養老孟司のレビュー一覧

  • 日本人はどう住まうべきか?

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    二人の対談が純粋に面白かった。
    震災以前は、建築は津波に対してはノーマークだったのには驚いたが、100パーセント安全なんてものはないから、「だましだまし」やるというやり方が、きっと一番必要な姿勢なのだろう。
    国策としての都市計画も大切かもしれないが、個々人が気持ちよく生活できる環境というのが何よりも大切だ。戦後の都市計画が、環境をダメにしたのであれば、これからはもう少し長い目で、企業も国も考えてほしい。
    建築、解剖学に著者なりの共通点があったのも興味深かった。

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    2014年10月22日
  • まともな人

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    ネタバレ

    少し前に、本著の少し後に書かれた「こまった人」について、『優れた著述者でも、政治向けの文章を書くと、内容が何か痛々しい感じになる場合がある。』なんて評しました。本著も小泉内閣やテロ、教科書検定等々、政治向けの事は書かれていますが、こちらはご自分の専門(解剖学・脳)に軸足をきっちりと残されているので、痛々しい感じは無し。

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    2014年10月19日
  • 本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー

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    抽象論で演繹的に考えるのではなく、モノに落として帰納的に考えることが必要。そのためには見る力、受け取る力が必要で、結果本質が見えるようになるということだと理解する。

    農業・エネルギー・環境から日本の社会を論じているが、上記の視点からまさに日本の本質を言い当てていると思う。

    「意見が異なるものに目を向けるということ」をはじめいろいろと気づかされる。

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    2014年10月05日
  • 考える読書

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    「小説推理」に養老先生が連載していたものが単行本化され、さらに題名を変えて新書化されたもの。だから初めは正直、タイトルと内容の齟齬に少し戸惑ったが、読み進めていくうちに、だんだん養老節に引き込まれていった。養老先生の考え方、視点、私は好きだ。
    あの「バカの壁」は、この連載の途中で売り出されてヒットしていたもので、実は私はまだ「バカの壁」を読んでいないので、先にこちらを読めて正解だったかもしれない。
    それにしても、帯などに書かれている、出版社が用意したこの本のキャッチコピー、全然違うと思うんだよな・・・。養老先生言うところの、出版社は本を売らなければ「ならない」ゆえのうたい文句なんだろうけど、正

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    2014年08月26日
  • 本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー

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    ネタバレ

    副題の「環境・食料・エネルギー」について元建設省官僚で河川事業に詳しい竹村公太郎氏と、教養においての大家養老孟司氏の対談。環境問題は非常に難しい。また「日本の食と農」の神門善久氏を加えた鼎談もあり、現在の問題点が詳らかにされる。簡単な解決方法はないのだけれど、現実にこうした知の積み重ねで物事が進んでいることを願わずにはいられない。

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    2014年08月12日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    ネタバレ

    最適解を足していくと「合成の誤謬」というやつが乗じますよね 自然災害の少なさ、規模の小ささは、自然への畏怖の勘定を失わせ、人間を傲慢にする。現場主義を衰退させる 忘れてならないことが一つある。現場主義の大前提は夢が存在することである 

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    2014年08月11日
  • 耳で考える ――脳は名曲を欲する

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     音楽とは?とか、クラシックと歌謡曲とは一体何がどう違うのか?という、取り付くしまもなさそうな疑問を持ち続けてきた。本書のような対談式の音楽論本を読み漁っているが、今だ満足のいく納得感が得られない状況。音楽家と解剖学者の対談、というちょっと変わった取り組みでの話の進行は非常に面白いものがあった。養老先生のずばり言い切るところは小気味いいくらい。
     しかし、読後、まだまだもやっとした感覚が頭から抜けずにいる。いましらばくこの道は続くのか、というところか(猛烈な解決要求があるわけではないが、興味がつきないので、類書は今後もあたっていこうと。本書はその意味で、また別の音楽への視点を得るきっかけをくれ

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    2014年07月16日
  • 考える読書

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    ネタバレ

    意外なことにミステリーとファンタジーをよく読まれている養老先生。話はしかし読書にとどまらずやはり人間とはなにかという深遠なテーマに飛びがちであり、その逸脱具合が面白い。気楽に読めるエッセイ。

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    2014年06月27日
  • 寄り道して考える

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    養老孟司氏と森毅氏の対論本。本書では、現代人の抱えるジレンマ的思想や、脈々と受け継がれる「非国民」の文化、「逃げられない」社会を解剖していく。
    非常にテンポが良く、読むと元気づけられたり、襟を正したくなったりと身になる濃い内容。
    特に連歌連句から続く「場の文化」という考え方にはうなずくばかり。人と話すことでブレイクスルーって生まれるよね。

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    2014年06月17日
  • 涼しい脳味噌

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    解剖学という、華々しい医学の最前線から少し距離を置いた学問を専門とする著者が、いわば後衛の位置から、さまざまなテーマについて論じています。

    文系・理系の壁を越える著者の博識に裏打ちされた洞察と、独特のユーモア・センスが楽しめる本です。

    しかし、虫の話がつづくところは、勘弁してほしいと思ってしまいました。

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    2014年04月21日
  • 養老孟司の大言論I 希望とは自分が変わること(新潮文庫)

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    我が意を得たり。本質だ。
    「もっとはっきりいえば、実情としては当時は戦争以外に娯楽がなかったといってもいい。なにしろふだん庶民は食うや食わず。生きるのに精一杯なら、戦争は格好の娯楽であろう。それを不謹慎だと怒るのは勝手だが、真面目な答えが正しいとは限らないのが政治である。なぜなら政治は人間全体を相手にするもので、人間はいつでも真面目だというわけではないからである。しかも真面目でなければ、ゆえに不真面目だという、二分法も成り立たない。真面目と不真面目が同時に共存するのが人間である。戦争は政治じゃない。ここでそう思った人のために付け加えるなら、クラウゼヴィッツの言葉を借りるまでもなく、戦争は政治の

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    2014年03月15日
  • 日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う

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    基本的に若者批判なので、若い世代の人間としてはいい気持ちはしません。
    基本的に「何かで成功した人」の話なので、その「何か」を礼賛するものになっています。
    が、示唆に富んだ文章がそこここにあり、がまんして読めば得るものがあるなと思いました。

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    2014年01月06日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    隈さんを知ったのは何だったかな?
    何かのTVなのは確か…で、養老先生との対談本だから、即買いしてやっと読み終えた。

    だましだましやる…またしても名言だ! もう一つ、人は適応力が優れてあるから悪い環境でも適応してすぐ馴染んでしまう。

    勉強になりました。

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    2014年01月06日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    どの場所に対してもカンペキな建築というのは、そもそもムリ。だからと言って諦めるのではなくて施主とデベロッパーがアイデアを出しながら納得できるものを建てることは可能。しかし今の分業制の建築方法では、責任の所在がどこにあるのか不透明で誰が何を求めた建築物なのかがよくわからない。

    (隈)津波から命を守る建築物といったら「地下」シェルター。土地の上の建物で地震にも津波からも逃れられるカンペキなものを求めるから問題が難しくなる。
    だったら「だましだまし」の思想で、とりあえず津波から命を守るために「地下」に逃げ込める設備を作る。津波の表面は波の力が強いけれども、下はわりと弱い。

    ・ユートピア主義→どん

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    2013年10月20日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    「バカの壁」の養老孟司氏と建築家隈健吾氏の対談集です。

    普通のおっさん的風貌の隈氏にはいつも親近感を感じますが、建築家ですので当然建築や都市計画への思考は深く、そこに養老氏の思考と絡まれば、単なる住まいや住み方のテーマから一気に飛躍しそうでなかなかしない感じがとても読みやすかったです。

    隈氏の建築家としての個性があまり出てこないのは養老氏の懐の深さだと感じました。

    大規模建築を独り歩きさせず、人目線から建築を見つめ直す視点は、その前提として、人間的な思考を繰り返してこそ得られるものだと感じました。

    あまり専門的になり過ぎず、難しい言葉も少ないので一気読みできました。

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    2013年10月16日
  • 唯脳論

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    残念ながら、自分が理解するにはまだ程遠い。
    他の書物を読み耽ってから再挑戦。
    以下項目抜粋。

    ・ヒトが人である所以
    ・心は脳から生じるか
    ・自己言及性の矛盾
    ・死体は存在するか
    ・神経系とはなにか
    ・脳の構成要素
    ・神経細胞のはたらき
    ・計算能力について
    ・脳に起こることだけが存在する
    ・「考える主体」は要らない
    ・眠りは生の一形式
    ・意識の生物学的意義
    ・言語の身体性
    ・失「音楽」症
    ・時間と自己同一性

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    2013年10月07日
  • 本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー

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    現在の情報社会においてモノを忘れつつある。
    モノは五感で捉える本質的なこと。この本を読んで自分がすでに見失っているモノを知らされました。(知らないだけというのもありますが…)
    本質を見抜いていかねば!!

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    2013年09月01日
  • 唯脳論

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    脳は脳のことしか知らない、他の臓器もまたしかり、っていう発想は斬新す。言われてみればなるほどだけど、どうしても、人間は脳中心で動いてる、って観念にとらわれてしまうし、それが当たり前と思ってしまうから。でも、当たり前を疑うことに興味津々な今日この頃、唯脳論も魅力的な理論に思えました。

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    2013年07月21日
  • 日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う

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    食卓のあり方を改める一冊となりました。
    毎日、食卓を一家で囲む。これはどんなに忙しくても実践していきたい。

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    2013年09月08日
  • 唯脳論

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    僕では理解が難しい。でも、とても興味深い内容でした。
    何度も読み返して、理解したいと思える本だと思います。

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    2013年05月13日