窪美澄のレビュー一覧

  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    *人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ恋の形はある―。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品*

    どの作品も本当に素晴らしいです。どうにもならない、やるせない想いが行間から滲み出てくるかのよう。それぞれの結末の、その後の物語を読者にゆだねるような終わり方も秀逸。様々な角度から恋愛の繊細さに触れることが出来る、素敵な1冊。

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    2017年10月27日
  • アニバーサリー

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    3.11を受けて幼少の戦時中を回想していく晶子と、3.11時に私生児を妊娠していた真菜との交流をを描いている。
    非常におもしろかった。
    10歳で空腹の辛さを経験した私たちが、人に食べ物を勧める性分は多分死ぬまで一生なおらない。というような文面に始まり、大変印象的な文が多かった。

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    2017年09月08日
  • 恋愛仮免中

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    奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。

    日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。



    「あなたが大好き」奥田英朗

    自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
    結婚を真剣に考えている。
    つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。

    親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。

    誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。


    「銀紙色のアンタレス」窪美澄

    夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。

    そこに幼なじみの同級生

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    2017年08月31日
  • 雨のなまえ

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    何となくの不穏さを感じながら読み進めていたら、突き落とされるようなラストに出くわす。
    5つの短編のうちの3つがそういう形で、1つが不穏なまま終わり、残る1つだけが少しの救いを感じた。
    読み終えたあと心がざわつく。良いとは言えない後味に戸惑う。でも現実にも、こういう理不尽な出来事は時に起こってしまう。そういう、自分の身にも降りかかるかもしれないという恐れを感じるような物語が並ぶ。

    様々な形で“雨”が登場する。
    出産を控えた妻に恐れを感じ始める男が主人公の表題作では、産まれてくる子どもに雨にまつわる名前を付けようと妻が言い出す場面があり、年下の男に一方的な恋をしてしまう主婦が出てくる「記録的短時

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    2017年06月26日
  • 恋愛仮免中

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    表紙にマハさんの名前を見つけて、即購入。
    マハさんのお話を1番に読みました。
    読後のこの幸せ感、爽快感、読んで良かった感を味わわせて貰える読書って、本当にいいなぁ。
    短いお話の中にも、マハさんの大好きな美術の事がちゃんと入っていました。

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    2017年06月01日
  • アニバーサリー

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    続きが気になって一気に読んだ。
    東日本大震災の年に妊娠している真菜。
    母親との確執があり、父親のいない子を妊娠し自暴自棄になっている。

    75歳で現役のマタニティスイミングの講師である晶子はそんな真菜を気にかける。


    地震、そして原発事故がふたりを結びつける。


    真菜の抱えているトラウマのようなものは、わかる気がするし、晶子の存在がうざったいことも理解できる。でも結局は晶子に救われたんだなと思う。

    晶子のお節介がなかったら、真菜はつぶれていたと思う。


    子どもを生んだ今、読むからこそ響く言葉もたくさんあったし、共感できる部分もとても多かった。

    真菜が出産したことによって、悩みながらも

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    2017年05月06日
  • アニバーサリー

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    震災直後、望まれない子を産んだ真菜と、彼女を家族のように支える七十代の晶子。世代の違う二人の自らの存在証明と生きていくための行動と思考を描く渾身の長編小説。
    時代の変化とともに、女性の社会的立場も大きく変わってきた。本書に登場する女性たちの晶子、真希、真菜、そして千代子の人生は、旧来の男性社会と闘った女性たちの一代記と言ってもいいだろう。それでも人間は食べなければ生きていけない。「食」を重要なピースとして物語に導入したところも秀逸。

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    2017年01月22日
  • よるのふくらみ

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    小さな商店街の中で育った3人。文房具屋の娘のみひろに、酒屋の兄弟・圭祐と裕太。
    みひろの母は男が出来て家を出ながらまた舞い戻ってきた経過を持ち、兄弟の父は浮気性で妻に隠れて他所に通った過去を持つ。
    夫婦の契りを結びながら、ひとりの人に添い遂げることが出来ない人の性を、間近に見ながら育った3人の三角関係。
    圭祐と同棲しながら裕太に思いを残すみひろの中で迸る明け透けで赤裸々な女の生理が生々しい。
    みひろに思いを残しながら他の女性と交わる裕太もよくある男の生態なら、みひろの欲望を取り違えて不妊治療に励む圭祐も切ない。
    ひとりの人に決めて結婚しながら他の異性に気が行くのはよくあることで、人間ってどうし

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    2024年10月28日
  • アニバーサリー

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    子どもを産むのが怖かった。母のように、自分の娘にブスとか死ねとか言うのが怖かった。大切にできる自信がなかった。

    自分が言って欲しかったことを言ってあげればいい。それが正解かはわからないけど。息子にはそうしてあげたい。今はそう思っている。

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    2016年09月11日
  • アニバーサリー

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    血が繋がってるからいつかはわかりあえるとか、我が子は可愛いから愛せるとか無責任なことばかり言う人への嫌悪感。その善意が、無邪気さが人を苦しめることもある。素直にそれを受け入れられない自分を責めてしまう人がいる。窪美澄はそんな者を救う。無理なものは無理でええんやで、と。だから尊い。
    窪美澄を読むと初めはグサリと突き刺さり穴が開いたり傷口が開いてしまう。しかし結果的に風通しが良くなり、楽になってる自分がいる。「アニバーサリー」を読んだ後はまさしくそういうかんじだった。
    傷を治すのではなく、傷痕をコンプレックスと思わないようになる。自分の一部なんだと認めることができるようになる。それこそが生きていく

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    2017年02月10日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    母と子のはなしと、父と子のはなし。現代的で地に足がついててリアルなんだけど、多分二十年後に読んでも読み応えがある本だと思う。

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    2015年11月29日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    自分の周りを眺めたいときに、読み返したい本。
    中編2本だけど、どちらも内容が濃くて読み応えがある。

    家族というものに対して、自分の中でじゅくじゅくに膿んで、でも外に出せず言葉にできない傷を、ぴったりくる表現であらわしてくれた。
    傷は治せないし、そう簡単に癒せないけど、「ここが傷ついているよ」と教えてくれて知ってくれるだけでも、とても救われた気持ちになるのだなぁと思った。

    救われない気持ちの人に出会ったら、下手な言葉をかける前に、そっと差し出したい一冊。

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    2015年11月22日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生にまつわるアンソロジー集。
    「五十の壁が高すぎる」と「真っ赤な林檎のその下で」が自分の家庭環境に少し似ているからかぐっときた。

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    2026年08月22日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族の在り方を様々な視点から見た連作短編集で、作者らしく感情の機微が丁寧に描かれていて、苦々しさがありながらも時折ホッとするような気持ちになる。きっと家族の形に正解はなく、藻掻きながら形作っていくしかないと感じた。

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    2026年08月18日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    目を背けたくなるような辛い現実、考えたくないこと、そういうどうにもならない苦しみを抱えながらも生きていくしかない。それが普通とは少し離れていたとしても。

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    2026年08月15日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生は切っても切り離せないものなのかもなぁ。人は食べないと生きていけないし、周りには食が溢れてる。テレビも本も漫画も本当に多いよな。
    タイトルにしあわせ?とあるように、ほっこりというよりは少し苦めの短編集だった。
    『フレンチと返報性』と『真っ赤な林檎のその上で』の終わり方が前向きな感じで好きだった。

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    2026年08月13日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心が疲れてしまった人たちを、一軒の喫茶店と一軒のメンタルクリニックが寄り添い、少しずつ癒していく物語。

    キラキラした大学生活を頑張りすぎた女性「キャンベルのスープ缶」
    自分はADHDではないかと悩み、自己肯定感の低い青年「パイプを持つ少年」
    恋愛に依存し、「愛されたい」という思いに囚われる女性「アリスの眠り」
    不妊治療を経て高齢出産した後、産後うつに苦しむ女性「エデンの園のエヴァ」
    生まれたばかりの子どもを病気で亡くした母親「夜のカフェテラス」
    産後うつの末、幼い子どもを置いて家を出てしまった女性「ゆりかご」

    こうして箇条書きにすると、どこか創作として整理されすぎた印象を受けるかもしれませ

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    2026年08月13日
  • ルミネッセンス

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    小説宝石に掲載された5篇の連作短編集。

    神奈川のハズレにある、古い団地のある町が舞台。
    連なっていくのは、今年55歳となる同級生たち。

    古い団地に漂う、少し淀んだような空気。
    日常に暗部を抱えた彼らが、いや 日常の多くが暗部の彼らが ほんの一瞬だけ光る。

    「トワイライトゾーン」
    黄昏の境界に埋もれる数学教師。

    「蛍光」
    小学生の頃の記憶とともに、沼に引き込まれる主婦。

    「ルミネッセンス」
    これは不倫なのか、自分でもわからなくなり、車の光に引き込まれるような最期を迎える男。

    「宵闇」
    顔に残った傷のためにいじめを受ける中学生は、暗闇から宵闇へ。

    「冥色」
    過去から団地へ逃げてきた男

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    2026年08月11日
  • 夜に星を放つ

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    初めての窪美澄さん作品。
    コロナ禍を舞台にした5編のお話。
    とても読みやすい。
    感動とか涙するとかではないのだけど、どこか考えさせられて、自分を見直してみないといけないと思ってみたりした。
    死別だけでないけど、大切な人との別れはやっぱり苦しいなぁと。
    とくに親の勝手で振り回されてしまう子どもの存在はちょっと切ない。
    この中に出てくる登場人物たちがみんな誰かを想い、幸せになっていってほしいと願うそんなお話だった。

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    2026年08月10日
  • ぼくは青くて透明で

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    すごく読みやすくて、続きが気になる!と言う気持ちに突き動かされて読んだ。

    いろんな気持ちが絡まって、人との関係は成り立ってるんだなと思った。
    言葉にしないと気持ちは伝わらないけど、あえて言葉にしない気持ちもあって。
    伝わらない想いのもどかしさ、伝えたからこそ上手くいくもの、壊れるもの。
    なんて難しいんだろう。
    人を好きになるって、本当はとても怖いことってすごくよくわかる。
    願わくば2人がこれからも一緒にいられますように。2人が自分らしくいられる社会になりますように。

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    2026年08月04日