窪美澄のレビュー一覧

  • アニバーサリー

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    女性の抱えるストレスや苦悩を二つの世代から書き上げた小説。
    戦災と震災を背景に、それでも生活は続いている。
    そんな中で育つ子供たちのことを、大人は心配してしまうけれど、たしかに、あの戦争ですらも乗り越えて、私たちの祖父母は大人になった。
    だからこそ、いま、あの大震災だけではなく、たくさんの災害が降りかかっているこの世界でも、子供たちはなんとか、育っていくのだと思わせられた。

    登場人物の真菜に起こった出来事に理由をつけずに置いたことが印象的だった。
    寂しいから、なんて言葉にできる理由があるほうが、実は少ないのかもしれない。言葉にできないからこそ、人は人から愚かだと思われる行動をとる。

    今の世の中で、男が、女が、そう括ることは時代から外れているけれど、窪さんの描き方はジェンダーとしての男女のあり方というよりも、性を見据えた身体的な部分で男女を描いている感覚。

    家族の不和の描き方、子育てで心身を削られる女性の描き方、腹にくるような描写から、ラストの世代を越えた女性の繋がりの描き方が鮮やか。

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    2019年10月24日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    ネタバレ

    窪美澄「朧月夜のスーヴェニア」

    戦地に赴いた許嫁を待つ真智子の許されない恋。
    お婆さんになった主人公の回想という形。

    宮木あや子「蛇瓜とルチル」

    芸能向けの衣装屋に勤める女性とアイドルの話。
    この主人公、ショタなのかな。
    完全にヤバい人だと思う。

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    2019年09月28日
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)

    購入済み

    ホラー待望!!

    ホラーではありませんでしたね。少し残念です。澤村先生、ちょっとはずかしいですよ。「禁断のエロス」なんて。

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    2019年07月08日
  • 雨のなまえ

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    場面展開が急で、ときどき戸惑う。

    彼女の書くセックスは直情的ながらも全くエロくない。
    果たして皆もそう感じているのか、感性の問題なのか男女の違いなのか。

    同情とも、憐れみとも言えない、心にもない言葉が出てくるあたり、男心がよく分かるな。

    雨の日は憂鬱だ。
    一年にどれだけ雨が降るのか知らないけれど、
    雨にはいつまで経っても慣れることはない。

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    2019年06月23日
  • アカガミ

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    国家が管理するお見合いシステム『アカガミ』。手厚いサポートに隠された新制度の真の姿とは?生きることの選択と生命の躍動に触れる衝撃作。
    現代文明への警告ともいえる問題作。高齢化社会に少子化、人口減少にひきこもりなどが社会問題化しているが、原因は若者の性離れにあると思う。生身の異性を愛せないという人間の本質から外れる者の増加を解消しないと解決できない。極論だが、本当の愛とは、愛する人の「汗、におい、べとべと、ねとねと」を包容できるかだと思う。

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    2019年06月17日
  • 雨のなまえ

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    全体的に物静かで報われない話が多い。現実的すぎる。

    確かに人生は不幸の後にどんでん返しも大団円も必ずあるわけではない。淡々と家事や仕事をし、解決しない悩みや葛藤に折り合いをつけて、淡々と日常を過ごす。他人の生活が幸せに見える。そんな人が大多数だろう。
    僕が気に入った「記録的短時間大雨情報」でもそんな生活を過ごす主婦を描いている。
    夫婦間での会話はなく、認知症の義母の介護と子育てに追われる。誰も自分を認めてくれない。鬱屈した自己完結的な生活。そんななか非日常を与えてくれる存在がいたら…。例えそれが自分を"女"として見ていないパート先の大学生だとしても、現実逃避のために相手を求めてしまうかもしれない。ほんの少しだけハッピーエンドを期待して。

    現実に満足せず、非日常を求めてしまうことは誰しもあると思う。不倫物を読むときはディズニーランドを想起する。(ディズニー好きの人にはごめんなさい)現実を一時的にでも忘れるためという意味では不倫とディズニーは似ている気がする。それが社会的に認められるかどうかの違いで、根本的な欲求は同じなのだと思う。そう考えたら一概に不倫をしている人を責めれなくなった。
    それでもディズニーランドから帰って明日からまた仕事に行かなければいけないのと同じように、不倫もいつかは終わる。現実に戻らなければならない。禁断の果実はいつまでも味わえない。非日常を充足したらその反動で現実は辛いものとなる。やはり不倫はしないに越したことはない気がする。

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    2019年03月11日
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)

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    アンソロジー形式の官能短編集。
    好きな作家さんが書いていたので読んでみた。二人とも官能小説よりの小説が多い作家さんだから違和感はない。
    それぞれ特徴が出た短編集だ。面白いのだが、若干物足りなさも感じる。アンソロジーの限界なのだが。

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    2019年01月18日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    素直になれない主人公がもどかしくもあり、共感するところもあり。
    「理想の家族」をその中にいて実感できる人は、稀なんだと思う。

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    2019年01月08日
  • 恋愛仮免中

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    <内容紹介より>
    人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ、恋の形はある――。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品。
    ――――
    どの作品の程よいボリュームですらすらとよむことができました。甘酸っぱい「有川浩」的な恋愛要素を求めて読むと、少し肩透かしを食うかもしれません。
    もちろん、恋愛特有の甘酸っぱさはあるのですが、「ベタベタ」した感じはなく、どの作品もスッキリとしています。
    大きなどんでん返しがあるわけでもなく、どちらかというと淡々とつづられている印象ですが、だからこそリアリティがあるというか、実際の体験や経験を思い出しながら読むことができました。
    思春期の中学生男子とかでも、大きな抵抗感を抱くことなく読めるのではないでしょうか。

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    2018年03月14日
  • 恋愛仮免中

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    2018/2/18

    奥田英朗/あなたが大好き
    窪美澄/銀紙色のアンタレス
    荻原浩/アポロ11号はまだ空を飛んでいるか
    原田マハ/ドライビング•ミス•アンジー
    中江有里 /シャンプー

    ‪読みやすくて晴れ晴れするアンソロジー。ウルっときたりもするけど、透明な気持ちになれる。‬
    ‪中江有里さんは初読みかも。‬

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    2018年02月18日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    理想の家族を夢みる人たちの、家族であることの現実や家族になることの困難と希望を描く2篇。
    家族とは最も小さな集団でありながら、その維持や継続に困難さも持ち得る。損益を目的ともしないし、絆という言葉でも表せない不思議な共同体だ。登場人物たちも疑問を抱きながらも依存する。でもそれが家族の在り方であり、時間の経過を共有するのが家族と思う。

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    2017年12月15日
  • 恋愛仮免中

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    結婚して家庭を築くというのは人生のビッグイベント。イベントには事業計画が必要で両家の釣り合いも大事な要素となってくる。惚れた腫れたの恋愛感情だけでは自ずと無理がくる。周囲が順調に人生を闊歩する中、スタートラインにも立っていない自分。焦る気持ちは喉元までせりあがってくる。結婚は愛じゃないのか、経済なのか、安定なのか、それとも。好きという気持ちとそうでないものとの狭間で揺れるヒロイン。悩みと葛藤しながら七顛八倒しながらも答えを導き出す。人は人、自分は自分、そういうこと。

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    2017年11月25日
  • 恋愛仮免中

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    このストーリーの中の人の繋がりは美しくて素敵だと感じたものを2つ挙げて、レビューに代えます。

    荻原浩さんの
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」

    原田マハさんの
    「ドライビング・ミス・アンジー」

    奇しくも2編ともタイトルが長いです。

    ほおっと息をつきたくなるあったかさ。
    胸の奥がつーんとなる切なさ。
    どちらも長い年月が解してゆく人の心が
    とても聡明な美しさで描かれています。

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    2017年10月08日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    迷いくじらほどの衝撃はなかったけど。新しい家族を作りたいんじゃなくて、帰れる家族が欲しい ってなんか分かる。

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    2017年09月11日
  • 雨のなまえ

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     表題作の「雨のなまえ」の感覚がすごくよくわかるのだけど、相手に対してこれといった不満もないし、傍から見れば幸せなのはわかるけど、それが逆に不満というか、そういう完璧に近いようなものへの息苦しさの結果、相手を裏切る行為をしてしまう感覚って、ちょっとわかるな~という風に読んでいた。いろいろなしがらみから、解放されたいのだろうか、結果携帯をポイ捨て同然のごとく扱ったり。

     ほかの短編だと、「ゆきひら」の結末が少し衝撃を受けた。そんな終わり方って・・・という印象。窪さんの作品の印象にこのタイプの終わり方がなかったので面食らった。

     やっぱり窪さんの本は長編のほうが面白い。その都度打ちのめされたり、心が痛いけど長編のほうが好きだ。

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    2017年08月23日
  • アニバーサリー

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     夫婦の形、親子の形。どうしてこんなにも分かり合えなくて、いびつで、不安定なんだろう。ましてや、戦争や震災といった災厄が起これば人の心はもっと不安定。こんな不安定な時代に子を産み育てることっていいのだろうか?生んでしまったこと自体が、その子を不幸にさせてやしないだろうか?

     3.11の震災が大きく価値観を変えたことがこの本を読んでも感じられた。それだけに、我々は不安定な日を生きていて、生きていかなければならないということも思った。悲しいくらい生きてくことは難しいけど、生きていかないとね。

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    2017年08月20日
  • 恋愛仮免中

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    タイトルにセンスがないなぁ~と思う。表紙デザインもだけど。
    奥田さんが好きで読んだけど、ありがちな設定でありがちな展開だけれど、やっぱり面白い。
    窪さんのは既読だったけれど、この話は好き。
    荻原さんは、荻原さんっぽい。
    原田マハさんと、中江有里は初読み。中江さんのが良かった。

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    2017年07月24日
  • 恋愛仮免中

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    奥田英朗、窪美澄、荻原浩、原田マハ、いずれも好きな作家と、私は初読みの中江有里による短編集。書き下ろしではなく、ここ数年に雑誌等に収載されたもの。

    三十路突入までに結婚したいのに頼りない恋人にいらつくOL、夏の海辺で年上の女性に淡い恋心を抱く男子高校生、余命わずかな妻に寄り添う夫、外国人観光客を乗せたタクシー運転手、母が通う美容室のシャンプー係に恋をした女子中学生。

    初読みの作家以外は、その作家のいちばんとは言えないけれど、どの物語も穏やかでそれなりの良さ。2時間ほどでさまざまな恋の形が楽しめるのはお得かも。

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    2017年06月05日
  • 恋愛仮免中

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    著書各々の色が出ていてリラックスして楽しめた。やはり奥田氏の読ませ方は心憎い。中江有里さんの文章力とストーリーテリングの上手さに驚いた。一番好きなマハさんはいまひとつ、やはりもう少し長い文が似合う。

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    2017年06月02日
  • アニバーサリー

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    産みたくて産んだわけじゃないなんて、一瞬でも思ってしまったらそれだけで軽く死にたくなるんだろうな。
    終わりゆく世界で生きていく、悪くないのでは〜.

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    2017年06月01日