窪美澄のレビュー一覧

  • やめるときも、すこやかなるときも

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    先月からパートナーと一緒に暮らし始めた。
    一ヶ月が経ち、お互いに体調を崩した。気候の変化や仕事の忙しさ、慣れない新生活。考えられる要因はいくつもある。
    けれど、ここ数年を一人で生きてきた者同士が一緒になるということは、それだけではないはずだ。相手の人生や、これまで抱えてきた背景を共に背負うこと。その「重み」が、疲れとなって身体に現れたのかもしれない。

    この本を読みながら、ふとそんなことを思った。
    主人公のように身体に異変が出るほど辛い過去の出来事はないけれど、誰かと生きていくことは、大なり小なり、今まで持っていなかった荷物を背負うことでもある。
    「この人の分なら、背負ってもいい」と思える相手

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    2025年12月20日
  • ご本、出しときますね?

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    本好き芸人であるオードリー若林と小説家達とのトーク本。小説家であっても一人の人間。人の面白さから読みたくなった本が沢山ありました。
    書き手の面白さから本を手に取りたくなる一冊。

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    2025年12月16日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    救えるわけでもないし、救おうともしていないが、存在を肯定しているというのがこの作品の良さであると思った。ドラマティックな展開はないけれど、細くても光が見えるような5編。私はセイタカアワダチソウの空が1番好きでした。

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    2025年12月15日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    雑誌編集者で一時期共にした3人のそれぞれ違う生き様を描く。女性としての幸せとは、三者三様。専業主婦の幸せを選ぶ人、仕事に生きがいを持つ人、それぞれの道を懸命に生きる。3人が最後に残したもの、引き継がれるものとは。

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    2025年12月14日
  • よるのふくらみ

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    高校生くらいのときに一度読んでいて、その時はなぜだか難しかった。頭に入ってこなかった。だけど、最近同じ作者さんのアカガミという本を読んで、面白いと感じたのでこれは今どうだろう?と思って読んでみた。昔よりも文章がすんなりと入ってきて、ところどころ笑える場面もあった。当時よりも私自身たくさんの経験をしてたくさんのことを学んだからなのかなと思う。昔はあまり好きではなかったり、難解だったり、共感できなかったものが読み返すと逆になっている。それがまた小説の面白いところだな

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    2025年12月07日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    何故かたまに窪先生の本が読みたくなる。買って積読していた本を見つけて呼ばれた様な気がする。植物の名前は余り知らないのですがポーチュラカはよく目にしていたので知ってたしゲンノショウコは(現の証拠)直ぐ効果が出るからゲンノショウコだったなんて目からウロコです。サンカヨウは雨に濡れて透明になるなんてなんて素敵な花なんでしょうか。
    「かそけきサンカヨウ」と「ノーチェ.ブエナのポインセチア」は登場人物が同じだったのでとても読み応えがあって私が一番好きな物語りでした。窪美澄と言えば女の為の女の文学だと思って居たけど男性側から描くと「サボテンの咆哮」になるんですね。男性のおれが主人公で何をやってもダメで我慢

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    2025年12月06日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    おもしろかった
    1部は母由紀子目線のお話
    2部は智晴目線
    由紀子の結婚から出産、離婚、さらには再婚まで
    智晴が切ないほど、いいお兄ちゃんになって
    葛藤しながら頑張る。
    その後は立派に成長したところが嬉しかった。
    父智久はいい人なんだと信じてたのに裏切られた気がしていたけど、なんとなく憎めない
    なんかみんないい人。
    由紀子も智晴もお疲れ様、幸せになってね

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    2025年12月06日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 夜に星を放つ

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    切ない…読みながら何度胸がぎゅっとなったか…。
    だけど寂しさの中に優しさを感じられるような短編集で、タイトル通り暗闇の中に光が射し込むような救いのある作品でした。
    それと文章が澄んでて綺麗、他の作品も読みたくなった!

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    2025年11月29日
  • 恋愛仮免中

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    みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくな

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    2025年11月27日
  • じっと手を見る

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    生まれ育った故郷で仕事をして生きていくこと、故郷を出て暮らしていくこと、それぞれの生き方を肯定してもらえる作品だと思った。
    自分が登場人物に近い仕事をしてるから感情移入しやすかったし、自分の生き方は間違えていないと言ってもらえているようだった。
    人と深く関わることで生まれる辛さと、人と関わることで得られる幸せがどちらも丁寧に描かれていてラストはじーん、と胸にくるものがあった。
    朝井リョウさんの解説も、大好きです

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    2025年11月23日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    三者がそれぞれ過酷な人生を歩み偶然にも一緒に海岸に迷い込んだ鯨を見に行く重たい物語。本当に重たく普通に生きていくことの難しさを知った。

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    2025年11月13日
  • 夜に星を放つ

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    「真夜中のアボカド」は、婚活アプリで知り合った相手のことで悩む女性。人と関わりを深めることの難しさがじわじわと。自分の気持ちは、その時々で、自分が一番いいと思う方法で伝えていいのに。

    「銀紙色のアンタレス」は、16歳高校1年男子の夏休み。同年代や大人の女性に向ける眼差しが、懐かしいような、こそばゆいような。この年頃の若者の発する言葉はストレートで残酷なんだな。

    「真珠星スピカ」は、辛いことが身近で起こる中1の女の子。そばにいる人が鈍感なので、強くあろうと頑張ってしまうのが痛ましい。人は悲しい時には我慢しないでしっかり泣ききったほうがいい。

    「湿りの海」は、妻子に捨てられ、知り合った女性と

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    2025年11月03日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    4.2/5.0

    生きてるって辛いし、かっこ悪いことだけど、生きてないと出来ないことがある、という当たり前のことを思った。

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    2025年10月27日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかし

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    2025年10月25日
  • 夜に星を放つ

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    双子、幼馴染、亡き母、ママと母と弟と僕
    主人公だけでなく、他の人々の切ない気持ちが
    良い奴なんだけどー
    やっぱり泣かせてくれる

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    2025年10月22日
  • ぼくは青くて透明で

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    4.2/5.0

    多くの人が、自分を偽らずに生きていける世の中に、一刻も早くなって欲しい。
    生きづらさを抱える人に優しく寄り添う物語だった。

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    2025年10月22日
  • 夜に星を放つ

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    4.0/5.0

    恋愛や、子供からみた大人、を通してこの世の中で懸命に生きる人の苦悩と優しさが、決して大袈裟ではなく、等身大で描かれていると感じた。

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    2025年10月20日
  • じっと手を見る

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    久しぶりの窪さん。人は弱いものだ。
    誰かに頼らなければ生きていけない。

    日奈の人生も、海斗の人生も、宮澤さんの
    人生も、どこか孤独を感じさせる。
    窪さんの作品はいつも、人の不完全さを
    つきつけられる。
    それと同時に、みんな器用にたやすく
    生きてるわけじゃないんだと安心もする。
    日奈の「そばにいてほしい」という素直な
    言葉に救われる。

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    2025年10月15日
  • 夜に星を放つ

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    昨日『秒速5センチメートル』を観たところで、なんだか星に縁があります。

    コロナに寄せた話は映画も本もあまり得手ではないのですが、これはその寄せ加減が絶妙。尤も、いちばん好きだったのはコロナの「コ」の字も出てこない3つめの『真珠星スピカ』だったのですけれど。

    いずれの話も主人公は大切に思っていた人をさまざまな形で失っています。なかなか歩き出せないのが伝わってきて切ない。本作を読んだら『秒速5センチメートル』を観ることをなぜだか薦めたくなりました。

    乗り越えなくてもいいし、忘れる必要もない。心の傷を糧にして、揚げたてコロッケにビールで乾杯。

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    2025年10月13日