窪美澄のレビュー一覧
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主人公の智晴は自分の学生時代のうちに父親の浮気による離婚、母の再婚相手候補との話し合い、さらには自分自身の初恋により勉強に手がつかなくなることなど、恋心によって人生が大きく左右される経験をする。
智晴の両親の離婚時には双子の弟二人がおり、母親が仕事に出ている間は二人の面倒を見る必要があった。
その頃から恋愛沙汰や弟二人の面倒を見ていたこともあり、良くも悪くも早くから大人びた視点を持つようになる。
そのように責任感を強く持ちつつも、弟たちとともに大人になるにつれて、彼らには彼らの人生もあるということで、過度に干渉するのはやめようという考えになるが、現実にそのような考え方に移行するのはなかなか難 -
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ネタバレ窪美澄氏は2010年に『ふがいない僕は空を見た』でデビュー。2022年の『夜に星を放つ』で167回直木賞受賞。そのほか各種文学賞受賞。
本作は2014年に発表された作品。
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以前窪氏の作品『晴天の迷いクジラ』を読んで、余りにも自分のテイストと合わず、以降敬遠していた作家さんです。
で、老化の効果か、いい感じに前回読んだ作品も忘れてきて、再度チャレンジ?しようと購買に至ったものです(同じタイトルを買わなくって良かった)。
やはり、最近よく名前を聞くので、そらあ何か持っているんだろう、以前読んだものは「はずれ」なだけで、きっと「あたり」もあるはずだ、と手を伸ばしました。
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結 -
Posted by ブクログ
開発後50年以上を経た低層の団地群の町は、今や寂れていた。
中年以上の住民が多く、人々の交流もどこか歪な様相を呈している。
人生の折り返しを迎え、登場する人たちは朧げながら終着点が見えてきている。
この町で住み続けている者や戻って来た者たちが、中学校の同級生のクラス会に参加して交流し、細い糸ではあるが何らかが繋がっている連作短編集となっている。
狭い町で、行き場を失うことになる男女が抱える闇の世界が綴られている。
ホラー的要素もあるのだが、物語そのものにはリアリティーがあり、描写されている男女の関係を想像するだけで恐怖が迫ってくる。
「宵闇」だけは少々異なる雰囲気で、主人公の少女のこれからに希 -
Posted by ブクログ
ネタバレ所謂BLものって初めて読んだかもしれない。
本屋に行けばその手の表紙の作品は山のように目にするし
SNSでも周りにも自らを腐女子と言っている人も多い。
私が学生の頃はあまりそういう作品がなかったせいか、
単に自分の嗜好の問題なのか、
意図的に避けていた部分はあると思う。
実際、この二人がもっと歳を重ねていたら、
描写がもっと生々しいものだったのなら、
途中で読むのをやめていたかもしれない。
そんな偏見を持ちながらも、夢中になって読んだ。
内容的に少し瀬尾まいこさんの『そしてバトンは渡された』
に似ていたのも要因かもしれないが。
さすがに忍にも海にも感情移入はできなかったけど、
唯一、ろくでな