養老孟司のレビュー一覧
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ネタバレ自分の人生を計画したい人があまりにも多すぎると。そうではなく、人生はひとりでに「なる」のだということ。
自己とははじめからあるものではなく、生きて行くうちにひとりでにできていくものなのだ。それをやる前からそれをすれば何を得られるのか、それは自分のためには必要かなど考えてしまうのは、現代病の一種だなと思う。
自分の知りたいことだけを知りたい、ジャンルに括りたがって、自分のなかで簡潔に完結させたがる。予定調和な人生を望む・・。私含め現代人に当てはまることが多くて、どきっとさせられた。仕事だけでなく生活でも効率化を求めるあまり、人生も効率で考えるようになってしまっているのかな・・。
自分の人生も思考 -
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Posted by ブクログ
虫好きで有名な養老さんのエッセイ。語り口から人柄が伝わってくる。そもそも虫に対峙したいのに、その時間を奪って執筆させることへの反感が微笑ましい。豊富な写真が収められていて、虫の不思議さやイメージを補ってくれる。虫好きの同好の士とのラオスでの採集の旅は現場を彷彿とさせる。藪から棒、ではないが、虫探しで藪をたたき、アシナガバチに刺された事件も、災難ではあるが、現地の人が巣の中にいる子を食べてしまうくだりには呆気に取られ、驚かされてしまう。現代は、何事にも理由を求めがちだが、理由がないものやその行為に価値観を与える考え方に、養老さんらしさがよく出ている。
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Posted by ブクログ
確固たる「自分」というものはいるのか。
そんなのはいないのではないか。
というのが筆者の主張です。(養老氏は他の書籍でも同様のことを述べています)
「自分」なんてない。自分は他者と社会と他の生物と地球と繋がっているし、変化しているんだ。
大事なのは「人といかに違うか」ではなく、人と同じところを探すこと。世間と折り合いをつけて生きること。
しかし、戦後、「私」「個性」「独創性」ということを求められてきてからおかしくなってきた。
そのことを、世間との関わり、生物学としての面、江戸時代の日本などから説明しています。
その他、
政治に関わらない、世の中を変えようとしない -
Posted by ブクログ
藻谷氏のデータに基づいた話に、養老氏がうなずきつつも、ところどころワンポイントで口をはさむような印象だったか。養老氏は、日本は大地震で御破算になった方がいいんじゃないか、という。でもそれってさぁ。内田氏が別の本で、維新とかグローバリスト系の人たちの目論見って、加速主義で破滅まで行こうとしている、みたいな話に近いものがあると思った。養老氏は話が面白いから、維新ほどに拒否感は感じていなかったんだけど、そういうところは、なんとも?なところ。
あと印象に残っているのは、補助金だ、生活支援だといって、お金を刷ってお金をばらまいても、収支でみると市中に出回っているお金はずっと少ないという。みんな貯金に -
Posted by ブクログ
本書は養老先生の初の自伝である。唐突だがこの本を読んで、木田元先生の『哲学は人生の役に立つのか』(PHP新書)という本を思い出した。題名だけを見ると哲学の有用性を説いた本のように思ってしまうが、内容は木田さんの自伝である。つまり、哲学が自分にどのように影響したかという視点から、ご自身の半生を語っている。
この本も木田さんの本と似ている。たとえば『唯脳論』や『バカの壁』を書いたとき、養老先生の人生に何が起こったか。これまでもそうしたエピソードは断片的に語られることはあったが、本書ではそれが一冊の本にまとめられている。私自身、初めて知る内容もあった。
ご存知のように養老先生は無類の読書好きで、本文 -