窪美澄のレビュー一覧

  • 夜に星を放つ
    大切な人を失った人の、失意のうちに生きる日々を描く5つの短編。

    ・双子の妹を亡くしたアラサー女史の婚活話
    ・夏大好き少年のほろ苦い初恋
    ・交通事故で母を失った保健室通学女子中生
    ・隣のシングルマザーと引き寄せあうバツイチ男
    ・両親の離婚で父親の再婚相手とギクシャクする少年

    ハッピーエンドなし、ひ...続きを読む
  • ルミネッセンス
     嫌な気持ちになるのに面白い。登場人物たちは、どこにでもありそうな日常だったり、そうした日々を積み重ねているだけなのに、連鎖して闇の中に呑み込まれていった。そして、その闇に抗うことなく、どこか受け入れている様子が不可解なのに、共感できるところもあって心にズシリときた。
  • いるいないみらい
    子供が欲しい、欲しくない、それによって夫婦の考え方も変わってくる。
    それに正解も無くて、それに夫婦が悩んでいく所がリアルな感じがしました。

    僕もまだ子供がいなくて、夫婦で妊活をしていてこの小説を読んで、それぞれの物語がズシンと来て凄く参考になりました。
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)
    人間の多面性が垣間見えて
    みんなぐちゃぐちゃで苦しいけど
    人ってそういうもんだよなぁ、と。

    誰しも「やっかいなもの」を抱えて生きているし、
    ふがいない。けど、それが愛おしい。
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち
    連作短編集。どの話も良かった。
    読み終えてはじめて、自分の心がカチカチに固まっていたことに気づいた。
    読んでいて、心がほろほろとほぐれていくのを何度も感じた。
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち
    読めば読むほど物語の世界に入りんでいき、一人一人に感情移入し、読み終えるのがさみしくなってしまう本でした。

    この本を読んでから、平気そうに振る舞ってるあの人にもこの人にも、きっといろいろあるんだろうな…と思うようになりました。

    人は一人では生きていけなくて、問題を一人で抱えこんだり、がんばり続け...続きを読む
  • ぼくは青くて透明で
    切ないーーー
    自分らしく生きることをわざわざ大声で回りに叫ぶ必要なんてない。
    ただそれを信じて愛してくれる人が一人でもいれば自分らしく生きていけるだろう。
    二人が幸せになることを祈る。
  • ははのれんあい
    素敵な作品でした。
    働く母の葛藤、複雑な家庭と家族の中で抱える子供の葛藤や揺れ動く感情がひとつひとつ丁寧に描かれていて、とても説得力のある文章でした。
    長い年月を経て、家族の形は変わっても家族であることは変わらない、という言葉がじんわりと体の中に染み込んでいくような感覚でした。
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち
    わたしも一時期、精神的にキツイ時期があって、そのときにかけてほしかった言葉がこの物語の中にたくさんあった。
    すごく優しい物語で、涙が止まらなくなった。
  • 夜に星を放つ
    220ページ
    1400円
    5月10日〜5月10日

    5つの短編集。すべてに星の話が出てくる。『真夜中のアボカド』綾は、双子の妹を亡くし、恋人だと思っていた人は実は妻子もちだった。妹の恋人はまだ妹のことを引きずっている。『真珠星スピカ』母を交通事故で亡くしたみちるは、いじめら
    れており保健室登校をして...続きを読む
  • いるいないみらい
    読みやすいけど、1つ読み終える毎に余韻に浸ってしまう。家族の在り方、幸せとはなにか、そんなことを思いながら読んだ。
  • ぼくは青くて透明で
    窪美澄さんの高校生の男の子同士の恋愛をベースにした群像劇。BL小説のレーベルからの出版ではないので一般文芸の作品という認識をしています
    学校や生まれた場所、引っ越した場所なんかは自分たちでそのコミュニティを形成する人たちがどんな人かは知ることができず、いわば自動的にそのコミュニティの一員になる。それ...続きを読む
  • ぼくは青くて透明で
    読み終わった後に長く深く息を吐いた。
    満足感に包まれるこの感じ
    久しぶりだ。
    出てくる人たちそれぞれの角度から
    少しずついろんな想いが分かってくる。
    一筋縄にはいかないよなー。
    静かに熱く進んでいく。
    出会ったことをなしにはできないから
    全力で愛すんだ。
    強いなぁ。強くて脆くて弱くて。
    だから求め合...続きを読む
  • アニバーサリー
    孤独な若い妊婦の真菜と大家族育ちのおばあちゃんコーチ晶子。
    マタニティースイミングスクールで薄い縁を繋いだだけなのに、震災という大きな困難が二人を引き合せる。

    昭和で平和も戦争経験した晶子、平成で豊かな地獄を送ってきた真菜。

    女性が働きたいと願う動機も、働く事で抱え込む困難も理解できる。
    女性に...続きを読む
  • ぼくは青くて透明で
    大好きな窪美澄さん

    カーテン越しに学生服をきた男の子同士が寄り添って手を握り合っている表紙が切ない

    羽田 海(かい)は物心ついた頃から可愛いものが好きで 恋愛対象も男の人だった。周りの目に無頓着で「中身」が漏れだしていた海は中学時代にいじめにあい それからは「空気」のような存在になることを心掛け...続きを読む
  • 夜に星を放つ
    星座をモチーフにした短編集、どれも切なくて泣けてしまう。中でも「真珠星スピカ」が良かった。
     交通事故で突然亡くなった母親の幽霊が主人公にだけ見え、転校して来てからイジメを受けている生活の支えになっていた。家の外には出られない母だったけれど、同級生のイジメをやめさせる為こっくりさんの場(?)をかりて...続きを読む
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち
    メンタルクリニックのお話。
    じんわりと心温まる内容でした。誰かを頼っていいんだよと教えてくれる作品でした。
  • ぼくは青くて透明で
    物語がひとりずつ語られていくうちに、しっかり泣かされた。
    読書中、薄い氷の上を、そっと歩いているような感覚に陥って、各章を丁寧に読んだ。
    海の父親も、忍の両親も、子供を愛しているんだと、愛し方が違うだけなんだと、親の子供への愛について考えさせられる。
    美佐子の2人への接し方が理想的なんだろうけれど、...続きを読む
  • ぼくは青くて透明で
    作家のデビュー作を彷彿させるようなつらつらとした文章、何度も登場するふがいないという言葉。
    透明感のある少年二人のガラスのような恋愛は、今にも壊れそう。

    生きづらさを抱える人にとっては、自分の物差しで、他人を評価する人こそが凶器なのかもしれない。
  • 私は女になりたい
    響いた……。
    何歳になっても、どんな立場であっても、「女」でいたい。紆余曲折しながらそこに行き着く主人公。
    共感ポイントがたくさんあった。