窪美澄のレビュー一覧

  • 宙色のハレルヤ

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    恋にまつわる短編集。展開が予想外で楽しい。わりと前向きになれる方向なので、読後感は悪くないです。

    第1話 10年間連れ添った夫を亡くして3年。家にいると夫のにおいがするみたいで、別荘で暮らしている。

    第2話 僕は彼女に告白されて、つきあいだした。ただ、爆速で「どこが好きなのかわからなくなった」と言われてしまう。

    第3話 行きつけの居酒屋さんで、「新人さんが入ったんですよ〜。足の綺麗な子なんです。」と言われてみてみたけど、中野さんはパンツスタイルだったので、足が綺麗かどうかは不明だった。僕は恋に疲れている。

    第4話 定年後、山の上の高校の清掃員をやっている。子供はいない。

    第5話 住宅

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    2026年03月01日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    人ってみんなそれぞれ悩み抱えてるんだよなって、いつも明るい友達も、幸せそうに見える友達も、心の中はわからないよなって。
    心の中に厄介なものを抱えながら、登場人物はそれでもみんな前を向いて生きてゆく姿に胸が打たれる。
    高校生と主婦のコスプレSEX不倫。
    字面だけみると不埒だけど、卓巳は普通に恋をしただけなんだよな。体から始まる関係だったけれども…。高校生卓巳の純粋さとかが可愛くもある、助けてあげたい。

    セイタカアワダチソウの空
    の団地の子、良太とアクツの話もこれまた胸にくる。認知症の祖母の面倒を見ながら、バイトして、学校に行く。ふがいないなんて、思わないでいいのに、誰かに助けを求めてくれれば良

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    2026年03月01日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    物語には三人の主人公が登場する。

    仕事に忙殺され追い詰められていく由人。

    由人が働くデザイン会社の社長の野々花。
    この会社は倒産の危機に瀕している。

    そして過干渉の母との関係に悩む高校生の正子。

    この三人に共通するのは、人生に絶望し自ら死を選ぼうとしていること。
    物語は三人の人生を追体験する形で進んでいく。

    三人の過去には確かに「幸せ」と呼べる時が存在する。
    しかしその幸せの時の中で、彼らの足元の砂がわずかに崩れ始める。
    そのことに読者は、主人公たちよりも先に気づくのだ。

    それは胸がひりひりするような予感である。

    やがて本格的に砂が流れ始めると、主人公たちは為す術もなく流れに飲ま

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    2026年02月24日
  • 二周目の恋

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    全部の話が読みやすく、おもしろかった

    特に、綿矢リサさんの「深夜のスパチュラ」は、バレンタイン前夜の片想いする女の子の焦る心情の文章が共感すると共に引き込まれてた。

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    2026年02月23日
  • じっと手を見る

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    それぞれの登場人物の不完全さと脆さと情けなさがあまりにも人間らしくて、仕方なくて、愛おしかった。年齢だけ重ねても大人は大人になれないのかもしれない。みんなが騙し騙し生きている現実を、赤裸々に、正直に、自分しか知らないような秘密を開示するように語られる小説でした。それぞれの人がそれぞれの場所で生き、そして死ぬ。世の中って不思議。

    「こんなにも間違った人間であることを自覚した上で関わり合いたいと願うほど、あなたは大切な存在なのです、という決意表明。」という朝井さんの解説での文章が素敵だなと思いました。

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    2026年02月18日
  • 宙色のハレルヤ

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    どの作品も感情移入頻りである。傷ついた人に差し伸べられる救いの手が優しく温かい。『風は西から』の桃子さんや『赤くて冷たいゼリーのように』の宏(おじさん)のように。『パスピエ』の想定外のオチに驚愕。板倉の雄叫びが聴こえてきた。

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    2026年01月16日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    重く、苦しく、しかし先を見ずにはいられない。そんな小説でした。
    心が健康な時に、自室で読むことを推奨します。

    まず、この小説には元となった事件があります。しかし、読んでいる間は、敢えてその事件のことを考えずに読んだ方が、この話の伝えたいことに集中できると私は思います。現実には…と考えることは、ノイズになりかねません。

    私がこの小説を購入し、読み始めたのが昨年の5月末でしたので、半年もかけて、ようやく読み終えたことになります。
    初めから物語に引き込まれ、続きが気になり、どんどん読み進めたくなったのですが、題材も重く、しかも妙に生々しい性描写及びグロ描写を含むため、なかなか外で読むことが難しか

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    2026年01月12日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族の物語。最初の3編は幼少期の記憶のせいで子供とうまくいかない人たち。最後の1編を除いて、小さな子供のいる家庭の話。緊張感がただならない。読んでて息苦しい。

    第1話 昔イジメにあったせいで、お母さん軍団の中でうまくつきあえない私。

    第2話 父とうまく幼少期を関係作れなかった父になったおれ。妻と子供と義実家との関係がどうもうまくいかない。

    第3話 妹が障害者だった。自分の子供は健常者なのに、どうしてもこの事実が受け入れられずに不安の中で過ごしてしまう。

    第4話 妻と子供と味気ない三人暮らし。そこに新しい女性の影が。

    第5話 小さな頃に母が出て行った。今は父が再婚して、再婚相手にも子供

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    2026年01月07日
  • 給水塔から見た虹は

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    後半、涙が止まりませんでした。
    同じ団地内に住む中学二年生の桐乃とベトナム人のヒュウ。二人とも教室にも家にも居場所がない。
    桐乃の母、ヒュウの母、ヒュウがつるむようになる仲間達。皆の苦しい思いが伝わってくる。自分がこんなに辛いのは誰のせいなのか。皆がギリギリの心理状態で暮らしている。
    様々な視点で語られるこの物語、悪い方へ流れていってしまうのにも理由がある、ということが伝わってきて、読んでいる側も辛い。
    そして、それぞれの人の核を形作っているものは、簡単には変えられないこと。それに気付いた桐乃が最終的に、人に幸せにしてもらおうと思ってはダメだ、自分で自分を幸せにするのだ、という結論に達した心の

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    2026年01月05日
  • 給水塔から見た虹は

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    想像力を働かせることは大事だ。
    在日や移民、技能実習生のことは何となくわかっているけど、全然僕たちは知らないし、解ってない。どこか他人事のように思っているけど、今やどこに行っても外国人だらけ。
    同じ日本に住む人間として、しっかりと認識して、考えるべきだと思った。

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    2025年12月25日
  • 宙色のハレルヤ

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    一番最初の「海鳴り遠くに」では心をどんどん解放していく登場人物をみて、ずっと蓋をして無視してきた自分の気持ちが剥き出しにされていくような怖さと、それでも続きが知りたい気持ちとが混ざり合って何度も本を閉じては心を落ち着かせながら読んだ。
    今、恋をしていないけれど次そういう人に出会ったときは止まれないかもしれない。
    この作品はそれぐらい私にとって強い衝撃があった。
    いろいろな人がいて、いろいろな生き方がある。
    当たり前のことだけど、それがこの世の面白さであり、小説を読むことの面白さでもあるなと思った。

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    2025年12月17日
  • 宙色のハレルヤ

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    あんまり恋愛モノは読まないし、短編は好きではないけど、これは6編全てとても面白かった!
    短編だけど物足りなさもなく、長編を読んだかのような読後感。キラキラしているだけじゃない恋愛モノは好き(笑)

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    2025年12月05日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    かなりおもしろかった。個人的に好きだったのは最初のバーの男との話、お母さんに食べ物は残すなと言われて大食いを強制されてた女性の話、最後の海の同性愛の話でした。

    短編ものなので面白い話と面白くない話と私には共感できないな、と感じる話もありましたが、どれも楽しく読むことが出来ました。
    読みやすくわかりやすい読み物でとても良かったです。読み終わったあと、好きな人に会いたくなりました。

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    2025年11月30日
  • 夜に星を放つ

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    星をモチーフとした短編集で、皆大切な人との別れを経験していた
    主人公にとって星は、大切な人であったり、自分自身であったり、進むべき道を示す希望の光なんだなって思った
    私は真夜中のアボカド、真珠星スピカ、湿りの海が好きだな

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    2025年11月27日
  • たおやかに輪をえがいて

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    じっくりゆっくり読ませてもらった。
    人生の在り方。絵里子を通して考えさせられる。
    様々な女性の生き方。
    心との折り合いをどうやって付けていくのか絵里子と一緒に考えた。
    52歳になったらまた読みたい。

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    2025年11月10日
  • 給水塔から見た虹は

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    強烈な孤独に抗うのは難しい。移民の子どもの孤独だけでなく、それに寄り添う日本人の孤独も描き、最底辺から上を見上げる子どもたちの物語が胸を痛くする。とても胸が痛い。

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    2025年11月01日
  • ご本、出しときますね?

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    BSジャパンのテレビ番組の書籍化。オードリー若林さんがMCする番組が好きな自分にとっては、読み進めてると声が聞こえてきそうな錯覚に陥った。作家の知らない一面が見えてとてもおもしろかった!読んだ章の中では村田沙耶香さんの変人度が群を抜いていた笑

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    2025年10月15日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    うう…。泣いた。もう、号泣。
    ずっと「読みたい本」に登録してたんだけど、なぜ早く読まなかったのか後悔。

    「ははのれんあい」というタイトルなんだけど、前半は、「母」が3人出てきて、いったい誰の恋愛の話になるのか?どう考えても主人公は「由紀子」なのだが、由紀子の恋愛の話になりそうにはないので、早くその真相が知りたくて夢中で読み進めた。

    時代は昭和50年代くらいじゃないかと思われる。つまり団塊の世代の女性が、時代の変化のさなかで必死で子育てをしている。まず、出てくる登場人物に、誰も「悪い人」がいないところが切ない。まぁ、でも、由紀子の夫の智久は、私からすると、悪い人ではないかもしれないけどやっぱ

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    2025年10月13日
  • ぼくは青くて透明で

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    プリンが食べたいです

    ってな事で、窪美澄の『ぼくは青くて透明で』

    トランスジェンダーと言う言葉が聞き慣れてきた時代でも、まだまだ全ての人に理解と寛容は難しいのも現実で、そんな中でトランスジェンダーな事だけではなく取り巻く環境にもがきながら生きていくお話。


    美佐子

    璃子
    緑亮
    沙織

    それぞれみんなもがきながら生きて、自分のアイデンティティを守って生きてく、みんな純粋で透明だよ色んなものを背負いながら。

    恋って青くて甘酸っぱくて面倒臭いね、じゃが、その解明不能の気持ちはどんな人にも同じで、この恋愛におじさんキュンキュンしちゃったよ。

    ほんと読みやすくて透明感のある気持ちいい本じ

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    2025年10月05日
  • 朔が満ちる

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    窪美澄先生と出会えたことはやはり、私の人生にとってとてもだいじなこと。まだ振り返す、大好きな家族というものに対する負の感情となかなか折り合いをつけられずにいるけれど、自暴自棄になりすぎずにゆっくりと向き合っていきたいと、改めておもえた。

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    2025年10月01日