養老孟司のレビュー一覧
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試し読み
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ネタバレ「理系の対話で人間社会をとらえ直す」と副題にあるように、各界でそれなりにとんがった理系の人たちと著者が対話をした内容をまとめた本。
いわゆる文系の常識的なものの見方をくつがえすということがテーマになっており、自分のテーマにも沿っている。
最近「知的複眼思考」などを通じて、多面的にものを見ることを意識しているが、よく考えたら誰かの常識をくつがえすというのは、別の視点を導入すればそれで済むことだ。自分の目からうろこを落とすことが何かとてつもなく難しいことのように思っていたが、実はそうでもない。
その意味では、いわゆる「文系的ものの見方」と「理系的ものの見方」をぶつけあわせ、常識的なものの見方を -
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80代とは思えない、未来を考えている内容でした。羽生善治さん、井上智洋さん、岡本裕一郎さん、そして新井紀子さんの対談ですが、高度成長時期からたくさんのテクノロジーに囲まれて生活していると、人間は知らない間にAIのように無駄のない整理された人間を望みはじめているのが、最も危険な社会ではないかと感じているようでした。若者のスマホに対する人間の在り方だけでなく、60〜80代の高齢者だって他人事ではなく、まだ20年くらい生きてしまう今日では、特に高齢者に読んでほしいと思いました。わたしも五感をフルに活用しながら生きたいと思います。ありがとうございました。
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ネタバレ
働きすぎと暇つぶしの狭間で
一部ご紹介します。
・科学技術の発展は様々なことを可能にした。可能だから、人間はそれをするので、環境を考えたらどうなるか。
やりすぎなければそれでいい。無限の知識追求という前提は、その「やりすぎ」を手伝ってしまう。
推理小説もファンタジーも、漫画もアニメも、やりすぎ防止の一環である。働かなければ生活できない時代では、暇つぶしは罪悪であった。
でも環境を考えるなら、働きすぎは罪悪である。
・車に慣れると、歩くという運動をしなくなる。親切な文章を読むと、不親切な文章は読めなくなる。
頭の訓練とは何か?自分の頭で考えることである。自分で考えた文章というのは、ひとりでに必要にして十分な分か -
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Posted by ブクログ
ネタバレ養老先生が解剖学者として考えてきた生物を対象とした形態学。生物の形を研究する過程でその後の著作につながるアイデアがいろいろ出て来たとのこと。それらは、例えば「唯脳論」「バカの壁」「遺言」などにつながる。
以下気になったところを記す。
形は客体のように見えて客体ではない。脳科学的には、情動ですら客観的な基準がない。まして、人の考えや思想に客観的基準があるわけがない。したがい、諸科学に普遍性はない。自分の考えを記すのは個人的作業。
「多様性は剰余から生まれる」・・・なるほど、すごく新鮮。
形は、意味を考えなければ、意味がない。
形の意味は、生物の場合、①数学的・機械的、②機能的、③発生的、 -
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Posted by ブクログ
人間とAIの関係を考えている人におすすめ。
【概要】
●人間とAIの関係について対談(コロナ禍以前)
・AIから見えてきた「人間の可能性」/羽生善治氏
・経済はAI化でどう変わるか/井上智洋氏
・AIから人間を哲学する/岡本裕一朗氏
・分からないことを面白がれるのが人間の脳/新井紀子氏
【感想】
●書物やメディアを通じて客観的に見てみると、AIによる将来の発展について、恐いほど評価する人もいれば、懐疑的に考える人もいる。
本書の各対談では、現実的な視点による考え方が表れており、興味深く読むことができる。
●AIをどうやって導入していけばよいかとても悩む。何をすることが日本にとって最適なのか