あらすじ
養老孟司が世の中の動きを定点観測。小泉内閣発足も、9・11同時多発テロや北朝鮮問題も、地球温暖化論や「新しい歴史教科書問題」も、何か通じるものがある。二一世紀最初の三年間の出来事とそれらをめぐる人々の姿から、世界と世間の変質をズバリ見通し、現代にはびこる「ああすればこうなる」式の考え方に警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
2001年から2003年にわたって書かれた、著者の時評を収録した本です。
歴史教科諸問題や9・11の同時多発テロなどの事件が扱われているのですが、同時代に書かれたとは思えないほど、冷静な視線で問題の本質を指摘しています。
解剖学という、死体と向き合う仕事に長年従事してきた著者が、こうした社会を冷静に分析する視点を獲得したということが、興味深く思えます。
Posted by ブクログ
少し前に、本著の少し後に書かれた「こまった人」について、『優れた著述者でも、政治向けの文章を書くと、内容が何か痛々しい感じになる場合がある。』なんて評しました。本著も小泉内閣やテロ、教科書検定等々、政治向けの事は書かれていますが、こちらはご自分の専門(解剖学・脳)に軸足をきっちりと残されているので、痛々しい感じは無し。