窪美澄のレビュー一覧

  • ははのれんあい

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    昭和の高度成長期の終わりころから始まったお話。田舎の風景も家族間で交わされる会話もあるある過ぎて懐かしい。共に思い合いながらも、言葉足りずで解りあえなくなる夫婦、親の背中を見て頑張る長男。こんな家族あったなぁと。
    家族の形は変わり、辛い場面もあるけど、それぞれが優しくて読んでいて心地よかった。
    文庫本の「ははのけっこん」がより一層温かいラストで本当によかったなあと。

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    2024年02月20日
  • じっと手を見る

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    介護の仕事ってほんとうに大変だけどなくてはならない仕事だしなあ、、と思いながら読んだ。
    窪美澄さんの作品いくつか読んだことあるけどこの作品はなかなか暗くて生きるって難しいと思わされる。
    主人公2人のような恋愛経験はないけど描写が細かくて読みやすかった。

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    2024年02月19日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    不器用ながらも一生懸命に生きて、過ちを犯して、傷つけられて、傷つけた、察するに余りあるほどの3人(本当はおばあちゃんと雅治の2人も入れたい)が出会い迷いクジラを見に行く。
    ク、クジラ、、?!?!

    なんとも意表をつく展開で唯一無二のストーリー。そこをすんなり受け入れてしまえるのは、全てにおいてリアリティがすごいからだと思う。全ての登場人物が本当に実在するかのような、温度と痛みを抱えている。

    もうダメかと思ったクジラが、もがきながらもう一度海へ帰っていく。その後、どれだけ生きるか、そんなことは分からない。クジラを人間と同じように考えてはいけないという、身近にいたらめんどくさそうなクジラ博士の言

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    2024年02月19日
  • ははのれんあい

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    とってもすてきな家族のお話。タイトルからしてお母さんが不倫?するお話(それにしては装画が明るい)かと思いきや、手のかかっていた長男が成長し、お母さんと家族を支えていくお話だった。

    一章では、智久(夫)の不理解と由紀子(母)の必死さがグッと心に刺さった。甲斐性のない夫のくせに、逃げてんじゃねぇよ!と。由紀子が1人で保育園児を宥め、双子との3人の小さい子をワンオペしていた。ワンオペの苦労が目に見えるようにわかり、お母さんって本当にすごいと尊敬。

    二章では、智春くんが成長し、お母さんも正社員になり、頼りになるケアラーと大黒柱のコンビになり、家族を支えていた。お兄ちゃんの胸にある、お父さんへの複雑

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    2024年02月18日
  • いるいないみらい

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    子どもがいる未来といない未来、妊活するかしないか、さらには、養子縁組みするかしないか、いろんな家族の形がある中で悩んだり支えあったりする人たちを描く短編集。夫婦のあり方、家族のあり方を考えさせられる。

    妊活がうまくいかないときに、どちらかが傷ついたり夫婦関係がギクシャクしたりすること、子どもが嫌いでも、堂々とそれを言うことは憚られる社会の空気、職場で産休・育休を取る人がいると、その周辺に業務負担がかかりがちだが、それについて不満を言えない会社の雰囲気、
    SNSでやたらと子どもの写真をアップする親も多いが、それにより静かに傷つく人もいることなど、共感することしきり。
    そんな微妙な問題を描きなが

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    2024年02月18日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    読みやすいし続きが気になりどんどん読めた。
    父親は小さい頃に亡くなり母親からは捨てられてしまったみかげとそのお姉ちゃんの七海が団地で必死に生きる。
    みかげは夜の学校に通っていてどんな状況の時にも仲間の存在は大切と思った。
    団地警備員のぜんじろうさんとの出会いも大きい。

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    2024年02月16日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族に関する話の短編集。
    昔読んで再読。
    どの話も途中まではどうなっちゃうの??ってくらい不穏なんだけど最後はほっこりできるからすごい。
    おもしろかったー!

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    2024年02月09日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    ネタバレ

    何度読んでもゲンノショウコとサボテンの咆哮で泣いてしまう。私にも重度障がいをもった妹がいて、状況や抱いている感情は違えど、線路でねーねの手を離そうとしなかった妹、線路で亡くなった妹、胸が締め付けられる。サボテンの咆哮は、お父さんの言葉が本当に心にくる。お父さんの息子への愛情、今まさに子育て真っ最中の自分、色々なものが重なって何度見ても涙が自然に溢れてしまう。家族の難しさ温かさをしみじみ思わせてくれる大好きな一冊。読後感◎!!

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    2024年02月07日
  • ははのれんあい

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    きれいごとではなく、一人ひとりのその時の心情を表現されていて、なんだが身近に感じました。

    もっとドロドロしているのかなと思っていましたが、優しさに溢れていました。

    家族だからこそ、ちゃんと話し合わなきゃいけない場面があることを改めて感じた一冊でした。

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    2024年02月07日
  • ははのれんあい

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    結婚、子育てで奮闘する様は読んでいるだけで胸が詰ります。
    お母さんが自分だけの幸せな時間が持てる世の中になって欲しいです。

    登場人物が皆心優しいので、何度もグッときます。

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    2024年02月03日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    窪美澄さん好きなので読んだ。

    タイトルからして、親の不倫話とか鬱々とした内容かと思ったら全然違った。

    前半の乳幼児育児なんかは
    読んでて自分の育児の大変さを思い出すほどの臨場感でさすがです。勝手に作り上げてしまう責任感、理想の母親像に押し潰されそうになってた母親の育児中の内面を描き出すのがうまい。

    そして後半のちはるの成長。
    あの赤ちゃんだったちはるの成長に感動した。

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    2024年01月29日
  • よるのふくらみ

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    同じ一人の女性を好きになってしまった兄弟。
    他の登場人物も含めて、人を好きになるってことに少し考えたり。
    アーケードの商店街、幼なじみ、、。
    温かい気持ちになれた小説でした。

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    2024年01月28日
  • すみなれたからだで

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    無様に。だけど、私はまだ生きているのだ-。焼夷弾が降る戦時下、喧騒に呑まれる80年代、そして黄昏ゆく、いま。手さぐりで生きる人々の「生」に寄り添うように描かれた8つの物語。

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    2024年01月27日
  • いるいないみらい

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     子どもがほしい夫とそれを強く望まない妻や子どもが大嫌いな女性、子どもを亡くした男性などが主人公の、子どもに纏わる短編集。子どもがほしいと夫にお願いされても、妊娠から子育ても含めて負担がかかるのは女性の方なので、踏み切れない気持ちもわかるし無理しなくて良いと思う。産んでみてやっぱり無理でした、では済まない。『無花果のレジデンス』にあった妊活プレッシャーは夫と妻どちらの気持ちにも共感できる。望む人の元にすんなり来てくれるシステムだったらいいのに。『私は子どもが大嫌い』が1番好きだった。どんな価値観の人にも、その人の選択によって幸せな未来が訪れますように。

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    2024年01月25日
  • よるのふくらみ

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    ネタバレ

    ・お兄ちゃんはお兄ちゃんで大変だったんだな
    ・作者はこの小説の舞台となるマイルドヤンキー的地方都市で暮らしたことがあるのではないかと感じさせるほどのリアリティ.作家ってすごい.

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    2025年05月28日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    心情描写がかっこつけていない、というか、素直というか、生々しいというか。固い決意と脆い自分とと、浮かれる自分と悩める自分が同居する。そんな矛盾してるけど、実際そう。というような2人の主人公をいつのまにか心から応援したくなってしまう物語。
    言い換えると自分の家の椅子を確認してしまう話。

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    2024年01月13日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    2023/12/29

    死のうかなと思った由人。死にたくなってしまった野乃花と、死なせたくない由人。死にたくなってしまった正子と、死なせたくない野乃花。
    自分が死にたくても、死んで欲しく無い人はいるんだよね。
    鯨を見に行く3人。

    野乃花の人生がやり切れなかった。高校生に手を出す成人は総じてダメ男。

    正子の人生も涙が滲んだし、リストカットの描写が胸が痛かった。かまってちゃんで切ってるわけじゃ無い。

    人の人生、何があったかなんて外からはわからない。

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    2023年12月29日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    “家族”のあり方について、目を背けたくなる部分だけに焦点を当てたお話。自分の家族と他人の家族とを比べることは誰しも一度はある思う。血縁関係があるからといって仲良しなわけでは無い、裕福だからといって幸せなわけでは無い。その逆も然りで、あの子の家はお金がないから不幸だろうなと勝手に心配してあれこれしようとするのはありがた迷惑。

    そこらへんの節度を自然と身につけられる人になりたいなと日々感じております。(まだまだ先は長い)

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    2023年12月23日
  • ルミネッセンス

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    私は好きな話。現実味もあるけど、不思議な雰囲気もあり、少し怖い。短い短編のつながりも読みやすかった。

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    2023年12月23日
  • ルミネッセンス

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    窪美澄さんによるダークサイドな短編集。
    古い団地を舞台に、そこに住んでいたりそこに住む人と関わっている人物が主人公として登場する。
    寂れた団地と、その側にある池がまたダークな雰囲気。
    真っ当とは言えない過去や現在を生きる人物がたくさん出てくるので楽しいとは言えない小説だけど、私は好きでした。
    1つ1つが短めだからさらっと読めるけど、後を引く感じ。ホラーっぽい読後感のものもアリ。

    不倫(のような関係)、いじめ、記憶にない殺人などがテーマとして現れ、じめっと終わる作品群の中、1人の少女が主人公の「宵闇」だけは明るさというか光を感じる作品だった。
    暗いしダークなのだけど、それで終始するわけではない

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    2023年12月05日