窪美澄のレビュー一覧

  • 夜に星を放つ

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    2022年直木賞上半期受賞作
    ↓短編読切の5部構成
    真夜中のアボカド
    銀色紙のアンタレス
    真珠星スピカ
    湿りの海
    星の随(まにま)に

    死、別れ、失恋、いじめ、離婚、虐待、コロナって言う暗い話に加えて、余白の多さは芥川賞受賞作を思わせるんだけど…コミカルでもない独特の表現が闇をあまり感じさせないのが、この作者 窪美澄さんの腕なのかなぁーと思わせる。
    「あったよなーこんな事」とか「こんなことあるかも」的なちょっと身近な心情を映し出してるからかもしれない

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    2026年09月04日
  • 君の不在の夜を歩く

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    5人の仲が良かった元同級生。そのうちの1人が自死で亡くなった。残った同級生は何年経っても心に亡くなった彼女がいる。何故亡くなったのか本人しか分からないが残った者はそれを抱えて、人生を左右されながら生きていずれは年老いて人生を終わらせる。明るい話ではないが読まずにはいられなかった。

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    2026年09月03日
  • 君の不在の夜を歩く

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    生き物は死んだらどうなるのか。無になる、と思う。
    私個人としては死後の世界があるとは到底思えないけれど、亡くなった人が思い出される時(と空間)にだけ死後の世界が生じる、というアイデアに共感。

    私たちはそれぞれ自分の物語を持っている。そして自分以外の人の物語を(勝手に)創り出している。
    暫く前からずっとそのことを考えていたせいもあってか、面白く読んだ。

    描かれていない登場人物の人生についても知りたい、と思わせるところに作者の技量を感じた。
    特に健太の最期。どういう経緯でそうなったのかな。

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    2026年08月30日
  • 給水塔から見た虹は

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    自分は日本人しかいないような田舎からベトナム人の多い街に引っ越してきたため、接し方やどんな人たちなのか、全然わかっていなかった。
    保育園にもベトナムの方は多くおられるが、そんなに大変そうには見えていなかった。
    国を問わずみんな大変なことはあると思うが、ベトナムならではの大変さってあるんだろうな…
    ベトナム人のコミュニティもあるがゆえに余計に孤立したように感じる人も実際いそうだし…
    視野を広げてくれた本となった。
    近所に住むベトナム人について、またそのコミュニティについて知りたくなった。

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    2026年08月29日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    初読みの作家さん。
    高校生男子と主婦がセフレの関係。
    その旦那と姑がその二人以上に下衆な親子。
    性の描写が直球過ぎるし、登場人物が皆んな残念な人々ですが、何故か引き込まれていくのは作家さんの文章力の力なのか。
    物語は続き物ですが各章でメインが変わっていく内容。
    後半につれて、深みに入っていきます。
    圧巻は高校生男子の友達の章。
    家は貧乏で父親は自殺。母親は他の男と別で暮らし、同居している祖母は重度の認知。そんな祖母を面倒見ながら、学校に通い、バイトで生活費を稼ぐという不幸の塊の中、SNSで主婦との関係動画が出回り引きこもりになった友達を誰よりも心配、味方になっている。その反面、その反面、その動

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    2026年08月25日
  • ぼくは青くて透明で

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    登場人物それぞれの視点から物語を描くユニークな構成
    読みやすかった

    クラスメイト男子に惹かれる過程が瑞々しく描かれていた
    誰かに次第にひかれていくズキン(あえてキュンと言わず、ズキンと表現(^^))とした感情が、わかるなーとリアルに描かれていた

    互いに惹かれつつも、高校卒業 上京してからの過程も思春期から青年にかけての恋愛によくあるかんじに描かれていた

    成長していく過程ですれ違っていくだろうタイプの違う2人
    それはそれで、よくある恋愛だろうし、ただ、そうなっても年齢を重ねて懐かしい思い出となるストーリー、みたいにもう少し先の2人をみてみたくなった

    最後の方の2人の肌を重ねる描写が、やけ

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    2026年08月24日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生にまつわるアンソロジー集。
    「五十の壁が高すぎる」と「真っ赤な林檎のその下で」が自分の家庭環境に少し似ているからかぐっときた。

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    2026年08月22日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族の在り方を様々な視点から見た連作短編集で、作者らしく感情の機微が丁寧に描かれていて、苦々しさがありながらも時折ホッとするような気持ちになる。きっと家族の形に正解はなく、藻掻きながら形作っていくしかないと感じた。

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    2026年08月18日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    目を背けたくなるような辛い現実、考えたくないこと、そういうどうにもならない苦しみを抱えながらも生きていくしかない。それが普通とは少し離れていたとしても。

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    2026年08月15日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    食と人生は切っても切り離せないものなのかもなぁ。人は食べないと生きていけないし、周りには食が溢れてる。テレビも本も漫画も本当に多いよな。
    タイトルにしあわせ?とあるように、ほっこりというよりは少し苦めの短編集だった。
    『フレンチと返報性』と『真っ赤な林檎のその上で』の終わり方が前向きな感じで好きだった。

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    2026年08月13日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心が疲れてしまった人たちを、一軒の喫茶店と一軒のメンタルクリニックが寄り添い、少しずつ癒していく物語。

    キラキラした大学生活を頑張りすぎた女性「キャンベルのスープ缶」
    自分はADHDではないかと悩み、自己肯定感の低い青年「パイプを持つ少年」
    恋愛に依存し、「愛されたい」という思いに囚われる女性「アリスの眠り」
    不妊治療を経て高齢出産した後、産後うつに苦しむ女性「エデンの園のエヴァ」
    生まれたばかりの子どもを病気で亡くした母親「夜のカフェテラス」
    産後うつの末、幼い子どもを置いて家を出てしまった女性「ゆりかご」

    こうして箇条書きにすると、どこか創作として整理されすぎた印象を受けるかもしれませ

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    2026年08月13日
  • ルミネッセンス

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    小説宝石に掲載された5篇の連作短編集。

    神奈川のハズレにある、古い団地のある町が舞台。
    連なっていくのは、今年55歳となる同級生たち。

    古い団地に漂う、少し淀んだような空気。
    日常に暗部を抱えた彼らが、いや 日常の多くが暗部の彼らが ほんの一瞬だけ光る。

    「トワイライトゾーン」
    黄昏の境界に埋もれる数学教師。

    「蛍光」
    小学生の頃の記憶とともに、沼に引き込まれる主婦。

    「ルミネッセンス」
    これは不倫なのか、自分でもわからなくなり、車の光に引き込まれるような最期を迎える男。

    「宵闇」
    顔に残った傷のためにいじめを受ける中学生は、暗闇から宵闇へ。

    「冥色」
    過去から団地へ逃げてきた男

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    2026年08月11日
  • 夜に星を放つ

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    初めての窪美澄さん作品。
    コロナ禍を舞台にした5編のお話。
    とても読みやすい。
    感動とか涙するとかではないのだけど、どこか考えさせられて、自分を見直してみないといけないと思ってみたりした。
    死別だけでないけど、大切な人との別れはやっぱり苦しいなぁと。
    とくに親の勝手で振り回されてしまう子どもの存在はちょっと切ない。
    この中に出てくる登場人物たちがみんな誰かを想い、幸せになっていってほしいと願うそんなお話だった。

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    2026年08月10日
  • ぼくは青くて透明で

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    すごく読みやすくて、続きが気になる!と言う気持ちに突き動かされて読んだ。

    いろんな気持ちが絡まって、人との関係は成り立ってるんだなと思った。
    言葉にしないと気持ちは伝わらないけど、あえて言葉にしない気持ちもあって。
    伝わらない想いのもどかしさ、伝えたからこそ上手くいくもの、壊れるもの。
    なんて難しいんだろう。
    人を好きになるって、本当はとても怖いことってすごくよくわかる。
    願わくば2人がこれからも一緒にいられますように。2人が自分らしくいられる社会になりますように。

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    2026年08月04日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    どんな小説か、前知識なく読んだ。伊吹有喜さんや古内一絵さんなど、すきな作家さんがいたから。いろんな作家さんの食べることにまつわる短編小説、と思ったし、途中中弛みして、最後まで読まなくてもいいか?と思ったが大間違いで、一番最後の窪美澄さんの作品が大号泣…お母さん、娘、定食屋の聡美さん、だれの立場も、優しく、切なく大号泣…読んでよかった。娘の巣立ちという、ある意味子育てでは成功だけど、空の巣症候群…なるよね、シングルマザーで頑張ってきたら特に。でも自分を変えなきゃ!と思って新しいことに挑戦するのとでよかった。ひいては娘の萌香さんが聡美さんも救った。なんていい話。

    一つ前の古内一絵さんもさすが!ザ

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    2026年08月04日
  • よるのふくらみ

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    大人の恋愛小説を読みたい人におすすめ。

    どこか目を背けたくなるような感情と向き合っていく主人公たち。兄弟で同じ人を好きになったりと複雑な感情の動きの中、目の前にある現実に懸命にもがく登場人物たちが切ない。

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    2026年08月03日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    心の持ちようは、身体と同じように上下する
    どんなひとでも

    沈んでいるときに、
    話せる場がある
    頼れる人がいる
    みんなそうしたバイオリズムで生きている

    そうやって、毎日を少しずつ歩んでいく
    出会いや楽しみが、そこにあればしあわせなこと

    気持ちがほっとする、連作短編集でした

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    スルーしたくなる内容のもありましたが、日々の積み重ね、日常の食事等。
    見逃しがちなことが、大切なのだと感じられる作品集でした。

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    2026年07月20日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    人気作家6人による、ほろ苦くて味わい深い「食」と「人生」を描いた短編集。

    ■収録作

    ・幸せのカレーライス(伊吹有喜)
    雨足が強い中、空腹に耐えきれず入ったお店で――。

    ・四十歳の栄養(中西智佐乃)
    美容室で働く麻美。あまりの忙しさにバランス栄養食品をかじる日々……。

    ・フレンチと返報性(藤野恵美)
    かなは大学で突然、それほど親しくない友人からフランス料理の食事に誘われる。

    ・二代目のミンチョさん(伊藤朱里)
    アイス屋でよく見かける女性は、いつも違う男性と来店していた。

    ・五十の壁が高すぎる(古内一絵)
    よく訪れる店で食事をしたときに、茂樹が感じた異変とは。

    ・真っ

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    2026年07月17日
  • 朔が満ちる

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    ネタバレ

    「『三人で撮ろうか』

    僕がそう言って伯母と梓に声をかけると、母の両脇に二人が立つ。僕は三人の女に向けてシャッターを切った。僕を生かしてくれた女たちだ、と心のなかで思いながら」

    DVを繰り返す父とそれから子供達を守ることができない母を持つ主人公、その妹と生まれた直後に捨てられた看護師が過去と向き合い、力強く自分の人生を歩み始める物語

    前半の父親のDVの描写が過激で、過去に読んだ石田衣良の「北斗」を思い出した。 北斗は両親に反抗することができなかったけど、本作の主人公は父親に暴力という形ではあるものの立ち向かうことができて良かったと個人的には思う。

    あの時に立ち向かったからこそ、より長く伯

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    2026年07月15日