養老孟司のレビュー一覧

  • 日本の歪み

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    歪みについての考察。さくさく議論が進むので読みやすかったです。

    西郷隆盛が日本の歪みを背負い、最期を迎えたという見方を興味深く読みました。

    また、「何歳の時に何を経験したかという心の地層としての世代論」という整理がおもしろく、これからの自分のものの見方に活用していこうと思いました。

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    2023年10月31日
  • 「自分」の壁

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    体調が上向く布石となった価値ある本。自分なんて分からなくて当たり前との記述が目から鱗でした。
    『自分探しなんてムダなこと』
    『自分とは地図の中の矢印である』
    『自分以外の存在を意識せよ』
    本文中のこれらの意見に浸るうちに、脳みそが柔軟体操をしてるかのごとく、グニャっとして楽になります。
    養老孟司さんの本は大好きでたくさん読んでます。文章力が確かで柔らかくて癒されます。
    ただ、この本は興味のない箇所も多いので減点1。

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    2023年10月26日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • 「自分」の壁

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    ネタバレ

    養老孟司氏の本はサラッと読める。
    そして、「死」の壁等、他の本と内容が重複しているところもあり、私にとっては復習がてら丁度良い。

    日本では戦後「個性」「自己主張」という考え方が増幅した、というところはなるほどなと思った。
    細胞や細菌の話はすごく興味深く、自分という存在や意識というのはどこからくるのだろうと考えさせられる。

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    2023年09月30日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    文化を発展させることで、戦争をなくせる、とフロイトが言っている。
    まだまだ発展が足りないということか?と思いました。

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    2023年09月20日
  • 世間とズレちゃうのはしょうがない

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    養老先生の”クモは好きじゃない”っていう告白にびっくり
    したのは私だけではなく伊集院さんもだった。
    昆虫が好きだからって全部好きっていうのは
    誤解だな。

    途中に入るイラストがほんわか可愛い。
    私が好きだったのは大学の非常階段を
    養老先生が棺を担いでワタワタ降りるシーン。

    その時はすごく大変な思いをされたのだろうけれど
    こうやってイラストになると笑えてくる。

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    2023年09月20日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    世の中の大半は本当に重要なことを何ひとつ考えることなく(日々の瑣末なことすらも感じたり悩んだりするだけで「考えている」と錯覚するだけ)死んでいくから天才2人が代わりに丁寧に丁寧に順序立てて「なんで戦争すんのか、無くすとしたらそれは何によるのか」を書いて残してくれたもの?なのかしら。
    アインシュタインのトスアップ、フロイトのアタック。考えるんだよみんな、僕たちが戦争についての考え方のひとつの形を見せるよ、正解は用意出来ないけど、てな。
    養老孟司と斎藤環の解説も楽しい。
    カミソリみたいに薄い本なので読み手と場所、気分を選ばない本。

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    2023年09月11日
  • ヤマケイ文庫 養老先生と虫 ~役立たずでいいじゃない~

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    養老先生の本の中でも、だいぶ気楽に読みやすい本だった。
    前半は養老先生の頭の中の考えが書き出されている感じで、良くも悪くも他の既刊本と似ている。
    後半のラオス虫採り編は、虫採りでテンションが上がってしまってるのが読み手にも伝わってきて楽しい。ゾウムシの好き過ぎる感じが溢れている。
    虫を捕まえて観察しているのに、他分野の知識がありすぎて、植物学や地質学や化学や地球の歴史にまで話が飛んでしまうのが、改めて養老先生のすごいところ。

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    2023年09月04日
  • 老い方、死に方

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    対談の中で、随所に養老先生の深い言葉、考え方が伺え、幸せな読書時間でした。先生ありがとうございます!長生きしてください!

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    2023年08月24日
  • 老い方、死に方

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    歳をとって死んでいくことについて、ふだん漠然と感じ始めたことを、話しているくだりに出会った。
     養老氏と南直哉師というお坊さんの対談のところ。

    南 「死ぬ」ということを考えるとき、いま、一番ボピュラーで人気があるのあ、こちらの世界からあちらの世界に行くという考え方でしょうね。しかしそれは、ただの「移動」ですから、基本的には、誰も死なないことだとも言えます。天国だろうが地獄だろうが、ともかく「同じ自分」が行くことになっている。 (中略)  つまり、みんな「自己」というものがずっと続くと思っている。

    (中略)

    ―養老先生はどう思われますか

    (中略)
    養老 はい。一つ防護策がありますね。自

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    2023年08月20日
  • 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

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    色んな話題に話が飛ぶように見えて、どの難しい話題でも一つ一つの言葉にしっかりした芯があるなぁと感じました。今までに培ってきた知識や経験、色々な人との付き合いがこのお二人を作り上げてこられたのだと。
    どんな難しい話題にもお互いについていけなくなることは全く無く、スゴい!のひと言でした。
    お二人の読書にも驚かされました。
    この本で感じたことは、
    ①自分を中心にした一方だけの意見ではいけないということ。
    ②日本人は同調しやすい国民性があるので流されてしまわないように。(鵜呑みにしない)
    ③多方向からの見方、聞く力を育てて、自分の軸を育てていくこと。(そして物事に柔軟に)
    ということです。

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    2023年07月23日
  • ヒトの壁(新潮新書)

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    ネタバレ

     養老孟司さん、「バカの壁」は450万部超とか。軽度の肺気腫で糖尿病だけど、病院に行かないから健康だそうです。夜には死ぬという前提で毎日を始めている。「ヒトの壁」、2021.12発行。ウィルスにとっての人体は、ヒトにとっての地球以上になる。部分を見れば全体はぼける。ウィルス目線では、ヒトは大きすぎて見えない。専門家と官僚と政治家、目線の共有が不可能。→さすれば、意見交換はできないのでは? 著者は「こうすれば、こうなる」という意識からの脱却を提議されてますが、私には難しかったです。

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    2023年07月19日
  • 死の壁

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    人生の問題に正解はない、そもそも本に書いてあることを全部絶対正しいなんて思わないでくれ
    実際に、何でも、「調べればわかる」「見ればわかる」というようなことはありません
    ただし、人生でただ一つ確実なことがあります。人生の最終解答は、「死ぬこと」だということです。

    気になったことは、以下です。

    なぜ人を殺してはいけないのか
     ⇒ 二度と作れないもの だから
     ⇒ 殺すのは簡単、でも後戻りできない

    人間が死ぬということが知識としてはわかっていても、実際にはわかっていない
    そもそも、人間とは移り変わるもの。平家物語でも、方丈記でも、中世文学に流れているものは、人とは変わっていくものであると語って

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    2023年07月10日
  • 子どもが心配 人として大事な三つの力

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    子どもへの過剰な配慮は、かえって成長を阻害するだけ。
    この言葉に強く共感しました。今は学校でケガをするとちょっとしたケガでも問い合わせがくる。遊んでいてケガをするくらい、私たちが子どもの頃、よくあったし、子どもとはそういうもの。そういう経験を通して、「ケガをしない」体の動かし方、遊び方を知る。
    「自分で考えることの大切さ」も書かれていたが、これもその通り。できる限り自分で考えられる子どもに育てていきたい。しかし、それには時間が必要。もう少し学習指導要領の内容を減らし、余裕をもたないと難しい。
    国として方針の大転換を図る必要があると言える。

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    2023年07月02日
  • 死の壁

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    神に愛された人ほど早く死ぬと言う言葉
    自殺してしまった友達もきっと愛されたから死んでしまったのだろう
    都市化が進んで人の心は離れて行ってしまっている。
    しかし、3人称の死が増えてもなお、心が痛むのならきっと人は性善説である証明なのだと思う。

    全ての人間を愛せなくてもせめて目の前にいる大切な人を愛したいと思った。

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    2023年06月29日
  • 「自分」の壁

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    「自己」についての意識について考えさせられた。

    西欧の「個性」「自己主張」が善とされ、それを日本にも取り入れようと教育や社会で「自分らしさ」が叫ばれているけれど、日本には自己をなくし共同体で生きる文化が根付いているという文化的背景を無視したまま他の文化から来た価値観を取り入れるのは、一旦ちょっと待ったをかけてもいいのかもしれない。

    自然との触れ合いについて何が分かるのかは「やってみればわかる」としか記述されていなかったので気になってしまった。

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    2023年05月06日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
    この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝

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    2023年04月28日
  • 遺言。(新潮新書)

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    「意識」「感覚」というものについて、神経や解剖生理学の立場から書かれている。数式が出てきたり、哲学的な内容に触れたり、社会問題に物申したりと、著者の見識の深さに唸らされる。理論的な正しさだけを求めるのではなく、感覚的な部分ももっと大事にしてよいのだなと感じて、どこか安心した。

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    2023年04月26日
  • 地球、この複雑なる惑星に暮らすこと

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    Audibleで途中まで聞いて、サブスクを解除してからも気になっていた一冊。

    趣味の話から現代社会論まで、とても幅が広い連続対談集。養老先生も、ヤマザキさんも、すっごい読書家だ。すごくいろんなことを考えていらして、面白い。

    『考えるのはカッコ悪い』

    とか、

    『賢そうな顔しやがって』

    とか、果ては、

    『暇だからいいわねー。』

    だとか揶揄されるのは、いつから始まったんだろう。この本を読んでいると、考えることを止めたら、人間の一番面白いところをかっぱらわれることじゃないかと感じてしまう。考える材料として、知識は必要なのにそれが悪いみたいな言い草。なんだかものを考えていると悪いみたいな世

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    2023年04月14日
  • 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

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    ネタバレ

     コロナ(疫病、生物兵器?)とウクライナ戦争に共通するものは日常性の破壊。老齢になると最も根源的なのは日常性。環境問題とは日常性の維持問題。環境問題は議論するだけの問題から、日常性の問題になった。養老孟司・池田清彦対談集「年寄りは本気だ」、2022.7発行。エネルギー問題は水力も風力もバイオマスも太陽の活動に依存。食料も光合成で太陽に依存。地球の一次生産には限界がある。人間はそれを野生動物とシェアして生きていかなければならない。持続可能な一案は、日本の里山。電力より薪割り、そして、自給自足。

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    2023年04月04日