窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供の頃、自分たちを捨てて母が家を出て行ったことにどこかホッとした自分に後ろめたさを覚えると同時に、母に捨てられたという思いから今も母を愛することができない自分を持て余す紗登子。
同棲をしていた男からの結婚の意思表示に戸惑い、逃げ腰になる彼女のどうしようもない狡さが嫌だ。
結婚しているわけじゃないから、家事はお互いにしよう、と言いながら、男に住む場所を依存する女のご都合主義。身勝手さ。本人が自覚しているとはいえ、どうしたって共感できない。
主人公に共感できないってことは、私が家族に恵まれていたってことなのか、あるいは酷く鈍感だってことなのかな。。
こんな作品が多すぎて、それに共感する人が多 -
Posted by ブクログ
掌編に近いものもある短編集.
「父を山に棄てに行く」 父親の入所の手続きに奥多摩にある山奥の老人介護施設に行く途中で,いろいろ回想する話.
「インフルエンザの左岸から」 老人介護施設(おそらく1話目と同じ施設)で亡くなった,ろくでもなかった父親の葬儀にまつわる回想.
「猫降る曇天」 黒のタートルネックを着た美女と3.11と黒猫の話.
「すみなれたからだで」 中学生の娘のことで老いを感じた母親が,娘がデートに行ったことをおじさんになった夫に話して・・・.
「バイタルサイン」 窪先生らしい(失礼)かなりHな描写もある,義父と関係を持った娘の話.
「銀紙色のアンタレス」 夏大好きの男の