窪美澄のレビュー一覧

  • 給水塔から見た虹は

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    ネタバレ




    ベトナムからの移民である中学生のヒュウと、そのクラスメイトの桐乃という女の子とその母親の里穂が主人公。

    人種差別や移民問題等テーマが重いけどスピード感もあり、あっという間に読破できた。



    自分の娘よりも外国人を助けることを優先してしまう里穂の人間性が桐乃同様に私も受け入れ難かった。



    ヒュウはとってもいい子。
    悪い仲間に流されつつも、流され切ることなくしっかりと罪悪感をもっている。優しくて一生懸命で愛情を精一杯に求めている。

    ヒュウも桐乃もしっかりしているようでもまだ中学生。
    まだまだ幼く、周りの大人達の庇護が必要な年頃だ。
    それに対して父親と母親の責任は重い。


    ヒュウ

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    2026年02月23日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    最後まで救いがあるかないかわからないまま読み進めていたけど、すっきりした終わり方だった。章ごとの重さとか過去へのやり切れなさは残りつつ、出てきた人たちが前を向く力を獲得できてよかった。若者はこんなふうにたくましく生きてほしい。
    二十歳くらいのときに読んでたらもっと感情がぐちゃぐちゃになってたかも。

    性欲というやっかいで小さなたまごは、あたしのなかですでに孵化していて、それがたまごっちみたいに成長していくことを、あたしはそのときまだぜんぜんわかっていなかった。p.146

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    2026年02月23日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    重松清の世界を窪美澄が描いたら、という印象の短編集。新興住宅地の子育て主婦やステップファミリーの一員になってしまった女子高生など、一見すると裕福で満たされたように見える家族のしんどさが描かれている。
    毒もある。それぞれの孤独も沁みだしている。
    今すぐ死にたいような悩みではないが、一生緩解することのない病にかかってしまったようなしんどさ。
    それでも本作の登場人物たちの結末は希望を感じさせる。


    セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。
    仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
    自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
    出産を経て変貌した妻に違和

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    2026年02月18日
  • 私は女になりたい

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    引き込まれて一気に読んだ。

    いくつになっても恋をしたいし、女でいたいと思う。
    でも、女でいることをあきらめたり、女性性を出してはいけない場面もあるし、自分の思いだけで居られないのって苦しい。
    立場を守って全てを失った主人公は強いなって思った。
    最後は希望が見えてよかった。

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    2026年02月11日
  • 夜に星を放つ

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    死に別れた孤独、一緒にいるのに気持ちが遠い孤独、いろいろな孤独に寄り添うように星は輝く。
    ハッピーエンドではないけど、何かシンボルに思いを吐露することで少し前を向けているのが暖かく感じた。

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    2026年02月09日
  • 宙色のハレルヤ

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    短編集であるけど、どれも良かった。恋愛も色々な形があり、何がよくて何が悪いと言うことではない。自分の心の中で蓋をして次の1歩踏み出すことが大事と思う。いろいろとあるけど、新しい人生の始まりでもある。

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    2026年02月05日
  • じっと手を見る

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    地方都市の男女の恋愛模様を描いているだけなのだが、なぜか読み続けてしまう。よくある男女関係の聞き飽きたトラブル。それでもストレスなく完読できたのは著者の文章ゆえだと思う。
    あえてありふれた不幸を描いたのでは、とさえ思える。退屈な人生をメリハリなく漂う登場人物たち。一方で紡ぐ文章は上手さを感じさせないほど乗り心地が良い。
    この著者はスキャンダラスな題材がウリのように思われているが、本質的には文体作家なのではないだろうか。

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    2026年02月03日
  • 宙色のハレルヤ

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    もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
    中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
    まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
    マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
    あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
    あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み

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    2026年02月01日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    辛い描写が多く読むに耐えないのに、ページを捲る手を止められずに、夜更かしして一気読みしてしまった。
    かなり直接的な表現が出てくるけど、性と生の生々しさを伝えるのには必要な表現だったのかなと思う。

    悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんです、そうすれば、オセロの駒がひっくり返るように反転する時が来ますよ。いつかね。

    この言葉の通り、登場人物達の人生も反転しますように。

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    2026年01月31日
  • アカガミ

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    よくあるテーマをリアルに恐ろしく描かれている。種の保存という意味では逆にエンタメなどがない時代へ戻ったみたいな感じ。

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    2026年01月30日
  • 宙色のハレルヤ

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    「海鳴り遠くに」「風は西から」が好きだった。恋愛小説集とあったけど、それもこれも恋愛なのか、とその広さに感心してしまう。普通なんてないのだと、自分の気持ちを伝えるのも隠すのも正解不正解ではないんだと言ってくれているよう。

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    2026年01月25日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    「底辺」の団地なんだろうけど、そんな乱暴な言葉を使わずに話が進む、優しい話。みかげが生まれ直したように七海ちゃんも生まれ直せるといいな。

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    2026年01月22日
  • 宙色のハレルヤ

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    色々な恋の形の短編集。別荘暮らしの“海鳴り遠くに“と、老人と高校生が出てくる“赤く冷たいゼリーのように“が好きだったかな。“パスピエ“怖かった…。

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    2026年01月21日
  • 宙色のハレルヤ

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    短編集あるあるで、好きなのもあったけど、そうでもないのもありました。

    最近はLGBTQの小説も多いけど、この短編集にもあって、私は両方とも好きでした。

    中野さんがねー…
    イマイチ、よくわからなかったわー。

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    2026年01月20日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    登場人物それぞれが悩みを抱え、生きることに痛みや苦しみを感じながら、それでも小さな希望を探し生きていく物語。
    人それぞれ事情があってどうしようも立ち行かなくなり、過ちを犯してしまうこともある。みんな決して綺麗じゃない。清廉潔白な人などいない。
    犯した過ちだけを切り取って見てしまえば、人は嫌悪し、断罪してしまうかもしれない。しかしこの作品では、そうせざるを得なかった状況や心情が丁寧に描かれていて、読みながら「自分だったらどうしただろうか」と何度も考えさせられた。
    人は簡単に救われないし、きれいに立ち直れるわけでもない。それでも周りは関係を断ち切ろうとせず、側にいようとする。小さな世界の中で助け

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    2026年01月19日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    水本も片岡も礼子を痴女のごとく描いた。男から見るファム・ファタールと女から見るそれとでは描かれ方が異なるものだと思い知らされた。一見すると礼子は男をとっかいひっかいしただらしの無い女に見えなくはない。しかし全てを失ったのち文学というひとつの芸術に礼子は縋りつくことになり、それは書き手読み手両者の生きる希望となる。つまり礼子は新たな生き方を自分の力で見つけだしたと言える。礼子が愛した者達は皆いなくなってしまったが、亡き人を雲の下の者が救う手段は芸術による表現のみなのかもしれないと考えさせられた。

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    2026年01月18日
  • 二周目の恋

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    群を抜いて一番面白かったのは
    「深夜のスパチュラ」

    手先不器用&料理苦手族の方は大共感してくれると思う笑。

    双子の「兄弟以上恋人未満」の話だったり
    同性愛の話もあったりするので
    単調な「純粋な異性愛」の話だけじゃないのもおすすめポイント。

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    2026年01月18日
  • 夜に星を放つ

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    星や星座をモチーフにした短編集。
    感傷に浸りたい時に。

    どの物語も別れ・喪失がつきまとう。
    別れや喪失は「冷たい」イメージがあるけれど、どの作品もどこか「温かい」を感じられる。
    救いや小さな希望がある。
    単純な「悲しい話だった」ではなくて、切ないような、少し気持ちが温まるような、不思議な心持ちになりました。
    ゆっくり、大切に、眺めていたくなる一冊でした。

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    2026年01月10日
  • アニバーサリー

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    こんなおせっかいおばさん、なんてあったかいんだろう。窮地に自分が立っているのに、他人のことが頭に浮かぶ。一度きりのおせっかいなら誰でもできるが。

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    2026年01月01日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    「魔が差す」ようなかたちであふれだす欲望や衝動。それらは性欲や嫉妬などに絡んでいた。人間だからこそのどうしようもない部分だろう。「魔が差す」とは言っても、誰かや何かに追いつめられたりしたことで見つけた逃げ道としての行為であったりはする。そしてその行為の前後、主要人物たちは苦しみに見舞われていたりする。そういった人物ばかりではないけれど、それぞれすべての主要人物が、それぞれに割り切れない事情を抱え苦しんでいた。そういった連作長編だった。

    人は、苦しんでいるのは自分だけで、他人は深い悩みもなく楽しい日々を送っていると思いがちではないか。たとえば「隣の芝生は青い」という言葉のように。でも、少なくな

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    2025年12月27日