窪美澄のレビュー一覧
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もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み -
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登場人物それぞれが悩みを抱え、生きることに痛みや苦しみを感じながら、それでも小さな希望を探し生きていく物語。
人それぞれ事情があってどうしようも立ち行かなくなり、過ちを犯してしまうこともある。みんな決して綺麗じゃない。清廉潔白な人などいない。
犯した過ちだけを切り取って見てしまえば、人は嫌悪し、断罪してしまうかもしれない。しかしこの作品では、そうせざるを得なかった状況や心情が丁寧に描かれていて、読みながら「自分だったらどうしただろうか」と何度も考えさせられた。
人は簡単に救われないし、きれいに立ち直れるわけでもない。それでも周りは関係を断ち切ろうとせず、側にいようとする。小さな世界の中で助け -
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「魔が差す」ようなかたちであふれだす欲望や衝動。それらは性欲や嫉妬などに絡んでいた。人間だからこそのどうしようもない部分だろう。「魔が差す」とは言っても、誰かや何かに追いつめられたりしたことで見つけた逃げ道としての行為であったりはする。そしてその行為の前後、主要人物たちは苦しみに見舞われていたりする。そういった人物ばかりではないけれど、それぞれすべての主要人物が、それぞれに割り切れない事情を抱え苦しんでいた。そういった連作長編だった。
人は、苦しんでいるのは自分だけで、他人は深い悩みもなく楽しい日々を送っていると思いがちではないか。たとえば「隣の芝生は青い」という言葉のように。でも、少なくな -
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強烈に目を引くタイトル。
目を引くということはどこか共感している自分がいるということで(それを恥ずかしいこととは思わないものの)自分の中にある普段見ないようにしている気持ちを覗くように読んだ。
恋愛に年齢は関係ないとか、結婚はお金じゃないとか、綺麗事はいくらでも言えるけど、
この本の中で起きることや葛藤は全く綺麗事ではなくて、うまくいかない痛みや、生活を守るために向き合う必要がある現実から目を逸らさせてくれない。
それでいて愛することが人に与える輝きのとんでもなさも描いていて、少し都合のいいように感じるラストがわたしはとても好きでした。
主人公は、同じ女性だから贔屓目にみてしまうのかもしれな