【感想・ネタバレ】からだを読むのレビュー

あらすじ

自分のものなのに、人はからだのことを知らない。からだの中を見るなんて、とんでもないと思っている。そのくせ「人体はよくできていますね」などと言う。よくできているのなら、なぜ喉にモチを詰まらせて死んだりするのか。生きるために必要な食べるという行為によって、これまた不可欠の呼吸を妨げて死ぬ。そんなバカなことがあるものか……。口からはじまって肛門まで、知っているようで知らない人体内部のディテールを多彩な図版とともに綴った医学エッセイ。養老流解剖学入門。

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Posted by ブクログ

口から肛門までを解剖学者が一つ一つ説明した本。
口から肛門までは一つの管であり、解剖学的に分けてももともとは一つのものともいえる点が面白い。すなわち、解剖学の歴史は、解剖するごとに器官に名前を付けてきた点で、分節の歴史といえる。

また、著者の思想が一般的なものの見方に別の切り口を投げかけている様子が随所にみられる。フィールドサイエンスとしての解剖学がディテールにこだわること、つまり単純化して物事を理解することはできないということ、などの考え方がその思想背景にある。

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2021年03月10日

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全体的に満足ですけど、特に舌、口、喉あたりの章がすっごい面白かった!鏡を片手に読みましたよ。自分の物を食べながら読んだときもあって、そのときは舌の動きを意識しながら食べましたよ。養老さんがやってみろ、と言うことはやってみましたよ。私も人間の体はよくできてるな〜とか思っていたタチなんで、気道と食道について指摘されたときはショックを・・。でも、だからこそ喋れるのであって・・・よくできている、とは思わなくなったけれど、やっぱり人間の体は面白い。それに養老さんも面白い。彼のアフォリズムに口がニヤニヤしてしまった。「口惜しかったら、ツバを飲みながら息をしてごらんなさい。君がブタならそれは可能だが、君がヒトなら不可能である。」とか、マジ笑った。わからないものはわからない、とハッキリと言ってくれるのも好き。調べたくとも時間がない、とまで言っちゃっている。もちろん専門用語などは読んでるときは覚えようと思っても、数日後には忘れてしまう。解剖学を学ぶ学生すら、一度や二度では覚えられない。それでも、生きていくうえで、最大のパートナーである自分の体をちゃんと見つめてみようと思える。それに、人間を解剖しようとした理由が「言葉」に対する執着からだというのにはビックリした。もう、本当に学んだことが多かった一冊でした。

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2009年10月07日

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養老さんの新書の中で一番面白かった。からだを解説しつつ、だから人間はこういう風にしかふるまえないんだなぁとということが学べる。

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2009年10月04日

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高校生物や医学系の解剖学の基礎知識程度が無いと読解するのに少し何がありそうな気もする。
予備知識のない人が咽頭だの腹膜だの門脈だのと言われて、簡単な説明だけでその場所や働きをすぐにイメージできるだろうか?

ある程度、解剖学や生理学や生物学の知識があり、それらについて少なからず疑問を持っている人にとっては、なるほど、と思う考察があるのではないかと思う。

予備知識のない人は、知らない名前が出てきたらスマホなどで調べながら場所や形や働きを確認しながらゆっくり読むとよいだろう。

現代人はほとんど性と金という狂気に冒されているので、純粋な知性に触れることで洗心できるのではないだろうか。

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2023年02月02日

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養老さんの本は、学術的なんだけども分かっていることだけをつらつらと述べるわけではなく、分かってないことは分かってない、少なくとも自分は知らないということを正直に書いてくれているので自分には非常に面白く読める。

解剖の教科書にも同じようなことが書いてあるかもしれないが、そこには判明していることしか書いていない。これこれがこうだからさあ覚えろ、という内容だけ。
まあ、教科書だからそういうスタンスじゃないと成り立たないんだけども、はっきり言ってつまらないし、ほんとに確実に合ってるんだな!と思うときもある。実際、人間の体に絶対なんて無いわけだし。

だから、大腸と小腸の違いは結腸ヒモが三本合って腹膜垂がついてるのが大腸だとか、教科書的にどんどん羅列されるより、時間がかかっても養老さんの本を読んでいる方が身につくと思う。

からだの仕組みはこうなっているけれども、なぜこうなる必要があったのだろうか、と読者も一緒に考えさせてくれる、想像力の大切さを分からせてくれる本。

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2012年10月11日

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解剖学が専門の養老孟司氏が、口〜肛門までの消化器官を解説した本。
病気になれば別だが、自分の体であるにも関わらず普段は全く意識しない体の内部。
それを新書レベルでわかりやすく解説されています。
読んでみて、初めて知った事実も多く面白かったです。
現代医学では、こういう構造になっているということはわかっても、どうしてそうなっているかは意外とわかっていないものなんですね。
時々つぶやきのように入る、養老節のコメントも必見です。

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2013年08月09日

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[ 内容 ]
自分のものなのに、人はからだのことを知らない。
からだの中を見るなんて、とんでもないことだと思っている。
そのくせ「人体はよくできていますね」などと言う。
よくできているなら、なぜ喉にモチを詰まらせて死んだりするのか。
生きるために必要な食べるという行為によって、これまた不可欠の呼吸を妨げて死ぬ。
そんなバカなことがあるものか…。
口からはじまって肛門まで、知っているようで知らない人体内部のディテールを多彩な図版とともに綴る医学エッセイ。

[ 目次 ]
口と肛門

唇とその周辺


口の天井と床

舌とことば

呑み込む
食道

胃と十二指腸
小腸
小腸から大腸へ
肝臓
肝臓と胆嚢
膵臓
大腸
直腸

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月30日

Posted by ブクログ

消化器系のお話。
分子レベルにまで分解しないと体に取り込めない(タンパク質→アミノ酸、多糖類→単糖類)、消化器管は体の外だ。。。
完全に分子レベルにまで分解して取り込むなら、安全ですもんね。よくできてる。
なのに、アレルゲンを食べるとアレルギーを起こすことがある・・・おもしろい。

「分子レベルに分解しないと~」・・・ここにちょっと引っ掛かりました。水に溶ければ、分子レベルに分解しなくても取り込めるのかもしれない、と思ったのです。どなたか教えてください。

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2020年05月08日

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身体について、解剖学の検知から養老先生が解説してくれています。
身体の口から内臓、腸にいたり肛門につながる各部分をそれぞれ解説しています。

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2015年04月20日

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養老孟司が、専門である解剖学について一般の読者に向けてわかりやすく解説した本です。

最初に、解剖学では実体のない「口」という用語を、正式には置いていないことに触れて、人体の各構造を分解し名づける解剖学という学問における言葉の問題に説きおよんでいるのは、この著者ならではという気がします。

そのほかにも、著者の持ち味である「空とぼけ」のユーモア精神が随所に発揮されており、あまりなじみのない分野の本であるにもかかわらず、たのしんで読むことができました。

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2024年04月20日

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タイトルに惹かれて読んだのだけれど、やはり耳慣れない専門用語のせいか、あまり頭に入ってこなかった。
たまに出てくる比較解剖学の話し(他の動物との比較)は、興味深かった。
前半部分に「たまには身体のことを考えてみたら、というのが、私の提案である」とあるように、私自身自分の身体についての無知を反省し、身体について考えてみようと思ったのだが、もう少し難易度の低い本から始めた方がよかったと思った。

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2014年04月29日

Posted by ブクログ

学校で習うレベルで消化器官について復習。全部まとめてくれた本を探していたのでピッタリの内容でした。丁寧な解説と図を用いてすごく分かりやすいのです。また、同時に話の進め方も秀逸でどんどん引き込まれました。著者自身の考察も興味深くかつ鋭いです。ずっと手元に置いておきたい一冊。

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2012年09月17日

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2011/04/12
鼻周辺だけ読みたかったからかなり飛ばしたけどおもしろかった。
豚は呼吸しながらメシが食えるとかすげー。

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2011年04月12日

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人体解剖学の一般向け解説書の体裁だが、所々で余談のように挟まる著者の感想や言葉がアフォリズムとなってキラリと光る。

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2009年10月07日

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英語のlipが唇のまわりも指すということは鈴木孝夫さんの『ことばと文化』で有名になったが、解剖学での唇がそれに重なっているという指摘は驚きだ。でも、この本途中で終わっているという感じですね。

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2009年10月07日

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