養老孟司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
歳をとって死んでいくことについて、ふだん漠然と感じ始めたことを、話しているくだりに出会った。
養老氏と南直哉師というお坊さんの対談のところ。
「
南 「死ぬ」ということを考えるとき、いま、一番ボピュラーで人気があるのあ、こちらの世界からあちらの世界に行くという考え方でしょうね。しかしそれは、ただの「移動」ですから、基本的には、誰も死なないことだとも言えます。天国だろうが地獄だろうが、ともかく「同じ自分」が行くことになっている。 (中略) つまり、みんな「自己」というものがずっと続くと思っている。
(中略)
―養老先生はどう思われますか
(中略)
養老 はい。一つ防護策がありますね。自 -
Posted by ブクログ
色んな話題に話が飛ぶように見えて、どの難しい話題でも一つ一つの言葉にしっかりした芯があるなぁと感じました。今までに培ってきた知識や経験、色々な人との付き合いがこのお二人を作り上げてこられたのだと。
どんな難しい話題にもお互いについていけなくなることは全く無く、スゴい!のひと言でした。
お二人の読書にも驚かされました。
この本で感じたことは、
①自分を中心にした一方だけの意見ではいけないということ。
②日本人は同調しやすい国民性があるので流されてしまわないように。(鵜呑みにしない)
③多方向からの見方、聞く力を育てて、自分の軸を育てていくこと。(そして物事に柔軟に)
ということです。 -
Posted by ブクログ
人生の問題に正解はない、そもそも本に書いてあることを全部絶対正しいなんて思わないでくれ
実際に、何でも、「調べればわかる」「見ればわかる」というようなことはありません
ただし、人生でただ一つ確実なことがあります。人生の最終解答は、「死ぬこと」だということです。
気になったことは、以下です。
なぜ人を殺してはいけないのか
⇒ 二度と作れないもの だから
⇒ 殺すのは簡単、でも後戻りできない
人間が死ぬということが知識としてはわかっていても、実際にはわかっていない
そもそも、人間とは移り変わるもの。平家物語でも、方丈記でも、中世文学に流れているものは、人とは変わっていくものであると語って -
Posted by ブクログ
子どもへの過剰な配慮は、かえって成長を阻害するだけ。
この言葉に強く共感しました。今は学校でケガをするとちょっとしたケガでも問い合わせがくる。遊んでいてケガをするくらい、私たちが子どもの頃、よくあったし、子どもとはそういうもの。そういう経験を通して、「ケガをしない」体の動かし方、遊び方を知る。
「自分で考えることの大切さ」も書かれていたが、これもその通り。できる限り自分で考えられる子どもに育てていきたい。しかし、それには時間が必要。もう少し学習指導要領の内容を減らし、余裕をもたないと難しい。
国として方針の大転換を図る必要があると言える。 -
Posted by ブクログ
現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝 -
Posted by ブクログ
Audibleで途中まで聞いて、サブスクを解除してからも気になっていた一冊。
趣味の話から現代社会論まで、とても幅が広い連続対談集。養老先生も、ヤマザキさんも、すっごい読書家だ。すごくいろんなことを考えていらして、面白い。
『考えるのはカッコ悪い』
とか、
『賢そうな顔しやがって』
とか、果ては、
『暇だからいいわねー。』
だとか揶揄されるのは、いつから始まったんだろう。この本を読んでいると、考えることを止めたら、人間の一番面白いところをかっぱらわれることじゃないかと感じてしまう。考える材料として、知識は必要なのにそれが悪いみたいな言い草。なんだかものを考えていると悪いみたいな世