【感想・ネタバレ】ひとはなぜ戦争をするのかのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月11日

1932年、国際連盟からの依頼が物理学者であるアルバート・アインシュタインにとどく。「今の文明において最も大事だと思われる事柄を、一番意見を交換したい相手と書簡を交換して下さい」、選んだテーマは「人はなぜ戦争をするのか」、選んだ相手はジグムント・フロイトであった。アインシュタインは権力と人間の本能的...続きを読むな欲求提示する。フロイトは、暴力とそれを止めることのできる国際機関の設立を願う。しかし、わかっていることがある「人間から攻撃的な性質を取り除くなど、できそうにもない!」。100年近い時間が経過しても、人間は進化せず戦争を繰り返している。さらにフロイトは問いかけます。「すべての人間が平和主義者になるまで、あとどれくらい時間がかかるのでしょうか」。何を進めていけば平和に近づくのでしょうか。フロイトの結論はこうです、「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩みだすことができる!」文化という言葉が正しいのかわかりませんが、お互いを正しく理解して尊敬をすること、それを文化もしくは文明と呼ぶのでしょうあ。国際的な交流や、その国へ旅行してその国を知ること、そこで生きている人間をしることが戦争を回避できる、そのような人間が国の中で増えていく。本書を読んで、戦争について深く考えることができました。そして100年たっても人類の根本的な問題は簡単には変わりえないことを確認しました。いま地球上で起きている不幸な戦争や紛争がお互いを理解することで早く終焉に向かうこと、新しい戦争が起きないことを心より願います。

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Posted by ブクログ 2023年01月05日

 アインシュタインとフロイトが戦争をテーマに議論を交わした手紙について。
 冊子の薄さと、文章の平易さから読むことを決めた。しかし、テーマと内容は決して浅くない。もちろん紙面上の限界はあるため深く掘り下げきれないところもあるが、国際機関の存在や文化による啓蒙など戦争を起こさないようにさせるための人間...続きを読むの試行錯誤について述べることを通して戦争論にアプローチしている。
 権利や権力(暴力)の取得とその変遷、少人数による支配と多数による支配が表裏一体であること、などの分析が興味深かった。

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Posted by ブクログ 2022年11月22日

アインシュタインとフロイトの書簡による対話(解説:養老孟司、斎藤環)。「人間から攻撃的な性質を取り除くのは、できそうもない」という意見は確かになと思う。場の空気を読むことも、同調圧力として誰かを攻撃することはあるはずで、「人と人のあいだの利害の対立、これは基本的に暴力によって解決されるもの」という言...続きを読む葉が重く響いた。弁論は「法による支配」下での攻撃になるし、常に何かしらの暴力は付きまとう。

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Posted by ブクログ 2023年11月23日

アインシュタインとフロイトの一往復書簡。短いながら示唆に富むと思いました。

アインシュタインの「仕組みをつくればよくない?戦争がなくならない意味がよくわからない」という立場、フロイトの「人の性質は戦争を求める面もある。どうすれば戦争なくなるかについて、なぜ戦争を嫌悪するのか考えるとわかるんじゃない...続きを読む?」という示唆など、戦争について(それも、戦争をなくすことについて)考えると行き当たるようなテーマが密度高く取り上げられています。

一方で解説であらたに検討されている人口の影響や、システム化とそれへの反発という観点は、うーん。養老先生さすがです。

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