養老孟司のレビュー一覧

  • 身体巡礼―ドイツ・オーストリア・チェコ編―

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    ヨーロッパの死生観と身体性。
    前半で語られるハプスブルク家を代表とする貴族、並びにユダヤ人の埋葬習慣は、現代の日本で主となっている火葬になれた人間としては非常に奇怪な風習に感じる。読み進めていく中に示唆される、「死者」との距離とその結果としての身体性を表現した墓のあり方が、年齢を重ね親族の死に立ち会う回数の増える自分には非常に興味深かった。

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    2017年01月07日
  • 赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学講義録なのだ!

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    赤塚先生生誕80年記念「バカ田大学」講義録。
    泉麻人氏の「シェー論」を皮切りに赤塚ワールドにどっぷり浸ろうかと思ったのだがなにか雲行きが怪しい…みうらじゅん氏は孤高のマニアックネタ全開で畳み掛けて来るし坂田明氏に至ってはミジンコを壮大に語り出す始末!そう、この講義のお題は作品論ではなく赤塚イズムの根源にある「バカについて」だったのだ。
    で気を取り直して各氏の講義に耳を傾ければやはりみなさん一芸に秀でたバカばかりで読めば納得の充実感。
    このスピリッツを受け継いで行かねばこの国は亡びるぞ、灰色のシャム猫は言った「悪バカは良バカを駆逐する」と…これでいいのだ

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    2016年10月13日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    養老孟司氏が、4人の理系知識人と行った対談内容が書かれている。
    文系理系を対立構造と見るのではなく、「言葉」や「社会」など、文系のフィールドで研究されている概念について、理系的に考え話し合っている。

    4人との対談で共通して感じられるのは、「前提」に対する疑義の持ち方だ。思考をスタートさせた時の「前提」について、より深く見ていく必要があるということが再三再四書かれていたと思う。

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    2016年02月20日
  • 考える読書

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    読書案内かと思ったけど、実際のところは、そのときに読んだ本を紹介しながらの、エッセイ集でした。もちろん、結構な勢いで絶賛されている本とかもあって、そういう中でちょっと読んでみたいと思うようなものもちらほら。虫の話が大部分で、あと人付き合いとか、解剖の話とかもちょいちょい出てきて、って感じで淡々と進みます。そういえば京都の漫画博物館の館長ですもんね、養老先生。そりゃミステリーやらファンタジーについても造詣は深いわけです。

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    2016年02月04日
  • 世につまらない本はない

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     養老孟司、池田清彦、吉岡忍が、読書について、テーマ毎に語った内容を記した本。
     養老孟司の本の読み方は、作者の意図や想いを行間から読み取りながら読む。なぜ、この部分が書いていないのかとか、逆に無いものからその意図を読み取る。非常に難しいが。
     読み聞かせについて。子供に本を読み聞かせる効果は、読んだ内容は全く意味がないとバッサリ。ただ、お母さんが笑顔で、愛を持って読み聞かせることで、子供は愛されていることをカラダで感じる。インプット、変換、アウトプット。その流れのなかで、そのインプットの多様性がまずは大事であると。
     中盤からは、読書についての放談会。「温泉教授の日本百名湯」が寝床で読む本だ

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    2016年01月31日
  • 世につまらない本はない

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    本に対してこれだけ熱く語れるということは、やはり読書の量が半端なく多いと言うことだと思う。
    なんの本でも受け取りかたで糧になると思う

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    2016年01月12日
  • 「身体」を忘れた日本人 JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES

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    20151213 ほんの50年前の日本に戻る事。簡単なようで難しい。便利なとこと必要な不便を正しく判断できる感覚が必要。この先の自分にできることが何かあると考えさせられた。

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    2015年12月13日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    森博嗣さんの本で、この対談集を知って購入しました。
    普段殆ど考えずにルーチンワークをこなす身としては、非常に劣等感を刺激される内容でした。
    ただ、専門家がその道を頑張っていることがわかりました。
    理系側の風景がわかって、良かったです。

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    2015年12月11日
  • 復興の精神

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    この本の企画がいいなと思った。
    有事のあとに、我々は何をするべきか、どう考えるか、、、ということを、新潮新書編集部が発したいというに対して著名人が正面から応えた…ものとなっています。

    養老孟司氏の著書は何冊か読んできていますが、この原稿だけでも氏の集大成のような感じさえしてしまうほど、明確で深みのある言葉だと感じました。

    また、普段のモヤモヤを南直哉さんの言葉によってスッキリできました。
    この両名が個人的にはとても面白かった。

    軽い気持ちで借りたけどすごく重みのある書だった。
    本当に、悩める学生たちに読んでほしい。

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    2015年11月17日
  • ねこバカ いぬバカ

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    ベットと人間の区別なく生と死や病気と治療に対談形式で語り尽くした一冊
    誰にでも訪れる死を前向きに捉えられるようになる

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    2015年11月09日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    今の自分が日常生活のなかで問題意識として感じていることが(特に第1章)、全くその通り書かれている。特に、「前提を吟味しない」「考えないで答えを探す」等。

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    2015年09月26日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    タイトル通りの内容とは思えません。
    タイトルに「壁」を付けて養老先生の本を売らんとする出版社の根性が気に食わないです。

    副題は「理系の対話で人間社会をとらえ直す」ですが,本書の対談相手である2名の理系研究者と1名の元理系研究者ほどの人々であれば,間違いなく自分の研究が人間社会の中においてどのような位置にあるかを考えながら活動をしています。
    主題にせよ副題にせよ,本書の内容をズバリ捉えたものとは到底思えませんでした。

    しかし,養老先生の示唆に富んだご意見や,対談相手のフィールドの素晴らしさなど,知性溢れる対談本として魅力的な内容の一冊だと思います。

    でも,くどいですが,タイトルは大切ですよ

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    2015年09月11日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    養老さんの対談集。
    コミュニケーションは文系の領域、技術は理系の領域、などと区別するのはもはやナンセンスだと実感するお話ばかり。
    ハコスコの藤井さん、毎日新聞記者の須田さんのお話が特に面白かった。

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    2015年08月02日
  • 養老孟司の大言論III 大切なことは言葉にならない(新潮文庫)

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    この本に書かれていることを「普通」に理解するだけでも相当な下地が必要。それに加えて「別に分からないならそれでもいいよ」というような著者の姿勢も感じたりして、より一層理解が難しい(笑)
    知性のある人の考えていることは本当に面白いし参考になる。

    つまるところ現代人がいかに頭でっかちで絶対的だと思っている言葉という幻に振り回されているか?なんだとおもう。
    それでも人間は愚かでいることをやめられない。

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    2015年07月23日
  • 耳で考える ――脳は名曲を欲する

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    非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。
    対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。

    やや年寄りの説教じみた所が目につくが
    、普段教授として学生に接していることで感じている憤りが根底にあるのだろう。まぁ、自分は納得いくことばかりだったけど。

    それにしても、知的な人の話は面白い。

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    2015年07月19日
  • ねこバカ いぬバカ

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    ねこ好きの養老先生と犬好きの近藤先生の対談集。
    お二方のペットへの愛情はもちろんのこと
    お二人ともお医者様という経歴から
    ペットへの医療行為、ワクチンですら
    全く受けさせていないという話が
    とても興味深かったです。

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    2015年07月11日
  • 文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す

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    文科省が国立大学に対して人文社会科学や教員養成の学部・大学院の縮小や統廃合などを求める通知を出したというニュースを見ました。これは、文学部出のわたしにはかなり気になるニュースで、大学は職業訓練の場ではないよねという大前提をさておいても理系学部であればそれだけで「社会のニーズ」とやらに応えられるのか?が謎。さらに人文系に分類される社会学や心理学は文学部からみるとかなり理系(というか数学)の要素が強いように見えるし理系に分類される情報系の学部は文系っぽくない?と思ったり…じゃあ「文系」と「理系」ってどんな違いがあるのか知りたく読んでみました。
    まえがきを読んで、かなりすっきり。本文は第二章が非常に

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    2015年06月18日
  • 日本人はどう死ぬべきか?

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    建築家が対談相手なので、海外国内の土地建物や、国内の建築計画のエピソードに絡めて、人の死を考える本です。

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    2015年03月15日
  • 解剖学個人授業

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    ふんわりした本で楽しく読めた。何より、最後の養老氏の「死」に関する語りが、高校の終わりの頃か大学生の頃に私が考えていたことをハッキリとさせてくれて、とてもスッキリした。

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    2015年02月28日
  • 「自分」の壁

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    ネタバレ

    世界一受けたい授業に出演させているのを見て、読みたくなった。

    テレビでは、インターネットはすぐに答えが分かり自分で考えなくなる、自分の壁を越えられない人は、毎日掃除をしないと気がすまない人・他人を妬む人、という話をしていた。さてさて、どんな内容だろうか。

    ・・・今日のなるほど
    好きじゃないことで上手になろうとしたら、大変な努力がいる。しかも最終的にはうまくいかない。
    われは我がとがを知る。我が罪は常に我が前にあり。

    自分とは、地図の中の現在位置の矢印。矢印を消していけば、自分と地図が一体化する

    言葉が動かすことがでかるのは人の考えだけ。その結果、その人が具体的に動いたときに、初めて現実

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    2023年02月12日