窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしは、読んでいて頭に情景が浮かぶ小説が好きなんだけれど、好きな作家さんなのに最初の3編はずっとうっすらしていた。
気にいらない人とグループとはいえつながっている、というのもなかなか共感できなくて。離れられない理由はちゃんとわかるんだけれど。
そうしたら後半2篇、急激にしっかり情景や色が頭に浮かんでおもしろかった!うっすらだった3人も生き生きとしだして、あ、これは敢えて?敢えてのこと?!すごい!とわくわく読み進めました。
彼女が死んでしまう前と後、といことなのかな、わたしは身近な人の自死は未経験だけれど、たしかに「前と後」はあるだろうなと思う。それと重ねる時間。
84歳で自死ではなくても、親の死を経験する前と後で、わたしは感じ方が変わった。登場人物たちより20くらい長く生きていても。
亡くなった人のその後が、「芍薬の星月夜」みたいならいいなと思ってしまった。
霊感もないし、全然近くに感じられないんだけれど、自死でも自死でなくてもあんな風ならいいな。遺った者のワガママかもしれないけれど。 -
Posted by ブクログ
うつの今読んでよかったかもなあと思った。
野乃花の話が1番辛くてでも1番共感できて、どうしてと思いながら読んだ。繊細でか細く見えた野乃花が、あんな社長になっていたという事実に、彼女の強さとその美しさとたくさんのしんどい気持ちのその重さを感じた。
由人の話もよかった。かなりしんどい中生きてきて、自分もしんどいのに、人のことを考えちゃう優しい人だと思った。
語り口が特に好きで、魅力的な人だと思った。
ミカが泣いた時のセリフがすごく印象的だった。自分とは違って寂しくて死にたくなるか。
寂しくて死にたくなる。
正子の話は、現代の都会の毒親の子はこういう気分になりながら育つのかと思わされた。最初は私もお母さんのことが好きで読み始めたのに、だんだん首を絞められるようだった。正子という名前も途中からなるほどなと思わされるのもすごいと思った。
海老くんと忍がとっても素敵だった。実際に身近にいたら海老くんのこと好きになっちゃうだろうな。忍がいたらとても楽しくて幸せだろうな。
おばあちゃんがすごく素敵な人で癒された。
正子とアイスを食べながら自分の話をしてくれるところがすごくよかった。
もう若くないから孫のためにおいしいものを食べたり遠くに旅行したりはできないという語りには涙が出そうになった。
窪美澄の作品はどれもひとつひとつのシーンが味わい深くてよい。何度も頭の中でいろんなことを考える。
最後の一文がとてもよかった。
私も野乃花のようにこのしんどさを強さにして美しく生きたいと思った。