窪美澄のレビュー一覧
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人間誰しも上手くいくばかりじゃなくて
人生で1度や2度は折れてしまうことがあるのは当然で、むしろ、人の心はうまくいかないことの方が多い。
頑張らなくちゃ、自分は何もできていないと思い詰めてしまいがちなので、改めて気付かされた。一つできればよく頑張ってるんだよと。できて当然ではないんだよと。
そして、ちょっと疲れちゃったなと思った時に気楽に立ち寄れる止まり木のようなクリニック。身近にあったらうれしい。
この小説に出てくる人たちは、誰もが何か心に抱えている。もしくは抱えている人が身近にいる。だからこそ、人に適切な距離で優しく寄り添えるのかもしれない。
ちょっと疲れちゃったな、毎日嫌になるな -
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高校時代、いつも行動を共にしていた菜乃子、達也、健太、沙耶、倫子。菜乃子の自死をきっかけに、それぞれの関係と思いが順に語られた小説でした。
月日が経つと環境が変わっていき、様々な経験を積み重ね、考え方が変わっていきます。そのなかでのそれぞれの上っ面だけでなく、人間の本能や心の奥底までをえがきだしていました。
分かりあえない親子、宗教二世、結婚への執着、同性愛、才能への嫉妬などが複雑にからんでいて、一気に読んでしまいました。
一番印象に残ったのは、最後の章です。死にたかった菜乃子が、自分を思い出してくれる4人の生きざまを見て思う事が、綴られていました。
救われた思いで読み終えられたことが -
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ネタバレ忍には生きて欲しかった。なんであっさり死んでしまうの?正子のためにも、双子の海老くんのためにも生きていて欲しかった。あんないい子があっさり死ぬなんてつらすぎる。
さっきまでぶーたれてた忍なのに、次のシーンでは、告別式のシーン。
若いひとが亡くなるのはつらい。正子のほとんど初めてのともだちだったのに。
忍、という癌という設定の高校生の少女にこんなに肩入れするのがなぜなのかわからない。自分に同じ年頃の娘がいるからなのか、病気で生きたいと必死の子どもが死ぬのがつらいのかわからない。
忍、という少女の死が読んでていちばんつらかった。そして、この本、まだ最後まで読んでいない。 -
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ネタバレ意外にも圭祐の章に1番共感したし胸を打たれた。
側から見たらなんでもうまくやれそうな人が1番色々複雑なものを抱えているのかもしれない。
みひろや裕太のある意味シンプルな悩みより、圭祐のがんじがらめに絡まってしまった苦悩の方が共感できた。
最後の章で、他人から指を指されるようなことをした身近な人を、みひろを裕太を自分を、許せるだろうかと問う語りには、思わず「苦しい」と声を出してしまった。
「他人に指を差されるようなこと」と書いたけど、その他人になる自分もその指に苦しくなる自分も、どちらの自分も、誰の中にもあるという話だと思った。
元恋人の弟と結婚してこどもをつくるみひろも、兄の元恋人の後釜 -
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ベトナムから日本へ来た少年たちの姿を通して、「外国人労働者」という言葉だけでは見えない現実を知った一冊でした。
日本で働けば豊かになれると信じて来日しても、約束された賃金が支払われなかったり、人として対等に扱われなかったりする。異国で孤独を抱えながら生きることの苦しさが、胸に迫ってきました。
特に印象に残ったのは、行き場のない少年たちが「仲間がほしい」という思いから危うい道へ引き寄せられていく姿です。悪いことだと分かっていても、一人でいる寂しさには抗えない。その葛藤がとても切実でした。
また、ベトナム人の若者たちだけでなく、彼らと関わる日本人の母親や家族の視点も描かれていて、単純な善悪で -
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菜乃子、達也、健太、倫子、沙耶。
高校の同級生の彼らはいつも5人でいた。
ずっとその関係が続いていた彼らだったが、
グループの中心的存在だった菜乃子が自死し、
そのバランスが崩れてしまう。
5人それぞれの複雑な関係性に驚く。
ああ、実はそうだったんだなと。
彼らの恋愛感情が、なかなか複雑。
一見、仲が良さそうな5人だが、内側には
ドロドロした物を抱えており、お互いを
肯定しているわけではないところが、
なかなか面白い。残された者たちが
菜乃子の死を、どう乗り越えていくのか。
倫子は作家として活躍し、沙耶は結婚して
子どもを産み育てる。さて、男性陣はというと、
達也は菜乃子の死を受け入れるこ -
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国際化の中で共生できる社会とは
初めての窪美澄さん。読書YouTuberさんのオススメでした。
日本人の在留外国人に対する扱い方。もちろん逆も然り。
苦手なままで成立していない環境下が桐乃の団地の中で繰り広げられているのを見ると、他人事ではないと思った。
桐乃の母・里穂の過去(中学生の時に出会ったタオという少女)をきっかけに、家族のことよりも在留外国人が困っていたら手を差し伸べることが多く、桐乃が嫌気差す場面があった。
中学生は多感な時期でもあるし、まだまだ親から離れられない年齢。
里穂は家族に目を向ける時期だったのではないかなと思った。
お人好しの部分もさることながら、過去のきっかけが -
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高校の同級生5人組の中心的存在だった菜乃子が自死した。5人の繋がりは仲良しグループと言うには不均衡で、下に見ていたり苦手意識があったり。恋愛感情も存在するが、菜乃子と達也の2人以外は成立せず。それでも卒後社会人となってからも5人の関係は、徐々に薄れつつも続いている。
菜乃子の死は生きる4人それぞれの人生を大きく、あるいは少しずつ変えてゆく。達也はそれまで全ての人生をいったんリセットし、その後も生涯菜乃子からの解放を拒む。健太の選択はただただ謎。猫を捨てたくせに。この男性2人に対し、主婦となって子供を育てる沙耶、作家として活躍する倫子。後進のサポートをする倫子はとてもカッコいい。女性2人には前進 -
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はじめましての窪美澄さん
装幀と表題のイメージ通り、静かな雪の夜を一人孤独に歩くように、5人の登場人物達がそれぞれの人生を語る連作短編集。
つい最近、多くのお宅の庭で芍薬の花が美しい姿を見せてくれたばかり。
芍薬を愛する菜乃子がその花の咲く季節にこの世を去り、数十年後の芍薬の咲く季節に成仏するまでが描かれている。
芍薬という花を軸にした時間の流れや、様々な表現の美しさが心地よく、文学の味わいを感じる。
テーマは菜乃子の自死であり、周りの人々の後悔や不安、密かな悩みや秘密が語られる。
人の悩みなど、想像以上であることもあるし、その逆もある。
それでも当事者にとっては死を考える程であること -