窪美澄のレビュー一覧

  • やめるときも、すこやかなるときも

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    過去のことに囚われて、ある時期に声が出なくなる壱晴と家族に囚われている桜子2人がひょんなことから出会う恋愛小説といえば、簡単になってしまうがそれ以上の感動があった
    1人で傷ついたことを抱えるよりも2人で抱えて支え合って生きていくというメッセージに感じた
    哲先生も壱晴のことを息子同然に考えていてほんとうに愛おしく感じた
    自分のキャパを超える辛いことが起きたら人にすぐに言えない壱晴の気持ちも共感できてとてもよかった

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    2025年05月15日
  • ははのれんあい

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    ドロドロした展開になるかと思った。そうではなかった。何が正解かは他人が決めることではない。合理化しているのでもない。どう行きたいかなのだと思う。

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    2025年05月09日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    手を止めることなく読み進めた。
    感動しました。
    由人も野乃花も正子も壮絶で、苦しかった,,,,。
    特に野乃花の章と正子の章は涙止まりませんでした。
    彼女たちがどうかこの先、強く逞しく生きていってほしいと思ったし、辛い時に手を差し伸べてくれる人は必ずいるという事をすごく感じた。

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    2025年05月06日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった。
    4デザイン会社社長野乃花、デザイナー由人、高校生正子がそれぞれの事情の中で死を考える。
    死ぬ前に一緒に座礁したクジラを見に行くことになり、その中で生きる事・死ぬことへの考えが変わっていく話。

    正子の絶望がリアルで苦しくなった。
    母に自分のことは伝わらない、でも母の事は理解しないといけない。好きだから切り捨てることもできない。これは地獄だと思った。

    おばあちゃんの、死んだ大切の人が肩に乗っていると思ってその人達のために美味しいものを食べたり、楽しい事をしたりするといいっていう考えが良いなと思った。
    大切な人を失ったりすると、悲しいし一つずつなくなっていく気がする。で

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    2025年05月03日
  • 二周目の恋

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    めちゃ豪華な女性作家を集めたアンソロ。恋のお話なんだけれど、読後感が違うのが良きりお気に入りは、着ぐるみ同好会のお話、波木銅 「フェイクファー」と、久しぶりに再開する双子のお話、一穂ミチ 「カーマンライン」。

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    2025年04月29日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    1960年代、一つの雑誌を通して出会った3人の女たち。ライター、イラストレーター、編集雑務。女性が働き続けるということが、今以上に難しく大変だった時代。3人それぞれの選択と、それからの人生。多くの犠牲を払いながら、自分の選んだ道を突き進んでいく。私が生きている「今」は、先人たちが切り拓いてくれた「未来」だ。そしてまた私も精一杯生き、「未来」へと繋いでいこう。そんなことを思わせてくれる小説だった。

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    2025年04月18日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    宮崎夏次系さんの装画が主人公みかげにピッタリ。
    タイトルにも惹かれる。
    各々、事情をかかえて暮らしている団地の人々と関わりながら主人公が成長していく姿、姉妹の絆が丁寧に表現されていて良かった。しかも読みやすかった。

    窪美澄さんは三冊目。
    じっと手を見る、夜に星を放つ、とはまた違う文体が読めて嬉しかった。
    度々出てくる擬声語?が可愛らしくて、重くなりがちなシーンを柔らかく優しくしてくれた。
    しっかり人の生き方について考えることのできる物語でした。

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    2025年04月10日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    20250406
    どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物
    救いはしない。庇うわけでもない。ただ、認める。
    厄介なものを体に抱えて、死ぬまで生きていかなくちゃいけない、という一人ひとりの生を、黙って見つめる。人生を讃美はしない。肯定でもない。

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    2025年04月06日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
    最悪よりは平凡 (岛本理生)
    魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
    深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
    ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
    カーマンライン (一穂ミチ)
    回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
    無事に、行きなさい (桜木紫乃)
    「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良か

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    2025年04月06日
  • ご本、出しときますね?

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    いやー、面白かった。
    オードリー若林と作家二人との鼎談のテレビ番組を書籍化したもの。
    出演者の内面が見られるけれども、それが静かで、ただただ真面目な雰囲気な物ではなく、明るく面白い。作家というイメージは真面目で物静かで取っつきづらいなんて思っている人も居るでしょうが、そんな人こそこれを読んでみて欲しいです。
    作家だって明るく面白い普通の人なんだと思えます。
    でも、やっぱり何かについて考えたり、それを表現する事はとてもすごいと思いました。
    そんな人が3人も集まってトークをするんだからそれはそれは面白い。
    色々と読みたい本が増えました。

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    2025年04月05日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    ネタバレ

    メンタルクリニックは行きづらいかもしれないけど、話を聞いてもらったり、薬を処方してもらったり、時間とともによくなるから、相性のいいお医者さんと出会えれば…
    待合室で横になってもいいってところが良い。
    しんどい時って起きてるのも辛い時あるから。

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    2025年03月28日
  • ご本、出しときますね?

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    あっという間に読んでしまった!

    本当に面白い、変わり者の集会
    みなさん一つ芯があるように感じる

    確かな言葉の重みがあって、
    そのリアリティーさが心地良い

    また読み直したいと思た

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    2025年03月16日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    凄く良かった。
    心を病んでしまった人の気持ちや行動が
    作者はどうして
    こんなによくわかるのだろう…
    って思ってしまった。

    頑張り過ぎて疲れてしまった時に
    ほっとできる場所や人がいるって
    大切なんだなぁ。

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    2025年03月06日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    1話目から温かい気持ちになる小説だった。
    私の周りにも、休職したり、メンタルクリニックに通った大切な人たちがいる。
    誰でもそうなりうる中で、みんないろんな形で生きている。休憩しても大丈夫、遠回りでも大丈夫。
    温かい気持ちになる、窪美澄さんの小説が改めて好きになった。

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    2025年03月02日
  • ははのれんあい

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    智晴がいい子すぎる。
    ただ、きっと真面目な父と母の性格も遺伝してるのかなとも感じた。
    自分の子も自分のやりたいことや好きなものを見つけてくれたら嬉しいなと改めて思わされた。


    育児を進める中で何か決定的なことがなくてもボタンの掛け違いみたいなことからすれ違っていくことはあるし、とてもリアルだった。
    優しいいい人なだけでは育児の慌ただしさは越えられない…
    バイタリティがいるな…と日々感じている今、とても共感するところが多かった。
    ずっと穏やかで静かな性格のまま育児をできる人は稀じゃないか?と思うし、そうできる人を尊敬する。

    蓮の花が咲く音、思わず検索して、本当にポンっと音がなることがあるのに

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    2025年02月25日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    誰かの人生を垣間見する感覚だった。
    それぞれ結末も、単なるハッピーエンドではなく個人個人の納得解をみつけているような印象でとても自然に心に馴染んできた。
    また行動や感情が繊細に描かれていたためとても自然に情景を想像した。

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    2025年02月23日
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち

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    純喫茶・純に登場する人物たちの心の病を患ってしまうきっかけと回復を描いた連作短編。 リアル過ぎて心を病んだことがある人には読むのが辛いかもしれない。私は第一話の澪と自分の大学生時代が重なって冒頭から読むのがしんどかった。 澪が純さんに紹介されて通うことになった小さなクリニックで医師とカウンセラーとして活動している夫婦のこと、喫茶店の店長、登場人物たちの過去を文字で辿って触れていくうちに、物語のように現実は簡単にはいかないけれど、人の心は欠けては満ちる月のように回復・再生していけるのだと思った。

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    2025年02月20日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリー若林と20人の作家がマイルールについて語る大人気番組を書籍化
    目次を見てこれは買わねばと即決。執筆についてだけではなく、プライベートな話も盛りだくさんで、面白くてついついにやけてしまう..
    村田沙耶香さんには怒の感情がなく、小説を書く時◯の感情に浸っているとは...
    (◯が何かは読んで確かめてください〜!)

    作家さんに興味を持って、その方の作品を読みたくなる...新たな出会いのきっかけになる一冊でした!

    ぜひとも朝井リョウさん、柚木麻子さん、窪美澄さんの同期対談を読みたい。第2弾もお願いします!

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    2025年02月17日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    様々な境遇の女性のはなし。グッと引き込まれた。
    今のわたしは満奈美さんに近い感じかな。いまは子育てと仕事両方するなんて当たり前だけど、数十年前に頑張った人達がいるからそうゆう感覚でいられる。でもやっぱり会社で働いていれば男性と同じ、さらには男性の上をいくってすごい難しい。男女平等なんて冗談じゃないと思う。出産して子育てして、2人目以降また繰り返して、その分ブランクがあくどころか仕事面だけみればマイナス。自分の能力だと言われればそれまでだけど、ぶっちゃけこどもが産まれて多少の育休を取っても男性はそれまでと変わりなく働いているケースが多い。何が正解なんて分からない。でも、出産・子育てがキャリアに影

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    2025年02月08日
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    両親なしで乏しく子供姉妹生活する辛い環境が主人公の精神的な幼さが故辛く描かれていないところ含めて辛く感じた。その中でも夜間学校の友達と会う楽しみや団地警備員の経験が未来への希望を見出す主人公。自分が本当に好きな時間ってこうだったよなと思い出させられた。
    でもそういった環境は実際は七海ちゃんのような年以上に考えが大人びてしまった子供を作るもので(体の弱い妹がいるのも相まって)七海視点になったら全く見え方が変わるだろうと思うし、物語が終わった後を考えても辛いことが待ちうけているだろうと思う。
    けれどそれを感じさせずその時のみかげとしては希望的な終わり方をするのが自然で良い。

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    2025年02月03日