窪美澄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ
ベトナムからの移民である中学生のヒュウと、そのクラスメイトの桐乃という女の子とその母親の里穂が主人公。
人種差別や移民問題等テーマが重いけどスピード感もあり、あっという間に読破できた。
自分の娘よりも外国人を助けることを優先してしまう里穂の人間性が桐乃同様に私も受け入れ難かった。
ヒュウはとってもいい子。
悪い仲間に流されつつも、流され切ることなくしっかりと罪悪感をもっている。優しくて一生懸命で愛情を精一杯に求めている。
ヒュウも桐乃もしっかりしているようでもまだ中学生。
まだまだ幼く、周りの大人達の庇護が必要な年頃だ。
それに対して父親と母親の責任は重い。
ヒュウ -
Posted by ブクログ
重松清の世界を窪美澄が描いたら、という印象の短編集。新興住宅地の子育て主婦やステップファミリーの一員になってしまった女子高生など、一見すると裕福で満たされたように見える家族のしんどさが描かれている。
毒もある。それぞれの孤独も沁みだしている。
今すぐ死にたいような悩みではないが、一生緩解することのない病にかかってしまったようなしんどさ。
それでも本作の登場人物たちの結末は希望を感じさせる。
セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。
仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
出産を経て変貌した妻に違和 -
Posted by ブクログ
もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み -
Posted by ブクログ
登場人物それぞれが悩みを抱え、生きることに痛みや苦しみを感じながら、それでも小さな希望を探し生きていく物語。
人それぞれ事情があってどうしようも立ち行かなくなり、過ちを犯してしまうこともある。みんな決して綺麗じゃない。清廉潔白な人などいない。
犯した過ちだけを切り取って見てしまえば、人は嫌悪し、断罪してしまうかもしれない。しかしこの作品では、そうせざるを得なかった状況や心情が丁寧に描かれていて、読みながら「自分だったらどうしただろうか」と何度も考えさせられた。
人は簡単に救われないし、きれいに立ち直れるわけでもない。それでも周りは関係を断ち切ろうとせず、側にいようとする。小さな世界の中で助け -
Posted by ブクログ
「魔が差す」ようなかたちであふれだす欲望や衝動。それらは性欲や嫉妬などに絡んでいた。人間だからこそのどうしようもない部分だろう。「魔が差す」とは言っても、誰かや何かに追いつめられたりしたことで見つけた逃げ道としての行為であったりはする。そしてその行為の前後、主要人物たちは苦しみに見舞われていたりする。そういった人物ばかりではないけれど、それぞれすべての主要人物が、それぞれに割り切れない事情を抱え苦しんでいた。そういった連作長編だった。
人は、苦しんでいるのは自分だけで、他人は深い悩みもなく楽しい日々を送っていると思いがちではないか。たとえば「隣の芝生は青い」という言葉のように。でも、少なくな