養老孟司のレビュー一覧
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養老孟司さんの作品で初めて読んだ本。内容の把握が難しいところもあったけど、面白いところもあった。動物からみる「感覚的」な話が良かった。
例えば、a=b、b=aというと、人間は当然aとbは全く同じという「意味付け」をする。しかし、動物は視覚的に捉えるので、両者を全く別のものに見ている。もっとわかりやすくいうと、リンゴが100個あったとすると、人間はリンゴという一つのカテゴリーに入れるが、動物からみると1個1個違うものと認識する。
猫ちゃんの「まる」がとにかく可愛いかった。癒された。
印象に残った言葉
●違いがわかるようになること、それは発見。同時に「自分が変わる」ということ。
●自分が変わる -
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Posted by ブクログ
碩学の大巨匠のお二人が
あっちやこっちへと
放談しながら
きちんと 的を得たところに
着地するのは 流石です
最後の方で
養老さんが
ー若い時は「自分が」というものが大きかった。でも、 年を取ってくると、だんだん「自分」が小さくなって、相対的に「周り」が大きくなってくる。
それにこたえて、
池田さんが
ー「世のため、人のため」にならない年寄りが多いけどな。年を取っても、いつまでも自分、じぶんというやつが。
と返しておられる部分がありますが
いゃあ ほんとに おしゃる通り
と 思うことが多いので…
いやはや
かなり 爽快な読後感であります -
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Posted by ブクログ
『養老先生ときどきまる』から養老孟司ワールドに入った自分などは「骨つぼをたたいてる」で泣くしかありませんでした。帯にも、最後のページにもまると養老先生の仲睦まじいツーショットがあって、喪失感がおし寄せてくるようでした。病気とコロナとペットロスでだいぶ打ちのめされていらっしゃるように感じました。
たくさんの思い出話、社会のこと、戦争のこと、家族のこと、自分のこと、まるのこと。科学者の立場から世相を問いただしてきた壁シリーズとは、結局、養老先生の私小説だったのではないかと思わずにはいられない内容です。自分は一方的に先生の本を読んでるだけの赤の他人ですが、はやく虫取り旅行などして元気になってほしい -
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解剖学者としての著者がさまざまな機会に発表したエッセイをまとめた本です。
著者は、『唯脳論』(1998年、ちくま学芸文庫)や『バカの壁』(2003年、新潮新書)といった著作で、独創的なものの見かたを示し、多くの読者を獲得しましたが、その出発点となった思索が随所にうかがえるという点でも、興味深い本だと思います。
著者は「物の見方」について、「その叙述の内容そのもの」と、「その叙述が、ある状況で、ある人によって、どういうふうにか、なされたということ」という二つのとらえかたがあるといいます。このことが、形式と内容と言い換えられ、その後著者の独創的な思想へと展開していくことになるのですが、本書では -
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子どもたちの為に本当に必要なこととはなんなのか。
それを各々に追究した識者たちの対談です。
システム化に偏りがちな世の中では、子ども達が自分で気づき、考え、行動する能力を摘み取ってしまう場面が多く、私自身育児の中でそういう傾向に傾いていることが多いと反省しました。
できる範囲で自然に触れさせ、さまざまなものに触れあわせ、失敗も成功もたくさん経験して、人生に熱中して欲しいと思いました。
そして子どもたちへの環境を整えてあげることの重要性を再確認しました。
適度なストレス、あらゆることにチャレンジする機会、そして子どもが安心できる居場所として揺らがずに在ること。
親としてできることはささやかに環境