窪美澄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
80歳間近のマタニティスイムのインストラクターとその人の気になる妊婦さんそれぞれの生涯のお話し
東日本大震災のタイミングの出産なので、原発とかそれに関する内容も含む
前半で晶子さんの幼少期からの戦争体験とか、自分の子供に関する事がしっかり描かれているので、現代の行動に説得力がある
真菜さんは何というか、偏見というかフィクションの設定の王道通りの生き方なので、なんとも感情移入しにくい
最後の方での共同生活の描写は何だか心が動かされる
同情してるわけじゃないんだけどね、何だか感動したのです
僕も昔は「こんな時代に自分の子を世に誕生させるのは可哀想だ」とか思ってた事もありましたが
実際に自分の子が生まれてみると、そんなに悪いものではないとも思うようになった
どんなふうに育とうが自由なんですよ
責任を持つべきは産んだ親だけであって、世間の意見なんて関係ないんだよね
色々な事で困窮してる妊婦さんやお母さん方に読んでもらいたい小説 -
Posted by ブクログ
窪さんの本は何冊か読みましたが、、いつもどこか揺さぶられる様な感覚を覚えます。
主人公のさとちゃんと同世代で、この物語も年末年始で、だから何かとてもリアリティを勝手に感じてしまいました。
元彼と一緒に住んでいた頃に「食器を洗ってくれるかな?」という一言さえ言えなくて思い悩み。
今の彼氏にも同じ様に小言に口をつぐみ、嫌いになるポイントが日々加算されはじめ、元彼の時と同じことを繰り返すことを危惧し。
何だか見に覚えがある気がしました。笑
家族という複雑な存在には私もけっこーひねくれた思いを持っているので、本文中の
自分が重そうに抱えている荷物を「ほかに、もっと重い荷物を持っている人はたくさんいるんだから。その荷物なんてまだまだ軽い方でしょ」とは言われたくなかったのだ。
…という言葉には思わず大きく頷いてしまいました。 -
Posted by ブクログ
子供がいるとかいないとか
いる方が社会的な信用があるとか
子供の存在は自分の人生においていかにも大きな問題であるかのように思う
人はないものに目がいって、あるものに目がいかないんだな っていう風に思う
自分の努力だけでは得られないものが世の中にあると大人になれば気づき、ないものばかりに目がいく
また、ないものをどのように補うか に目がいって、補ない方も 人それぞれ
補う方法も自分の価値観があって、それと違う価値観の人は敵 みなす
子供がいればこんなに大変だと思わなかったや自分の人生が狂わされたと 子供がいる環境でも また自分にないものへと 目がいく
この本を読んで 改めてないものをどうするかではなく あるものを十分に感じ取ろうと思った。 -
Posted by ブクログ
家族のあり方や、日々の生活のなかに隠された小さな思いやりの尊さを、改めて深く再認識させてくれる物語です。息苦しさを覚えるような閉塞的な日常や、それぞれの抱えるままならない現実がリアルに描かれながらも、その泥沼のなかから差し込む一筋の光のように、確かな希望の気配が感じられます。
思い通りにいかない人間関係や、逃れられない家庭の重圧に直面しながらも、泥臭く、しかしひたむきに生きる登場人物たちの姿は、どこか自分自身の日常や心の暗部とも重なる部分があり、ページをめくる手が重くなるほどの説得力があります。決して綺麗事だけでは済まされない現実の厳しさを突きつけられながらも、だからこそふとした瞬間に見せる不器用な優しさがひときわ際立ちます。
ままならない日々の中でも、心を通わせようとする温もりが静かに胸を打ち、読後には凝り固まった心がじんわりとほぐれていくような、深い余韻に浸れる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
4人それぞれにスポットを当てて物語が描かれていて、それぞれの心情も事細かに書かれていた。
生きることは、決して綺麗なことばかりではない。
誰かを好きになることも、誰かと一緒に生きることも、思い通りにはいかない。
分かるという共感よりか、一人一人の人生をそっとのぞかせてもらったような感覚だった。
どうして、自分のことを好きでいてくれて、必要としてくれる人ではなく、そうではない人を好きになってしまうんだろう。
人を好きになる気持ちは、理屈ではどうにもならないものなのかもしれない。
読み終わったあと、登場人物たちの人生が静かに心に残る一冊だった。 -
Posted by ブクログ
初めましての窪美澄さん。
まずはたくさん賞を取ったデビュー作から。
この本を紹介していた人がいて
タイトルも気になったのも相まって読んでみました。
思春期のやりきれない気持ちを描くのが上手な人だなと。
それを支える周りの人たちの何をするわけではないのに、温かさを感じたり。
でもどうしようもない感情とか、それを理解しても周りがどうしようもできないことってあるよね。。。
なんか思春期じゃなくとも
人生終わるかもって思った瞬間を経験した人も多いはず。
そこから抜け出すのって結局自分自身でしかないんだよね。
窪さんの別の作品も読んでみたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
◼️ 窪美澄「アカガミ」
ふむ、極端なシチュエーション。国による見合い同棲システムに応募した初対面の男女の間にはやがて愛が芽生える、が・・
窪美澄は本屋大賞2位「ふがいない僕は空をみた」がラスト近く、意外にグッと泣かせる物語で、続く「晴天の迷いクジラ」も塗りつぶしてからどこかに光を探す話だったかな。人にいただいた「夜のふくらみ」でテーマ性が変わったかな、と感じしばらく読んでなかった。
2030年代、若い男女は恋愛、結婚の意識がなくなり、自然出生率はさらに低下していたー。
両親が離婚し、うつ病になった母。ナツキは介護の仕事をしながら母と暮らしているが、絶望を感じ薬で自死しようとしたところを年配の女性・ログに救われる。心を許せる相手になったログと話すうちに政府のお見合いシステム「アカガミ」.への参加を勧められる。
「アカガミ」は応募の男女をあらゆる角度から分析し、理想の相手を選んで同棲させ、子供を産ませる。関係解消、相手のチェンジも自由、そもそも希望制。住居、家具、食事等は完全支給、医療体制や残された家族のケアまで完璧。
男性経験のないナツキはいまの生活からの脱出と新しい人生への期待と好奇心を胸に応募し、夫となるサツキと出会うー。
似たような設定の小説を読んだ気がする。精巧に、都合よく組まれたギミック。その中で編まれる初期の恋愛。組み合わせは考え抜かれているという設定とはいえ、なかなかおもはゆい面がある関係性から進展していく過程が、逆にひと昔まえのお見合い婚のようでリアルにも感じる。思い入れも持ちつつサクサクと読んでいく。
なんとなく予期はしていたけれど、結末は正直唐突で切れが悪い。ちょっと納得できないかなというところだった。うーん。出来すぎたシステムの中で展開されるものの行く末に期待してたのだが・・。
ただ、窪美澄ならでは、女性の身体と心に寄り添うような風合いみたいなものは再認識できたような。特にナツキの成長には独特の微笑ましいものを感じる。
直木賞候補になったという「じっと手を見る」でも読んでみようかな。 -
Posted by ブクログ
絶対裏切らない窪美澄。
今作も素晴らしかったのだが、
どうしても主人公『海』と『忍』のリアリティが欠けた印象があり、
おもしろいのに入り込めるところまでいかなかった。
だがしかし、この2人を除く登場人物のリアリティはすさまじく、
第二章は涙必須。
そしてやはり、窪美澄は暗い。
どんなに幸せな状況でも
心の隙間風や、どうにもならない自身への葛藤を拾い上げて、見ないことにするということを絶対に許さない。
それが人生の愉しみの一つとでも言わんばかりに突きつけてくる。
同姓同士の恋愛をテーマにしているが、
誰かと共に生きるそれぞれの人の心を
あぶりだす、恋愛ものとはまた一味違う作品になっている。
青くて透明な彼らが
いかんなく自身を発揮できますように!