窪美澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本にいる外国人がどんどんと増えていく現代に、読んでおきたい1冊だと思った。残念ながら私が育った環境にはあまり沢山の外国人はいなかったが、知らない、より、知っていること、ってとても大事だと思った。
外国人の日本での生活の大変さは想像もつかない。外国に留学するのとはまた訳が違うな、と。
自分はあまあまで、ゆるゆるで、イージーな生活をしてきたんだな、と感じてしまった。より小さな幸せをみつめたいと思ったし、『日本人ファースト』という日本人寄りすぎな考えは危険だと改めて思った。
あと、外国人関係なく、コミュニケーションの大切さを感じた。里穂と桐乃の関係性はどこにでもありうるかな、と。コミュニケーション -
Posted by ブクログ
直木賞受賞作の本作は、全5篇からなる短編集。
どの物語も“大切な人との別れ”や“もう会えない寂しさ”を静かに描いており、読後には胸の奥にじんわりと温かくも切ない余韻が残ります。
始まったばかりのコロナ禍を背景にしたエピソードもあり、あの頃の先の見えない不安や孤独を思い出しながら、登場人物たちの感情に自然と寄り添ってしまいました。
それでも彼らの心の奥には、希望のような小さな光が確かに灯っており、その光こそが“星”として描かれているように感じます。
タイトルの通り、物語の中には星座や夜空が繰り返し登場します。読んだあとには、ふと空を見上げたくなる。
そんな静かな力を持った作品で優しさと哀し -
Posted by ブクログ
「ベランダでとりをさばかないこと!」
ベトナム人の技能実習生たちの寮に貼られていたであろう注意書きを見たことがある。
そんなバカな、と思っていたけどこの小説をよんで、そのまさかだった!と点と点がつながった気がした。
ベトナム人、技能実習生のイメージは残念ながら悪い。でもそれは彼らだけのせいではないのかもしれない。
文化の違いはもちろん、日本側にも正していかなければいけないことは多いのかもしれない。
ベトナム人日本人に関わらず良い人も悪い人もいるし、誰かにとって良い人でも別の人にとってはそうじゃないこともたくさんある。当たり前のことだけど。
窪美澄さんの作品は人間の多面性を表現することがひとつ