窪美澄のレビュー一覧

  • じっと手を見る

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    地方都市の男女の恋愛模様を描いているだけなのだが、なぜか読み続けてしまう。よくある男女関係の聞き飽きたトラブル。それでもストレスなく完読できたのは著者の文章ゆえだと思う。
    あえてありふれた不幸を描いたのでは、とさえ思える。退屈な人生をメリハリなく漂う登場人物たち。一方で紡ぐ文章は上手さを感じさせないほど乗り心地が良い。
    この著者はスキャンダラスな題材がウリのように思われているが、本質的には文体作家なのではないだろうか。

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    2026年02月03日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    誰しもがなりえる心のバランスの乱れ
    読んでて苦しくなったり嬉しくなったりホッとしたり

    誰かの心の支えになれる人間になりたい
    そして自分自身のバランスが乱れたときソッと寄り添ってくれる人がいてくれるように 優しく生きようと思った作品

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    2026年02月02日
  • 給水塔から見た虹は

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    良い話なんですけどね、なぜか「手放しで・・・」とはなりませんでした。
    最初に引っかかったのが、3世のベトナム人のヒューが日本語が苦手という設定。私の大叔父・大叔母たちはアメリカとブラジルに移民しましたが、その3世たちは母語は現地語で、日本語はほぼ喋れない。漢字は苦手というレベルならまだしも、幼稚園、小学校と日本の学校に通って、喋る事さえ苦手と言うのは・・・。元々センシティブな話題を扱うので、よほど丁寧に描かないと嘘っぽくなる。そう言う目付きで読んでいたら、母親の行動なども、どこかステレオタイプに感じられてしまう。また、母親が我が子をさておいて外国人支援に突き進み、さらにそれを父親が容認する動機

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    2026年02月02日
  • 宙色のハレルヤ

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    もうね、珠玉の短編集(6編)どれも沁みる。どれも胸に迫る。
    中でも最後の発達障害の紡(めっちゃ純粋で可愛い)を育ててるパート勤務の女性の過去結婚も考えてた男性との子どもたちを通しての再会と別れを描いた「雪が踊っている」
    まるで自分が追体験したかのような心持ちになった。
    マイノリティの恋愛も、高校生の夏休みにご飯を作りにきてくれる従姉妹のお姉さんの作る焼きそばもタコスもめっちゃ美味しそう。この男子高校生の陸の心情もめっちゃわかる。(彼女が親友とつきあい出した)
    あと、”パスピエ”これ”世にも奇妙な物語”になりそう。
    あの妖精みたいな猫みたいな中野さんが(ストーカーが怖いからと板倉くんの部屋に住み

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    2026年02月01日
  • ぼくは青くて透明で

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    この瞬間が永遠に続けばいい。二人の青年は互いに惹かれ合っていく。家庭環境、学校生活にて問題が起きるのは必然。だからこそ、確固たる信念を持って次のステージに飛び込むのだった。甘く切ない青春の物語。

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    2026年01月31日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    辛い描写が多く読むに耐えないのに、ページを捲る手を止められずに、夜更かしして一気読みしてしまった。
    かなり直接的な表現が出てくるけど、性と生の生々しさを伝えるのには必要な表現だったのかなと思う。

    悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんです、そうすれば、オセロの駒がひっくり返るように反転する時が来ますよ。いつかね。

    この言葉の通り、登場人物達の人生も反転しますように。

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    2026年01月31日
  • アカガミ

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    よくあるテーマをリアルに恐ろしく描かれている。種の保存という意味では逆にエンタメなどがない時代へ戻ったみたいな感じ。

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    2026年01月30日
  • 給水塔から見た虹は

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    移民、貧困、差別、いじめ……と、いくつもの社会問題を中学生の目を通して描いた作品。
    読んでいてやり切れない気持ちになりましたが、どれも身近で向き合わないといけない問題。
    読んで良かったです。

    学校でも家でも、孤独を感じながらも頑張り続けている桐乃。日本で生まれ、暮らしているのにいじめられているベトナム人のヒュウ。過去に囚われ、他人を助けるために奔走している母・里穂。
    それぞれが見ている世界は……

    団地もクラスも一緒の桐乃とヒュウは、置かれている苦しい状況は重なる部分がある。
    自分ではどうにも出来ない問題に苦しみながら気持ちに折り合いをつけたり、閉ざすことでしか心を守れなんなんて悲しすぎる。

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    2026年01月29日
  • 宙色のハレルヤ

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    「海鳴り遠くに」「風は西から」が好きだった。恋愛小説集とあったけど、それもこれも恋愛なのか、とその広さに感心してしまう。普通なんてないのだと、自分の気持ちを伝えるのも隠すのも正解不正解ではないんだと言ってくれているよう。

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    2026年01月25日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    『人は自分の内側に入ったまま外に出られなくなってしまうときがある』

    心の不調に悩み、メンタルクリニックを訪れる人達の短編集。
    心の病気は弱い人がなるものという偏見が早くなくなってほしい。

    私も外に出たい。

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    2026年01月24日
  • 給水塔から見た虹は

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    幼い頃に外国で生まれて日本にやってきた友達を、想像力の欠如から傷つけてしまった主人公の母親。
    それを償うためもあり、近所で困っている外国の住民がいれば寝る間も惜しまず手を差し伸べる。
    しかし、そうしているうちに周りも見えなくなり、娘からは自分の子どもより困っている外国の人が大事なのか。そして、そんな母親は手助けをしているときだけ生き生きとしており、それは手助けしてあげている自分に陶酔している傲慢な姿勢なのではないかと投げかける。

    どんな事情からであれ、困っている人に手を差し伸べるのは良いことであるのは当然だが、その時の自分がどのような考えからそうしているのかは一歩立ち止まって考えたい。

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    2026年01月23日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    「底辺」の団地なんだろうけど、そんな乱暴な言葉を使わずに話が進む、優しい話。みかげが生まれ直したように七海ちゃんも生まれ直せるといいな。

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    2026年01月22日
  • 宙色のハレルヤ

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    色々な恋の形の短編集。別荘暮らしの“海鳴り遠くに“と、老人と高校生が出てくる“赤く冷たいゼリーのように“が好きだったかな。“パスピエ“怖かった…。

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    2026年01月21日
  • 宙色のハレルヤ

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    短編集あるあるで、好きなのもあったけど、そうでもないのもありました。

    最近はLGBTQの小説も多いけど、この短編集にもあって、私は両方とも好きでした。

    中野さんがねー…
    イマイチ、よくわからなかったわー。

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    2026年01月20日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    登場人物それぞれが悩みを抱え、生きることに痛みや苦しみを感じながら、それでも小さな希望を探し生きていく物語。
    人それぞれ事情があってどうしようも立ち行かなくなり、過ちを犯してしまうこともある。みんな決して綺麗じゃない。清廉潔白な人などいない。
    犯した過ちだけを切り取って見てしまえば、人は嫌悪し、断罪してしまうかもしれない。しかしこの作品では、そうせざるを得なかった状況や心情が丁寧に描かれていて、読みながら「自分だったらどうしただろうか」と何度も考えさせられた。
    人は簡単に救われないし、きれいに立ち直れるわけでもない。それでも周りは関係を断ち切ろうとせず、側にいようとする。小さな世界の中で助け

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    2026年01月19日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    水本も片岡も礼子を痴女のごとく描いた。男から見るファム・ファタールと女から見るそれとでは描かれ方が異なるものだと思い知らされた。一見すると礼子は男をとっかいひっかいしただらしの無い女に見えなくはない。しかし全てを失ったのち文学というひとつの芸術に礼子は縋りつくことになり、それは書き手読み手両者の生きる希望となる。つまり礼子は新たな生き方を自分の力で見つけだしたと言える。礼子が愛した者達は皆いなくなってしまったが、亡き人を雲の下の者が救う手段は芸術による表現のみなのかもしれないと考えさせられた。

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    2026年01月18日
  • 二周目の恋

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    群を抜いて一番面白かったのは
    「深夜のスパチュラ」

    手先不器用&料理苦手族の方は大共感してくれると思う笑。

    双子の「兄弟以上恋人未満」の話だったり
    同性愛の話もあったりするので
    単調な「純粋な異性愛」の話だけじゃないのもおすすめポイント。

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    2026年01月18日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    山田風太郎賞受賞作。「ふがいない僕は空を見た」「夜に星を放つ」と今作、3冊目にしてやっと窪美澄という作家を理解し始めた気がする。もっと読もうと思います。
    由人、野々花、正子。登場人物の心情や行動が誰かの希望になっていく。その誰かに薦めたくなる作品になりました。

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    2026年01月13日
  • 夜に星を放つ

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    星や星座をモチーフにした短編集。
    感傷に浸りたい時に。

    どの物語も別れ・喪失がつきまとう。
    別れや喪失は「冷たい」イメージがあるけれど、どの作品もどこか「温かい」を感じられる。
    救いや小さな希望がある。
    単純な「悲しい話だった」ではなくて、切ないような、少し気持ちが温まるような、不思議な心持ちになりました。
    ゆっくり、大切に、眺めていたくなる一冊でした。

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    2026年01月10日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    4.2/5.0

    生きているということの、嬉しさ、悲しさ、楽しさ、しんどさ……
    いろんな側面がぎっしりと詰まった小説だった。

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    2026年01月09日