窪美澄のレビュー一覧

  • 恋愛仮免中

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    こういったアンソロジーの短編って物足りないことが多いからあまり期待していなかったけど。
    どれも読んでいて切なくなるいい話だった。
    好きな作家がそろっていたのも良。
    最後の作者の本は読んだことがない気がするけど、良い感じの文章だったから他の作品も読んで見たいな。

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    2017年12月04日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    *人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ恋の形はある―。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品*

    どの作品も本当に素晴らしいです。どうにもならない、やるせない想いが行間から滲み出てくるかのよう。それぞれの結末の、その後の物語を読者にゆだねるような終わり方も秀逸。様々な角度から恋愛の繊細さに触れることが出来る、素敵な1冊。

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    2017年10月27日
  • アニバーサリー

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    3.11を受けて幼少の戦時中を回想していく晶子と、3.11時に私生児を妊娠していた真菜との交流をを描いている。
    非常におもしろかった。
    10歳で空腹の辛さを経験した私たちが、人に食べ物を勧める性分は多分死ぬまで一生なおらない。というような文面に始まり、大変印象的な文が多かった。

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    2017年09月08日
  • 恋愛仮免中

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    奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。

    日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。



    「あなたが大好き」奥田英朗

    自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
    結婚を真剣に考えている。
    つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。

    親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。

    誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。


    「銀紙色のアンタレス」窪美澄

    夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。

    そこに幼なじみの同級生

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    2017年08月31日
  • 雨のなまえ

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    何となくの不穏さを感じながら読み進めていたら、突き落とされるようなラストに出くわす。
    5つの短編のうちの3つがそういう形で、1つが不穏なまま終わり、残る1つだけが少しの救いを感じた。
    読み終えたあと心がざわつく。良いとは言えない後味に戸惑う。でも現実にも、こういう理不尽な出来事は時に起こってしまう。そういう、自分の身にも降りかかるかもしれないという恐れを感じるような物語が並ぶ。

    様々な形で“雨”が登場する。
    出産を控えた妻に恐れを感じ始める男が主人公の表題作では、産まれてくる子どもに雨にまつわる名前を付けようと妻が言い出す場面があり、年下の男に一方的な恋をしてしまう主婦が出てくる「記録的短時

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    2017年06月26日
  • 恋愛仮免中

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    表紙にマハさんの名前を見つけて、即購入。
    マハさんのお話を1番に読みました。
    読後のこの幸せ感、爽快感、読んで良かった感を味わわせて貰える読書って、本当にいいなぁ。
    短いお話の中にも、マハさんの大好きな美術の事がちゃんと入っていました。

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    2017年06月01日
  • アニバーサリー

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    続きが気になって一気に読んだ。
    東日本大震災の年に妊娠している真菜。
    母親との確執があり、父親のいない子を妊娠し自暴自棄になっている。

    75歳で現役のマタニティスイミングの講師である晶子はそんな真菜を気にかける。


    地震、そして原発事故がふたりを結びつける。


    真菜の抱えているトラウマのようなものは、わかる気がするし、晶子の存在がうざったいことも理解できる。でも結局は晶子に救われたんだなと思う。

    晶子のお節介がなかったら、真菜はつぶれていたと思う。


    子どもを生んだ今、読むからこそ響く言葉もたくさんあったし、共感できる部分もとても多かった。

    真菜が出産したことによって、悩みながらも

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    2017年05月06日
  • アニバーサリー

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    震災直後、望まれない子を産んだ真菜と、彼女を家族のように支える七十代の晶子。世代の違う二人の自らの存在証明と生きていくための行動と思考を描く渾身の長編小説。
    時代の変化とともに、女性の社会的立場も大きく変わってきた。本書に登場する女性たちの晶子、真希、真菜、そして千代子の人生は、旧来の男性社会と闘った女性たちの一代記と言ってもいいだろう。それでも人間は食べなければ生きていけない。「食」を重要なピースとして物語に導入したところも秀逸。

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    2017年01月22日
  • よるのふくらみ

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    小さな商店街の中で育った3人。文房具屋の娘のみひろに、酒屋の兄弟・圭祐と裕太。
    みひろの母は男が出来て家を出ながらまた舞い戻ってきた経過を持ち、兄弟の父は浮気性で妻に隠れて他所に通った過去を持つ。
    夫婦の契りを結びながら、ひとりの人に添い遂げることが出来ない人の性を、間近に見ながら育った3人の三角関係。
    圭祐と同棲しながら裕太に思いを残すみひろの中で迸る明け透けで赤裸々な女の生理が生々しい。
    みひろに思いを残しながら他の女性と交わる裕太もよくある男の生態なら、みひろの欲望を取り違えて不妊治療に励む圭祐も切ない。
    ひとりの人に決めて結婚しながら他の異性に気が行くのはよくあることで、人間ってどうし

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    2024年10月28日
  • アニバーサリー

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    子どもを産むのが怖かった。母のように、自分の娘にブスとか死ねとか言うのが怖かった。大切にできる自信がなかった。

    自分が言って欲しかったことを言ってあげればいい。それが正解かはわからないけど。息子にはそうしてあげたい。今はそう思っている。

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    2016年09月11日
  • アニバーサリー

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    血が繋がってるからいつかはわかりあえるとか、我が子は可愛いから愛せるとか無責任なことばかり言う人への嫌悪感。その善意が、無邪気さが人を苦しめることもある。素直にそれを受け入れられない自分を責めてしまう人がいる。窪美澄はそんな者を救う。無理なものは無理でええんやで、と。だから尊い。
    窪美澄を読むと初めはグサリと突き刺さり穴が開いたり傷口が開いてしまう。しかし結果的に風通しが良くなり、楽になってる自分がいる。「アニバーサリー」を読んだ後はまさしくそういうかんじだった。
    傷を治すのではなく、傷痕をコンプレックスと思わないようになる。自分の一部なんだと認めることができるようになる。それこそが生きていく

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    2017年02月10日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    母と子のはなしと、父と子のはなし。現代的で地に足がついててリアルなんだけど、多分二十年後に読んでも読み応えがある本だと思う。

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    2015年11月29日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    自分の周りを眺めたいときに、読み返したい本。
    中編2本だけど、どちらも内容が濃くて読み応えがある。

    家族というものに対して、自分の中でじゅくじゅくに膿んで、でも外に出せず言葉にできない傷を、ぴったりくる表現であらわしてくれた。
    傷は治せないし、そう簡単に癒せないけど、「ここが傷ついているよ」と教えてくれて知ってくれるだけでも、とても救われた気持ちになるのだなぁと思った。

    救われない気持ちの人に出会ったら、下手な言葉をかける前に、そっと差し出したい一冊。

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    2015年11月22日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心の持ちようは、身体と同じように上下する
    どんなひとでも

    沈んでいるときに、
    話せる場がある
    頼れる人がいる
    みんなそうしたバイオリズムで生きている

    そうやって、毎日を少しずつ歩んでいく
    出会いや楽しみが、そこにあればしあわせなこと

    気持ちがほっとする、連作短編集でした

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    スルーしたくなる内容のもありましたが、日々の積み重ね、日常の食事等。
    見逃しがちなことが、大切なのだと感じられる作品集でした。

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    人気作家6人による、ほろ苦くて味わい深い「食」と「人生」を描いた短編集。

    ■収録作

    ・幸せのカレーライス(伊吹有喜)
    雨足が強い中、空腹に耐えきれず入ったお店で――。

    ・四十歳の栄養(中西智佐乃)
    美容室で働く麻美。あまりの忙しさにバランス栄養食品をかじる日々……。

    ・フレンチと返報性(藤野恵美)
    かなは大学で突然、それほど親しくない友人からフランス料理の食事に誘われる。

    ・二代目のミンチョさん(伊藤朱里)
    アイス屋でよく見かける女性は、いつも違う男性と来店していた。

    ・五十の壁が高すぎる(古内一絵)
    よく訪れる店で食事をしたときに、茂樹が感じた異変とは。

    ・真っ

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    2026年07月17日
  • 朔が満ちる

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    ネタバレ

    「『三人で撮ろうか』

    僕がそう言って伯母と梓に声をかけると、母の両脇に二人が立つ。僕は三人の女に向けてシャッターを切った。僕を生かしてくれた女たちだ、と心のなかで思いながら」

    DVを繰り返す父とそれから子供達を守ることができない母を持つ主人公、その妹と生まれた直後に捨てられた看護師が過去と向き合い、力強く自分の人生を歩み始める物語

    前半の父親のDVの描写が過激で、過去に読んだ石田衣良の「北斗」を思い出した。 北斗は両親に反抗することができなかったけど、本作の主人公は父親に暴力という形ではあるものの立ち向かうことができて良かったと個人的には思う。

    あの時に立ち向かったからこそ、より長く伯

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    2026年07月15日
  • 夜に星を放つ

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    まず、タイトルが素晴らしい。
    罪悪感や執着、初恋、過去といった、心に抱えた余計なものを手放し、まだ届かないけれど「希望という名の星」に向かって進もうとする強い意志が感じられる。
    まさに、この作品のイメージそのものだと思った。

    なかでも特に心に響いたのが『湿りの海』
    心にぽっかり空いた穴を埋める何かを、人はどうしても求めてしまう。
    過去を取り戻すことも、一度受け入れてしまった決定を覆すこともできない。
    それでもなお、あの懐かしさの「代わり」を求めてしまう切ない心情が痛いほど伝わってきた。

    主人公とは性別も違うのにすっかり感情移入してしまい、読んでいる間は、まるで周囲の音が消えたかのように引き

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    2026年07月15日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    美味しいご飯を食べて、しっかり寝てというのが幸せの基本だなと改めて感じる本。そこが崩れてしまうと、たとえ充実していたとしても幸せとは言えない気がする。
    6編の物語は、どれも日常の「美味しい」が詰まった作品。特に好きだったのは藤野恵美さんの「フレンチと返報性」。自分のスタイルを崩さないゆかは、見ていて気持ちいい。つい周りに合わせがちなのに、女子大生でこれが出来るのはすごい。友達になりたいタイプだなぁ。そして、キャビアのお茶漬を食べてみたい。

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    2026年07月14日
  • 君の不在の夜を歩く

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    ネタバレ

    あまり好きな作家ではなかったけれど、これはよかった。
    最初の章は、あーまた いつもの内省的な話かぁと思ったけれど。最後の2章はとてもよかった。
    本人も確とした理由がなくて自死すると、周りは死ぬまでそれを考え続けていかないといけない。
    タイトルそのもの。なぜ、君はいなくなったのだ…という思いから離れられない。辛いよね。

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    2026年07月06日