窪美澄のレビュー一覧

  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    辛い境遇の中で、本音での友情、人情に救われた。
    近しい人との別れは本当に辛いけれど、健やかな気持ちで読み終えられてよかった。

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    2025年02月23日
  • 私は女になりたい

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    母親になったら、子どもが高校生くらいになったら女であることは許されないのか。
    年相応に生きるしかなくて、年下の男性と恋愛をするなんて許されないのか。
    誰が許さないのかはわからないけど、そういう人としてレッテルを貼られると生きづらいことは間違いないのだろう。

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    2025年02月23日
  • ぼくは青くて透明で

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    やっぱり窪美澄さんの小説は面白い。一気読みでした。海と忍の恋愛を5人が順々に時系列に語っていくんだけど、語りが変わることで、本人である2人の感情も、周りで2人を見ている外野の感情もわかって、よかった。璃子が、2人と友達であることに優越感をもってしまうとこや、2人を見ながら、リアルな恋愛ってめんどくさっ、と思うとこは、共感。
    恋愛の熱だけで、人生はやっていけないよ、と思いつつも、若いうちは、それだけでよいのかも、とも思ったり、でした。

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    2025年02月17日
  • 私は女になりたい

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    ネタバレ

    窪美澄さんの作品が好きで読みましたが、
    この作品も非常に良い作品でした。

    やはり、情事の描写は
    想像に容易いが、いやらしくならないという
    作者の得意なところなのかなと思います。

    作品自体は女性が女性でいることの難しさを
    自身が女性(恋愛対象)でありたいという気持ちと
    周囲から女性(家庭での役割、職責、年齢)として見られている気持ちが
    作品の中で相互に作用してその機微が描かれております。

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    2025年02月16日
  • 私は女になりたい

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    audible52冊目。

    好きな作家は?と聞かれた時に答えたことがなかったけれど、わたしは窪美澄さんが好きなのだと思う。
    『ふがいない僕は空を見た』
    『晴天の迷いクジラ』
    『水やりはいつも深夜だけど』
    『さよならニルヴァーナ』
    特に、迷いクジラが好きだった。

    そんなわけで、窪美澄ワールドのダークな感じが好みなのだけど、この作品はちょっと雰囲気が違いました。
    純粋な(?)大人の恋愛小説、でした。

    かつて母に、「どんなに近くにいても、縁がない人もいるでしょ。どんなに離れていても、縁がある人とは続いていくよ。」と言われたことがあります。
    きっと、縁がある人とは、たとえば一度離れてしまったとして

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    2025年02月15日
  • ご本、出しときますね?

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    若林さんは不思議な人だ。
    めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
    だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
    この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
    人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。

    私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
    この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
    あとは角田光代さん

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    2025年02月13日
  • ぼくは青くて透明で

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    「普通の」昭和的感覚をもつ家庭で育った忍と、忍とは対照的な環境で育った海が出会って、恋に落ちるストーリーが、彼らに関わる人たちの目線からも展開される。美佐子さんの海を大切に思う気持ちに共感。

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    2025年02月12日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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     もう少し大人になったらまた読みたい。今の私には少し分からないような、理解できるけどしっかり頭に入ってこないような感じがある。でも好きな本だった。
     解説の、「僕たちはいつでも、愛読する作家の作品から、人生や世界の肯定のしかたを学んでいる。」という言葉が好き。読書をしたら自分の価値観が広がってこの世界をもっと好きになれるから、私はこれからも本を読み続けたい。

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    2025年02月08日
  • じっと手を見る

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    最後の浅井リョウの解説が内容をより深く心に刻む。明るい話ではないが、誰でも持ってる人の裏側に潜む複雑なヒストリーが描かれている。30代後半のパートナーと交際したり身内の死を経験した人の方がより過去の自身の経験と照らし合わせて感情を想像しやすいのではないだろうか。
    意外とキレイな生い立ちだろうと思っててもダークな家庭環境や不幸な出来事を経て大人になってる人も結構あったりする。。

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    2025年02月04日
  • じっと手を見る

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     『夜に星を放つ』で直木賞を受賞(2022)した窪美澄さん。本作(2018)も直木賞候補作だったのですね。本作を"恋愛小説"と狭義に解釈すると、評価は下がるかもしれませんが、個人的には肯定的に受け止めました。

     語り手が、登場人物ごとに一人称視点でリレー式に変わる7話の連作短編集です。そもそも人は多面的で、同じ言動へも受け止め方が多様ですね。視点が変わり、読み進めるごとに曖昧な印象の輪郭が鮮明になったり、批判が共感になったりその逆も…。

     ただ、どの登場人物にも共通点が感じられます。それぞれ生きづらさを抱え、居場所を探し、人の温もりを求めている点です。表面的には安易な方

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    2025年01月31日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    読んでいる間も、読み終わった今もずっと考えてる。
    でも、やっぱり理解や共感は難しい。
    だからといって何故か放り出せない感情が付き纏う。

    こんなにも複雑な気分なのに、またすぐ読み直したくなってるのは何でだろう。
    なんだかすごい力….魅力?いや、違う、魔力を持った作品だ。

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    2025年01月20日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    6つの短編。うまくいかない家族の毎日を描いています。

    セレブママとしてブログを発信しながらも、周囲の評価を気にして怯える主婦。
    子育てで、自分なりにできることをやっているつもりなのに、妻や義両親からうとまれる夫。
    娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
    出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう夫。
    父の再婚で突然やってきた義母と義妹。家族になることに戸惑う娘。
    前編の連作。彼女の家族に刺激を受けながら、自分の歪んだ家族を受け入れて向き合おうとする息子。

    夫婦や家族はうまくいくことのほうが少ないと思います。幸せそうに見えても綻びはあって、理想どおり、不満もなく暮らしている人

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    2025年01月20日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    「全部話してから始めたい」
    なんのために?
    過去の、自分を支配してる気持ちを整理したい?
    始まらないかもしれないのに?

    だけど気持ちの整理は誰かに言われることでもなく、期日を決めることでもなくちゃんと自分自身と向き合って乗り越えなくちゃいけないからね

    純愛小説とあるけれど一番の純愛は哲先生じゃないのかなw

    タイトル買いだったけど、もう少し深くても良かったかな?
    結婚の誓いって多くの人は特別で、“一生に一度”と思ってするものだろうからね

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    2025年01月18日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    どの短編も読みやすいしおもしろかった。
    共感できるというか、ウルッと涙ぐむくらいなところもあり、よかった。
    いろんな人生を垣間見られる、スライスオブライフ系の作品です。

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    2025年01月17日
  • 私は女になりたい

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    誰にでもある心の穴、何かの拍子にぽっかりと空いてしまって、タイミングよく埋めてくれそうな人がいたら頼ってしまう‥
    難しいけど、恋は直感、フィーリング(だと私は思ってる)なのでね、仕方ないよね。
     
    もう一度女になりたい。そんな風に思える最後の恋。
    子供の目線で言ったらなかなかグロいけども、女目線でいったらすごく幸せな事だよね。
     
    人を愛し、人に愛され、誰かと共に人生を歩む。
     
    当たり前のように多くの人が営む図だけど、一つ一つが奇跡の集まりで、すごく素敵なこと。
     

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    2025年01月16日
  • たおやかに輪をえがいて

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    窪さんは女性を書くのが上手い。いつもなら窪さんの書く女性が好きだと読み始めてすぐに思えるのだけど、自信のない専業主婦の絵里子の日常から始まるこの物語を、この主人公を、好きになれるか不安になった。
    主人公絵里子、そしてその友達詩織の年齢が50歳。同じ50歳でも全く違う生き方をしている2人の描写が対照的で、自分が50歳になったときどうなるんだろうか…とぐるぐる考えてしまい話が頭に入らなくなってしまった。きっとそれはわたし自身も絵里子のようになってしまう未来があるんじゃないかと思ってしまったから。結婚していないし主婦でもないけど、生き方の姿勢が後ろ向きになってしまうんじゃないかと思ってしまったから。

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    2025年01月12日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    正子の話は苦しくなりました。母親の愛情も行き過ぎると毒です…でも由人の母のように無関心過ぎても毒…匙加減が難しい。
    妊娠してからの野乃花の母にも気持ち悪さを感じました。彼女が逃げ出してからその母がどうしたのかが気になります。

    最後は3人とも前向きに人生を歩もうとしているところが救いでした!

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    2025年01月09日
  • 妖し

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    面白かった。
    なんとも言えない不思議な妖しい話ばかり。
    特に恩田陸さんの金沢の話が好きだ。恩田陸さんのユージニアも金沢が舞台だったな。なんとも印象に残る話だった。恩田さんの、金沢に対する特別な思い入れを感じる。
    ちょっと乙一さんのような妖しいオムニバスだった。

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    2025年01月05日
  • ぼくは青くて透明で

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    自分らしくいることの難しさ。嫉妬や世間体、家族の反対、好き同士なのに広がる距離。恋愛に悩みはつきものだけど、同性同士だからこその悩みに胸がチクチクしました。生きづらさに悩みながらも一緒に人生を歩みたい人に出会って、全力で愛するって素晴らしい。

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    2025年01月03日
  • じっと手を見る

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    「好きな季節は」と訊かれたら、僕なら晴れた冬の日と答えるだろう。
    風の穏やかな理想的な冬晴れの午後、自宅から歩いて20分ほどの公園の、丘の上にある展望台からの眺めが目的で出かけてみる。この時間なら夕陽を受けた街並みの風景を望むことができるだろう。大いに期待して丘を登り、いざ眺望をと、その瞬間から、すでに西に傾きかけた日差しが雲に遮られてしまった。展望台から見渡すコントラストが失われた街並みの眺めは期待外れで、ため息が出た。西寄りの空に浮かんだ、比較的大きなひと塊りの雲は、日没までそのまま居座り、よりにもよってその日の午後の最後の光を隠し続けた。
    「結局、僕はそうなんだ」すでにどこかの時点で諦め

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    2025年01月03日