窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
次から次に生まれるシャボン玉、そしてひとつのシャボン玉に焦点をあてたきれいな装丁の本です。
小説は古い団地群に住む二人の中学生、桐乃とベトナム人のヒュウ、そして桐乃の母親の里穂が、それぞれの立場から物語を進めていました。
外国人に対してはルーツが違うことで差別し、日本人同士でも自分と違うことに寛容になれないなかで、孤独と戦っている二人の中学生の悲しさが綴られていました。
お互いの孤独に気づき、この団地を出ていきたいと願う気持ちが同じだった桐乃とヒュウが夏休みに経験したことは、優しさと現実でした。
ルーツが違う人達のなかで幸せを感じると同時に、初めて言葉がわからない集団の中で生きていく大変さを経験した桐乃。現実の自分の問題になって、初めて本当に理解できるのだと思いました。
夏が終わったあとの桐乃とヒュウが、自分の人生をきちんと生きていこうとする姿には、希望を感じました。最後に祈るような気持ちとともにタイトルの意味を理解しました。
登場人物の気持ちや状況が変わっていくなかで、団地の給水塔をふと見上げて思いを馳せる場面が何度かありました。すべてをみてきた給水塔には、多くの思いが貯まっているように思えました。
小説を読むと、その都度様々な感情と出会えます。この本では、読者の私が日頃知ろうとしていなかったことに対して、思いを馳せることができました。生きることの大変さは誰もが味わっていることですが、そこに少しの寛容さと優しさを持つことが必要だと改めて思いました。知ることの大切さを教え、違いを認め合うことの難しさに向き合える環境を作っていくのが、大人の仕事のひとつではないかとも思いました。
〈目次〉
第一章 一学期
第二章 夏休み
エピローグ
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Posted by ブクログ
これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本の中からキラっと光る物を探し当てた気分。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白かった。
4デザイン会社社長野乃花、デザイナー由人、高校生正子がそれぞれの事情の中で死を考える。
死ぬ前に一緒に座礁したクジラを見に行くことになり、その中で生きる事・死ぬことへの考えが変わっていく話。
正子の絶望がリアルで苦しくなった。
母に自分のことは伝わらない、でも母の事は理解しないといけない。好きだから切り捨てることもできない。これは地獄だと思った。
おばあちゃんの、死んだ大切の人が肩に乗っていると思ってその人達のために美味しいものを食べたり、楽しい事をしたりするといいっていう考えが良いなと思った。
大切な人を失ったりすると、悲しいし一つずつなくなっていく気がする。でも’大切だ’と思えた人やモノがいたことは素敵なことだし、もしそれがなくなったとしてもその気持ちは持ってていいと思う。その人やモノのためにもっと人生を楽しもうという考えは取り入れたいなと思った。
動物界がそうであるかのように、生きるとか死ぬとか第3者からするとどうでもいいことなんだよね。
死のうが生きようが関係ない。
助けるということも自己満足。
だったら、自分のために生きようと思えた。
幸せな時にもう1度読みたいなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
最悪よりは平凡 (岛本理生)
魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
カーマンライン (一穂ミチ)
回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
無事に、行きなさい (桜木紫乃)
「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良かった。ミワさんかっこいい!
海鳴り遠くに (窪 美澄)
主人公の恵美が、絹香と出会って自分の心にちゃんと向き合えたのが良かった。最後の携帯電話越しの波の音に新しい人生が始まる感じがした。