あらすじ
低層の団地群を抱くその町は寂れていた。商店街にはシャッターが目立ち、若者は都会に去り、昔からある池には幽霊が出るという。その土地で人びとが交わすどこか歪な睦み。母の介護にやって来た男はバーで出会った少年に惹かれ、文房具店の女は一人の客のためだけに店を開ける……。終着点は見えている。だから、輝きに焦がれた。瞬く間に燃え尽きてもいいから。直木賞作家のダークサイドで染め上げられた連作短編集。
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Posted by ブクログ
嫌な気持ちになるのに面白い。登場人物たちは、どこにでもありそうな日常だったり、そうした日々を積み重ねているだけなのに、連鎖して闇の中に呑み込まれていった。そして、その闇に抗うことなく、どこか受け入れている様子が不可解なのに、共感できるところもあって心にズシリときた。
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やっぱり窪さん、いいわぁ。
この世代の話を読みたかった!
連作風?の一冊。
「ルミネッセンス」は、ありがちな話。
同窓会で火が付いて、って感じに似てる(笑)。
「宵闇」はママのおじいちゃんへの気持ちがわかりすぎるほどわかる。
街の様子もすぐ近くの街みたいで想像しやすい。
あー、窪さん、既に次が読みたいです(笑)
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開発されてから時が経った町、ここにずって住んでいる者、わけあって戻ってきた者。古い団地というモチーフが朽ちていくものを想像させて、決して明るい未来は見えてこない。かなり暗い色調ではあるけれど、人生の折り返し地点を過ぎた人間なら多かれ少なかれ感じる心境だと思う。気分は落ちるけれどこういう作品は個人的には好きです。連作短編集。
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暑いから怪談話で涼みたい
ってな事で、窪美澄の『ルミネッセンス』
トワイライトゾーン
蛍光
ルミネッセンス
宵闇
冥色
の短編集。
暑い夏も吹き飛ぶ短編集ホラー小説
なんてのは嘘じゃけど、最後にヒュッと涼しくなるオチがナイスな短編集。
冴えない高校教師のおじさんとバーで出逢った少年
団地の近くの沼は近づくな
学生時代の想いを身体で弔う(この手の窪美澄さん好き❤)
顔の傷で虐められてたが寡黙なおじいちゃんが守ってくれる
結局、我儘な男が都合のいい女をストーカーにさせ、我儘に自滅する
サクッと読めて涼しくなれるのでこの夏にどうぞ
2024年19冊目
Posted by ブクログ
5つの物語からなる連作短編集。
暗くて重いまま物語が進み、結末はホラーのようなのに、不思議なくらい引き込まれた。
女子中学生が主人公の「宵闇」の結末だけは、明るいく力強い。
全体に漂うやるせない感じ、物事が解決しない世界…現実の自分にも当てはまるから、引き込まれたのかもしれない。
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ある団地を抱えるまちを拠点としたダークな短編集。
何の前情報もなく読み始めてしまったが、よく見ると各々のタイトルが妖しい。
どろっとして真綿で首を絞められるような、ずぶずぶと泥沼にハマっていく感じ。
読んでいるとじわりと不穏な空気がまとわりついてくる感じ。
でも嫌いじゃない。先が気になって結局全話あっという間に読んでしまいました。
『トワイライトゾーン』
母親の介護のため実家に戻った高校教師が歓楽街のある一軒の店に入って出会った少年らしき男性のことが忘れられず・・・。
『蛍光』
文具店を営んでいた父親が亡くなり、家の整理に帰った娘は、ノートを買いに来た少年をきっかけに、小学生の頃に亡くなった同級生の事を思いだし、同窓会で死因についてたずねると・・・。
『ルミネッセンス』
学生時代に好きだった子と同窓会で再開し、お互い家庭を持ちながらも、月に一度、身体の関係は持たずに小一時間ただおしゃべりをするために会う二人は・・・。
『宵闇』
子供の頃の事故で顔に大きな傷痕が残り、それが原因でいじめられ続ける女学生。近所の団地に住むおじいちゃんの家に定期的に母が作った食事を届けていると・・・。
『冥色』
一夜限りの女性との関係を続けていた男性が、厄介な女性と関係を持ってしまい、付きまとわれるようになり、逃れるためにある団地に引っ越すが・・・。
Posted by ブクログ
窪美澄さんによるダークサイドな短編集。
古い団地を舞台に、そこに住んでいたりそこに住む人と関わっている人物が主人公として登場する。
寂れた団地と、その側にある池がまたダークな雰囲気。
真っ当とは言えない過去や現在を生きる人物がたくさん出てくるので楽しいとは言えない小説だけど、私は好きでした。
1つ1つが短めだからさらっと読めるけど、後を引く感じ。ホラーっぽい読後感のものもアリ。
不倫(のような関係)、いじめ、記憶にない殺人などがテーマとして現れ、じめっと終わる作品群の中、1人の少女が主人公の「宵闇」だけは明るさというか光を感じる作品だった。
暗いしダークなのだけど、それで終始するわけではない強さがあった。
個人的に好みなのはラストの「冥色」
最初から最後まで、得体が知らなくてなんか不気味。恋愛色もあるのにこんな不気味でいいのか?という。笑
1冊読み終えて、世にも奇妙な物語を観終わった風な感覚があった。古い団地と、人を引きずり込みそうな暗い池のビジュアルが頭に浮かびやすくて。
行ったことないのにそこに行ったことがあるような奇妙な感じ。
ダークな作品が好きな方はぜひ。
Posted by ブクログ
ほんの少しの執着から
突然ダークサイドに堕ちる
憑き物が落ちた話(宵闇)と
何かに取り憑かれたかのような行動を起こす話(それ以外)
2023.10
Posted by ブクログ
はっきり言って読後感はなかなか最悪笑 例えるなら、世にも奇妙な物語に文学性を持たせた感じというか。そんな内容だけあって、かなり読み手を選ぶ作品であるのは間違いないかも。
とはいえ、どの話もただ不快なだけでなく、心に刻むものもしっかりと残すので、読んで後悔は一切ないと言い切れる。
個人的には、「トワイライトゾーン」と、インパクト強烈な「冥色」が好き。そして、装丁も好き。
それにしても窪さんは団地好きですね笑 ★4.0
Posted by ブクログ
一つ一つ読み終えてなんとも不思議な感情がそれぞれにあった
「んー」と深く感じたり、「ん?」と最後をまた読み返したり、じんわりとなんとも言えない不気味さを感じた
一気に読めました
Posted by ブクログ
トワイライトゾーン
バツイチ、子無しの50代男性。
職業は女子高教師。
面倒なことに巻き込まれないように気をつけて生活している。
勤務が終わった後、居酒屋に寄るが、そこで少年に出会ったことで感情の変化が生まれる。
蛍光
父が死んだ。
父がやっていた店と家を壊そうと姉が言う。
でも、店にやってくる少年に自分の気持ちがざわつく。
ルミネッセンス
中学の時のクラスメート、礼子と会うようになった。
身体の関係はないが、それで不倫ではないと言えるのだろうか。
宵闇
自分はいじめにあっている。交通事故で顔に傷があることが原因だ。
でも負けたくない。
近くに母の父、おじいちゃんが住んでいて、食事を届ける。
冥色
Webデザイナーの自分が引っ越しを決めた理由の一つは、付き合っていた女から離れるためでもあった。
Posted by ブクログ
開発後50年以上を経た低層の団地群の町は、今や寂れていた。
中年以上の住民が多く、人々の交流もどこか歪な様相を呈している。
人生の折り返しを迎え、登場する人たちは朧げながら終着点が見えてきている。
この町で住み続けている者や戻って来た者たちが、中学校の同級生のクラス会に参加して交流し、細い糸ではあるが何らかが繋がっている連作短編集となっている。
狭い町で、行き場を失うことになる男女が抱える闇の世界が綴られている。
ホラー的要素もあるのだが、物語そのものにはリアリティーがあり、描写されている男女の関係を想像するだけで恐怖が迫ってくる。
「宵闇」だけは少々異なる雰囲気で、主人公の少女のこれからに希望を抱かせる内容となっていた。
それにしても窪美澄さんが綴る世界観は広い。
ほのぼのと希望を感じさせる物語から、今回の一冊のように人の心に潜む闇を綴ったものまで読者を誘ってくれる。
『 ルミネッセンス 』は、人間の複雑な心理の動きが見事に描写された短編集だった。
Posted by ブクログ
現実と、そうでないところのはざま。
団地と池が何回も出てくる。池は近くにあったことがないけど、団地っぽいところを知っていたので、高齢化したコミュニティや当番制の何か、息ができないほどの窒息感が迫ってきた。
【宵闇】いじめられている孫を体を張って守るおじいちゃん。この話、誰もが辛い。食べてもらえない作りおきおかずを作る娘。作って届けるのは、その孫。孫はいじめを受けている。けど最後に孫が登校する姿で救われる。
楽しい話はないけど読後感は悪くない。
人生楽しいことばっかりじゃないから、かな…
Posted by ブクログ
人が正気を失うさまが淡々と描かれていた。
気持ちがざわつく話ばかりの短編集だった。
この団地には住みたくないな、と思った。
ホラーな鬱小説だった。
Posted by ブクログ
中年期クライシスという言葉が浮かぶ短編集。
子どもの頃の思い出や我が子を通して、現在の中年期の哀愁が際立つ。
時間の流れ方は世代によって大きく違う。
子どもの頃はゆっくり流れていたはずの時間が、中年期になり、自覚なく流れていってしまうのか。
うすら寒く哀しい話しだった。
Posted by ブクログ
最近優しい作品が多かったから、初期の頃のような作品で嬉しかった。(優しい作品もいいのだけど)
色々なものが溜まって溜まって取り憑かれた様に固執して自爆。妄想なのか、引き寄せてしまったのか。
3話の実際不倫が現実になって最後と言われたら固執するところ、5話の素朴な女性に惹かれたのに昔のしつこい女が思い出されて目の前の彼女と距離を置きたくなる所、なんか分かる。
Posted by ブクログ
主人公が違う話がどこかで繋がっている、いわゆる連作短編集。
どの作品も悪くはないのだが、この本の前に読んだ『八月の母』のインパクトが強すぎて、そちらのことを思い出し、考えてしまう。そのせいか印象に残っていない。
読まれる順番が悪かった、というべきか。
ま、読む順番が違っても☆3つが妥当な評価かとは思う。
Posted by ブクログ
著者名だけで借りたので、読み始めて驚いた。これは窪さんによる“ダークサイド”な連作短篇集だった。
5篇すべてに共通しているのは、ある町にある古い団地だ。最初の3篇では、中学校の元同級生たちが犠牲(?)になる。4篇目はやはり同じ中学校の同級生が登場するが、主人公はその娘だ。5篇目はまったく関係ない男が主人公であるが、舞台となるのはやはりこの団地だ。
タイトルになっているLuminescencehは小難しい科学用語だが、エネルギーを受けて発光する現象らしい。確かに輝いたとも思えるが……。ちょっとホラーっぽかったな。
Posted by ブクログ
古い団地にまつわる人たちのオムニバス
1番最初に収録されてる話が1番好き。
高校教師が、親の介護のために週末だけ団地に帰ってくる生活。生徒からは信頼されてないし、介護は気が滅入るし、生活に希望がない日々
そういう中で、バーで飲み、そこで働く少年と過ごすことがオアシスのような時間になった。
逃げられない現実と切り離された関係を描いた作品って好きだな。危うくて、脆くて、切実なもの。
Posted by ブクログ
少しずつ、自分では気づかないぐらいのスピードでおかしくなっていく。狂っていく。真っ暗な現実の中にひとときの温もりを求めるのに、いざ真っ黒な沼にはまっても抵抗せずに目を閉じて沈んでいく。
今の私には共感できないことばかりだけど、彼らの年齢に近づき、似た経験を重ねるとわかるようになるのかもしれない。そう思うと、とても怖くなる。
Posted by ブクログ
寂れた団地が舞台の短編集
かつて住んでいたこどもたちが、50を過ぎた大人になっている
それぞれ親の介護だったり、亡くなった親の遺品整理だったり
同窓会をきっかけに月一不倫をしたり
最後の話はちょっと違う話だったけど
どの話も結末がゾッとする。
「宵闇」だけは終わり方に希望が持てたけど
Posted by ブクログ
人生50年も生きていたら、先に明るい希望を見出すのも困難になってくるものだ。
この物語は、登場人物たちだけでなく
団地という住居も商店街もみんなみんなくたびれている。
ストーリーは暗くて救いがないのかもしれない。
だけど明るいばかりが人生じゃないんだよと
そっと差し出されたこのダークサイドストーリーに
私は確かに救われたと思う。
Posted by ブクログ
なんかゾッとする…連作短編になるのか、一話目で嫌〜な気分になり読むのを止めようかと思ったけど止まらず…登場人物が追い詰められて一時の休息を求めて飲み込まれていく…怖かった。。
Posted by ブクログ
見た瞬間、キレイと思った装丁と小説の内容のバランスがなんとも言えない。毒と言うのか、闇と言うのか恐怖すら感じる。輝きがある中にどす黒いモノが秘めている、そんな短編作品。