養老孟司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
養老先生のことを、もっと知ってみようと思った私が手にしたのがこの作品です。養老孟司先生は、1937年生まれ…お元気ですよね!東大医学部卒で医師免許を得るも臨床の経験はなく解剖学の分野で活躍されたらしいです。実は、生物学にも精通され、虫の分野ではスゴイ方だったんですね…。
という、養老先生ですが、医者嫌い…50代後半で受診して以降、検査も受診もされていなかったけど、なんだか調子が悪い、そういえば体重も昨年から比べて15㎏も減ったと、26年ぶりに病院に受診されます。そこで、かつての教え子だった中川先生から、心筋梗塞であるとの診断を受けて入院することになってしまいます。
最低限の治療をして -
Posted by ブクログ
ヤマザキマリの事をよく知らず、前半は、会話のおうむ返しも多いし、本当に虫好きなのかを疑いながら養老孟司に擦り寄っているだけみたいな失礼な見方をしていたが、私の誤り。凄い素敵な人だった。息子さんも登場してくるが、自然な参加で心地良い。
虫の話が多い。そこから敷衍して考える世界観もあるし、私も虫の話には興味があるが、しかし、中々な、虫談義で胃もたれ。
地球そのものは、ただある存在。目的に向かって駆動したり、意思を持つものではないと思う。それを複雑と捉えるならば、恐らくそれは、主体の感性が勝手に複雑化してしまっているのだろう。虫はどうか。虫は目的のためだけに存在しているという気がする。この本書の -
-
Posted by ブクログ
本書は養老孟司の各講演会の内容をまとめたものであり、一般向けに分かりやすく書かれている。そのため、今まで出版された著書の総集編的な性質を持ちながらも、新たな視点や整理が加えられている。唯脳論から脳化社会に至るまで、養老氏の思考が繰り返し、異なる言葉で解説されることで、読者により深く浸透していく構成になっている。
都市は脳化の産物であり、人類は環境をコントロールすることで文明を発展させてきた。その過程で、労働もまた人工的なものとなる。しかし、自然との対立という問題が生じる。異常気象や地震といった天災だけでなく、女性の懐胎や子供の振る舞いも自然なものであり、完全に管理することはできない。性的 -
Posted by ブクログ
ネタバレ知に関してふわふわと思っていたことが、言語化され、そして脳の構造等によりその根拠もかかれ、理解できた。
バカの壁とは、自分が知りたくないことについて自主的に情報を遮断してしまってる状態のこと。それも無意識で。
自分が知らないことを知ることができない。だから、自分が井の中の蛙だと自覚して、一つ一つの知識をを掴み取っていかなければいけないと思った。
変わっていくことは当たり前ということを養老さんが言っていて嬉しかった。知るということは自分が変わること。同じ桜でも、がんを宣告されて来年見られないと言われた後と前ではちがう。前のこと思い出せない。知るとはそういうこと。
だからどんどん変わっていい。 -
Posted by ブクログ
明治維新後の日本史を紐解きながら、日本社会のさまざまな矛盾を指摘して、現代社会の「生きづらさ」の原因に迫る対談集。
天皇・戦争・憲法などのトピックは、学校の授業で「歴史はこういうものだ」と習って、機械的に「そういうものだ」と覚えたため、議論することも無ければ、問題にすら感じていなかった。そのため、私はいろいろな矛盾に気づくことができない。また、複雑に絡み合う事情に正面から向き合う知力が無いので、何となく「生きづらさ」だけを感じてしまうのだろうか。一方で、単純化して発信されるような情報に飛びつきやすい(イチイチ反応しやすい)のかも知れない。
教養があり、ウィットに富んでいる3人の対談がスピード感