窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
4人のそれぞれの視点から見れば抱えてる気持ちも理解できる、けどどれも共感はしない。
もっと若い頃に読んでいたら恋することに苦しくなっていたのかな。
魅力的な宮澤さんに溺れる気持ちが今だと懐かしく感じる。
届きそうで届かない人に焦がれて、相手も届かない人に焦がれて、の繰り返し。
4人の摩擦がどこに向かうのか切なくもどんどん傷が深くなり、ひとりになった時ようやく気づくことがある。
たびたび登場する富士山も、美しく描かれがちだけど樹海の死のイメージや地元の億劫な記憶の象徴として描かれていて印象的だった。
そして海斗はすごくいいヤツ。
不器用なんだけど、優しい心を持った幸せになってほしいいいヤツ。
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Posted by ブクログ
「天鵞絨のパライゾ」が1番好きだったなぁ。
好きになっても、いちばん好きな状態のまま、気持ちは続かないよね。誰かを好きだった気持ちってちょっとずつ減っていく。・・・だったら、最初から好きにならなければいいのに
と言った私に対して
そういうふうに巻き込まれてしまうことがあるでしょう。自分ではどうしようもないことに。
と返答したユーシェンの言葉。
自分でもあがらえないほどの強い気持ちや想いで締め付けられて、切なさと苦しさの狭間で揺れること、ある。
それを、『巻き込まれてしまう』と表現している言葉がなんだか腑に落ちるというか、心にスっと残った。 -
Posted by ブクログ
最近立て続けに人間の見たくないものや恥ずかしい部分などの隠しておきたいでもそれが本性みたいなものがたくさん描写されるような書籍を読んできたのでなんだかとっても心が温まる作品でした。本作はざっくり分けると2部構成の第1部はある女性が結婚して妻として、母としてのお話が描かれ、第2部ではその子供(長男)の視線で描かれていく。その二人だけではなく、家族一人一人が成長する過程ももちろんであるが、『家族』がどう変化し、成長していくかについて描かれていく。中には悲しい出来事もあるけれど、登場人物一人一人がとっても優しくて温かい。こんなに柔らかくて温かい話を読んだのは久しぶりで、子供達だけじゃなく、周りの大人たちの成長を追っていくのがとても楽しい作品だった。
また白石一文さんのあとがきも良い。
私たちの人生というのは簡単に言えば、人間関係の数珠つなぎである。 自分は他人とかかわることによって初めて「自分」となる。だとすると、私たちの人生を善きものにするも苦難の塊にするも、結局はいかに人間関係をうまく取り結んでいくかにかかっている。そして、この人間関係を豊かで学び多きものにするというのが、実は、とてつもなくむずかしいのである。
小説というのは人間の複雑さを私たちに教え、自分なりの人間観、人生観を練り上げていくうえで欠かせない貴重な〝ものの見方〟を伝授してくれるツールなのだ。 -
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最後の数行、そして題名
これは作者の決意表明ともいえると思った
4人の登場人物それぞれがニルヴァーナには
たどり着けず
というよりはたどり着いてはいけないようなことをしているのだ
全ては「因果」なのだ
元少年Aは一瞬たりともこれから普通の人生が歩めると思ったこと
莢は犯罪者を愛して一緒に逃げようとしたこと
今日子は、この小説を書いたこと
そうしたらなっちゃんの因果はなんなんだろう
光の存在を莢に重ねたこと?
一瞬でも元少年Aに対してプラスの感情を持ってしまったこと?
なっちゃんがニルヴァーナにさよならしなければいけない理由って何なんだろう…
元少年Aがいくら幼少期に深い傷を負っていたとしても罪を犯してあちら側に行った時点で、何も同情の余地はないと思うけどな
元少年Aは国からこれからの人生のために手厚いサポートを受けているのに対して、被害者家族はある日突然大切なひとを失ったのにほとんどサポートかないように語られていた
少年犯罪の更生についても考えさせられた
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ネタバレ初の窪美澄さん作品。
直木賞を受賞された作品とのことなので、試しに読んでみた。
どの作品も少し寂しい読後感で、ちょっぴり尾を引く切ない余韻が心地よかったです。
•真夜中のアボカド
双子の妹を失った綾が、部屋でアボカドの種を育てつつ、マッチングアプリで出会った彼との付き合いに悩み…
結局浮気されてたー!っていうオチだが、妹との別れを受け入れアボカドの種の待つ部屋に帰るラストシーンはどこか爽やかですらあった。
•銀紙色のアンタレス
ザ•男の子って感じの高校一年生の真は、夏休みを利用しおばあちゃんの家に滞在することに。
海で泳いだり、スイカを食べたり、昼に素麺を食べたり、皆が頭に描くようなおばあちゃん家ライフを送る。
自分に好意を寄せる幼馴染には恋心が全く湧かず、決して手の届かない年上シングルマザーに恋をしてしまう…真っ直ぐながらも複雑な真の心が読んでいて心地いい切なさでした。
•真珠星スピカ
交通事故で亡くなった母が見えるようになった娘のみちる。
台所での作業を見守ってたり、ご飯の時はテーブルに一緒に座ってたりするのが見えるが、家以外では見えず、また触れたり話したりすることはできない。
みちるはイジメを受けていて、ある日屋上に呼び出され、無理矢理こっくりさんをやらされてしまう。
しかし、こっくりさんで召喚されたのはおそらく母さんだった笑
「ゆ、る、さ、な、い、こ、の、こ、い、じ、めた、ら」と物凄いスピードで動く十円玉。
笑い(シュールな現象に対する)と、感動(母さんの幽霊なりの娘の守り方に対する)が同時に襲ってくるという、初の読書体験ができました。
•湿りの海
浮気をされた挙句、浮気相手の住むアメリカに旅立ってしまった妻希里子と娘希穂。
娘の残していった玩具を見るたびに孤独に苦しんでいた沢渡だが、ある日隣の部屋にシングルマザー親娘が引っ越してくる。
公園で一緒に遊んだり、海にドライブに行ったりする中で、かつて希穂と過ごしたことを思い出しながらも、新しい一歩を踏み出せたかと思いきや…
最終的に、沢渡の周りから誰もいなくなってしまうという最後。
読んでて一番寂しい気持ちになりました…
•星の随に
何故なのか理由は教えてもらえないまま、本当のお母さんと離れ離れに暮らすことになった想。
しかも、会えるのは三ヶ月に一回。
もっと本当のお母さんと会いたい…
そう思いながらも、新しいお母さんから生まれた弟の海はまだ赤ちゃんで、想はみんなにわがままを言わない。
夕方になるまで家に入れてもらえなくなった時、助けてくれたのは同じマンションに住むおばアサンの佐喜子さん。
とにかく想がいい子すぎて、絶対に幸せになってほしいと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレセイタカアワダチソウの空 がすき!
田岡さんが小児愛者である自分のことを
神様はオプションをつけたっていう言い方。
あの表現が上手だなって思った。
車内が甘い香りでぬいぐるみが下に落ちていた。が今でもその気が治っていないことの伏線で、話が進んでいくと
田岡さんが、俺はとんでもないやつだからとんでもなくいいことをしなきゃいけないんだっていうところが切ない。責めきれない。
小児愛者でありながら、ヤングケアラーの良太へは本当になんとかしてあげたいという気持ちが溢れているのが読んでるこっちが胸が痛くなった。
良太が最後に意地悪な神様(田岡さんが神様からオプションをつけられたと言ったから意地悪なをつけたんだろうな)に田岡さんがどうか寒くないところにいますようにと願っている。読者の私でさえも良太が、田岡さんが、その救われ難い現実の中で、少しでも未来が明るくなりますようにと願わずにはいられない終わり方だった。
何がすごいってこれ短編でまとめてるところなんよなぁ。
この重さをこのページ数でガツンと殴ってくるように伝えてくる窪さん。エグいよ。