養老孟司のレビュー一覧
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本書は2005年に岩波書店から刊行された単行本を文庫化したもの。「笑い」というものの本質について小樽での講演会とシンポジウムにて真剣に論じたものを書籍に纏めた。講演は、臨床心理学者の故・河合隼雄、解剖学者の養老孟司、そして作家の筒井康隆。シンポジウムの方は、この3名に女優の三林京子と特定非営利活動法人絵本・児童文学研究センター理事長の工藤左千夫が司会として加わる。
「笑い」と「健康」との関係から始まり、様々な事象と笑いとの関連性について次々と話が展開していく。笑いだからと言って決して楽しい内容ではなく、各人が自分の専門または広い知識を基に、極めて真面目に持論を披露していく。シンポジウムでは各 -
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【メモ】
「ルールを作るとシステムが出来る」
・人はルールや秩序を作りたがる。
・ルールを作るとシステムが出来上がる。
・出来上がったシステムは容易には壊せない。
・多くの人は今あるシステムを維持しようとする。
・システムに組み込まれると自由がなくなる。
・システムに組み込まれ過ぎると不機嫌になる。
・きっかけがないとシステムからは抜け出せない。
・システムからは抜け出した方が気楽。
⇒会社なんてだいたいコレ。
「3つの世界(カール・ポパー)」
・世界1:物質の世界。現実世界の物。
・世界2:情報の世界。科学や言葉など。
・世界3:心の世界。個人の心の中。
⇒自然科学とは世界1から世界2に移 -
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養老孟司氏のエッセイ集。自分とは何か突き詰めて、言いたい事をかなり周りに配慮しながら書いている印象がある。優しい文章で書かれているので言いたい事が直接伝わってくる。
『真面目な人ほど自分が世の中を変えねばと強く思いますが、大抵の人は目の前のことをやるので精一杯。その精一杯をやっていくうちに、時折世の中の役にたつ、それくらいでいいのではないでしょうか』
『目の前の問題から逃げてしまう方が効率的に思えるかもしれません。ところが結局はその手の問題にぶつかって立ち往生してしまうものです。何かにぶつかり迷い挑戦し失敗を繰り返して、どの程度の負担なら自分が飲み込めるか判断し、自分で育ててきた感覚の事を「 -
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昔、学生の頃に『バカの壁』で知った養老先生。
なんで先生なのかも知らなかったけど、医学部を出ていて、解剖学を通して何人もの死体を見てきたからこそ語れるような話だった。本書は養老先生が話したことを出版社のかたがまとめて文章にしたもの。
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■以下、勉強になったこと。
●国によって死の概念や扱い方が違う。
⇒脳死、中絶、安楽死
どの点から死亡したと判断を下すのか。
●人間が情報化した
明治時代につくられた戸籍制度。
一度生まれたら名前が変わらないことになった。
(それまでは幼名、元服後に名前が変わる)
●生と不可欠のマイナス面を排除し -
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ネタバレ『バカの壁』を読み終えたときよりも、『超バカの壁』を読み終えたときの方が、自分がいかに一元論的な考えをしていたかを感じた。
私は最近本を読むときに、何か一つの正しい答えを探していたように思う。科学や学術決められた「ああすればこうなる」を求めて。だが本書を通して、必ずしも一つの答えにたどり着く必要はないと感じた。
また、仕事について書かれた次の文章が印象に残った。
「仕事というのは、社会に空いた穴です。(省略)自分に合った穴が空いているはずだなんて、ふざけたことを考えるんじゃない、と言いたくなります。合うとか合わないとかいうよりも大切なのは、いったん引き受けたら半端仕事をしてはいけないという -
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バカの壁でおなじみ、養老センセイと、楳図かずおさんの対談。いつやったんだろうと思ったら、1996年発行の対談が底本とのこと。30年も前!まだ私も学生の頃だ!
これは、その頃に読んでいたらまた面白かっただろうし、その後、社会に出てむにゃむにゃした時にも読みたかった。いつ読んでも考えるヒントになるだろうな、と思える本でした。
対談形式なのと、養老センセイが専門用語をあまり使わず説明してくれるので、ついスイスイ読んでしまう。
で、楳図かずおさんが的外れな例えをしたり、それってどういうこと?と聞き返したりして養老センセイが再説明するのを読んで、ふむふむ、と。
養老先生に臆せず突っ込んでいく楳図先生、 -
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物事の本質を見抜く人だから、一般人では気づかないところに目がいって大変なんだろうな。知識の幅も広いため、いろんな方面へ広く伸びながら結構な火力で自分の考えを述べていた。
おじさんが特定の団体や人物を名指しでのびのびディスるスタイルは、なんとなく吉本隆明さんを思い出す。ただのディスりだけでなく、抽象度高めで興味深い視点もある。しかし、家電製品の普及による女性の家事負担軽減で「暇になっただろ」発言は、2003年発行とはいえ、ちょっと価値観を更新できていないような気がした。
この本だけでは養老孟司さんの良さを知ることはできないと思うので、他の本も読んでみる。 -
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独身未婚中年男性の自分が読んでみました。
テレビなどで見る、養老先生のお話は好きなのですが、この本に関していえば、う~ん、決して悪い意味ではないのですが、毒にも薬にもならない感じ。
子どもを取り巻く環境などは、自分としては養老先生の仰るとおりであるとは思うのですが、現実日本社会ではもうそういう子育てはできない気がします。なので、一回日本は滅びるしかないのかなと・・・。
おそらく、大正生まれぐらいの人たちまでは、一生の間に価値観が大きく変わるということはこれまでの人類史でもほぼなかったはずなのですが(敗戦体験は例外)、昭和生まれ以降はもう、人生の間に価値観が変わっておかしくない世の中になりま -
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「バカの壁」は誰しも持っている。
2003年に書かれた本で、若干古い価値観なのは否めない。
ただ「バカの壁」というのは誰もが持っているというのは頷ける。
興味関心がなければ、どのようなことからも学べない。
逆に言えば興味関心を持てばどのようなことも学べるし、楽しい。
合わせて読むなら『暇と退屈の倫理学』と『夢を叶えるために脳はある』がおすすめ。
「理解した」と思うと、それ以上を吸収しようとしない。
個人的には第二章の脳の中の係数のお話が面白かった。なんかしらの入力があって、出力がある。その係数が0であれば何も起きない(興味がない状態)
係数が大きく、仮にマイナスでも絶対値が大きければ出力 -
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養老先生がご病気されていたなんて!
それにしても優しいお顔になられたなと思いました。
全体としては面白いわけではないですが、医療に対して養老先生の解釈を得られる本です。
プロローグが1番惹きつけられた。
「現代の医療をどう思うかと何度か訊かれたように思うけれども、その根本を考えたいとしばらくの間思っていた。でもなんだか面倒くさくなってきた。
一番のもとにあるのは、統計というものをどう考えるかという点である。
社会全体もそうだが、現代の医学は統計が優越している。統計は数字で、数字は抽象的である。では抽象でないものとは何か。感覚に直接与えられるもの、「遺言。」ではそれを感覚所与と書いた。『遺言。』