窪美澄のレビュー一覧

  • アニバーサリー

    Posted by ブクログ

    続きが気になって一気に読んだ。
    東日本大震災の年に妊娠している真菜。
    母親との確執があり、父親のいない子を妊娠し自暴自棄になっている。

    75歳で現役のマタニティスイミングの講師である晶子はそんな真菜を気にかける。


    地震、そして原発事故がふたりを結びつける。


    真菜の抱えているトラウマのようなものは、わかる気がするし、晶子の存在がうざったいことも理解できる。でも結局は晶子に救われたんだなと思う。

    晶子のお節介がなかったら、真菜はつぶれていたと思う。


    子どもを生んだ今、読むからこそ響く言葉もたくさんあったし、共感できる部分もとても多かった。

    真菜が出産したことによって、悩みながらも

    0
    2017年05月06日
  • アニバーサリー

    Posted by ブクログ

    震災直後、望まれない子を産んだ真菜と、彼女を家族のように支える七十代の晶子。世代の違う二人の自らの存在証明と生きていくための行動と思考を描く渾身の長編小説。
    時代の変化とともに、女性の社会的立場も大きく変わってきた。本書に登場する女性たちの晶子、真希、真菜、そして千代子の人生は、旧来の男性社会と闘った女性たちの一代記と言ってもいいだろう。それでも人間は食べなければ生きていけない。「食」を重要なピースとして物語に導入したところも秀逸。

    0
    2017年01月22日
  • よるのふくらみ

    Posted by ブクログ

    小さな商店街の中で育った3人。文房具屋の娘のみひろに、酒屋の兄弟・圭祐と裕太。
    みひろの母は男が出来て家を出ながらまた舞い戻ってきた経過を持ち、兄弟の父は浮気性で妻に隠れて他所に通った過去を持つ。
    夫婦の契りを結びながら、ひとりの人に添い遂げることが出来ない人の性を、間近に見ながら育った3人の三角関係。
    圭祐と同棲しながら裕太に思いを残すみひろの中で迸る明け透けで赤裸々な女の生理が生々しい。
    みひろに思いを残しながら他の女性と交わる裕太もよくある男の生態なら、みひろの欲望を取り違えて不妊治療に励む圭祐も切ない。
    ひとりの人に決めて結婚しながら他の異性に気が行くのはよくあることで、人間ってどうし

    0
    2024年10月28日
  • アニバーサリー

    Posted by ブクログ

    子どもを産むのが怖かった。母のように、自分の娘にブスとか死ねとか言うのが怖かった。大切にできる自信がなかった。

    自分が言って欲しかったことを言ってあげればいい。それが正解かはわからないけど。息子にはそうしてあげたい。今はそう思っている。

    0
    2016年09月11日
  • アニバーサリー

    Posted by ブクログ

    血が繋がってるからいつかはわかりあえるとか、我が子は可愛いから愛せるとか無責任なことばかり言う人への嫌悪感。その善意が、無邪気さが人を苦しめることもある。素直にそれを受け入れられない自分を責めてしまう人がいる。窪美澄はそんな者を救う。無理なものは無理でええんやで、と。だから尊い。
    窪美澄を読むと初めはグサリと突き刺さり穴が開いたり傷口が開いてしまう。しかし結果的に風通しが良くなり、楽になってる自分がいる。「アニバーサリー」を読んだ後はまさしくそういうかんじだった。
    傷を治すのではなく、傷痕をコンプレックスと思わないようになる。自分の一部なんだと認めることができるようになる。それこそが生きていく

    0
    2017年02月10日
  • クラウドクラスターを愛する方法

    Posted by ブクログ

    母と子のはなしと、父と子のはなし。現代的で地に足がついててリアルなんだけど、多分二十年後に読んでも読み応えがある本だと思う。

    0
    2015年11月29日
  • クラウドクラスターを愛する方法

    Posted by ブクログ

    自分の周りを眺めたいときに、読み返したい本。
    中編2本だけど、どちらも内容が濃くて読み応えがある。

    家族というものに対して、自分の中でじゅくじゅくに膿んで、でも外に出せず言葉にできない傷を、ぴったりくる表現であらわしてくれた。
    傷は治せないし、そう簡単に癒せないけど、「ここが傷ついているよ」と教えてくれて知ってくれるだけでも、とても救われた気持ちになるのだなぁと思った。

    救われない気持ちの人に出会ったら、下手な言葉をかける前に、そっと差し出したい一冊。

    0
    2015年11月22日
  • じっと手を見る

    Posted by ブクログ

    狭い世界で自分1人の力で確実に食べていくために選んだ仕事。好きな人。
    日奈は経験の割に切り替えられる子だな。私は海斗とか畑中に近いなあ。

    0
    2026年06月12日
  • よるのふくらみ

    Posted by ブクログ

    全く違う短編集かと思いきやそうでもなかった
    生々しくてどろっとしてて読みやすくてちょっと苦しかった
    結婚する前に読んでたらまたがった感じ方だったかも
    私は女なのでみひろが幸せになってくれればそれでいい

    解説が尾崎世界観なのが良かった
    今まで読んだ解説の中で一番良かった

    0
    2026年06月11日
  • 君の不在の夜を歩く

    Posted by ブクログ

    恩田陸さんの「黒と茶の幻想」が大好きで、それぞれの目線で語られる、長い関係の男女4人の物語という共通点にまず、心が躍った。最後の答え合わせのような菜乃子の章があったのもよかった。

    誰かの目線で語られるその人と、その人自身の語りから受ける印象が違いすぎて、その相違点が興味深くおもしろい。

    登場人物たちの人生には、それぞれ苦しみや迷いがある。それでも、その人生の中に確かに存在した一瞬の、儚くも美しい輝きが描かれていて、その光景が読後も静かに心に残り続けている。

    0
    2026年06月10日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

    Posted by ブクログ

    人間誰しも上手くいくばかりじゃなくて
    人生で1度や2度は折れてしまうことがあるのは当然で、むしろ、人の心はうまくいかないことの方が多い。

    頑張らなくちゃ、自分は何もできていないと思い詰めてしまいがちなので、改めて気付かされた。一つできればよく頑張ってるんだよと。できて当然ではないんだよと。

    そして、ちょっと疲れちゃったなと思った時に気楽に立ち寄れる止まり木のようなクリニック。身近にあったらうれしい。

    この小説に出てくる人たちは、誰もが何か心に抱えている。もしくは抱えている人が身近にいる。だからこそ、人に適切な距離で優しく寄り添えるのかもしれない。

    ちょっと疲れちゃったな、毎日嫌になるな

    0
    2026年06月10日
  • 君の不在の夜を歩く

    Posted by ブクログ

    高校時代、いつも行動を共にしていた菜乃子、達也、健太、沙耶、倫子。菜乃子の自死をきっかけに、それぞれの関係と思いが順に語られた小説でした。

    月日が経つと環境が変わっていき、様々な経験を積み重ね、考え方が変わっていきます。そのなかでのそれぞれの上っ面だけでなく、人間の本能や心の奥底までをえがきだしていました。

    分かりあえない親子、宗教二世、結婚への執着、同性愛、才能への嫉妬などが複雑にからんでいて、一気に読んでしまいました。

    一番印象に残ったのは、最後の章です。死にたかった菜乃子が、自分を思い出してくれる4人の生きざまを見て思う事が、綴られていました。

    救われた思いで読み終えられたことが

    0
    2026年06月08日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    忍には生きて欲しかった。なんであっさり死んでしまうの?正子のためにも、双子の海老くんのためにも生きていて欲しかった。あんないい子があっさり死ぬなんてつらすぎる。
    さっきまでぶーたれてた忍なのに、次のシーンでは、告別式のシーン。
    若いひとが亡くなるのはつらい。正子のほとんど初めてのともだちだったのに。
    忍、という癌という設定の高校生の少女にこんなに肩入れするのがなぜなのかわからない。自分に同じ年頃の娘がいるからなのか、病気で生きたいと必死の子どもが死ぬのがつらいのかわからない。
    忍、という少女の死が読んでていちばんつらかった。そして、この本、まだ最後まで読んでいない。

    0
    2026年06月02日
  • よるのふくらみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    意外にも圭祐の章に1番共感したし胸を打たれた。
    側から見たらなんでもうまくやれそうな人が1番色々複雑なものを抱えているのかもしれない。
    みひろや裕太のある意味シンプルな悩みより、圭祐のがんじがらめに絡まってしまった苦悩の方が共感できた。

    最後の章で、他人から指を指されるようなことをした身近な人を、みひろを裕太を自分を、許せるだろうかと問う語りには、思わず「苦しい」と声を出してしまった。

    「他人に指を差されるようなこと」と書いたけど、その他人になる自分もその指に苦しくなる自分も、どちらの自分も、誰の中にもあるという話だと思った。

    元恋人の弟と結婚してこどもをつくるみひろも、兄の元恋人の後釜

    0
    2026年06月01日
  • 給水塔から見た虹は

    Posted by ブクログ

    ベトナムから日本へ来た少年たちの姿を通して、「外国人労働者」という言葉だけでは見えない現実を知った一冊でした。

    日本で働けば豊かになれると信じて来日しても、約束された賃金が支払われなかったり、人として対等に扱われなかったりする。異国で孤独を抱えながら生きることの苦しさが、胸に迫ってきました。

    特に印象に残ったのは、行き場のない少年たちが「仲間がほしい」という思いから危うい道へ引き寄せられていく姿です。悪いことだと分かっていても、一人でいる寂しさには抗えない。その葛藤がとても切実でした。

    また、ベトナム人の若者たちだけでなく、彼らと関わる日本人の母親や家族の視点も描かれていて、単純な善悪で

    0
    2026年05月31日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日常に疲れ、心が重たくなった人に手渡せる本として読みたい一冊だった。

    死を考える3人の過去を読むのは結構しんどかった。
    「死にたい」と思っている人に「死ぬな」ということは簡単だけど、何の解決にもなってない。そんな思いを抱えている人にはぜひ読んでほしいと思った。

    「生きることがしんどい」と感じる人たちの物語でありながら、ただ暗いだけではなく、それぞれが自分のすべきことを見つけていく過程に静かな希望があった。

    0
    2026年05月28日
  • 朱より赤く 高岡智照尼の生涯

    Posted by ブクログ

    いやはや、何とも報われない、話でした。

    高岡智照という実在の人物を描いたお話で、どれだけ脚色されてるか分からないけど、壮絶な生涯だった。

    窪美澄さんの文章は、やはり柔らかくて読みたくなる。

    0
    2026年05月25日
  • 君の不在の夜を歩く

    Posted by ブクログ

    菜乃子、達也、健太、倫子、沙耶。
    高校の同級生の彼らはいつも5人でいた。
    ずっとその関係が続いていた彼らだったが、
    グループの中心的存在だった菜乃子が自死し、
    そのバランスが崩れてしまう。

    5人それぞれの複雑な関係性に驚く。
    ああ、実はそうだったんだなと。
    彼らの恋愛感情が、なかなか複雑。
    一見、仲が良さそうな5人だが、内側には
    ドロドロした物を抱えており、お互いを
    肯定しているわけではないところが、
    なかなか面白い。残された者たちが
    菜乃子の死を、どう乗り越えていくのか。

    倫子は作家として活躍し、沙耶は結婚して
    子どもを産み育てる。さて、男性陣はというと、
    達也は菜乃子の死を受け入れるこ

    0
    2026年05月24日
  • 給水塔から見た虹は

    Posted by ブクログ

    国際化の中で共生できる社会とは

    初めての窪美澄さん。読書YouTuberさんのオススメでした。

    日本人の在留外国人に対する扱い方。もちろん逆も然り。
    苦手なままで成立していない環境下が桐乃の団地の中で繰り広げられているのを見ると、他人事ではないと思った。

    桐乃の母・里穂の過去(中学生の時に出会ったタオという少女)をきっかけに、家族のことよりも在留外国人が困っていたら手を差し伸べることが多く、桐乃が嫌気差す場面があった。
    中学生は多感な時期でもあるし、まだまだ親から離れられない年齢。
    里穂は家族に目を向ける時期だったのではないかなと思った。
    お人好しの部分もさることながら、過去のきっかけが

    0
    2026年05月24日
  • 給水塔から見た虹は

    Posted by ブクログ

    中盤までは展開がやたらと遅くイライラが募る。毎回毎回同じことの繰り返しじゃん。そこまで自分の親になぜ気兼ねするのか。まだまだ子どもなのにと思ってしまった。
    ひと夏の冒険を経てようやく親とわかりあえる、親にとってこども以上に大切なものなんてないでしょ、と思うのだがタオに対してなぜそこまで責任感を感じるのかはわからなかった。

    0
    2026年05月24日