窪美澄のレビュー一覧
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学生時代から仲の良い5人組の内の1人が亡くなって、残された4人の視点で紡がれていくストーリー。
「なぜ自殺したのか」を追うのではなく、彼女の死によって皆が何を想うのかが主。
自殺した当人が一番苦しかったとは思うが、自分のせいで亡くなったのではと考える周囲の人も苦しいだろう。多くの人から愛されていたのに、自分のことは愛せなかった菜乃子に対して、憐れみだけでなく怒りの感情も抱いてしまうのは私だけだろうか。
最後の章は菜乃子視点だろうな、と思っていたらやっぱりそうで、しかも生前ではなく、死後の菜乃子というのが面白い。
彼女のことを思い出す人の所へ、彼女は姿を現す(生者に姿が見える訳ではない)。
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闘わなくていい、ただ息をして待つんだ。絶望を日常の波に変える、終章の美しさ
「死にたい」という波が過ぎ去るのを、ただじっと待つ。残された者たちが紡ぐ、夜明けの物語。
高校時代から固い絆で結ばれていた5人組。しかし大人になり、その中の1人が自死という形で突然この世を去ってしまう。本作は、遺された4人がそれぞれに消えない傷と問いを抱えながら、それでも続いていく人生を歩み続ける姿を描いた連作群像劇です。
なぜ死を選んだのか。その本当の理由は、どれだけ考えても本人にしか分かりません。遺された人々は、「あの時もし自分がこうしていれば」という後悔や、割り切れない苦しみを背負いながら、暗闇の中を手探り -
Posted by ブクログ
うつの今読んでよかったかもなあと思った。
野乃花の話が1番辛くてでも1番共感できて、どうしてと思いながら読んだ。繊細でか細く見えた野乃花が、あんな社長になっていたという事実に、彼女の強さとその美しさとたくさんのしんどい気持ちのその重さを感じた。
由人の話もよかった。かなりしんどい中生きてきて、自分もしんどいのに、人のことを考えちゃう優しい人だと思った。
語り口が特に好きで、魅力的な人だと思った。
ミカが泣いた時のセリフがすごく印象的だった。自分とは違って寂しくて死にたくなるか。
寂しくて死にたくなる。
正子の話は、現代の都会の毒親の子はこういう気分になりながら育つのかと思わされた。最初は -
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高校時代仲が良かった男女五人のグループのうち、もっとも聡明で美しかった菜乃子がODで自死したことから溢れ出す、残された者たちの続きの人生。
当時から五人のあいだであちこちに矢印が向き合っていたことが分かり、それが二十年後の今もなお一方通行である事実にもどかしさを感じながら読んだ。
話の主人公が入れ替わっていく連作短編で、まさか五番目となる最終章は亡くなった菜乃子の視点ではあるまいなと冷や冷やしていたらそのまさかで、はじめ若干白けたのだけれど、蓋を開けたら五つの中では一番良かった。
クールでわりと物静かな印象を他人に与えながらも、実は彼女が「小説家になりたい」という野心や、才能ある他者への嫉妬を -
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ネタバレこの世を去った側と、残った側のお話。
重たい内容なのにどことなく穏やかな気持ちになる不思議な本だった。
残された側ができることって、その人の事を思い出すことだけなんだよね。本当のことを知りたくても、人と人だから一生知り得ることはない。いなくなったことを事実として受け止めて時々思い出す、ただそれだけ。
菜乃子からしたら、その時たまたま成功してしまっただけで誰の責任でもない。失敗したらそれはそれでまた死にたいと思いながら生活が続くのだろうと私も思う。
「死にたいと思うことは、気持ちの一つでしかない。特別な感情とは思わなくていい。」といった一文があってこれがこの本の全てだなと思った。