窪美澄のレビュー一覧
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後半、涙が止まりませんでした。
同じ団地内に住む中学二年生の桐乃とベトナム人のヒュウ。二人とも教室にも家にも居場所がない。
桐乃の母、ヒュウの母、ヒュウがつるむようになる仲間達。皆の苦しい思いが伝わってくる。自分がこんなに辛いのは誰のせいなのか。皆がギリギリの心理状態で暮らしている。
様々な視点で語られるこの物語、悪い方へ流れていってしまうのにも理由がある、ということが伝わってきて、読んでいる側も辛い。
そして、それぞれの人の核を形作っているものは、簡単には変えられないこと。それに気付いた桐乃が最終的に、人に幸せにしてもらおうと思ってはダメだ、自分で自分を幸せにするのだ、という結論に達した心の -
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いつの間にか迷い込んでしまった長いトンネルをわけのわからぬまま、もがくように、溺れるように、全力疾走をするも疲れて足が止まってしまう。
そこからメンタルクリニックに通い始めて、やがて仄かな光が見え、外に出られるようになるまでの再生の物語たち。
クリニックのカウンセラーがかける『ここまで来てくれてありがとう』の言葉がどこまでも温かい。
そんなクリニックのカウンセラーも、過去には、実は…。
人には得意不得意があって、その不得意がたまたま生活や仕事だっただけ。たったそれだけなのに生きづらさを感じてしまって、いつのまにかトンネルの中にいることがある。
だけど、自分にできないことは何かをちゃんと把 -
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秋の夜長にじっくりと読むのにぴったりの一冊。
物語の世界に引き込まれ、日本で暮らす外国の人々の現実にも深く考えさせられた。
親子のすれ違い、学校や家庭での孤独、ベトナム難民としての家族の歴史、2世・3世の苦悩、技能実習生たちの葛藤。
社会のさまざまな問題が描かれているのに、物語は美事に調和していた。
主人公は、ベトナム難民の三世で団地に暮らす中学2年生のヒュウ。
同じ団地に住む同級生の桐乃、そして困っている外国人を放っておけない桐乃の母・里穂。
3人の視点で物語は進み、それぞれの心の揺れやすれ違いが描かれる。
里穂の行動はもどかしかったし、ヒュウと桐乃の友情には胸が熱くなった。
多くのこ -
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昭和に建てられた巨大な団地群の一室に両親と住む桐乃・中学2年生
同じ団地に母と二人で住む同級生のベトナム人・ヒュウ
困っている外国人を放っておけず支援に奔走する桐乃の母・里穂
三人の視点で描かれる ひと夏の成長物語
この団地にはベトナムの他、中国、カンボジア、フィリピン、ブラジル…
様々な国出身の人々が暮らしている。
この団地ほどではないが、私の周りも急激に外国人が増えたなと感じる。
難民三世のヒュウは学校でも家でも居場所がなく、自分の存在意義を見失っている。
──多少は色がついた存在だった自分が、今ではまるでいないかのように透明だ。──
──日本人でない自分が、なぜ日本とい -
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ネタバレうう…。泣いた。もう、号泣。
ずっと「読みたい本」に登録してたんだけど、なぜ早く読まなかったのか後悔。
「ははのれんあい」というタイトルなんだけど、前半は、「母」が3人出てきて、いったい誰の恋愛の話になるのか?どう考えても主人公は「由紀子」なのだが、由紀子の恋愛の話になりそうにはないので、早くその真相が知りたくて夢中で読み進めた。
時代は昭和50年代くらいじゃないかと思われる。つまり団塊の世代の女性が、時代の変化のさなかで必死で子育てをしている。まず、出てくる登場人物に、誰も「悪い人」がいないところが切ない。まぁ、でも、由紀子の夫の智久は、私からすると、悪い人ではないかもしれないけどやっぱ -
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女性なあなたは、次の質問にどのように答えるでしょうか?
“仕事、結婚、男、子ども。すべて求めるのは罪ですか”
1980年代には世帯全体の6割以上を占めていたのが昨今3割を切ったという『専業主婦』。1972年にピークを迎えた後、減少の一歩を辿る婚姻件数。そして、1982年以降44年連続で減少し続けている子どもの数。
時代によって求めるものも変化してきていることがわかります。しかし、間違いなく言えるのは『東京オリンピックが開催された年。東海道新幹線が開通した年』でもある『一九六四年』という時代に、上記したすべてを求めることは女性にとって高いハードルであったという事実です。”罪”であるかどう -
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あなたは、初めてのデートの翌日、彼女からこんなことを言われたらどうするでしょうか?
『ごめんね…私、○○君が好きなのかどうかわからなくなっちゃった』
『公園で待ち合わせをし、二人でスワンボートを漕』ぐといういかにもなデートの光景。『二人でクレープを食べて、ちょっと背伸びをして、喫茶店で高いコーヒーを飲んで…』という高校生のデートのワンシーン。そんな時代を遠い過去に見る私には、羨ましい思いだけしかありませんが、初デートに臨む身には『僕は大きな失敗をしなかったと思う』という帰宅後の安堵感はその先考えてもとても大切だと思います。
しかし、そんな翌日、『好きなのかどうかわからなくなっちゃった』 -
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プリンが食べたいです
ってな事で、窪美澄の『ぼくは青くて透明で』
トランスジェンダーと言う言葉が聞き慣れてきた時代でも、まだまだ全ての人に理解と寛容は難しいのも現実で、そんな中でトランスジェンダーな事だけではなく取り巻く環境にもがきながら生きていくお話。
海
美佐子
忍
璃子
緑亮
沙織
それぞれみんなもがきながら生きて、自分のアイデンティティを守って生きてく、みんな純粋で透明だよ色んなものを背負いながら。
恋って青くて甘酸っぱくて面倒臭いね、じゃが、その解明不能の気持ちはどんな人にも同じで、この恋愛におじさんキュンキュンしちゃったよ。
ほんと読みやすくて透明感のある気持ちいい本じ