窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新しい学校、新しいクラス、新しい職場に、新しい生活…来月は生活環境に変化が多い季節。
何かの始まりには、不安になる気持ちがでてきてしまう小心者なので、この時期どうもネガティブにドキドキする。部署異動や数年周期でやってくる業務に合流する初対面の人などなど。始まってしまえば落ち着くのに、心配事がピークを迎えています。読む本にも安心を求めていたのかもしれません。
純喫茶とメンタルクリニックに関わる人たちが繋がっていく連作小説。うつ病、ADHD、不眠症、パニック障害、心を塞ぎ込む事情も様々だった。(もっと過激でひどい事情を覚悟してたけど結構マイルドだった。ひたむきに無理して頑張っちゃう系。)クリニック -
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Posted by ブクログ
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きれいな
形でなくてもいい。
きっと誰かが照らしてくれる。
町の片隅にあるクリニックには、
今日も悩みを抱える人々が訪れる
直木賞作家が描く、傷ついた心にそっと寄り添う、
「癒し」と「再生」の物語。
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表紙とタイトルに惹かれて手に取りました。
私自身の気持ちも沈みがちで、静かな本を読みたい気分でした。
うつ、ADHD、不眠、パニック障害…
身体的症状がでた時の驚きや、クリニックで先生に診断してもらったことで腑に落ちたり。
短編集ですが、それぞれの主人公が発症する場面は読んでいて苦しくな -
Posted by ブクログ
ネタバレ『ソラナックスルボックス』では、15歳で子供を産んだ由人の妹の姿を、物語でよくある破滅した家庭の一つだと見ていた。由人、野乃花、そして正子がそれぞれの生活に苦しみ、沖合に迷い込んで自らの死を待つクジラに各々を重ね合わせる中、クジラがいる町の役員・雅晴の自殺した妹を思った、「生きてるだけで良かった」と言う言葉に出会った。それで、私は、家庭を壊した由人の妹は、病んで自殺するよりよっぽど健全だと思った。
この物語を通して、私は「生」と言うものがいかに貴いものであるかを痛感した。生きてさえいれば、若く身籠っても親の束縛に反してもなんでもいいのだ。 -
Posted by ブクログ
『夜に星を放つ』を読み終えて、ちょっとやるせない気持ちになっていたところ、窪作品で読みかけの本があることを思い出し、最後まで読み終えました❗️
最初の『ちらめくポーチュラカ』が余りイイ感じがしなくて、『夜に星を放つ』同様にちょっとやるせない作品なのかなぁと構えて読みましたが、全体を通して言えることは、家族あるあるが沢山描かれていて、少し息苦しい気持ちになることもあるけれども、前向きに明るい気持ちにさせてくれる、温かい家族小説でした❗️
特に印象的なのは、『サボテンの咆哮』、『砂のないテラリウム』で既婚男性ならそんな気持ちになることは一度位あるのではないか⁉️と思います。
好きな話しは、『 -
Posted by ブクログ
素晴らしい作品でした。
まず、主題が綺麗。各章のタイトルも絵画の名前でオシャレ。
もっと早くに読んでおきたかったというのが一番の感想です。
うつ病やADHD、不眠症、産後うつ…みんなそれぞれ大変な想いをしながら生きている。
グッとくるセリフがたくさんありました。
人間はみんな完全なマルじゃない、自分にとっての居場所と誰かとのつながりがあれば生きていける。本当にその通りだなと心から思いました。
若い時の自分は、「一人で生きてくんだー」とか言っていたのが、すごく生意気だったなと今では思います。人生そんなに甘くないから。
椎木クリニックみたいな病院がたくさんあればいいのに。
治療とカウンセリ