あらすじ
人は死んで、いなくなる。ボケたらこちらの勝ちである。人生に多少の危険はつきものだ。若者に独創性を説くのは害であろう。教育の本質は「人を変える」こと。自分がどういう面で変わり、どういう面で変わらないか、歳を取ってもわからない。そこに、希望がある。世界が変わるのではない、自分が変わるのである――。9年間40万字を費やした連載の集大成、「大言論」シリーズ第1巻。
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Posted by ブクログ
季刊誌「考える人」に2022年夏号(創刊号)から34回にわたって連載。本書はそのうち最初の11回分を収める。もとの連載タイトルは「万物流転」。書名はこれでもよかったよう気もする。
各回、ワンテーマ、20ページ。まえの回とのつながりも考え、かつその号の特集とも絡めながら、論を展開する。ほころびやだぶつきもなく、きっちりまとめるあたりは、ほんとうに職人芸。
半分ほどが紀行。イギリス、コスタリカ、島根、紀伊半島、京都、その地の風物や人物が刺激となって、思索を引き出す。どこでも昆虫が少しだけ顔を見せる。
Posted by ブクログ
養老先生はいつもいいこと言うなあと思う。教育は人を変えることで、今の情報化社会の情報は変わらないもの。難しかったけれど、面白くて、最後まで必死で読んだ。
Posted by ブクログ
我が意を得たり。本質だ。
「もっとはっきりいえば、実情としては当時は戦争以外に娯楽がなかったといってもいい。なにしろふだん庶民は食うや食わず。生きるのに精一杯なら、戦争は格好の娯楽であろう。それを不謹慎だと怒るのは勝手だが、真面目な答えが正しいとは限らないのが政治である。なぜなら政治は人間全体を相手にするもので、人間はいつでも真面目だというわけではないからである。しかも真面目でなければ、ゆえに不真面目だという、二分法も成り立たない。真面目と不真面目が同時に共存するのが人間である。戦争は政治じゃない。ここでそう思った人のために付け加えるなら、クラウゼヴィッツの言葉を借りるまでもなく、戦争は政治の一手段である。」(230ページより)
Posted by ブクログ
長年、拒否し続けてきた養老孟司だがとあるTV番組で著者の言葉を聞き、考え方が私に合ったのでとりあえず、この本から読んでみようと思った。しかし、アホな私にはここに書かれている事は難しく、理解ができない部分というのも多々あったが新しい思考を吸収するためには自分なりに文章を解釈するしかない。頭がパンクしかけなのでまた、再読せねばとは思う。