あらすじ
戦争のおかげで変わり、学んだ世代の私は、大学紛争を経てオウム事件を機に大学を辞めた。「日本に思想はない」というが、そもそも人は、何かを信じなければ生きられない。傷つかないで終わるのが、理想的人生だろうか。政治、環境問題、宗教、歴史、科学――嫌いなものを突き詰めてこそ、わかってくることがある。内田樹氏との特別対談を収録した、「大言論」シリーズ第2巻。
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Posted by ブクログ
2011年刊。もとは季刊『考える人』に長期連載された「万物流転」(2002-2010)。本書は連載全33回中のなかほど、11回分を収める。
書名「嫌いなことから、人は学ぶ」は、釣りタイトル。そのようなエッセイが入っているわけではない。11回それぞれのテーマは多様。とくに興味深いのは、ブータンやラオスの奥地から始まるエッセイ。もちろん、どちらもチョウの宝庫で、訪問の裏の動機はそれなのだが、でもエッセイでは、その地から、現代の日本や日本人について考えている(『考える人』だもん)。ラオス在住のチョウ採り名人、「ほら吹き男爵」風の若原弘之氏が2回にわたって登場する。その自然体の生き方がおもしろい。(『考える人』の連載のほうには、若原氏を撮ったスナップが掲載されている。)
巻末付録は内田樹との対談。西洋言語には、なぜ定冠詞と不定冠詞があるか、日本語にはなぜ「は」と「が」があるか。認識論や言語進化の関連する問題で、興味をそそられる。ところが話は尻切れトンボ。困るよな、好奇心を焚きつけておいて、いなくなるんだもん。あとはこちらで調べてみるしかないじゃん。