あらすじ
人の数だけ、恋の形はある。
奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは“恋愛”。
28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」)
16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(窪美澄「銀紙色のアンタレス」)
1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」)
生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。
(原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」)
両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」)
人の心が織り成す、甘くせつない物語を集めました。
感情タグBEST3
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プロポーズ待ちの彼女の悩み、長年連れ添った夫婦の行く末、中学生女子の甘酸っぱい初恋など、それぞれ異なるカットでちょっぴり切なくも朗らかに恋模様が描かれる。
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こういったアンソロジーの短編って物足りないことが多いからあまり期待していなかったけど。
どれも読んでいて切なくなるいい話だった。
好きな作家がそろっていたのも良。
最後の作者の本は読んだことがない気がするけど、良い感じの文章だったから他の作品も読んで見たいな。
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*人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ恋の形はある―。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品*
どの作品も本当に素晴らしいです。どうにもならない、やるせない想いが行間から滲み出てくるかのよう。それぞれの結末の、その後の物語を読者にゆだねるような終わり方も秀逸。様々な角度から恋愛の繊細さに触れることが出来る、素敵な1冊。
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奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生・朝日が訪ねてくる。
もう、少女ではない朝日。美しくなった朝日を意識する真だが、思いはすこし複雑だった。
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」荻原浩
21世紀のホスピスで向き合う老夫婦。
昭和44年アポロ11号の月面着陸生中継をみつめる中学生。
二つの舞台が交錯する時空を超えた愛の物語。
「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ
元会社専務のタクシードライバー善田雄二。
部下の不祥事の責任を取らされて会社を追われる。
妻の死に目にも会えなかったことから、既に嫁いだ一人娘との距離が出来てしまう。
英語が堪能な善田は、京都観光中に自転車にひっかけられて尻餅をついた彼女に声をかける。
そこから始まる小京都旅行。
二人の人生が、少しだけ動き出す。
「シャンプー」中江有里
両親が離婚して母と暮らす中2のミサト。
理容師の父とは月1回、父の「職場」で髪を切ってもらうだけのルール。
母のいきつけの美容室の新人美容師タケルと仲良くなったことで、ミサトはいじめにあってしまう。
タケルとミサトが考え抜いた、仰天のいじめの対策とは。
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表紙にマハさんの名前を見つけて、即購入。
マハさんのお話を1番に読みました。
読後のこの幸せ感、爽快感、読んで良かった感を味わわせて貰える読書って、本当にいいなぁ。
短いお話の中にも、マハさんの大好きな美術の事がちゃんと入っていました。
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私にとって、よく名前もみるし、代表作も分かるけど、読んだことはない作家さん達の恋愛小説アンソロジーとのことで面白そうだなと思い購入しました。
それぞれに面白かったり、感動したり、共感したりしてとても良かったです。
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5人の作家による恋愛アンソロジー
奥田英朗 「あなたが大好き」
窪美澄 「銀紙色のアンタレス」
荻原浩 「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
原田マハ 「ドライビング・ミス・アンジー」
中江有里 「シャンプー」
の5編が収録されています。
窪美澄さんの作品を楽しみにしていましたが2016/10/17に刊行された「すみなれたからだで」に収録されていた物で少し残念でしたが、それでも再び読み返したらやっぱり好きだなと感じました。
16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキしたり、おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が脳内映像に浮かんで来たり、おばあちゃんの作るおにぎりが食べたくなったり、終始無駄のない文章で引き込まれました。
荻原浩さんの作品も素敵でした。
中学校の同級生だった二人が夫婦になり、けれど妻は今病室のベッドの上にいます。
短編でありながら二人の歴史が凝縮されていて温かく、そしてとても切なかったです。
いつまでも余韻が残ります。
大好きな奥田さんの作品は今回も期待通りで、本作も女性心理の細やかさが随所に表現されていて主人公の彩子の気持ちに最初から最後まで共感しながら楽しめました。
文章もリズミカルで温かく優しさもあって大好きな作品です。
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「あなたが大好き」奥田英朗 ★★★★
「銀紙色のアンタレス」窪美澄 ★★★★
「アポロ11号はまだ飛んでいるか」荻原浩 ★★★★
「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ ★★★★
「シャンプー」中江有里 ★★★★
それぞれの作家さん「らしい」味のある短編集だなぁ~と思う。
窪美澄さんのだけ既読で、ちょっと残念ーw
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個人的によかったのは、冒頭の『あなたが大好き』。
わたしも、3年くらい付き合ってる彼がいて、いろいろと、状況が似ていて、物語に入り込めた。
新しく出会った人とデートを重ねながら、どうなるのかとどきどきして読んだけど、結局、今まで付き合ってた彼と結婚することになることになる。
わたしの人生は、どうしましょうかね。
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恋愛小説アンソロジー、だけど「恋愛!」って感じはどうだろう……家族小説とか青春小説ぽい作風の短編が多いかな。「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハさんの小説初めて読んだけどこれ好きかも。そのうちほかの本も読んでみようかな。
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アンソロジーって得意じゃないのだけど、結構よかった。奥田英朗が好きで読んだけど、やっぱり一番良かった。ほろりとさせられる。原田マハが描く女性はキラキラしてるなあ。
恋愛仮免中って、そしたら私は仮免も取れてないかも笑。
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うまい作家さんが揃ったアンソロジーなので、どの話も面白かった。奥田さん『あなたが大好き』結婚を考えている3年越しの恋人が無断で会社をやめてショックを受けるOLさんが主人公。タイトル通りの着地点で展開も特に目新しさもないんだけど、ユーモアがあって面白かった。個人的には「好き」がないと無理だけど「好き」だけでもダメだと思うよー。荻原さん『アポロ11号~』長年連れ添った夫婦の話は切なかった……。マハさん『ドライビング~』はお得意のアートの絡みもあるけど、60歳のタクシー運転手が主人公っていうのが新鮮でした。
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色んな作家さんが描く恋愛のお話。
原田マハさんはもちろん素敵な物語で大好きでしたが、アポロ11号やシャンプーも初めて読んだ作家さんだったけれど、とても良かった。他の作品も読んでみたくなる。
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短編集のため読み切りやすい
また愛の形は色々あって
結婚が全てだとか、何がベストかは自分次第
自己啓発本より誰かの物語である小説で
受け取る方がしっくりくる
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読みやすいのでサラッと流してしまいそうだけど、いざ感想をと思うと色んな想いが後から後から湧いてくる。奥田英朗さん、窪美澄さん、中江有里さんの話は、どの主人公も必死に恋愛してピュアで、たとえ実らない恋だったとしても、前向きに進んでいけそうな気がする羨ましい恋愛仮免中の話でした。荻原浩さんと原田マハさんのは、いろんな経験を重ねてきた大人の話で切なかった。人の死が絡んでくると、ちょっと自分の中で処理できない感じです。
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アンソロジーは最近めっきり読まなくなってたけど
この本は良かった。
同じテーマで人気作家たちが描くお話。
どれも甘酸っぱい感じで好きだけど
特に、奥田英朗さんの話が好き。
ありきたりっちゃあ、ありきたりそうな話なんだけど。
ストレートにあなたが好き!
っていう結末がスッキリしていいな。
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5人の作家による「恋愛仮免中」、2017.5発行。奥田英朗「あなたが好き」と原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」が気に入りました。
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5人の作家さんの短編。それぞれ面白かった。
アンソロジーで作家さんの作品がきにいったらその作家さんの作品を読んでみるきっかけになる。読書幅がひろがる。
広がりすぎて積読がたまっていく。。。
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<内容紹介より>
人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ、恋の形はある――。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品。
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どの作品の程よいボリュームですらすらとよむことができました。甘酸っぱい「有川浩」的な恋愛要素を求めて読むと、少し肩透かしを食うかもしれません。
もちろん、恋愛特有の甘酸っぱさはあるのですが、「ベタベタ」した感じはなく、どの作品もスッキリとしています。
大きなどんでん返しがあるわけでもなく、どちらかというと淡々とつづられている印象ですが、だからこそリアリティがあるというか、実際の体験や経験を思い出しながら読むことができました。
思春期の中学生男子とかでも、大きな抵抗感を抱くことなく読めるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
2018/2/18
奥田英朗/あなたが大好き
窪美澄/銀紙色のアンタレス
荻原浩/アポロ11号はまだ空を飛んでいるか
原田マハ/ドライビング•ミス•アンジー
中江有里 /シャンプー
読みやすくて晴れ晴れするアンソロジー。ウルっときたりもするけど、透明な気持ちになれる。
中江有里さんは初読みかも。
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結婚して家庭を築くというのは人生のビッグイベント。イベントには事業計画が必要で両家の釣り合いも大事な要素となってくる。惚れた腫れたの恋愛感情だけでは自ずと無理がくる。周囲が順調に人生を闊歩する中、スタートラインにも立っていない自分。焦る気持ちは喉元までせりあがってくる。結婚は愛じゃないのか、経済なのか、安定なのか、それとも。好きという気持ちとそうでないものとの狭間で揺れるヒロイン。悩みと葛藤しながら七顛八倒しながらも答えを導き出す。人は人、自分は自分、そういうこと。
Posted by ブクログ
このストーリーの中の人の繋がりは美しくて素敵だと感じたものを2つ挙げて、レビューに代えます。
荻原浩さんの
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
原田マハさんの
「ドライビング・ミス・アンジー」
奇しくも2編ともタイトルが長いです。
ほおっと息をつきたくなるあったかさ。
胸の奥がつーんとなる切なさ。
どちらも長い年月が解してゆく人の心が
とても聡明な美しさで描かれています。
Posted by ブクログ
タイトルにセンスがないなぁ~と思う。表紙デザインもだけど。
奥田さんが好きで読んだけど、ありがちな設定でありがちな展開だけれど、やっぱり面白い。
窪さんのは既読だったけれど、この話は好き。
荻原さんは、荻原さんっぽい。
原田マハさんと、中江有里は初読み。中江さんのが良かった。
Posted by ブクログ
奥田英朗、窪美澄、荻原浩、原田マハ、いずれも好きな作家と、私は初読みの中江有里による短編集。書き下ろしではなく、ここ数年に雑誌等に収載されたもの。
三十路突入までに結婚したいのに頼りない恋人にいらつくOL、夏の海辺で年上の女性に淡い恋心を抱く男子高校生、余命わずかな妻に寄り添う夫、外国人観光客を乗せたタクシー運転手、母が通う美容室のシャンプー係に恋をした女子中学生。
初読みの作家以外は、その作家のいちばんとは言えないけれど、どの物語も穏やかでそれなりの良さ。2時間ほどでさまざまな恋の形が楽しめるのはお得かも。
Posted by ブクログ
著書各々の色が出ていてリラックスして楽しめた。やはり奥田氏の読ませ方は心憎い。中江有里さんの文章力とストーリーテリングの上手さに驚いた。一番好きなマハさんはいまひとつ、やはりもう少し長い文が似合う。
Posted by ブクログ
銀紙色のアンタレス: 窪美澄
僕にもこんな青春時代が有ったならなぁ・・・なんて、少し甘酸っぱい夏の1ページ。。
シャンプー: 中江有里
心許ない不安定な思春期。切ないよね〜。
ドライビング・ミス・アンジー:原田マハ
設定が面白い。良かった。