい目線を送っている作者の温かい筆致が伝わってきた。

    読後の余韻がいつまでも心地よく残る、まさに納得の直木賞受賞作品だった。

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    2026年07月15日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    美味しいご飯を食べて、しっかり寝てというのが幸せの基本だなと改めて感じる本。そこが崩れてしまうと、たとえ充実していたとしても幸せとは言えない気がする。
    6編の物語は、どれも日常の「美味しい」が詰まった作品。特に好きだったのは藤野恵美さんの「フレンチと返報性」。自分のスタイルを崩さないゆかは、見ていて気持ちいい。つい周りに合わせがちなのに、女子大生でこれが出来るのはすごい。友達になりたいタイプだなぁ。そして、キャビアのお茶漬を食べてみたい。

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    2026年07月14日
  • 君の不在の夜を歩く

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    ネタバレ

    あまり好きな作家ではなかったけれど、これはよかった。
    最初の章は、あーまた いつもの内省的な話かぁと思ったけれど。最後の2章はとてもよかった。
    本人も確とした理由がなくて自死すると、周りは死ぬまでそれを考え続けていかないといけない。
    タイトルそのもの。なぜ、君はいなくなったのだ…という思いから離れられない。辛いよね。

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    2026年07月06日
  • 君の不在の夜を歩く

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    同級生男女5人の物語。よくある設定だが、窪美澄さんらしいとても湿度が高い世界観に引き込まれる。そして成仏したかのような穏やかな結末に安堵する。この低温度で湿度の高さは癖になる。

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    2026年07月01日
  • アカガミ

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    人と暮らすっていいなあと思った
    誰かと暮らすことは、お互いの欲を少しずつ抑えて妥協しあって成り立つものだから、今までずっと1人でいいと思ってた
    でもこの本を通して、誰かと生活を共にすることで自分の中にもう一つ支柱ができるんだろうなと気づいた
    自分の中のもやもやを吐いたり、助けてと言える人がそばにいるって幸せなことだな
    あと素敵な旦那さんだよ
    アカガミって名前から不穏だけど、やっぱり不穏だった

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    2026年07月01日
  • 君の不在の夜を歩く

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    高校時代の5人の仲間。同性愛者2人、カップル2組で、宗教二世の子、祖母の介護をさせられる子など複雑。そして菜乃子が命を絶つ。彼女が命を絶った理由がわからないと4人は言っていたが、私はわかる気がした。端から見れば恵まれた人生でも満たされない淋しさのようなものはあるのだと思う。

    「自分のことを嫌いな人がいてもいいの。その人は彩音ちゃんの人生とはなんの関係もない。人生で起こるすべてのことに、真面目に向き合う必要はないの。もっと不真面目でいいの。そこにいるだけでいいの。」

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    2026年07月01日