窪美澄のレビュー一覧
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私は今ニートでふとした事から彼女が出来ました。
その折でこの小説に出会っています。
ただ彼女というのも、好きよりセックスがしたいから作りました。
主人公は、うじうじとしていて亭主関白の悪い所を凝縮したかのようです。
自分の意見を言わずに腹に収める大人な対応。
昔の自分みたいです。
私には力がない、やりたい事もない、何もできない。
そう思い込んでいました。
今は、私は自分のしたい事を行える様になったんでしょう。私はセックスがしたいから彼女を作った。
そこに負い目も引け目もありません。
私は私の人生を生きるんです。
男の社会は辛いものです。仕事が全て、競争社会、女よりできて当たり前。風に当てられ、健常者からは大きく外れました。最早、人間ですらない。
クソ喰らえです。
どうせ女だろうが男だろうが、自分がやりたい事は自分で決めるんだ。
幸福を。幸福を。幸福を。
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Posted by ブクログ
家庭環境に恵まれなかった結果、生きづらさを抱えてしまった3人が絡む物語。
一人目は由人、24歳。
東京のデザイン会社に就職して激務を強いられるのだが、ミスも多く自分に自信が持てずに悩み続けていた。
二人目は野乃花、48歳。
由人が勤める広告制作会社の社長。
世の不況の煽りを受けて経営に行き詰まり、死を覚悟する。
3人目は正子、16歳。
神経質な過剰とも言える程の母親からの干渉に、正子は幼い頃から自分の意志を押し殺して生きてきた。
同級生の姉と知り合って自由な行動と考えを知り、自身の考えを押し殺して生きている自分に初めて疑問が生じる。
由人はどん底に陥った野乃花が自死しようとしている事を知り、ニュースで話題になっている東の港に迷い込んでしまった鯨を見に行こうと声をかける。
お互いに死ぬのはその後でいいじゃないかとの言葉に、何故か野乃花は同意し、二人の先が見えない旅が始まる。
途中、異様な風体の正子を野乃花が見つけ、強引に鯨見物に同行させてしまう。
そして港に迷い込み、死を目前にしている鯨を見ながら、3人はそれぞれの人生を振り返る日々を送るようになる。
この小さな港町で、3人を暖かく迎え入れてくれたお婆さんの優しさが、迷える3人に大きな影響を与えることになる。 -
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窪美澄さんの、いわゆる「普通の女性」の心理描写はやはりすごい、と感じる。
私のように結婚も出産もしていなくても子持ちの主婦の気持ちになれるし、旦那が不倫をした妻の気持ちにもなれる。
主人公は52歳の絵里子。夫と20歳の娘と3人、小さなマンションで暮らしている。普段はホームセンターのパートに出て、多くはないが家計の足しにしている。
とりあえずは平穏な暮らしだが、思春期の反抗期以降は娘に気を遣いあまり口うるさく言わないようになり、仕事漬けの夫とはすっかりセックスレスで、それどころかほぼ会話もない。
だけどそんなものだろう…と自分を納得させながらいたのだが、ある日夫婦の寝室に、風俗店のスタンプカードが落ちているのを見つけてしまい…。
不和まではいかないもののしっくりいかない家庭に居心地の悪さを感じていた絵里子が、ひとつのきっかけを得て、「自分らしい生き方」を希求していく物語。
20代で結婚して30代で出産して子育てを大方終えて、少し早いけれど後は余生に向かって生きていく…と思っていた52歳の女性が、周りの人から影響を受けたり助けを借りたりしながら変化していく様がとても素敵だった。
とくに学生時代の友人・詩織の影響は大きく、後ろ指を指されようと自分らしく生きる詩織を目の当たりにして、最初はどこか彼女との間に線を引いていた絵里子が、だんだんと詩織の生き様に導かれるようにして、ひとりの女性として強く生きる在り方を獲得していく。
一旦距離を置いた夫や娘との関係性の変化も見事だった。「女がこうなっちゃえば男なんて弱いものよ」と思ったり。笑
何をしても妻はずっと自分の側から離れないだろうという謎の自信を持った男性は、年配層の世代ではとくにそこそこいる。
だから自分らしさを獲得していく妻に畏怖のようなものを感じつつ、それでも離れて欲しくないと思うのだろう。
自信を持った女は格好いい。
でも絵里子はまだ発展途上で、家族を簡単に捨てるわけではない猶予型なのもリアル。
どう転ぶか分からない、元に戻るかもしれない。だけど自力で変化したという経験は大きな糧になる。
夫も本質的には寂しかっただけで悪人ではない。家族となって長年暮らしても、解り合えないことは山ほどある。家族だからこそ、伝えるのをやめてしまうことも多々ある。
絵里子夫婦、友人カップル、絵里子の母と再婚相手、色んな関係性から、「うまくいくばかりではない家族」や「恐れずコミュニケーションを取ることの必要性」を感じる物語。
人と人の関係は、どんなに距離が近くても、遠くて難しくて愛おしい。 -
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ネタバレ水遣りはいつも深夜だけど
家族にまつわる短編集。
サボテンの咆哮 と かそけきサンカヨウ
がすごくすごくよかった。
サボテンの咆哮
自分の子育ての事や家庭の事、いろいろなことが心に浮かんで涙が流れた。
育児物の小説ってどうしても母親目線のストーリーになるが、この話は父親メインの話で、父親も母親同様に葛藤を抱えて悩み苦しむんだと知り、切なくなった。
奥さんの方も優しい人で、お互いに許し合うことができてよかった。
かそけきサンカヨウ、
これもとても良かった。
全体的にとても静かなトーンで話が進んでいくが、最後の美子さんの「陽さんのお母さんは素敵な絵を描く方なんだね」と言うセリフひとつに涙腺が崩壊した。美子さん本当に素敵な人。
心がとってもとっても広いんだと思った。
陽さんは、美子さんのようにもっともっと透明になりたい、と表現したけれど。私も透明で人に優しい強い人になりたい。
陽さん、最後、「お母さん」言えてよかった。ここでまた涙(;_;) -
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好きな言葉はエロスです。
ってな事で、『ここから先はどうするの 禁断のエロス』
澤村 伊智
壁の向こうで誰かが
彩瀬 まる
噛みあとはオレンジ
木原 音瀨
Lotus
樋口 毅宏
ROMANCE
窪 美澄
バイタルサイン
の5人の官能アンソロジー
それぞれええ感じのエロスです。
眠っていた自身のエロスを解放していく様…
脚フェチから纏足に魅せられ、また自身の纏足との別れ
と共に、過去の複雑な呪縛から解放された『何だか清々したわ』にシビれた
1番はやっぱり窪美澄さんのバイタルサインがえかったな
義父と娘のズルズルと沼にハマっていく禁断の愛が……
それぞれの作家さんのエロスの表現とストーリーの展開、心情、ミステリーと色んな意味で楽しめる一冊じゃなっと。
禁断のエロスと言うけど、禁断じゃなくて、もしかすると日常のエロスなのかも( *ˊꇴˋ)エヘッ
2024年15冊目
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15歳のみかげは、姉の七海と2人で暮らしている。生まれたときから住む家は、お年寄りが多い古びた団地だ。
姉と助け合いながら、工場でのバイトと定時制の学校で2人の友人むーちゃん、倉梯くんと穏やかに過ごす日々を送っていたみかげ。
ある日、団地警備員を名乗るおじいさん、ぜんじろうさんの半ば強引な誘いで、みかげは団地警備員に任命される。
今作ではそれぞれの登場人物の背景はあまり描かれていない。現在の悩みや苦しさも、主人公であるみかげ以外はあまり描かれない。
しかし、登場人物たちは皆それぞれ違った優しさを持っていることが、言動から伝わってくる。
それだけでなく、その優しさの背景にはこれまでに様々な傷や痛みがあったのだろう、今も苦しさを抱えているのかもしれない、ということが想像できた。
詳細な背景は描かずとも登場人物たちの傷や痛みを感じることができるのだと思ったし、それができる窪さんのすごさを感じた。
同年代の友人や、ぜんじろうさん、団地のお年寄りといった年配の方の交流を通して、みかげが成長していく過程が丁寧に描かれていたのも素敵だった。 -
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子供がいる未来か、いない未来か。
手探りで選択しつつある夫婦の形。
5編の家族。
解説は渡辺ペコさん。渡辺さんのコミックも「1122」「にこたま」等、いつも夫婦の形を考えさせる素敵な作品が多い。
窪さんと渡辺さんは、テーマが似ているのかなと思う。
“子を生す、持つ”
“家族を作る”
ご自身も答えを探しながら書いている。
しかも まだ納得も理解もしていないとのこと。
短編ですが、5編とも、子供を持つことに対してしっかり考える。子供だけが、人生の糧でないことも考える。すれ違う気持ちも大切にする。
そして、それぞれの家族のみらいを読者に委ねる。
ただね、こんなに考えちゃったら、家族を持つ事が不安になってしまいそうではあるねえ。