【感想・ネタバレ】養老孟司の人生論のレビュー

あらすじ

「どうしたら『生きられるか』、そんなこと、私に訊かないでください。わかるでしょ。その疑問に『自分で』答えること自体が、『生きる』ってことなんだから」(本書の第10章「若いころ」より)運、寿命、家族、仕事、学問、科学、医療、宗教、世間、日本人……。死から語り始める養老流「逆向き」人生論。 〈目次より〉◆本当に死んでしまったら、怖いもクソもない ◆私にとっては「死」ではなく「死体」こそが現実 ◆だれだって死体になる ◆すべての患者はかならず死ぬ ◆寿命は運。私は専門家におまかせします ◆共同体を消すことが「進歩」だった ◆本質的に変わらない「私」なんて、ない ◆個性は心にはなく身体にある ◆「世間」が西欧近代的自我の怪しさを教えてくれた ◆「世間という大きな書物を読むために」研究室を出た ◆私の価値観が確立した瞬間 ◆テーマが勝手に増える ◆フリーターになりたかった ◆戦争か飯か。私はぎりぎり、飯をとった ◆利口な人はアメリカかヨーロッパへ行った ◆論理より「いろいろ」が好き。全体をつかみたい ◆解剖を選んだ理由 ◆すべての結果が自分に戻ってくる ◆世間が激動すると科学者と技術者が輩出する ◆本当に自分で学問をするということ ◆非日常より日常を、独創より平凡を、選ぶ ◆「脳という方法」を使う ◆フツーを重ねるとトクベツになる? ◆選ぶのは対象ではなく方法、と決めた ◆「あたりまえ」は意外にむずかしい ◆自己チューの社会的意味 ◆純粋行為はトイレでの小便と同じで、枠が必要 ◆宗教は新しいほど危険 ◆「俺の本って、お経じゃないか」と思った ◆科学はキリスト教の解毒剤 ◆考えるためにはこだわる必要がある ◆ファーブルはハチに徹底的にこだわった ◆単純な解答はたいていウソ ◆日本というヘソの緒が切れない ◆「人間」じゃなく「人」になろうと努力してきた ◆「生きる」ことがわからないはずがない ◆人一倍世間を気にする「変わり者」 ◆この国は「自分流より世間流」 ◆世間と格闘するうち、自分も世間も変わってきた ●本書は、『養老孟司の人生論』(『運のつき』の改題・復刊)を、装い新たに文庫化したものです。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日本人は異文化から見ると生きていないように見えるのか。
世間に生きている、という表現は腑に落ちました。自分がどうしたいかよりも、周りからどう見えるかを優先してしまうことってありますよね。

心に個性はなく個性は身体性に宿る、という話も印象に残りました。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

世間と人生について考えていた。世間に合わせていると自分がなくなる感じがするが、そういうことかなと思った。「世間で生きる」ときと「自分流に生きる」ときとのはざまで揺れ動く養老先生の考えが聞けて、とても勉強になった。

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

この本は、昔『運のつき』という題名で、マガジンハウスから出た本です。久しぶりにこれを読んで、養老先生の人生観はどういうものか、それがしみじみわかった気がしました。
養老先生のことを、論文も書かないし、「学問とは何か」「解剖とは何か」「言葉とは何か」みたいな抽象的な議論をしている人、というイメージを持つ人もいると思います。しかし、先生は戦争と大学紛争を通っている。東大の助手時代に、「この非常時に暢気に研究とは何事か」と、学生が乗り込んできた。
本書の表現を借りれば、戦争でも兵隊は飯を食わなくちゃならない。「戦争か、飯か」、先生はぎりぎり飯をとった。ノーベル賞もらうのも立派な研究かもしれない。しかし、学問は一人でやってるわけじゃない。学問をやることは飯だ。それを証明してやる。それが養老先生を作ったんですね。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

期待していた内容とは違いましたが、なんとか読み終えた、と言う感じです。ちょっと難しかったかなー。「バカの壁」を読んだ時も思いましたが、養老先生の世界は、ちと理解しにくいです。

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2024年08月09日

Posted by ブクログ

2007年「運のつき」を2016年に改題復刊した文庫本

氏のこれまでの叙述の根拠のエッセイ。
時代を考えたり、自分にとっての時代を考えたり、考えることについて考える参考になる。

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2023年06月28日

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