【感想・ネタバレ】ひとはなぜ戦争をするのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年04月21日

今こそ読みたい一冊。
この手紙から90年近くが経った今、科学は理系も文系もフロイトの時代と比べて遥かに進歩した。取り得る手法も多い。21世紀に生きる我々はこれまで軽視されてきた人文科学の叡智を結集させて乗り越えていきたい。全員がグレタに。

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Posted by ブクログ 2022年04月07日

「判決に絶対的な権威があり、自らの決定を力ずくで押し通せる国際的な機関、その実現はまだまだおぼつかないものです」(pp. 12-13)と、アインシュタイン。ロシアとウクライナの戦争に際した国際連合をみても、やはりそのように思われる。国際的な機関によって平和を実現するにあたっては「各国が主権の一部を完...続きを読む全に放棄し、自らの活動に一定の枠をはめなければならない」(p. 13)のだが、それは現在では実現しておらず、また近いうちにそうなる見込みもない。さて、どのようにして平和は実現されるのか。
個人的は、フロイトの答えはひとつの真実であるように思われるけれど、少し楽観的なようにも思われた。彼は「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!」と、希望的な言葉で自らの議論を締め括ったけれども、はたしてそれで戦争がなくなるのが先か、それとも(人間の)世界が無くなるのが先か。
とはいえ、二人の議論はとても明快だし、いろいろと考える切り口を与えてくれる。フロイトの主張も、自分が持っていたフロイトへのイメージに反して、筋が通っているように思えた。

解説は二人ともクセが強い人(と私は思っている)ので流し見た程度。本編はアインシュタインもフロイトも読んだことがない人でも理解できるのに対し、解説は養老孟司や斎藤環を読んだことがある人でないと読みにくいように思われる。なので、読んだことがあって、かつ好きな人であれば読むといいし、そうでなければ読まなくていいと思う。

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Posted by ブクログ 2019年02月07日

物凄く面白かった。こんな本があったなんて。
国連がアインシュタインに今意見交換したい人と書簡を交わしてくれるよう依頼し、アインシュタインが選んだのはフロイトだった。
2人はタイトルのテーマについて一度きりの書簡を交わして、一定の答えは提示してくれている。テーマもさる事ながら、ふたりの関係性や性格が書...続きを読む簡から読み取れ、大変に面白い。ページ数少ないが大変満足。

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購入済み

このような書は出版すべき

せいんかみゅかみゅ 2017年08月10日

ナチズムの中で埋もれていた、アインシュタインとフロイトの対話集。再発掘してくださったことに感謝。出版してくれてありがとう。

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Posted by ブクログ 2017年01月13日

解説2編も含め、現代にとって非常に示唆に富む本だと思います。4人の科学者の考え方に、それぞれ賛否は出るかもしれませんが、人間というものや社会というものを理知的にとらえ直す機会になりますし、では私はこの世界でどうあればよいのか?と見つめ直す機会になると思います。

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Posted by ブクログ 2016年09月11日

戦争を防ぐためのフロイトの持論をまとめると「強大な中央集権的な権力のもとで、人と人の間の感情と心の絆を作り上げる」。中露は前者はあるが後者はない。日米は後者はあるが前者がない。これではいつ戦争が起きてもおかしくない、ということか。アインシュタインの問いにはなかった、フロイト自身の関心ごとが興味深い。...続きを読むひとは戦争をする一方で、戦争に強い憤りを覚える。この矛盾の背景には文化の発展が人間に押し付けた心の在り方が関連するのでは、と、逆にアインシュタインに宿題を出してるようにも思えた。

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Posted by ブクログ 2022年04月18日

P54〜:心理学的な側面から眺めてみた場合、文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つ
①知性を強めること(力が増した知性は欲動をコントロールしはじめる)。
②攻撃本能を内に向ける。
①②のように文化の発展が人間に押しつけた心のあり方によって我々は戦争に対して単なる知性・感情といったレベルではなく生理的...続きを読むなレベルで拒絶するようになる。

本文はもちろんですが解説も興味深く読んだ。
フロイトが終盤に文化の力への強い希望を表明していることが非常に印象的。

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Posted by ブクログ 2021年12月23日

20世紀を代表する天才であるアインシュタインとフロイトが、戦争について書簡を交わしていたとは、大変驚いた。「ひとはなぜ戦争をするのか」については、様々な意見があると思うが、本書はその答えの一つを知ることができる。自分にとっては、とても腑に落ちる見解であった。

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Posted by ブクログ 2020年08月14日

少ないページでしたが、2人の手紙のやり取りを読むことができて嬉しく思います。
特にフロイトが最後に語っている文化の発展が人間に押し付けた心のあり方が戦争と対立すると言う安心感のある意見でした。
また後日、ゆっくり読みたいと思います。

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Posted by ブクログ 2020年07月19日

人間の本性ゆえに戦争はなくならないとする二人の考えはほぼ全面的に一致。
フロイトは、タナトス(死の欲動)があるかぎり人間の攻撃性・暴力が取り除かれることは不可能だが、
文化の発展が人間の肉体や心のあり方に変化をおこし、それにより戦争をなくす方向に人間を動かすと期待できると。

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Posted by ブクログ 2020年05月12日

人はなぜ戦争をするのか
エロスとタナトスによるところである。
人は愛するという欲と破壊(支配)したいという両方の欲を持っている。
これにより、人は戦争を止められないでいる。
反対に、戦争を嫌うのは文化的なものという。
恐らく、戦争は悪いこと、人を殺すことは悪いことと多くの人が思っているから、そのよう...続きを読むな文化になったのだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2019年05月03日

人間の生と死への衝動は、戦争したい動機付けに馴染んでいる。知識や文化が戦争を抑止する。とても納得、そしてこの二者のやり取りを国際連盟が促していたという点も興味深い。
後書きの養老氏斎藤氏の戦争やテロへの脳科学、精神分析も一見の価値があった良いに思う。

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

 これは,あの相対性理論のアインシュタインと精神分析のフロイトとの往復書簡である。国際連盟がアインシュタインに依頼して実現したらしい。
 たった1回きりの書簡で,とても短い手紙だが,二人の著者に触れたことにある者としては,なかなか興味深い。
 本書には往復書簡以外にも,解説が充実していて,こちらの方...続きを読むの内容が濃いと思うかもしれない(実際,わたしは,そう思った。手紙自身は,その珍しさから読んでみたくなる)。
 一人は養老孟司。もう一人は斎藤環氏。本書の半分以上のページを使っての解説である。二人の書簡の現代的意味を説き明かしてくれて,なかなか読み応えのある解説だった。

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Posted by ブクログ 2018年08月12日

以前読んだ、似たようなタイトルの、フロイトの講演録よりも、タナトス(死への欲動)について、あるいはタナトスを巡る問題について、しっかり論じられているように思う。斎藤環の解説もわかりやすい。

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Posted by ブクログ 2018年01月20日

1930年代に国際連盟の企画により、物理学者であるアインシュタインと精神医学者のフロイトが交換した手紙を書籍化した作品、テーマは「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」である。

アインシュタインからの問いにフロイトが応える形となっているが、アインシュタインの考えでは元々人間には破壊...続きを読む的な欲求があるのだという事、そして戦争を避けるためには絶対的な権力を持つ国際機関が必要で、加盟国は一部主権を放棄しなければならない、という内容。

それに対しフロイトは、戦争というテーマが自分には、そしてアインシュタインにも重たすぎると前置きしたうえで、返事を綴っている。フロイトの長い手紙を要約するのは難しいが、人間の文化度を高め欲動を抑える事により争いが治まる、といった感じの内容(だったと思う…)

イデオロギーの違いや資源の奪い合いなど、戦争となる理由はたくさんあるが、貧富の格差による不満の鬱積なんかも、大きな要因の一つなのではと思う。つまるところ、人に欲求がある限り争いは避けられず、世界中の人々が同時に一瞬で悟りを開けなければ、戦争は無くならないんじゃないでしょうかね。

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Posted by ブクログ 2017年09月08日

アインシュタインとフロイトが戦争について手紙を交わすという事実だけですでにお腹いっぱいになりそうな内容だったが、交わされた内容も現代、とりわけ今に大きなヒントがあった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年09月09日

1932年にアインシュタインとフロイトとが「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」をテーマに交わした書簡。
戦争がなぜ無くならないのか、その複雑な問題の根底に潜む問題は、人間の心自体にあるとアインシュタインは考察する。人間には憎悪に駆られ相手を絶滅させようとする欲求がある、と。では...続きを読むどうすれば、とアインシュタインはフロイトに問う。
対し、フロイトはこう意見する。
人間には2つの欲動、「生への欲動」と「死への欲動」がある。後者が外の対象に向けられると破壊欲動になるが、この攻撃性の内面化が強過ぎると自らに危機を及ぼしてしまう。結論。「人間から攻撃的な性質を取り除くことなど、できそうにもない!」が、人間の攻撃性に戦争とは別のはけ口を見つければ良い。また、人と人との感情と心の絆を作り上げ「生への欲動」を読み覚ませば良い。
さらにフロイトは問題提起する。戦争は自然世界の掟に即している。なのになぜ強い憤りを覚えるのか、と。そしてそれは、心と体が反対せざるを得ないからだ、とフロイトは主張する。文化の発展によって心と体を変化させられ、こうしたあり方を押し付けられるのだ、と。
文化の発展が生み出した心のあり方と、将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安とが人間から戦争を消していく、これがフロイトの意見である。
これを読んだ私の意見は、gameが果たせる役割は大きいだろう、ということだ。スポーツであってもテーブルゲームでもネットゲームでも。gameは攻撃性を消化させるばかりでなく、相手への共感と敬意も生むことができるからだ。
ISのメンバーも調べるとオウム同様に意外とインテリ層が多いと聞く。是非彼らとgameとの親密性について知りたい。

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