あらすじ
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。
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Posted by ブクログ
世間からはみ出してもいいという2人の主張には救われた気がした。世の中の人たちは絶妙なバランスで生きているんだなと思う。
多様性が重要だという話で、方言も大事というのは心に刺さった。全員が標準語になれば豊かさが消えるという例は面白かったし、AIの世界がまさにそれになろうとしているという話は少し怖くもあった。
Posted by ブクログ
⚫︎受け取ったメッセージ
秩序と無秩序、人工物と自然、脳と身体、好きなことと嫌いなこと
二軸のバランスは同等に大切。そこに存在するのだから。
養老氏は言う。
「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。
見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。
一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。
抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。
⚫︎感想
「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」
お二人の会話形式で、相反する秩序と無秩序をはじめとした考察が展開される。伊集院さんの物腰が心地よく、また例えもわかりやすい。
戦争で価値観が180度変わったという体験はよく耳にする。経験から、言葉は信じないと養老孟司氏は言う。
コントロールできるものとできないもの、無秩序を排除するのではなく、それはすでに存在する。バランスをとって、うまく生と付き合っていく。
また、伊集院氏の、嫌いなことをあえてやってみる、という態度も素敵だと思った。好きなことをやるのは予定調和だが、嫌いだと思っていたことが、案外そうでもない時の喜びは大きいだろうし、満足感も大きいだろう。これも生活の中でバランスをとるひとつの方法だ。
Posted by ブクログ
世間の内側にいたい伊集院光と世間の外側にいることに抵抗がない養老孟司が、「世間」をキーワードにして対談した内容をまとめた本。世間の内と外の話から都市と自然の話に発展したり、AIの話になっていたり、あまり縛りなく様々な話をしている。
伊集院さんのことを全然知らず、深夜ラジオで下ネタを言っているイメージしかなかった(友達からそう聞いたので・・・)。だから伊集院さんと養老先生が対談するって、何がどうなったらその二人がくっつくんだと気になって購入した。実際読んでみると、伊集院さんがとても論理的に物事を分析していることに驚いた。
会社の研修を受けていると、世間の内に内にと閉じ込められる感があってとても息苦しい。今まで私は自分が世間から外れていると思ったことはないけれど、世間というものが狭くなったら外に出たくなるのかもしれない。耐えられなくなったら養老先生の助言の通りいったん外に出てみようと思う。そして伊集院さんのいうように、ぎりぎり世間の内側に、あるいは塀の上にでも戻れれば良し。