窪美澄のレビュー一覧
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80歳間近のマタニティスイムのインストラクターとその人の気になる妊婦さんそれぞれの生涯のお話し
東日本大震災のタイミングの出産なので、原発とかそれに関する内容も含む
前半で晶子さんの幼少期からの戦争体験とか、自分の子供に関する事がしっかり描かれているので、現代の行動に説得力がある
真菜さんは何というか、偏見というかフィクションの設定の王道通りの生き方なので、なんとも感情移入しにくい
最後の方での共同生活の描写は何だか心が動かされる
同情してるわけじゃないんだけどね、何だか感動したのです
僕も昔は「こんな時代に自分の子を世に誕生させるのは可哀想だ」とか思ってた事もありましたが
実際に自分の -
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窪さんの本は何冊か読みましたが、、いつもどこか揺さぶられる様な感覚を覚えます。
主人公のさとちゃんと同世代で、この物語も年末年始で、だから何かとてもリアリティを勝手に感じてしまいました。
元彼と一緒に住んでいた頃に「食器を洗ってくれるかな?」という一言さえ言えなくて思い悩み。
今の彼氏にも同じ様に小言に口をつぐみ、嫌いになるポイントが日々加算されはじめ、元彼の時と同じことを繰り返すことを危惧し。
何だか見に覚えがある気がしました。笑
家族という複雑な存在には私もけっこーひねくれた思いを持っているので、本文中の
自分が重そうに抱えている荷物を「ほかに、もっと重い荷物を持っている人はたくさんい -
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ネタバレ「生きるのぜーんぶ、誰かに決めてもらったらいいのに」という手作りポップを見て購入。初めて読む著者だった。
なんとなく、翻訳版の韓国小説のような雰囲気があった。主人公らの語りがほとんどだからだろうか、登場人物の口調が現代人風ではないからだろうか。いずれにしても、あと数年あとの2030年がこんな感じなら文化というのは一瞬で廃れるんだろうなと思った。
「アカガミ」という制度自体は面白いと思う。妊活している自分としては、手厚い健診やらサポートやらはありがたい。実際にこの名前で紹介されたら引くが……。
個人的には、解説を読んでやっと読み終えられたと感じた作品だった。とても今風で面白いとは思うが! -
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様々な形の恋愛が描かれた、
6編の短編集
《海鳴り遠くに》
同性を好きという気持ちを隠しながら
結婚した女性。夫を亡くして一人で
住んでいるが、ある日、画家の若い女性と
出会い、押さえていた自分の気持ちに気づく
《風は西から》
学校を休みがちな高校生、陸の家に、
夏休みの間だけ食事を作りに来てくれる
はとこの桃子さんとの話。チェシャ猫みたいな
顔をした桃子さんがとても素敵。
この話が一番好きだった。
《パスピエ》
行きつけの店の、足がとても綺麗な
バイトの女の子が、ストーカーに遭って
いるらしい。自分の家で匿うつもりで
彼女を呼び、奇妙な同居生活が始まるが‥
最後が、何それ?!
《赤くて冷た -
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窪美澄さんの恋愛短編集
収録作は以下の6作品
海鳴り遠くに
夫亡き後で知り合った女性に惹かれていく女性のお話
風は西から
初めて出来た彼女が自分の友人に心変わりしたお話
パスピエ
逃亡癖のある女性に翻弄された男性のお話
赤くて冷たいゼリーのように
定年後のある少年との出会いで己を知る男性のお話
天鸞絨のパライゾ
出会いと別れのなかで自分を見つめ直していくお話
雪が踊っている
子供の塾で再開したかつての恋人のお話
どのお話もときめくような恋愛ではなく、一筋縄ではいかない内に秘めた思いを紡いだ大人向けの恋のお話だった。私は特に「赤くて冷たいゼリーのように」が印象的だった。
短編でも -
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介護士として働く地方民を石川啄木の短歌「働けど働けどじっと手を見る」に重ねて読んだ。一生食いっぱぐれない職と地方では謳われているけど、一生安泰かと言われたら違うもんなぁ。介護についても色々考えてしまう。正直、自分よりも未来のある若者になけなしの給料で介護されるのなら、自分の力で生きて行けなくなった時点で人生の終止符を打ちたいなぁと本気で思う。自分が年取るまでに日本で安楽死制度はできるのかな。
地方民と都会民の超えられない壁の描写も胸に沁みた。人生はいくらでも変えられると言う人もいるけど、結局は生まれた環境が自分の人生の基盤で、どう頑張ってもそこは覆せないんじゃないかなぁと思う。そこを覆すのでは