あらすじ
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。
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人は「見た目」で共同体から外される、という点に気付かされた点がある。こちらが大多数で見た目で嫌に感じたこと、逆に自分がマイノリティで外されたことがあったこと、自分は多様性を受け入れていきたいと感じた。
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効率重視で生きづらい世の中だけれど、わたしたちはともすれば世間の枠からはみ出しがちになるのだけれど、なんとかかんとか帳尻合わせてうまく生きてゆくことがだいじ、そんなヒントが詰まった本。
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大好きなお二人の対談本、、、というか、気ままなお喋りの本です。知識の深さはさることながら、幾つになっても好奇心の潰えることのないお二人のように学び続けたいです。
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ラジオリスナーとして追ってきて、これまでもがいてきて色々忸怩たる思いを胸に抱きつつも仕事に向き合ってきたその姿に勇気付けられてきた一ファンとして胸に残る本でした。
当然自分とは全然レベルが違う実績を残しているお二人なので同列に語るべきではないと思いつつ、自分と重ねる箇所が多く、自分のこれからの歩みの灯台となるような考え方、想いを一つ一つ噛み締めながら読み進めました。
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伊集院光と養老孟司の対談で、世間とのズレや折り合いを付けて行く生き方、空気を読むなどがテーマの本です。
対談なので、とても読みやすい文体です。
世間とズレている生き方を怖がっている伊集院さんが、養老先生から昆虫や脳の話、解剖学の話、都市化の話などを上手に引き出していて、面白いです。
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世間からはみ出してもいいという2人の主張には救われた気がした。世の中の人たちは絶妙なバランスで生きているんだなと思う。
多様性が重要だという話で、方言も大事というのは心に刺さった。全員が標準語になれば豊かさが消えるという例は面白かったし、AIの世界がまさにそれになろうとしているという話は少し怖くもあった。
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世間を囲う見えない境界線の内側になんとか留まる伊集院さんと、潔く外側に出て行って内側を冷静に見つめる養老先生の対談本。一方は理論武装し、他方は自然回帰する。ふたりのズレに対する向き合い方や考え方がおもしろい。幽霊は脳の中にならいるという話もさることながら、思いつめたら猫を見るというのは個人的に大賛成である。先のことをいろいろ考えすぎて煮詰まったとき、猫を見ていると肩の力が抜けて冷静になれる。
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■動機
自分も人も追い込むような仕事をしていた若い頃を振返り、柔軟にどう合わせて行けばよいのかグラついていた為。
NHK「100分de名著」の伊集院光氏のアシスト振りが好きで、仕事でも参考にしたい為。
■要旨
「『世間』から自分がズレるのが怖く軌道修正しながら生きてきた」伊集院光氏と、「(都市の脳化された)『世間』と(本来自然の生き物である)ヒト・自分はズレているものである」養老孟司氏の対談。(※結論や結論や具体的な解決方法の提示はない)
■気づき
・「積み上げていけば、右肩上がりになるものだとどこかで思う。積み上げたものが必ず100に到達すると信じていた。」(伊集院) 「そういう学者に出くわすと、『若いな』と思う。我々世代では、大きな『ガラガラポン』があった。『一億層玉砕・鬼畜米兵』と指導していた教員が『平和憲章・マッカーサー』と称賛する。連日皆で声を揃えて何度も読んだ箇所の墨塗り。もう理屈ではなく、肉体感覚」(養老)
・「田舎に行って自然に親しむ 一人で山を歩くと悩んでいる暇もない」「面白いだけじゃなくて気持ちいい 人間は本来座る格好で生きていない」(養老)
・「大丈夫。どうせ死ぬから。」(養老)
・全般的に、抽象的で断片的な養老孟司の話に対して、具体的に話を膨らます伊集院光の手腕が凄い。それだけ『世間とのズレ』に悩んだからなのか。
■取り組みたいこと
本書では、具体的な問題の深堀や解決策を提示するものではなかったが、強いて上げると、
「思いつめてしまったら、『肉体を使って疲れること』『猫など見て”ああしなきゃ”の強迫観念から解放すること』『都会⇔田舎の二つの軸を持つこと(参勤交代のように…できれば移住)』などがおススメ」とある。
少し感染者数が落ち着いたら、伊豆高原の別荘地(の雑草の成長が著しく最近手入れに行けていない)に手入れに行こうと思う。落語(上野の鈴本演芸場、浅草ホール)などの「どうしようもない人々」を聞いて、気持ちを楽にしたい。
しょうがない話
タイトル通り、ずれてしまうのはしょうがないねと、先生と伊集院さんが話してくれるお話です
先生達にカウンセリングしてもらってるような感じ
自分以外のずれてる人も折り合いをつけながら生きてるんだな、少なくとも二人は確実にと思わせてくれます
明日が劇的に変わることは無いけど、しょうがないねと自分を励ませるかもしれない気持ちになりました
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伊集院光さんは、テレビでしか見たことがありませんでした。しかしこの本で幼少期から周りからズレないように、という考え方が自分と同じだったので親近感を覚えました。
養老先生は、好きなことに向かって我が道を行くという自分の理想像なので2人の対談から前向きな気持ちになりました。
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世間と自分の間を確認しながら調節したり、世間とズレちゃうのはしょうがないと思ったり、読みながら少しずつ楽になりました。無理しすぎないように生きていきたいと思います。
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養老先生の”クモは好きじゃない”っていう告白にびっくり
したのは私だけではなく伊集院さんもだった。
昆虫が好きだからって全部好きっていうのは
誤解だな。
途中に入るイラストがほんわか可愛い。
私が好きだったのは大学の非常階段を
養老先生が棺を担いでワタワタ降りるシーン。
その時はすごく大変な思いをされたのだろうけれど
こうやってイラストになると笑えてくる。
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戦争前後で、それまで習っていたことが全部間違っていました、となった。戦争を体験している人は、そういうガラガラポンが起こることを体験している。自分が積み上げたものが必ずしも100に到達するという思いがない。
何だって起こるし、完全になることはないってことか。
年は人間の意識で考えられたことに基づいて作られた場所。都会に住む現代人は、感覚を通して世界を受け入れない。意味があるものしか理解しようとしない。意味のないものを排除する。
思い詰めない。猫を見る。
幽霊はいる。いなきゃ言葉にならないから。頭の中にいる。
不便は半分楽しみなはずだと。便利にするのを世間が創造的だと思っているなら、趣味の世界では不便を楽しんでいく方が創造的だなと思う。
落語は、クリアな世界がある中でじいさんがしゃべるだけ。でもその不便を想像力で補えた時、ハイビジョンよりきれい。
仕事で不便を排除しようとするなら、趣味は不便を大事にしてみようかな。
人がいらない社会を作ってどうするのか。コンピューター=文房具だけあって人間がいない世の中。人間のための世の中じゃないのかという話。データだけ見て、その人のことは見てない傾向になりがちだなと思った。
何をやっていて楽しいか、それが仕事の根本。何をしてれば楽しいのか?
養老先生の親父の遺言は無理をするなだった。突き詰めて考えないこと。なるようになるよ。大きな流れに乗ろう。これを毎日思い出したい。
いろんな人がいることを多様性っていう言葉にしても、抽象的な多様性という言葉は理解するけど、個別のばらばらにあることは認識できない。
答えは一つ、その一ついがいはダメだ!と認めないのは豊かではない。答えは一つじゃないし、いろんな形を認めたい。
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伊集院光と養老孟司による対談本
二人とも世間というものに浸かりきっていない観点を持たれている
だからこそ、重なるところ、明確に離れてしまっているところ、それを言語化できる
言語化して自分の感覚(実体験)を抽象化することで世間の圧を受け流せるのではないかと感じた
今が訳もわからずシンドイ方は読んでみると良いかもしれない
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解剖学者だからとか、芸人だからではない。二人の「世間との付き合い方」のズレが生み出すトークに熱中します。
昨年発売日に購入して、久しぶりに再読した本です。
バカの壁でベストセラー作家になった養老孟司さんと、毎週深夜ラジオでお世話になっている伊集院光さんの対談集。
視点が絶妙な人と、話が面白い人が対話したら、、、とても面白いのではないか?と期待していましたが、思ったとおりでした。熱中できる楽しさです。
この本になぜ熱中できたか。楽しさの理由は、作中の言葉を借りれば「世間の内と外」両方を意識した言い回しをしているからです。
どういうことか。例えば、養老さんが解剖学について終始話していたら、それは面白くありません。私は医学生ではないし、解剖学のアカデミックな話を読みたいわけではないからです。
話題の中心を私達が共感できること、例えば小学校時代の思い出とか、ラジオ番組とか、はたまた終戦直後の思想教育とか(これは年配者しかわらかないか)に据えている。これが世間の内側だとしたら、そのテーマを外側から観ている。
解剖学者という知見と、御本人の「ちょっと世の中から一方引いた」生き方からみんなが知っている話題を語ってくれるからこそ面白いのです。
伊集院さんはどうか。彼は本業ラジオパーソナリティーですね。かれのトークの面白さを考察すると、同じポイントがあることに気づきます。
誰もが知っている話題、例えば今年でいえばオリンピック、パラリンピックですね、を冒頭に話し出す。それでいて、その1つの種目に着目して、意外な言葉を発してくる。
それも、お昼の情報番組のように、是か非か、善か悪かの話題ではない。そもそも、その判断がさ・・・といったそもそも論を語りだします。
深夜の下世話な番組のようでいて(ほとんどそうなのですが)、突然新書本のような考察を混ぜてくる。長年この面白さに魅了されています。この本の中でもそのトークの姿勢は崩れていません。それどころか、東大元教授の養老さんをして「君は本当に理屈っぽい」と言わしめる始末です。
大学教授お墨付きの理屈芸人、素敵ですね。
本の内容は、世間と自分とのズレは何なのか?どう付き合っていくべきか?といった話題。分野を問わず、共感するフレーズが多いと思います。
学校、職場の人と、ちょっと話が合わないな、と思ったらクスリ代わりに一服することをオススメします。
似たような本:友達幻想 嫌われる勇気 生の短さについて
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共感した部分は、
「都会と田舎、軸を二つつくったほうがいい」
今いるところから外れて真逆のとろこに行く。はずれたところが違うと思ったら戻る。戻るときには以前と違うものが見える。
なんかね。わかる気がします。
私、北海道の田舎がイヤで、大学から関東に来ました。でも、なんか競争社会。子どもを育てていても。子育てしっかりしなきゃ!と、見えないプレッシャーを感じていました。
子どもが小さい頃、小学生くらいまでは、1か月くらい実家に帰省していました。両親がいたから、なんとなく、子どもを見てくれて、私はのんびり出来ました。田舎で、だらだら、ぼーっと暮らす。リフレッシュ出来ました。料理や家事はするんですけどね。関東にいると、夫がサラリーマンで、ほぼワンオペ育児。1人で子育てしている緊張感がありますが、大人が3人、伯母も来るので4人で、子どもを見ていると、安心できました。
それはそれで、煩わしいことも結構ありますよ。だから、飽きたころに、自宅に戻ると、良いバランスなんです。
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よく養老孟司のYouTube動画をみているが、頭のいい人って押し付けがましい人が多い印象だが、この人はゆるくて、どこか楽天的な雰囲気があっていい 世間とズレてるからって気後れせず、かといってエラぶりもせずにいたいとおもう
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⚫︎受け取ったメッセージ
秩序と無秩序、人工物と自然、脳と身体、好きなことと嫌いなこと
二軸のバランスは同等に大切。そこに存在するのだから。
養老氏は言う。
「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。
見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。
一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。
抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。
⚫︎感想
「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」
お二人の会話形式で、相反する秩序と無秩序をはじめとした考察が展開される。伊集院さんの物腰が心地よく、また例えもわかりやすい。
戦争で価値観が180度変わったという体験はよく耳にする。経験から、言葉は信じないと養老孟司氏は言う。
コントロールできるものとできないもの、無秩序を排除するのではなく、それはすでに存在する。バランスをとって、うまく生と付き合っていく。
また、伊集院氏の、嫌いなことをあえてやってみる、という態度も素敵だと思った。好きなことをやるのは予定調和だが、嫌いだと思っていたことが、案外そうでもない時の喜びは大きいだろうし、満足感も大きいだろう。これも生活の中でバランスをとるひとつの方法だ。
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うん、言いたいことはよくわかる、説明が難しいけど。普通ってなぁにってことかな。世間とズレていてもいいってことかな。ただズレていることを自覚することは必要かなと思う。
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伊集院光と養老孟司の二人による対談集です。二人は、どちらも世間からズレていると自認しており、そのズレをどのように受け入れ、生きていくかについて語り合います。
間とズレてしまう理由や、ズレを受け入れるための方法など、さまざまなテーマについて議論されています。例えば、伊集院は、世間とズレてしまう理由として、自分の興味や関心が世間の常識と異なることや、自分の価値観が世間の価値観と異なることを挙げています。また、養老は、ズレを受け入れるための方法として、世間の常識にこだわらず、自分の感覚を大切にすることを説いています。
伊集院光と養老孟司は、どちらも知性とユーモアあふれる人です。二人の対話は、時に笑いを誘い、時に考えさせてくれます。
世間とズレてしまうことに悩んでいる人にとって、共感と勇気を与えてくれるものです。
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ズレといえばズレだろうけど、お二人の考え方を読んでいると、ズレていることもすんなり肯定できるのだろうなと思えた。人生をまだまだ楽しめる、ってヒントになりそうな一冊。
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視野が狭くなっている状態での、世間とのズレは、自分の存在を過小評価してしまい、視野が広くなっている状態での世間とのズレは、貴重な価値観となり、強みへと変化する。その上で、養老さんが言っている、田舎と都会の二つの軸を持つ事は、世間とのズレが、人間にとって美しいものとなる。
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養老孟司さんと伊集院光さんの対談本です。
いつも聞いているピーター・バラカンさんのpodcastの番組で伊集院さんがゲスト出演したとき紹介していたので気になって手に取ってみました。
昨今の新型コロナ禍に対する日本人の行動様式を語る際、“同調圧力”とか“世間”といった言葉を目にすることが多くなりましたね。そのわが国において隠然たる影響力を持つ“世間”との折り合いのつけ方を、まさに世間とのズレを自覚している養老さん伊集院さんのお二人が語り合った本です。
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家人が好きな養老孟司。伊集院光との組み合わせは意外な気もしたけれど、なかなか面白い対談になっている。主に喋ってるのは(収録されてるのは)
伊集院光だ。見かけに寄らず(失礼)繊細な人だというのが、よくわかる。
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表紙のイラストがとてもいい。
この二人の対談、とても興味深く読んだ。
「不必要なものが必要」は
普段思っている「必要な無駄」と似ている。
バカの壁と同じ、悟りに近いような感覚。
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世間の内側にいたい伊集院光と世間の外側にいることに抵抗がない養老孟司が、「世間」をキーワードにして対談した内容をまとめた本。世間の内と外の話から都市と自然の話に発展したり、AIの話になっていたり、あまり縛りなく様々な話をしている。
伊集院さんのことを全然知らず、深夜ラジオで下ネタを言っているイメージしかなかった(友達からそう聞いたので・・・)。だから伊集院さんと養老先生が対談するって、何がどうなったらその二人がくっつくんだと気になって購入した。実際読んでみると、伊集院さんがとても論理的に物事を分析していることに驚いた。
会社の研修を受けていると、世間の内に内にと閉じ込められる感があってとても息苦しい。今まで私は自分が世間から外れていると思ったことはないけれど、世間というものが狭くなったら外に出たくなるのかもしれない。耐えられなくなったら養老先生の助言の通りいったん外に出てみようと思う。そして伊集院さんのいうように、ぎりぎり世間の内側に、あるいは塀の上にでも戻れれば良し。
Posted by ブクログ
期待が大きかっただけに、肩透かしをくらったような読後感。
世間とは何か、その中で生きる違和感は何か、そこでどうサバイバルするのか。
以前読んだ鴻上尚史さんの本を思い出した。
とにかく伊集院さんは考える人で、理屈を見つける人で、素直な人。養老先生のマイペースさも心地よい。
遺骨が鳴って、これは悲しんでいるのかな、笑っているのかな、という話は面白かった。
二人のファンには楽しめるのでは。