【感想・ネタバレ】日本の歪みのレビュー

あらすじ

この社会の
居心地の悪さは
どこからきたのか?

明治維新と敗戦、憲法、天皇、
経済停滞、少子化、巨大地震…

「考えたくなかった」
戦後日本の論点を徹底討論!

<本書の内容>
右も左も、いまだに外圧頼り。
内発的に自分たちの価値を肯定し、守るということができていない(東)

天皇が生物学を勉強したのは、正気を保つためにやっていたんでしょう(養老)

日本人は戦争による被害も、人災ではなく天災のように捉えてしまう(茂木)

「シビリアン・コントロール」なんて、
自分の国の言葉にもできないようなものが身につくはずがない(養老)

戦後、この国は、人の心を安定させるものを、かなり潰してしまった。
新興宗教が強いのも、コミュニティの貧しさと関係している(東)

「九条」に限らず、日本は整合性をつけることへの欲望がない(茂木)

日本経済が30年も停滞している理由は、
もう作らなくていい、壊さなくていい、という暗黙の民意なんじゃないか(養老)

被害の記憶を伝えたいなら、震災の日だけでも実際の津波の映像を流したほうがいい(東)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

普通は敢えて考えないようにしている難しい問題。歪んでいても日常生活は支障ない(もしくは支障ないものとして打ち捨てておける)。
自分自身で考えられない私のような人間は、このような本を読むとなるほどなぁと大いに感心し、勉強になる。
立派な先生方のおっしゃることをある程度は理解したり共感したりすることで、自分は我が国の抱える問題について無関心ではない、どちらかというと意識高い系の人間であるかのように思ってそれだけで満足感を得ている部分もあるが。
歪みを持ってるのは日本だけじゃないと思うし、歪みについて偉い先生方が鼎談したところで解決するものでもないだろう。しかし、ちょっと立ち止まって考えるのは意味があると思いたい。
この本が多くの人に読まれるといいと思う。
個人的には3人の中では養老先生が好きだ。

0
2024年07月27日

Posted by ブクログ

1人ずつの考えが面白いのに、3人まとまったらどうなるんや?って思いながら読んでました。

幅広いテーマで日本のことを考えられるのでおすすめです。

0
2024年05月01日

Posted by ブクログ

ふわっと読んでも面白い本。ああ確かに、日本ってそうなのかな、と素直に納得できる所が多い。東さんの本をいくつか読んだ流れで読んだが、養老先生の本をこの流れで読んでみたい。

0
2024年01月25日

Posted by ブクログ

養老先生の人生観は時代から来るものだとしみじみと感じました。三者三様ですが鼎談で多岐に渡る分野をこんなにも深くわかりやすい形で言葉に出来るのは素晴らしいです。示唆に富む素晴らしい鼎談です。編集も良さそうです。注釈の配置は常に左のページにあるので読みやすいです。

0
2023年11月16日

Posted by ブクログ

この三人の鼎談は、奥行きもしなやかさもあって実に面白い。
不快なものは不快。
関係ないものは無理をして理屈をこねることもない。
黙っていてもいいが、態度 行動で表すには、腹を据えたり超越する必要があるな。

0
2023年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代社会は様々なことが複雑に絡み合った歴史的必然。境目に災害。今日は先の大戦の記憶が薄まってきている。加害者と被害者を分けることが有利な世界。凡庸な悪。宗教と習俗は切り離さず、完全な政教分離は無理。追悼は常に二人称、普遍的な追悼はなく、宗教色のない追悼もない。本当に公のことは私でやらなければならないねじれ。日本のリベラルは世論に叩かれることを言わない。謝っても改善しないのはよくあること。歴史過剰。子どもが生まれないのと虫が減るのは原因同じ。余るくらい大量に餌をあげることが繁殖のトリガー。

0
2025年11月08日

Posted by ブクログ

日本の独特さ、を幅広い知識を元に対談。
豪華な3人が、歴史も紐解きながら話し込む内容は濃密。また読みたい。

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ

日本の歪みは、明治維新後の急速な西洋化だけにあらず、日本人の国民性や言語に宿る意識、文化にもありそうだと思った。
養老孟司氏の戦争から戦後に起きたさまざまな出来事への感想がサラッとしていて面白い。

0
2024年09月21日

Posted by ブクログ

この辺りの『知』に触れると、過去に学んだ日本史や日常見るニュースは、いかに表層だけしか見ていないかがわかる。


明治維新と第二次世界大戦で、2度価値観を変えねばならなかった日本。
うまく新陳代謝したわけでは無く、それもまたやむなしと受け入れたものの歪みの上に構築さ、矛盾に満ち成熟せずに時間だけがたって、国力がどんどん落ちている。
果たして未来はあるのか⁉️


【怖い話】
ここ30年で世界の昆虫が8割減ったらしい。人口減と原因は同じ。

南海トラフ地震、首都圏直下型地震が起きて日本の経済が壊滅的にダメージを受けたら、巨額の資金わ中国に頼らざるを得なくて、属国になるしかない。

0
2024年05月05日

Posted by ブクログ

この本の題名は『日本の歪み』ですが、もう少し丁寧に言うと「戦後日本の歪み」です。東さんが戦後論を提示して、養老先生に意見を聞くという内容になっています。茂木さんはときどきTwitterと同じ人とは思えないくらい、養老先生の話に上手に補助線を引いています。
この「戦後日本の歪み」を簡潔に表現するなら、日本の文化の上にアメリカ主義を継木してしまったことです。そこに無理があった。しかし、経済発展によりそれが「上手く行った」と見なされ、後戻りできなくなった。そのディレンマが歪みの正体だというわけです。
もちろん、こうしたディレンマは初めてじゃない。明治維新がそうだったし、古くは中国との関係がそうでした。むしろ、それが日本という国の形を作ってきたと言ってもいい。では、どうやってそのディレンマが解消されたかというと、「天災だ」というのが養老先生の考えです。
歴史は「政治が世の中を動かしてきた」という物語を語ります。しかし、それはどこまで本当か。大正デモクラシーから軍国主義への傾倒の間には、関東大震災がありました。江戸時代の倒幕運動の前には、安政の大地震がありました。『方丈記』にも京都の大地震が描かれ、その後に武家社会が到来します。これらの歴史への影響は分析されていません。
2038年までに、70〜80%の確率で南海トラフ地震が来ると言われています。そこでこれまでのシステムが「ご破算」になることで日本は大きく変わるといいます。それが「良いか悪いか」ではなく、そうならざるを得ないだろうと。
「大事なのは平和ではなく日常」という言葉が印象的でした。右だの左だのというイデオロギーは、食べるものに困れば意味をなしません。「どうやって生き延びるか」という地に足の付いた考え方が、これからは必要なのかもしれません。

0
2024年04月06日

Posted by ブクログ

さまざまなテーマでの対談は、とても刺激的で興味深かったです。私には難しい部分が多かったですが、勉強になりました。

0
2024年03月18日

Posted by ブクログ

養老孟司、茂木健一郎、東浩紀による鼎談。3人の議論は噛み合っているようで噛み合ってないような。東さんだけが何とか議論を前に進めようとしている感じだけど、養老さんは超然としていて受け流す感じ。自然のように捉える姿勢が徹底していて人為的なものに対する価値が著しく低いのだろう。
このあたり、いまの新自由主義とリベラル的な価値観の狭間での行動の難しさを表現してしまっているような気がした。

0
2023年12月12日

Posted by ブクログ

東大卒3人による対談。時々小難しいことを言う笑。
養老さんみたいに、あいつなら何言っても許される。その域に達したいもんです。
だって日本に大地震がきて、復興するには中国の属国になるしかないなんて言ったら「炎上」間違いなし。

0
2023年12月09日

Posted by ブクログ

日本で生きるなかで「これって違うんじゃない?」と思うような違和感や歪みが、指摘・言語化されてるから読んでいてスッキリする。
3者それぞれの思想や主張も強いが、客観的に見た意見もしっかり入ってるからバランスが良く読み易い。そして読み応えもある。
議論の余地がある話題が多いからこそ、読みながら自分の意見を考えたり、思考を深めることが出来る、とても考えさせられる本。

0
2023年11月26日

Posted by ブクログ

歪みについての考察。さくさく議論が進むので読みやすかったです。

西郷隆盛が日本の歪みを背負い、最期を迎えたという見方を興味深く読みました。

また、「何歳の時に何を経験したかという心の地層としての世代論」という整理がおもしろく、これからの自分のものの見方に活用していこうと思いました。

0
2023年10月31日

Posted by ブクログ

明治維新、戦後の日本の歪み・矛盾について鼎談という形で3人で掘り下げている。言葉の曖昧さと、言葉の解釈の話が多かった。日本あるある、日本人の傾向みたいな話がよく書かれていて面白い。
憲法に限る話ではないが、言葉と現実が1対1で対応することはなく、いかようにも解釈できるという話が印象に残った。
養老先生は達観されていて、まあ自然にゆだねるしかないし、起きた事象も自然現象にすぎないよね、という考え方で、むしろZ世代のような現代的な若者の考え方に近いような、年齢が離れているのに一巡りしている感じがしていて面白かった。

0
2025年06月22日

Posted by ブクログ

もう少し踏み込んだり、解の提示があるかと思ったけど、対談という形のレベル感だった。とはいえ、日本人や日本のあるあるには共感したし、それを持つ私はどうするか?という気持ちにはさせてくれた。

0
2025年04月15日

Posted by ブクログ

明治維新後の日本史を紐解きながら、日本社会のさまざまな矛盾を指摘して、現代社会の「生きづらさ」の原因に迫る対談集。
天皇・戦争・憲法などのトピックは、学校の授業で「歴史はこういうものだ」と習って、機械的に「そういうものだ」と覚えたため、議論することも無ければ、問題にすら感じていなかった。そのため、私はいろいろな矛盾に気づくことができない。また、複雑に絡み合う事情に正面から向き合う知力が無いので、何となく「生きづらさ」だけを感じてしまうのだろうか。一方で、単純化して発信されるような情報に飛びつきやすい(イチイチ反応しやすい)のかも知れない。
教養があり、ウィットに富んでいる3人の対談がスピード感を持って進む。脱線するというよりも、議論が広がりと深みを見せていくイメージ。例えば、文化の形成過程とイノベーションの類似性、さらには税金を巡る大学の存在意義まで、次々と展開していく部分などが挙げられる。
正直なところ、何を仰っているのか少し難しい部分もあったが、言葉の捉え方や視点が独特で、「ここでこう来るか!」と、俊英たちの思考回路に驚かされた。

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

歪みは相対的なものなのか絶対的なものなのかよくわからなくなってしまった。「矛盾」=「歪み」なのか、ただ矛盾を孕んだ状態というのは必ずしも歪みではない気もする。
この様な批評家的な方々いるのは否定しないものの、全体的に漂うペシミスティックな感じが、自分には合わない気がした。

0
2024年02月23日

Posted by ブクログ

日本社会での生きづらさや居心地の悪さについて論じていた。言葉と現象が違うものになっているのではという話は面白いと思った。一生懸命になれるものを見つけるというところは一つ救いになっていた。

0
2024年02月05日

Posted by ブクログ

独特の視点で論理を組み立てる3者による鼎談。
脳科学者の茂木健一郎が、解剖学者の養老孟司、評論家の東浩紀の意見を引き出しながら、日本がどんよりと浸かっている諸問題に切り込んでいく。3者3様の取組み、話し方に考え方の基盤が垣間見える。共通点を求めることでなく、自由に持論を披瀝し合うことで、お互いの理解を深めていく。読者は、その雰囲気のなかで共鳴するなり、反発するなり、自由な読み方で臨める。諸外国と比べたときの我が国の独自性が感じられてくる。

0
2024年01月13日

Posted by ブクログ

何でこの本を手に取ったか忘れてしまったが、軽快に読め、たくさんの教養から導き出される会話が興味深く面白かった

0
2024年01月02日

Posted by ブクログ

非常に理屈っぽい三人の対談。意味が私には理解できない部分も多々ある。養老先生が、「日本は首都を襲った地震の度に社会変革が起こった。」とおっしゃっているが、次回、首都を襲う地震が起きたら、どうなるのだろうか?

0
2023年11月11日

Posted by ブクログ

ゲンロンカフェでのトークイベントの書籍化と認識される。養老さんは抽象的形而上的な議論に乗らず徹底的に個人の実感に依拠せんとしていると感じた。国とかイデオロギーとか考えてもしょうがないから、自分の生活を考えること。ハンナアレントの真逆かもしれないが、今の雰囲気に対しては、養老先生の言葉の方がよい処方箋かもしれないと感じた。

0
2023年10月07日

「社会・政治」ランキング