窪美澄のレビュー一覧
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東日本大震災は、多くの作家さん達にも衝撃を与えました。こちらの作品も震災後の執筆とのことで、当時の混乱した様子や、崩れた日常生活が、小説に読む事ができます。
第一章では、70歳をすぎても、お元気にマタニティスイミングのコーチとして、新米妊婦さん達のアドバイスを続ける女性、晶子の半生を。戦争直後から昭和の成長期を、彼女の当時の家庭生活を通して、描いていきます。これは、「ヤンババの出産・子育て知恵袋」の金澤直子さんの人生に近いものでしょうか。
第二章では、平凡な主婦だった母親が、その料理センスからお料理タレントとして成功していき、一般的家庭から乖離した少女時代を過ごしたカメラマンの女性、真菜。母親 -
Posted by ブクログ
若者の多くが、恋愛や結婚、子育て等を望む事が希薄となっている、近未来、日本。
若者達は、一人で生きることを選択して、未来への閉塞感からか自殺が増加している。
国は、“アカガミ”という、ほぼ出産を目的としたお見合いシステムを政策として作り上げていた。
SF的なお話ではあるけれど、マッチングされてからの男女は、恋愛に不慣れな見慣れた構図のようだ。一緒に暮らす事から、情が生まれ家族の片鱗をうかがわせる。
「アカガミ」のシステムは、問題のない男女から問題のない子供の出産を目的としているところに異常さがある。そこから外れれば、潔く放出する。ラストはリドルストーリー的。そのシステムから逃れた方が、おそらく -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入。
9つある物語のうちの殆どで性的な描写がかなり濃厚で困惑していたが、あとがきを読んで合点。
"性"がテーマだったのね〜。
どうりでエロいわけだ。
継父と男女の関係になったり、戦争に行った許嫁がいるにも関わらず行きずりの恋に身を燃やしたり、正直結構不快だった。
"女の喜び"みたいな表現もすごくイヤだった…。
全体的に掴みどころがないまま終わってしまう話ばかりだったが、すこし暗く、地に足のついたような文体は割と嫌いじゃなく(何様)、直木賞受賞作も近いうちに読もうと思いました。
ただ、猫の表現がリアリティに欠け、猫飼いではないな -