窪美澄のレビュー一覧
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掌編に近いものもある短編集.
「父を山に棄てに行く」 父親の入所の手続きに奥多摩にある山奥の老人介護施設に行く途中で,いろいろ回想する話.
「インフルエンザの左岸から」 老人介護施設(おそらく1話目と同じ施設)で亡くなった,ろくでもなかった父親の葬儀にまつわる回想.
「猫降る曇天」 黒のタートルネックを着た美女と3.11と黒猫の話.
「すみなれたからだで」 中学生の娘のことで老いを感じた母親が,娘がデートに行ったことをおじさんになった夫に話して・・・.
「バイタルサイン」 窪先生らしい(失礼)かなりHな描写もある,義父と関係を持った娘の話.
「銀紙色のアンタレス」 夏大好きの男の -
Posted by ブクログ
読み終えてから少し経ってからこの感想を書いているのだけど、わりと印象の薄い作品だったのかも、というのがひとつの感想。
中編が2つという構成の作品だったのだけど、表題作はものすごい事件が起こるわけではない日常の物語で、だけど小さな毒があちこちに潜んでいる。
仕事も恋愛もなんとなくうまくいかないアラサーの主人公・紗登子が、自分を捨てた(と思っていた)母と14年ぶりに再会したところから物語は始まる。
自分の恋愛がうまくいかないことを母との関係性のせいにしてしまいたくなったり、仕事と恋愛を公私混同してしまったり、彼女にはどこか境界線を曖昧にしがちなところがある。
そんな様々を含め、自分が産まれた家族や -
Posted by ブクログ
十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べら -
Posted by ブクログ
【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…