窪美澄のレビュー一覧
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直木賞受賞作の本作は、全5篇からなる短編集。
どの物語も“大切な人との別れ”や“もう会えない寂しさ”を静かに描いており、読後には胸の奥にじんわりと温かくも切ない余韻が残ります。
始まったばかりのコロナ禍を背景にしたエピソードもあり、あの頃の先の見えない不安や孤独を思い出しながら、登場人物たちの感情に自然と寄り添ってしまいました。
それでも彼らの心の奥には、希望のような小さな光が確かに灯っており、その光こそが“星”として描かれているように感じます。
タイトルの通り、物語の中には星座や夜空が繰り返し登場します。読んだあとには、ふと空を見上げたくなる。
そんな静かな力を持った作品で優しさと哀し -
Posted by ブクログ
2030年代の日本が舞台だが、その頃の若者は他者との繋がりも希薄化し、結婚はおろか、恋すら遠い存在になってしまっていた。
そこに国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に参加することになったミツキは、国に管理された生活の中、出逢った相手サツキと国が推奨する「まぐわい」の末に子を成すのだが、、、。
読んでいて、どうにも胡散臭さがいっぱいなのに、それに気がつけない(疑問に思わない)若者たち。
生きることにも未来にも、あまり意思や欲求が感じられない、言われることにも受け入れるばかりの子たちが、子供を持ち、恋をしり、だんだん私の知っている「人らしさ」を持ち出すのだが、そこで徐々に今の手厚い生活に疑問 -
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ちょっぴり切ない5話からなる短編集。
ただ生きているだけで、思いもよらない哀しみがやってくる。
・真夜中のアボカド
ーーー婚活アプリで恋人を探す。
フリーでプログラマーをしているという麻生さんは、妙に女慣れしていなくて、前に出会った人みたいに食事の後すぐに、ホテルに行こうとも言わなかった。
・銀紙色のアンタレス
ーーー 16歳の夏。僕は田舎のばあちゃんちで、泣いてるような顔で赤ちゃんを抱えたあの人に出会う。
幼馴染の朝日は言う「水着着たわたし、かわいかった?」
ーーー真珠星スピカ
酷いイジメにあっている私は、今日も保健室にいる。
亡くなった人は話すことができないのだと知ったのは、死んだ母 -
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「はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」
という石川啄木の短歌は教科書にも出てくるくらい有名な国民的短歌らしい。(知らなった。)
この小説は恋愛小説だが、主人公の日奈と海斗は介護士の仕事をしており、この石川啄木の歌は二人の生活をまさに言い表している。恋愛だけでない色んなことを伝えてくれる小説だと思う。
狡くて滑稽だけど、優しくて愛らしい、すごく矛盾した、一筋縄ではいかない人間の姿が書かれている。恋愛の胸キュンというよりも、日々の暮らしと労働をメインに、誰かに支えてもらわないと生きていけない矛盾だらけの男女の様子を描いている。
海斗の日奈への一途な想い -
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ネタバレ女性は、長らく、自分の人生を自ら選択して歩むことが難しかった。できるよ、と言われても、多くは慣習や前例によって阻まれた。時代が流れて、できる女性とできない女性、しなくてもいい女性とせざるを得ない女性、ときに分断が生まれることもあり、主体的に人生を歩むことに対する否定的ななまなざしはなかなか減少しなかった。
その理由のひとつにロールモデルが少ないことはあるけれど(できる女性とせざるを得ない女性がいるのでいるはいる)、それ以前に自分が置かれてる状態への違和を感じるきっかけがなかなかないことも理由のひとつだと思う。主人公のように、夫の風俗のカードを見つけたりしない限り。また、違和を感じても、自ら選択